読書録 世界
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題名 初版発行日 |
感想 ・印象的な内容(一部要約したものあり) | |
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「強国」論 デビッド・S・ランデス 竹中平蔵訳 三笠書房 |
ハーバード大学名誉教授(歴史学・経済学)のデビッド・S・ランデスが書いた「The Wealth and Poverty of Nations」の日本語訳。慶応大学の竹中平蔵先生が訳している。また、表紙の帯に堺屋太一からの推薦の言葉が書いてある。 大航海時代以降の世界史を強者を中心に描いてある。そこには、弱者への同情などは存在しない。そのあたり、競争社会を理想としているように思える竹中平蔵や堺屋太一と考えが合うのだろう。落ちぶれた国というのは、みじめなものであり、誰かが助けてくれるなどという甘い考えは通用しない。ただ、他国にいいように利用されるだけである。 最近出された本には珍しく、日本と日本人のことを高く評価している。サミュエル・ハンチントンの「文明の衝突」では、日本は中国に遠く及ばないような書き方がされていたが、この「「強国」論」ではまるで反対のことが書いてある。富について書いた本だと、日本の評価は高くなるようだ。
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2 |
文明の衝突 サミュエル・ハンチントン |
日本を独自の文明を持つ国として特別扱いしてくれているのは嬉しい。しかし、米中が対立したときの日本の行動予測は悲しい。強いものにしっぽを振る国のように思われている。 |
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3 |
文明の衝突と21世紀の日本 サミュエル・ハンチントン 鈴木主税訳 集英社新書 |
本書は、1998年日本語訳が出版されたサミュエル・ハンチントンの「文明の衝突」の抜粋と、その後行われた公演の内容、発表された論文をまとめたもの。「文明の衝突」には、あまりに多くの事が含まれていたが、本書は、日本との関係を中心にまとめてあるので言ってることが分かりやすかった。 世界を文明を基準に分けた場合、近代的だから優れているとか、軍事力を持っている、などということよりも、どれだけその文明に属する国々、人々が多いか、ということが文明の強さを表す尺度になる。 なにかあったとき、どれだけ味方になってくれる国があるか、ということが大事なようだ。この視点から判断すると、日本文明に属する唯一の国、日本は世界の中で孤立している立場の弱い国、ということになる。よって、日本は一部の期間を除き、常にどこかの大国と手を結ぶことにより繁栄してきた、という結論に達する。今は超大国アメリカと手を結び、中国が超大国となれば中国と手を結ぶ、という情けない国、日本という実像が出来上がる。このページの一番上にあるデビッド・S・ランデスの「強国論」とは正反対の考えである。
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4 |
世界の教科書は日本をどう教えているか 別枝篤彦 朝日文庫 |
世界の国々は日本を誤解しているに違いない、と思っていたのだが、以外にも正確に記述している教科書が多かった。特に、発展途上国の日本に対する記述は、尊敬の念がこもっていて、読んでいてうれしくなる。一方、北欧あたりでは、未だ江戸時代の日本が紹介されている。 江戸時代、唯一ヨーロッパの国で日本と交易を持ったオランダだが、日本に対しては好意的ではない。第二次大戦でインドネシアを日本に奪われたことがひびいているようだ。 教科書制度の違いを知るにも良い本だった。教科書検定ばかりか、教科書というものが存在しない国もある。イギリスでは、先生が自分の判断で教科書となりうる教材を選定する。 |
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5 |
ユダヤ人の歴史 ポール・ジョンソン 阿川尚之、池田潤、山田恵子訳 石田友雄監修 徳間書店 上下 |
1987年に出版された「A HISTORY OF THE JEWS」の日本語訳。古代から現代までのユダヤ人の通史。 昨年秋に本書は出版されてすぐに、これは読まなければと思い購入したのだが、第1部の古代イスラエルの登場でつまづいた。ユダヤ教、キリスト教についてさほどの予備知識がなかったので、内容を理解するのに苦労した。 この本を読んで一番良かったと思ったのは、ユダヤ人は好戦的な民族ではない、ということが分かったことだ。第2次大戦後の歴史から判断すると、ユダヤ人は非常に戦闘的な民族と映るのだが、四千年の歴史は、ダビデ等の時代を除き、常に争いごとを避けてきた民族だったことを物語っている。 第1部 古代イスラエルの登場 創世記の時代から、紀元前600年頃のエルサレムの陥落まで。まるでなじみのない名前、地名、民族が頻繁に登場してくる。
第2部 ユダヤ教の成立 ユダヤ教とキリスト教の関係について説明してある。僕は今までユダヤ人とキリスト教徒の仲が悪い理由がいまいち分からなかった。キリストもユダヤ人なのに、キリストは神でユダヤ人は嫌いという思想に至ったのは何故だろうか疑問だった。どうやら本書を読む限り、とにかくユダヤ人が嫌い、という観念が先にあったようだ。キリストを殺したからユダヤ人を憎む、という思想は後から加えられたようだ。
第3部 中世の暗闇 今から考えれば信じられないが、この時代、ユダヤ人はアラブ人と比較的良好な関係にあったようだ。むしろ、十字軍によるユダヤ人虐殺など、キリスト教徒から激しく攻撃されていた。
第4部 彷徨えるユダヤ人 1648年〜1649年、ポーランドとウクライナのユダヤ人が虐殺されるという事件が起こった。農民の蜂起をきっかけしたものだが、記録によっては10万人のユダヤ人が死んだことになっている。これをひとつのきっかけにして、ユダヤ人の中にメシア待望論が高まってきた。
第5部 近代化の嵐 ロスチャイルド家こそユダヤ人の象徴だと思っていたが、実は、彼らはユダヤ人社会で非常に特異な存在であったようだ。
第6部 ホロコースト 民族絶滅の危機 ホロコーストへ至る道、そして第二次大戦中のホロコーストが詳細に述べられている。ドイツ、オーストリア、ポーランド、フランス各地での虐殺は行われていた。フランス人のなかにも、「最終解決」に協力しようとした人がいたとは知らなかった。イタリアは逆にヒトラーのユダヤ人絶滅には協力しなかったようだ。イギリスとアメリカは、ドイツのユダヤ人を積極的に受け入れることを拒んだ。 日本と比較される戦後のドイツのユダヤ人に対する補償についてだが、ユダヤ人に対する政府からの賠償金の支払いは満足がいくものだった。しかし、個人の道義的責任については回避した。オーストリアもユダヤ人虐殺については加害者なのだが、ヒトラーの野望の被害者という態度をとった。
第7部 新生イスラエル ユダヤ人がホロコーストに対して組織的に反抗しなかったのは、自分たちが選ばれた民だという自覚があったからのようだ。選民ゆえに、懲罰を神の意志によるものだと解釈し、逆らうことをしなかった。このように述べてあるが、とても信じられない。ユダヤ人全てにとって、宗教とは命よりも大事なのだろう。 この本をここまで読んでくると、第二次大戦によりユダヤ人の意識が変わったことがはっきり伺える。西へ東へ移動する民から、約束の地へ定住する民へ変わった。今までは、戦火を逃れていたが、自ら戦いを挑むようになった。しかし、決してユダヤ人が好戦的な民族ではないことは、本書を読めば分かる。
エピローグ
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