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トトロの部屋2 
<トトロの部屋2001>

のほほんエッセイ「トトロの部屋2」へようこそ。
ある日ある時にトトロが感じたことを、ありのままに書いています。
読みやすくするため、詩のように改行したスタイルでつづっています。
(2001年01月〜)


      「小 雨」
     
     朝,雨戸を開けたおばあちゃんが言った。
     「今日は,<こさめ>だね。」
     トトロは辺りを見渡し,目を凝らして探した。
     「おばあちゃん,どこにも<こさめ>いないよ!」
     おばあちゃんは,笑いながらそっと空から落ちてくる小さな雨水の粒を 
     指さした。
     「なんだ,雨のことだったのか。子どものサメがいるのかと思った。」
     トトロは真面目に考えて<子サメ>だと思っていた。
     何で空にサメがいるのか不思議だった。
     それから成長し,小学生になったトトロはダジャレの虜になっていた。
     ダジャレと言うと「くだらない」とか「寒い」とか言うが,これは言語が生んだ
     マジックであり,おしゃれであるとトトロは思う。
     韻をふんだ言葉,同音異義語・・・。
     トトロの愛読書の一つに国語辞典がある。
     国語辞典ほど面白い本はない。

      
      
「ハワイ語の面白さ」
     
    Aloha 。
     これは、「こんにちは」と「さようなら」が同じ単語です。
     「アロハ−」と発音する日本人が多いが、実際のアクセントは「アローハ」。  
     ちょうど、イタリア語で「中田」を「ナカータ」と発音するのにアクセントが似ています。
     
     Keiki。
     これはCakeではありません。 
     子どもという意味になっています。
     大きなホテルでは、よく「ケイキ・プログラム」というのを実施しています。
     つまりは,子ども用の遊びプログラムというわけです。
     私は、最初Cakeの食べ放題かと思いました。(笑)
     (^_^;)危ない、危ない。
     危うく,子どもを食べるところでした。(笑)
     
     Ono。
     これはゆっくりと発音してはいけませんね。
     わかりますか?
     「Oh,no」になっちゃうから。(笑) 
     「おいしいね」とほめているのに、全く反対の意味になってしまいます。 
     
     番外編。
     Mahimahi,Opakapakaなんていう言葉もあります。 
     さて、これらは何の名前でしょう。
     これから初めてハワイに行かれる方は、調べてみてください。
     意外と身近なものです。
     
     Wikiwiki。
     これは、ホノルル国際空港に着いたら、まずお世話になるものです。
     飛行機を降り立ったら,まず乗る乗り物,つまりは移動用のシャトルバスです。
     wikiwikiというのは,「早く」という意味です。
     旅の疲れから早く解放されたい・・・つまり早く入国手続きを終えたいという「早く」という
     気持ちがわかります。

     
   「時 差」
   
    ハワイと日本の時差は19時間。
    分かりやすくいうと,今の日本時間に5時間足した昨日。
    この時差というものを考えた時,いろいろなハワイのイメージが浮かんでくる。
    日本の午前1時はハワイでは6時。
    まさに始まるハワイの朝。
    小鳩の声が耳に浮かんでくる。
    日本の午後1時はハワイの6時。
    それはサンセットを迎える時。
    西に傾く夕日を,カクテル片手にハワイアンで楽しむ。
    なかなか行けないから,行った時の感動も大きいのだろう。
    時差を感じながら時を楽しむトトロであった。

     
     
「水中生物の宝庫」
    
    プールのフェンスが壊れていたので,修理しに行く。
    トトロ学級からも2名のお手伝いを連れて行く。
    水面をよく見ると,何かが動いた。
    タガメであった。
    しばらくその様子を見ていたが,プールの底を見たら,もぞもぞと今度はヤゴの
    姿があった。
    大きいのは,ヤンマだと思う。
    8月頃,ここにもギンヤンマが自慢げに飛んでいたのを思い出した。
    ヤゴたちは,水中で追いかけっこをしているように見える。
    アマガエルを見つけた。
    プールの水面を足だけでスイスイと平泳ぎしてみせた。
    そのうち,トノサマガエルを見つける。
    トノサマは,模様が決まっている。
    これから来年の6月まで,プールは水中生物の宝庫。
    誰にもじゃまされずに,伸び伸びと育つ。
    帰りに持ってきたビンの中に水を入れた。
    顕微鏡で微生物を観察するのだ。
    シーズンオフのプールは,小さな水中生物にとってまさに小さな宇宙である。

     
     
「赤い月」
    
    トトロは赤い月が好き。
    こういうことを言うと,「トトロは異常だ」と思われるかもしれない。
    当然,トトロはオオカミではない。(笑)
    西に傾いた三日月,東から昇る満月。
    地平線近くに見える月は,赤く見える。
    大気の汚れなのか,あるいは大気の層がレンズのはたらきをしているのか
    知らないが,天頂付近のそれよりも赤く見える。
    なぜ赤い月の虜になったのか。
    おそらく,それは子どもの頃作った望遠鏡がきっかけであったと思う。
    トトロの家は裕福ではなかったから,当然望遠鏡なんか買ってはもらえなかった。
    だから,材料を集めて自分で作った。
    対物レンズは単レンズを使った。
    接眼レンズは,顕微鏡のものを使った。
    筒は塩ビ管。
    倍率にして10倍そこそこだったと思うが,やっとできた自作の望遠鏡で見た
    初めの星・・・それが西に傾く三日月であった。
    単レンズなので色収差がひどく,色が七色に分離してしまっていた。
    それでも,視野に入った月面の姿に感動さえ覚えたものである。
    いつまでも時間が経つのを忘れて望遠鏡を眺めていたあの日。
    単レンズのため,赤い月の色はますます赤かった。
    未だにあの赤さが目に焼き付いている。
    自作望遠鏡で眺めた赤い月。
    貧乏であったトトロが,いつかきっと本物の望遠鏡を手に入れるぞ・・・と心に
    決めた日でもあった。
    それから13年後,トトロはようやく貯金したお金で本物の望遠鏡を手に入れた。
    ところが,性能がよいので月は赤く見えることはない。
    貧しかったが,それでも見えた赤い月はトトロにとっては衝撃的であった。

      
     
「人なつこいトトロっ子」
    
    現在のトトロ学級は,5年生。
    高学年だ。
    ところが,素直というかとても人なつこい。
    「先生,あのね。。。」
    そっと近づいてきては,何でも話しかけてくる。
    何でも遠慮はいらないよ。
    毎日のように,教室では笑い声が絶えない。
    いつだったか,トトロが出張だった日,トトロっ子たちは補教の先生に
    「今日はなんだか,笑いがないよね。」
    そう言っていたという。
    確かにそうかもしれないね。
    トトロがいる日は,得意のマシンガン脱線が炸裂しているもんな。
    笑いのある教室・・・これが一番だよね。
    ところで,この5年生たちとは実は3年越しの出会いだったのだ。
    トトロが現在の学校へ来た時,トトロは当時の3年生たちの担任になりたいと
    思っていた。
    そうして,それから2年が経った。
    トトロは希望して,現在のトトロっ子たちと出会った。
    ある日,トトロっ子たちが言いに来た。
    「あのね,3年生の時,みんなで<トトロ先生>がいいって言っていたんだよ。」
    「なに?ということは,トトロもそう思っていたんだよ。」
    そうだったのか,だからみんな人なつこいのかな?
    いつもありがとうね
    保護者会でも,この子どもたちに出会ったことを喜んでいるということを真っ先に
    伝えたんだよね。
    いろいろ失敗もあるけれど,トトロはみんなの先生だよ。
    もっといいクラスを作っていこうな。

      
      
「おしょくじけん」
    

    「OO容疑者が,<おしょくじけん>で逮捕されました。」
    テレビのニュースで言っていた。
    臨時ニュースということだろう,どの局もこのニュースを伝えていた。
    2年生だったトトロは,最初何となくぼんやりと聞いていたが,ふと思った。
    「<お食事券>で逮捕されるなんて,よほどのごちそうなんだろうな。」
    ところが,逮捕され連行される姿はテレビに写るものの豪華なメニューは出て
    こなかった。
    子どもだったトトロには<汚職事件>なんて言葉があるなんて知らなかった。
    日本語には,同音異義語が多すぎる。
    きっと,日本語を学ぶ外国人には難しいことなんだろうな。
    トトロは,こうして言葉のもつおもしろさに取りつかれてしまった。

     
      
「稲 光」
    
    家の中からふと外を見る
    外が明るくなった
    フラッシュのような一瞬の出来事だ
    すぐさま,外へ飛び出してみる
    しばらく,あたりの空を見渡す
    そしたら,北の方角で稲光が見えた
    かなり遠くで光っているのだろう
    音はほとんど聞こえてこない
    星雲のような光がかすかにぼやけて見える
    厚い雲の切れ目から,
    突然光の筋が地面に突き刺さった
    空から舞い降りた木の根っこ
    太い木の枝の途中から末端まで
    さらに細かい根っこが伸びる
    地球上のどこに根を降ろすか迷っているかのように
    ギザギザのコースに舞い降りる
    夜なのに,昼間のような明るさ
    地上の人々をおどかしてやれ
    そういう,雷のいたずらだろうか
    稲光を見ると,いつまでも空を見ていた子どもの頃を
    そっと思い出す

     
     
「押し入れ」
    
   
トトロの好きな場所。
    押し入れ。
    なぜだかは,よくわからない。
    小さい頃から,押し入れは特別な場所だった。
    雨がザーザー降る梅雨の時期は,外遊びができない。
    薄暗くした部屋の押し入れに入って遊ぶ。
    好きな本と懐中電灯をを持って,中に入る。
    周りからは,雨の音しか聞こえない。
    そんな中,静かに本を読む。
    懐中電灯の明かりをたよりに。
    すっかりいい気分になって,いつの間にか眠ってしまう。
    「ご飯だよ。」
    外で,母の声がする。
    寝ぼけた顔で,おそるおそる押し入れから出てくる。
    いつの間に寝てしまったんだろう。
    外を見ると,真夏の夕陽が向こうに見えた。
    
    押し入れと言えば,学生の時の押し入れにもこだわりがあった。
    ふつう,押し入れと言えば布団を入れる場所。
    狭いアパートだったせいもあるが,トトロは違う。
    押し入れは,本棚でもあり,机でもあり,物入れでもあった。
    仕切りをつけて,この空間を有効に使うのだ。
    さすがに学生のトトロは押し入れには入らなかったけど。
    薄暗い雨の日になると,押し入れのことを思い出す。

      
      
「プロセス」
    
   
夢があるから,目標が生まれる
    目標があるから,めあてが生まれる
    その一歩一歩の積み重ねが,夢に近づけていく
    夢を,夢で終わらせてはならない
    かなえてこそ夢
    そうでなければ,なんの意味があろうか
    どんなに険しい道程でも
    苦しければ,苦しいほど
    夢が実現した時の喜びは大きい
    だから,前へ,前へ
    今の一歩を大切にしようじゃないか

    夢があるから,頑張れるのだ

    
    
「素直なトトロっ子」
    
    トトロ学級は,現在5年生。
    実は,この子たちが3年生の時受け持ちたかったのだが,それは実現しなかった。
    それから2年経って,ようやくこの子たちの受け持ちになった。
    トトロは,そういう気持ちを素直に表現するようにしている。
    それだから,トトロっ子たちもまたよく期待に応えようとしてくれている。
    信頼関係。
    これってすばらしいことだよね。
    いつだったか,トトロ学級の子ども達が大失敗したことがあった。
    「トトロが校長先生にあやまってやるからな。」
    すまなそうなトトロっ子たち。
    トトロは,校長室にトトロっ子たちを連れて行く。
    トトロっ子たちに代わって,トトロが頭を下げる。
    校長先生の目はやさしくトトロっ子たちを包んだ。
    (実は,事前に校長先生にも話してあった。)
    こういうこともあってか,トトロっ子たちはトトロに対しては素直に何でも言ってくる。
    いつまでもトトロの生徒なんだから,いつだって応援しているからね。

     
     
「総合学習」
     
     
総合学習の時間。
    思い思いのテーマに沿って,調査活動に取り組む。
    野鳥のことを調べるグループ,土の性質を調べるグループ,植物を調べるグループと
    様々だが,どの顔を見ても輝いている。
    双眼鏡でじっと鳥を視野にいれようとしている子。
    顕微鏡で微生物を観察している子。
    今年は,地域の自然をテーマに取り組んでいる。
    学期末にある授業参観では,この発表会をしようと思う。
    教科には見られない,生き生きとした表情がいい。
    それが総合学習である。

    2時間続きのこの時間もあっという間に過ぎ去ってしまう。
    トトロでさえ楽しいんだから,トトロっ子たちにはもっと楽しいのだろうな。

     
    
「ベーコン・エッグ・サンド」
     
   ベーコン・エッグ・サンドは,トトロの必需品。
    現地調達で材料を仕入れる。
    食パン,タマネギ,卵,マヨネーズまたはマスタード,ベーコン,レタス。
    これを早朝支度してサンドイッチの材料をタッパーにつめておく。
    コンドミニアムなら,この程度は簡単である。
    そして,ビーチの公園に持っていってはさんで食べる。
    好きなものを好きなだけはさんで食べるのがよい。
    家で食べるのよりもおいしいのは,空気のせいか。
    クアロア・ビーチ・パークで食べる。
    キャンプをしているロコの人たちもいる。
    思い思いに過ごすビーチ。
    ベーコン・エッグ・サンドもまたトトロの強い味方である。

     
     
「手作りゲーム」
    
    トトロが子どもの頃は,あまり裕福ではなかった。
    トトロの家は,父の勤める会社の隅にある社宅だった。
    社宅と言うと聞こえはよいが,プレハブなので,夏の暑さと冬の寒さは厳しいものだった。
    
    普段のトトロは,だいたい外で遊んでいたが,雨の日は恨めしそうに空を眺めていた。
    トトロの遊び場は自然であり,遊び道具も自然であった。
    雨の日,トトロはたまった広告の裏に絵を書いて過ごした。
    広告の裏なら,お金がかからないし。
    ある日,トトロはひらめいた。
    そうだ,広告の裏にゲームを書こう。
    よく削った鉛筆と,買ってもらったばかりのクーピーを用意。
    定規できちんと線をひきながら,すごろくを書いていく。
    なかなかあがりにいけないのもつまらないし,すぐあがってしまうのもおもしろくない。
    そこで,アイディアを練って作り上げていく。
    だいたい,2,3時間は夢中になって書き上げていく。
    できた!!
    今度は,できたすごろく遊ぶ。
    サイコロは,鉛筆に1から6までの数字をマジックで書いたものを使う。
    友達と楽しむ。
    確かに,店で売っている高いゲームに比べれば出来栄えはよくないが,トトロはとても満足
    だった。
    他にも,野球盤,ゴルフゲームなど,いつでもおもしろいアイディアがないか考えて作ってみた。
    お金で買えなかった分,アイディアを創造する力が育ったように思う。
    今でも,教室で1枚の画用紙にゲームを書いて子どもと楽しんでいる。
    テレビの画面に慣れている現代っ子でも,そのおもしろさはわかるようだ。

      
     
「朝焼け」
    
    群青の空の水平線の彼方から
    わずかな光の筋が差し込む
    光の筋はやがて光彩を増し,
    こちらに向かって流れてくる
    そっと窓をのぞきこむと,
    空の色が変化していくのがわかる
    みるみる赤くなっていく
    朝焼けだ
    静かな機内での,ちょっとした贅沢
    太陽の方向に向かって飛行機は飛ぶ
    だから,明るくなるのも早くなるわけだ
    熱いコーヒーをすすりながら,
    その様子をつぶさに観察する
    全く時差を感じさせない
    いや,時差があってこその景色である
    雲海の上で起こった朝焼け
    心のシャッターに何枚も焼き付けた

    夕焼けばかりじゃないんだ
    人の目にふれやすい夕焼けに対して,
    人々が眠りについている間の感動
    トトロは朝焼けが好き

     
     
「ノコベン」
     
    小学生の頃,放課後先生に残されて勉強させられたことはないだろうか。
    トトロの小学生の時も,それはあった。
    ・・・できないから,残される・・・
    どうも,そういう雰囲気が苦手であった。
    
    そんなトトロが教員になっていた。
    トトロもノコベン(お残り勉強)を続けてきた。
    ただ,断っておくができないから残してやらせるという方法ではない。
    人間だもの,得意も不得意もあるさ。
    できないものがあれば,先生にゆっくり質問しながらわかるまでやろうじゃないか。
    勉強の得意な子も,レベルの高い問題を質問すればよい。
    いわば,これは月謝をとらない塾みたいな感じ。
    勉強したい子がしたい時に,したいだけ。
    決して強制はしない。
    
    中には,人が1回でできることを7回かかる子もいた。
    でも,トトロは7回かかっても励ましつづけた。
    8回目に入った時,その子は満点になっていた。
    人間にとってのものさしは,今できることじゃないんだ。
    できない子にとっては,常に苦しさや自分との戦いの連続。
    だから,むしろできない子の方が粘り強い。
    今できないことより,あきらめない生き方を育てたい。
    大切なのは,この子たちが大きくなった時どうかだろう。
    あきらめるな!
    トトロも応援しているからな。
    成績が後ろから2番目であったトトロには,勉強のできないつらさはよくわかる。
    でもね,そんなトトロがこうして教員をしているんだ。
    あんなに苦手な勉強を教える仕事をしているんだよ。
    人間,どれだけ可能性が大きいかはわからない。
    
    さあ,そろそろ少し休憩しようか。
    こっそり用意しておいたおやつを配る。
    たった1個のアメでも,うれしそうな子どもたち。
    ある日は,クラスのほとんど全員がノコベンという日もあったな。
    みんな,やればできるんだ。
    できないことがあれば,何でも言うんだぞ。
    一緒に乗り越えようじゃないか。
    じゃ,また明日ね!
    満足そうな顔で,子どもたちが帰って行った。

     
     
「秋の実探し」
    
    秋の野山へ繰り出す
    色づく木の葉
    山全体が燃える
    自転車で走り抜ける風が冷たい
    枯れたススキの先に止まってひとやすみするアカトンボ
    
    道ばたで見つけたカラスウリ
    真っ赤な色は,夕陽の色
    しっかりとポケットにしまいこむ
    
    さあ,着いた
    土手を登っていく
    低い木に登って,アケビをとる
    口に含んだ
    口いっぱいに広がるほのかな甘さ
    天然のおやつ
    友達と2人で味わった
    
    さらに土手を越えて,次の目的地に向かう
    最大の難所,クルミの木
    木の枝にはたくさんの実がついている
    高くて届かないので,石をぶつけて落とす
    時間のかかるとり方だが,一つ一つと収穫していく
    3時間もたっただろうか
    まん丸のオニぐるみが袋いっぱいに集まった
    帰りには,校庭の隅のドングリの木の下へ
    あっという間に袋いっぱいに集まった
    
    自転車のかごは,秋の実でいっぱい
    それを満足げに自転車をこぐ
    夕陽が背中を押しながら 
    家路を急ぐ
    夕陽と追いかけっこ    
    (秋のトトロ)

     
     
「インチキトトロ先生」
    
    それは,トトロが5年生を担任した時のことだった。
    理科の時間に,ウキクサのことを実験することになった。
    ビーカーの中にウキクサを入れておくと,細胞が分裂してどんどん増えていく。
    これは,おもしろい!
    そう思って,さっそくトトロのクラスでも実験開始。
    子どもたちが,ビーカーの中にウキクサを入れる。
    もちろん,みんな条件をそろえておく。
    中に入れる水のかさも,ウキクサの数も。
    よし,これで準備オッケー。
    あとは,成功を待つばかり。
    これは,トトロっ子たちびっくりするだろうな。
    内心,トトロは笑いが止まらなかった。
    
    そして数日後を迎えた。
    子どもたちより先に教室へ来たトトロはビーカーの中を見た。
    あれ?
    ウキクサは前の数のままだった。
    ・・・おかしいなぁ??
    ところが,この時とっさにトトロは頭にひらめいた。
    余分にとっておいたウキクサを,それらのビーカーに足しておく。
    (いひひひひ)
    これで,出来上がり。
    どう見ても,ウキクサは増えている。
    理科の授業で,さっそく子ども達に見せた。
    「わぁぁぁ!すごい!」
    子どもたちは,驚きの声を上げた。
    (まんまとひっかかったな。)
    トトロはそう思ったものの,やっぱり今でもそのインチキがどうもひっかるので,
    今ごろになってこうして暴露することにする。
    (ごめんなさい。from トトロ先生  当時の5年生たちへ)

     
    
「星空教室」
    
    それは,トトロが4年生を受け持った時のことだ。
    トトロは,もともと天文が好きで,子どもの頃自作で望遠鏡を作ったほどだ。
    当時の4年生の理科の学習の一つに星の勉強が入っていた。
    月や太陽の動き。
    昼間の教室では見ることのできない教材。
    大きく引き伸ばした写真を子どもたちに見せてあげたら,瞳がキラキラしていた。
    そこで,トトロは提案した。
    「トトロの望遠鏡で,星を見る会をしようか?」
    「やったぁ!」
    子どもたちは,大喜び。
    さっそく,親の協力を得て星空教室の開催となった。
    初めて見る望遠鏡での映像。
    月面のクレーターに歓声があがった。
    帽子をかぶった土星の輪。
    真っ赤な顔をした火星。
    双眼鏡では,星座を観察。
    あっという間に星空教室の時間は終わった。
    「さようなら!」

   
「また明日ね!」
    トトロ学級の子どもたちは,親子で帰っていった。

     「腹 筋」
    
    子どもの頃,毎日草原で遊んでいたトトロは,よくバッタをつかまえた。
    イナゴ,ショウリョウバッタ,キリギリス・・・・。
    ある日,おもしろい動作に気がついた。
    大きなショウリョウバッタをつかまえた。
    後ろ足がやたら長い。
    その長い後ろ足をつかんでみた。
    手にくっついた。
    逆さにして後ろ足を持ってみた。
    「!!」
    この後,笑いが10分も止まらなかった。
    なぜかって?
    ぜひ,逆さにして後ろ足を持ってみてください。
    ワハハハ。
    どういうことかと言うと,ちょうど,人間が腹筋運動をするような動きをするのだ。
    それも小刻みでせっせと腹筋,腹筋。
    ただ,念のため言っておくが,あまり引っ張ると足がとれてしまうので気をつけて。

     
「原 点」
    
    原点を持つ人はすばらしい。
    トトロの原点は高校時代。
    親元を離れての下宿生活。
    そして,それを見守るかのように立つ校舎。
    すぐそばを流れる,上水。
    木漏れ日。
    鳥のさえずり。
    優等生ではなかったが,温かく指導して下さった先生方。
    一人一人を宝物と言って,激励を重ねてくださった創立者。
    そんな時代にトトロは原点を持つことになった。
    今までの人生のうちのたった3年間。
    1日1日が苦しかったが,頑張りぬいたあの日々。
    それが今でも支えになっている。
    2001年にみんなが成長した姿で会おう!
    高校一年の7月17日のことだった。
    ・・・それから20年が過ぎていた。
    その日を指標に頑張ってきた。
    トトロは,当時の決意を果たしていた。
    それは,楽な道のりではなかった。
    あの原点の日の誓いがあったから今日がある。
    あの時の仲間達が母校に集った。
    それぞれ,当時とは似つかないほどの体型にはなっていたが,
    みんな原点に戻って大勝利を報告しあった。
    次の指標は4年後。
    さらに前進していきたい。

     
「ファイト」  
    
 
   大切な仲間が苦しんでいたら何ができるだろうか
    励ますこと
    祈ること
    見守ること
    そんなことしかできないが,いつかきっと笑顔が戻るまで
    できることで応援したい
    冬は必ず,春となるのだから

     
「星になったプースケ」
    
    プースケは,トトロの家で飼っているセキセイインコのオスだった。
    
    プースケが,台風の日の朝死んだ。
    朝,鳥かごを見に行ったら,落鳥していた。
    急いで手にとる。
    「あれ?まだ少し温かい。」
    手のひらの上にかすかな心臓の鼓動が伝わってきた。
    最後の力を振り絞っていたのだろう。
    トトロは,少し水を飲ませてやった。
    舌を動かして飲み込むのがわかった。
    
    プースケには,今巣箱に5羽のヒナ鳥がいる。
    プースケはオスにしては珍しく,巣箱に入って卵を温めたりつがいのメスにえさを
    運んできたよく働くマメな鳥だった。
    毛がまだ生えないヒナ鳥にとっては,24時間おなかをすかせる。
    巣箱の中からえさをねだる声が聞こえれば,真夜中でも飛び込んでいった。
    これだけの子育ては,人間でもなかなかできないのではないかとも思った。
    
    プースケは,鳥屋の店先で売られていた鳥。
    つがいにしようと思ってトトロの家で買ってきた。
    もともと店先のせまい雑居かごにいたプースケは,トトロの家の大きな鳥かごに
    入ってきて,さぞ驚いたに違いない。
    でも,環境の変化というものはなかなか難しいもので,初めはなかなかペアリングが
    成功しなかった。
    トトロが出張のある日,携帯のメールが鳴った。
    トトロの家からだった。
    交尾していたという知らせだった。
    やがて,巣箱に入るようになり,メスは産卵に至った。
    メスは,まだ若かったせいもあり,プースケは一緒になって卵を温めてきたのだ。
    そして,初めてのヒナがかえった。
    立て続けに5羽かえり,一気に5羽の親となったプースケ。
    朝も,昼も,夜も,いつもよく働いた。
    この頑張りに,トトロはいつも感心というより感動させられてきた。
    命がけって,こういうことなんだね。
    今まで何十羽もセキセイを見てきたが,こんなによく働くオスは初めてだった。
    
    そして,プースケは死んだ。
    大きくなったヒナ達を見たかっただろうに。
    夢を果たせなかったプースケに,最後のごほうび。
    ヒナたちの顔を見せてやった。
    プースケの最後とは知らずに,ヒナたちはえさをねだった。
    プースケは,こたえようとはしなかった。
    いや,できなかった。
    星になったプースケが,今晩から空で見守ることになるんだね。

    
「休校の日」
    
    台風がやってきた。
    当初の予想と違い,トトロの住む地方にも進んできた。
    トトロの家は海のそばの高台にあるので,夜中から吹き付ける強風と大雨に何度
    となく目を覚ました。
    
    この日の朝もいつものように出勤した。
    到着するなり,校長から言われた。
    「今日は,休校にしたから。」
    さっそく学級連絡網を通じて子どもたちに連絡をとる。
    今日は,さすがに外では遊べないからゴロゴロしたり,ゲームをしたりしている様子
    だった。
    台風が県内を通過していく。
    3階にあるトトロ学級は,外の音しか聞こえない。
    窓にたたきつける雨の音。
    木々や建物を揺らす風の音。
    あれ?バケツが転がっていく。
    普段には見られない光景がのどかな田園地帯に広がっていく。
    本当は,今頃ワイワイ元気な笑い声が広がっていたはずだよな。
    そんな姿を想像しながら,あまりにも静かな教室で事務をとる。
    学校は,子どもがいてこそ学校なんだ。
    明日天気になあれ!
    (台風一過は,猛暑なんだろうな・・・笑)

      
「コオロギ合唱団」
    
    2年生の生活科。
    9月になり,虫たちを探しに行った。
    夜にはあちこちから声が聞こえるが,昼間は静まり返っている草むら。
    めいめいが,虫かごを持って探検開始。
    
    学校の正門のそばの植え込みで,そっと耳をすます。
    「いた!」
    コオロギ発見。
    枯草をどけると,いる!いる!
    何が,こんなに夢中にさせるのだろうか。
    次々とコオロギたちでいっぱいになる。
    
    教室に戻ってきて,湿った土と草,木の枝,石ころも一緒に飼育用の水槽に
    入れてやる。
    そして,まわりを黒い紙で覆って暗くする。
    窓辺の下のたなに,このコオロギの水槽を置くことにした。
    3分もしないうちに,コオロギが鳴き始めた。
    初めは1匹だけだったのに,みるみる鳴き声でいっぱいになった。
    「コオロギさん,歌を歌っているみたいだね。」
    「コオロギ合唱団だね。」
    今,コオロギ合唱団の歌声を聴きながら算数の時間,計算をしている。

     
「学年プール」
    
    トトロの学校では,夏休みにも学年プールがある。
    まわりに娯楽施設が何もないためか,ほとんどの子どもたちが集まって来る。
    真夏の暑い日の楽しみ。
    プールサイドには,真っ黒に日焼けした子どもたちが,ずらりと並ぶ。
    前半は,個人のレベルに合わせて練習をする。
    初め,全然泳げなかった子がみるみる泳げるようになっていく。
    初めて25m泳げた時の感動。

    水泳は,めあてを持ちやすいスポーツである。
    上達していく自分との出会い。
    感動の連続である。
    
    後半になると,自由時間をつくる。
    みんなで歓声を上げながら,ワイワイ声が響く。
    さて,トトロも入るか。
    いつの間にか,周りには子どもが集まっている。
    おにごっこをしたり,トトロごっこをしたり。
    今日は一度に8人ぶら下がっていたな。
    水の中だと,軽く感じるね。
    こうした時間はあっという間に過ぎ去ってしまう。
    トトロっ子たちは,プールが大好き。
    トトロも大好き。
    さぁ,明日は何しようかな。

    動くおもちゃ・トトロ〜プールより

     
虫の声を聞きながら」
   
    アブラゼミの煮えたぎるような声。
    ミンミンゼミの響き渡る声。
    ツクツクホウシのリズミカルな声。
    ヒグラシの涼しげな声。
    
    夜になると,今度は秋の虫たちの出番。
    ウマオイ,スズムシ,マツムシ,コオロギ...。
    
    夏の終わりは,虫たちのオンパレード。
    朝から晩まで,あちこちが音楽会。
    
    そう言えば,去年の10月に季節はずれのセミの声を聞いた。
    どんなに頑張っても,仲間に出会うことのないオスのセミ。
    季節感がなくなっていくのだろうか。
    桜の花も,狂い咲きして秋に開花することがある。
    四季のある日本。
    四季がある故の自然のすばらしさを忘れてはいまいか。
    
    風情とか,風流という言葉を受け継いでいきたいものである。
    テレビなどはつけずに,そっと耳をすます。
    東側の窓から入る海の風が,風鈴をゆらす。
    コオロギの合唱団をバックにこれを書いている。

     
「渋 柿」
    
     それは,トトロが小学校の3年生の秋のことだった。
    おばあちゃんの家に泊まりにきていたトトロは庭でよく遊んだ。
    庭には,イチジク,ブドウ,カシワ,ミカン,そして柿の木があった。
    秋も深まり,おばあちゃんの庭には秋の実がたわわに実り,食べ頃に見えた。
    以前,ここのブドウを1房食べてみたが,なかなかおいしかった。
    というか,庭でとれた果物を食べるなんて,サラリーマン家庭に育ったトトロには
    感激だったのだ。
    
    夕方,西に傾く夕陽を眺めていたら,ふと柿の実が目にとまった。
    夕焼けの赤と,柿の実の赤が重なった。
    おいしそう!
    ちょうど,この日はまだおやつを食べていなかったトトロは,そう思うと柿の木から
    1つだけ実をとってみた。
    まん丸ではちきれそうな柿の実だ。
    見るからに甘そう。
    自分で皮をむいて,さあ!食べるぞ!
    パク!(♪うん,これはおいしい♪)
    一気に丸ごと平らげようとしたその時!
    「あれ?口の中が変だぞ?」
    気がつくのは,もう遅かった。
    渋柿だったのだ。
    それから,お茶で口をゆすいでもだめ。
    おせんべいを食べてもだめ。
    わぁ,口が変だよ!
    泣き出しそうになった時,おばあちゃんがお茶漬けを持ってきた。
    トトロは一気に胃袋の中へ流し込んだ。
    ・・・・!
    あれ?口の中の渋みが消えていた。
    おばあちゃんの知恵ってすごいんだなって思った。
    
    それからだ,トトロが食べ物を口にする前に必ずにおいをかぐ習慣ができたのは。
    見た目の美しさは,幻かもしれない。
    トトロは今でも,見た目のきれいなものよりも少々傷があってもおいしい方を選ぶ。
    渋柿が見事に甘い干し柿に変身するのは,未だにトトロにとっては半信半疑である。

    
「セミのぬけがら」
    
    夏のトトロは,昆虫採集に夢中になる。
    早朝にはクワガタ,カブトムシ。
    そして,昼間はセミを採りに行く。
    当然生きたセミの方がいいが,時折,木の幹にセミのぬけがらがくっついている時がある。
    これがまた,トトロの宝物でもあった。
    ついさっきまでこの中にセミの体が埋まっていたのだ。
    細い足の先までよく脱皮したものだ。
    指で押すと崩れてしまうから,そっと手でつかむ。
    お菓子の箱に中に順に並べていく。
    「今日は4匹見つけた。」
    周りの大人たちは,何でこんなくだらないものを大事そうに集めているのだろうというような
    顔をしていた。
    そうして,夏休みの間にセミのぬけがらは100個ほどにもなってしまう。
    よく眺めてみると,大きいのから小さいのまである。
    「この大きいのは,クマゼミだね。」
    「小さいのは,ツくツクホウシ。」
    図鑑で大きさを調べたりしながら,セミのぬけがら標本を作っていく。
    子どもというものは,大人にとっては実にくだらないものも宝物として夢中になって集める
    習性があるようだ。(トトロの昆虫記)
  
    
「水遊び」
    
    小学生の頃。
    夏は,気温が40度近くになる畑の多い街に住んでいた。
    夏は外より暑いプレハブの家。
    冬は外より寒い。
    でも,周りに自然がいっぱいだったためか,楽しい暮らしであった。
    
    夏休みになると,少し涼しくなった夕方にホースを使って草花に水をやる。
    これが,トトロのお手伝い。
    ひととおり仕事が終わり,パンツ1枚になって自転車に乗る。
    そこにホースで水をかけてもらう。
    ホースで作った虹の橋をくぐるもよし,勇敢に水のバリアを突破したりもする。
    ささやかな夏の楽しみ。
    ヒグラシの声を聞きながら,涼をとる。
    地面から気化したひんやりとした空気が辺りを包みこんでいく。
    1日中外で遊んできて,最後に水をかぶってリフレッシュ。
    トトロは今でも水遊びが好き。
 

   「インチキUFO写真」
    
   小学生の頃,UFOがブームになったことがある。
    トトロのクラスでもこの話題で持ち切りになっていた。
    ある日,UFO写真の本を手にした時,トトロは思った。
    「UFO写真を撮りたい。」
    ところが,実際にUFOを撮影するなんてなかなかできることではない。
    そう思ったトトロは,ひらめいた。
    「インチキUFO写真を撮ろう!」
    何かを投げて,それを撮影しようとした。
    お皿,灰皿,帽子,ホイール・・・。
    ところが,これをアングルにとらえるのは至難の業。
    今度は,糸でぶら下げたUFOを写そうとした。
    やっぱり失敗。
    未だにインチキでもいいから,UFO写真を撮りたいと思うトトロであった。
    付け加えておくが,このインチキ写真を現像した時,親に怒られたのはいうまでもない。

    「望遠鏡」
     
     子どもの頃,星が好きだったトトロは望遠鏡がほしかった。
     しかし,望遠鏡は高価なものでもあり,そんなことはトトロ家では受け入れられるはずがなかった。
     それでも,望遠鏡で星を眺めてみたい。
     そう思ったトトロは,部品を集めることにした。
     
     初めて作ったのは単レンズ。
     虫眼鏡のレンズが対物レンズ。
     だから,当然プリズムのように色収差も大きく,見えるものが七色に分離して見える。
     倍率だって10倍位のものだった。
     鏡筒は,なんとラップの芯を使った。
     それでも出来上がった1号機で見た三日月は忘れることができない。
     いつまでも西の空に傾く月を見ていた。
     
     2号機を作った。
     レンズは,OHPのレンズ。
     学校で廃棄になったものを先生にいただいた。
     接眼レンズは,なんと顕微鏡のもの。
     鏡筒は塩ビ管をつかった。
     これはなかなかのもので,手作りとしてはかなりのできばえだ。
     単レンズとは違い,画像もしっかり見えている。
     初めて見たクレーター。
     2時間ぐらい,ずっと見ていた。
     
     それから10年経った。
     仕事をするようになったトトロは,ようやくためたお金で望遠鏡を買った。
     フローライトという,屈折望遠鏡としては最高のレンズ。
     今でも,この愛機はトトロの宝物。
     
     いつか,天文台をつくりたい。
     それが今後のトトロの夢だ。

     
「お宝」
     
     
小学生の頃のトトロは,夏になると早朝から宝探しに出かけた。
     クワガタムシ,そしてカブトムシ。
     工場の社宅に住んでいたトトロは,街灯の下へやってくる。
     朝を迎えた街灯の下には,数え切れないほどのカブトムシが散らばっている。
     トトロは,それを苦労もなく拾っていくのだ。
     だいたい,一日で3,40匹にもなる。
     だから,虫かごなんかじゃ入りきれない。
     何に入れるかというと,鳥かごだ。
     鳥かごの中のカブトムシたちがところ狭しと動き回る。
     カブトムシを拾ったトトロは自転車でクワガタムシのいる土手へやってくる。
     クヌギの木が一列に並んでおり,ここにはいつもクワガタムシが群がっている。
     いつものように,1匹1匹をつかまえていく。
     一番人気は,ミヤマクワガタ。
     そして,ノコギリクワガタ。
     朝のカブトムシに対して,クワガタはそんなに簡単にはつかまらない。
     だから,お宝。
     小さな缶にクワガタを入れて,学校にも持っていく。
     それを友だちと見せ合うのもまた格別。
     特に大きいのをつかまえた時には,まわりに人だかりができるからまんざらでもない。
     朝から,晩まで虫捕りに明け暮れた小学生の頃。
     思い切り遊ばせてくれた両親に感謝している今日この頃である。

    「トトロの時計」
     
     
今,トトロの部屋には壁掛けの時計がある。
     真ん中はジグソーパズルになっていて,組み立てたもの。
     模様はトトロ。
     毎日,この時計をみながら生活している。
     
     ところで,この時計。
     これは,トトロ学級の子どもたちが送ってくれたプレゼントだ。
     トトロっ子たちからの結婚のお祝い。
     みんなで少しずつお小遣いを出し合って,みんなで買いに行ったそうだ。
     まさか,こういう出来事があるとは予想もしなかったし,デザインが「トトロ」というのも
     子どもたちが考えたことなので,びっくりした。     
     日常から「トトロ」
     だから,トトロなのだろう。
     なんだか,それだけでうれしくなった。
     
     トトロの時計。
     今では,すっかりトトロの相棒にもなっている。
 
     
「家庭訪問」
     
     今年も家庭訪問があった。
     トトロの学校は田舎町にある。
     表札もないので,ついつい迷ってしまう。
     そこでトトロは作戦を駆使する。
     子どもたちにナビをしてもらうのだ。
     先生のお手伝いができるとあって,トトロっ子たちには人気が高い職務だ。
     
     一件一件訪問していく。
     階段のかげでそっと覗き込んでいる子。
     にこっと笑ってお母さんの横にちょこんと座る子。
     トトロはよほどでない限り,トトロっ子たちのよいところを知らせるようにしている。
     だから,初めは硬い表情だったおうちの人たちも笑顔に変わっていく。
     誰だって,認められればうれしいものだ。
     さぁ,今年もがんばろうな。

     
「いつも明るいトトロ学級」
     
     「さようなら!」
     元気な声を響かせながら帰っていくトトロっ子。
     いつも元気いっぱい。
     だからいつもまわりから「明るいね」といわれる。
     調子に乗りすぎて失敗することもあるけれど,いつでもどこでも明るい。
     休み時間。
     「遊ぼうよ!」
     トトロのまわりにトトロっ子たちが集まって来る。
     肩もみをする子。
     一緒にじゃんけんをする子。
     おしっこ(押しっこ)をして盛り上がる子。
     教室でも外でも,みんな人なつこい。
     だから,トトロも嬉しい気持ちになる。
     いつだってトトロ学級は明るくなければトトロ学級らしくない。
     今日も,朝から明るいトトロ学級。     

     
「天国と地獄」
     
     その日は快晴だった。
     朝からドライブ。
     新緑が目に鮮やかな季節のことだった。
     観光地では,ふだん味わえない開放感。
     まるで天国のようだ。
     桜と,菜の花と,空の青のコントラストが実に見事。
     思わずカメラのシャッターを何度も押す。
     
     さぁ,帰ろう。
     疲れもなく,スムーズに走り出した。
     窓から見える景色もまた目を和ませてくれた。
     
     しばらく走ってきたら,なんだか腹のあたりがゴロゴロしてきた。
     「あれ?」
     気にしないでいると,いつの間にか痛みもおさまったのでそのまま走っていく。
     ところが。。。
     再び,急にその波はやってきた。
     「やばー」
     このままでは,もれてしまう。
     おしっこなら立小便ですむのだろうが,大きいのはそうはいかない。
     まわりを見るが,近くにはコンビニもない。
     わぁ,信号が赤になった。
     脂汗が出てきた。
     もうだめだ。
     おしりにぐっと力を入れて我慢する。
     あ!コンビニがあった!!
     コンビニに飛び込む。
     トイレを探す。
     ない!
     「すみません,トイレをお借りしたいのですが。。」
     せっぱつまって店員に聞く。
     「それなら,外にありますよ。」
     「ありがとうございます。」
     トトロはトイレに駆け込む。
     間に合った。
     この時の爽快感は,たまらない。(下痢だった)
     それにしても,さっきの店員は神様か仏様に見えた。
     地獄から生還したトトロは,しばらく力が抜けてしまった。
     <下品な話でごめんなさい>

     
「記念撮影」

     満開の桜が,風にそよぐ。
     快晴だ。
     新しいトトロ学級のスタートを祝って,桜をバックに記念撮影をする。
     どの顔もキラキラ輝いている。
     全員で撮ったあとには,一人ずつ撮影していく。
     学級に掲示する分。
     これにめあてを書いて一年間貼っておく。
     一年間の年表を作るように写真を貼っていく。
     一年経った時には,ストーリーが出来上がっているのだ。
     今年はどんな物語になるのかな?
     みんなで笑い,楽しいトトロ学級を作っていこう。
     <4月のトトロ>

     
「大きくなったわたし」
     
     2年生では生活科の最後に自分史を書く。
     絵日記や写真のスタイルで生まれた頃から2年生までの自分のことを1冊のアルバムにまとめる。
     家の人に赤ちゃんの頃の様子を聞いてきたり,写真をもらって作っていく。
     この時期になると,すっかり小学生らしくなっている。
     1年生の頃は,日本語がよく通じないので「宇宙人」と呼ばれていたが,もうすぐ3年生となると
     すっかり「地球人」に成長しているのだ。
     2年生といえども,なかなかの作品に仕上がる。
     教室にしばらく飾って,みんなで見せ合う。
     「ほら!見て見て!」
     行列になって,作品を見せにくるトトロっ子たち。
     みんなキラキラしているね。
     最後には,自分史の発表会もする。
     大きくなったわたし。
     もっともっと大きくなあれって,トトロは思うよ。

    
「旅立ち」
    
     とうとう来てしまった。
     卒業式。
     卒業とは,「始まり」という意味もあるのだが,どうしてもセンチメンタルになってしまうもの。
     証書授与で,一人ずつ名前を呼ぶ。
     今までの出来事が一気に頭に浮かんでくる。
     よく動けて賑やかだったトトロ学級。
     トトロが来る前は毎年担任が代わった学年。
     見事に蘇生したんだよね。
     校長先生の祝辞の中で,たくさんほめられたトトロ学級。
     何十年ぶりにやってきた2つの優勝カップ。
     嬉しい時も,悲しいときも,悔しい時も,しんどい時も,いつもみんなで頑張ってきた。
     下級生をかわいがること。
     明るい元気なあいさつができること。
     全員がリーダーに育ったこと。
     トトロは,受け持っててよかったなと思う瞬間だった。
     トトロ学級の呼吸もぴったり。
     よびかけもタイミングも合っていたし,元気いっぱいにできたと思う。
     大成功の卒業式。
     あんなにばらばらだったこの学級が見事にまとまった旅立ちだった。
     
     卒業しても,必要なことがあれば何でも相談においで。
     トトロはいつでもみんなのトトロだから。。。
     タイムカプセルに収めた文集を開く時が楽しみだね。

     
「卒業文集」
     
     卒業文集を作る
     初めは名前を何にするかを話し合う
     結局は、夢や希望にあふれる名前に落ち着く
     ふだんは作文は苦手なのに、こういう時はワクワクしながら書いていく
     不思議だね
     卒業式の前はいつもバタバタしながら、みんなで作業を進めていく
     小学生の6年間で一番輝いている時期かもしれない
     みんなで一つになって作り上げる文集
     だんだんできていくのが手にとるようにわかるのだ
     いつか、色あせた卒業文集を手にする時 
     一気に子どもの頃の自分たちがよみがえる
     自分たちの宝物
     思い出がいっぱいつまった宝物
     卒業文集

     
「紙飛行機」
     
     2年生と紙飛行機を作る。
     わりばしとはがきが材料だ。
     ハガキにものさしではかって線をひく。
     ハサミで切り抜いて、わりばしに取り付ける。
     バランスよくはねを調節しながら飛ばしてみる。
     「とんだ!とんだ!」
     「ちゅうがえりしたよ。」
     多目的室は歓声が沸き上がる。
     「競争しようか。」
     「うん!やろうやろう!」
     こういう時のトトロっ子たちの目はいつもキラキラだ。
     多目的室ではせまいので、体育館へ移動した。
     持ってきたビニールテープで床に印をつけて、みんなで紙飛行機飛ばし大会。
     「せーの!それ!」
     「ヒュー」と音を立てながら飛行機が飛んでいく。
     中には空中でぶつかってしまうものもあるが、それはそれでおもしろい。
     上位になった子にはみんなで大きな拍手をプレゼント。
     とても嬉しそうな顔が光っていたよ。
     「せんせい、お外で飛ばそうよ!」
     「やってみようか?」
     トトロに似たのか、トトロっ子も夢中になったら止まらない。
     次の休み時間にはみんな外で楽しんだ。
     身の回りの材料でも十分おもちゃはできるし、遊び方だっていろいろある。
     なんだか一番楽しんでいたのがトトロではないかと思った。
     ワッハッハー。

     
「まめまき」
     
     1年生の教室でまめまきをした。
     図工の時間に鬼のお面を作っていく。
     トトロ学級では、オリジナルを作らせる。
     あらかじめ出来たものを切る方法もあるが、それでは個性が出ないから。
     厚紙に鬼の顔を書いていく。
     一つ一つのお面は、実にかわいいものになってしまう。
     全然こわくない。
     それがまた笑ってしまう。
     まあいっか。
     出来上がった鬼の面を黒板に並べる。
     用意しておいた節分用の豆を配り、豆まきが始まる。
     「おには、そと!」
     「ふくは、うち!」
     隣接する幼稚園からも声が聞こえてくる。
     ところでこの鬼。
     子どもたちのきらいなものが鬼になっている。
     「なきむしおに」
     「すききらいおに」
     「かぜひきおに」
     ・・・。
     自分で考えた鬼をめがけて、豆をぶつける。
     
     「ようし、今度はトトロがおにになってあげよう。」
     「わーい。」
     子どもたちが豆を用意した時、おませなMちゃんが、
     「先生が、かわいそうだからやめようよ。おにじゃないもん。」
     「あっ、そうか。」
     そんなこと言ってくれたら、さすがのトトロもうれしくなっちゃうね。
     後までも余韻が残るトトロ学級だった。
     豆だらけの教室を掃除して、豆まきは終わる。
     「年の数よりたくさん食べちゃ、いけないんでしょ?」
     「そうだね、一気におじいさんやおばあさんになっちゃうかもね。」
     笑いながら驚かすとちょっと不安そうな顔を見せるトトロっ子。
     一粒ずつ味わって豆を食べる。
     来年は<なまはげ>になってみるか。わっはっは。
     <節分のトトロ>

     
「かまくら」
     
     あまり雪が降らないトトロの街では、子ども達が雪を待ちわびる。
     何年かぶりで珍しく雪が積もった。
     「かまくらを作ってみようか。」
     「うん、やろうやろう!」
     みんなでせっせとせっせと雪を運んで大きな山を作る。
     だいたい小学生がすっぽり入るぐらいになった。
     力持ちの男の子達が、次々とスコップで穴を掘っていく。
     2時間も掘ったであろうか。
     いつのまにか、本格的なかまくらが完成した。
     みんなでかわるがわる中に入って楽しむ。
     みんなの秘密基地。
     みんなでかまくらの前で写真をとった。
     アルバムを眺めながらなつかしさでいっぱいになった。

     
「氷」
     
     さわると冷たいだけなのに、子どもにとっては氷はおもちゃになる。
     朝,登校しながら氷を割ったり、投げたりする。
     氷点下になることは少ないが、厚さが3cmにもなると見事なものだ。
     「あったよ。あったよ!」
     顔も手も真っ赤にしながら見せにくるトトロっ子。
     「氷の向こうが見えるかな?」
     すかして覗き込んだ。
     気がつくと、みんなで氷探しに飛び出している。
     集団の心理かもしれないが、どうして氷は人気者なのであろう。
     夢中になって遊んだ後,真っ赤になった顔と手をストーブで温める。
     あたたかいね。

     
「明日も氷がはるかなぁ?」
     「うん、いい天気の日の次の日は寒くなるから、きっとできるよ。」
     「やったぁ。明日も氷で遊ぼう!」
     トトロが返事をするまでもなく、遊ぶ約束を取り付けられてしまったよ。

     
「氷で遊ぶ」
      
      冬の時期には、生活科で氷を使う。
      アイスキャンディーを作ってみる。
      この日ばかりは、家庭科室を利用する。
      ふだんは高学年の使う部屋。
      今日は、少しお兄さん・お姉さんになったような気分が味わえるのだ。
      大型冷蔵庫へしまい、翌日を待つ。
      
      「いこ!いこ!」
      登校してくるなり、家庭科室へ行くたくなるトトロっ子。
      さあ、どうなっているのかな?
      扉を開けると見事なアイスが完成している。
      教室へ戻って、朝からおやつの時間を楽しんだ。
      「岬」
      
      太平洋が見渡せる岬へ行った
      沖を進むタンカー
      空飛ぶカモメ
      かすかに聞こえる波の音
      さざなみ
      海の向こうから運んでくる潮の香り
      何もせず、何も考えずただぼんやりと海を眺めていた
      海の向こうには何があるのかな?
      下を見ると、カニがサイドステップ
      追いかけようとすると、岩の下にもぐり込む
      しばらくぼんやりと眺めて過ごした
      冬のある日
      小春日和

      
「避難訓練」
      
      トトロの学校でも、避難訓練が行われた。
      6年生ともなると慣れたものだが、今回はそうはいかない。
      3階からの脱出シューターでの降下訓練なのだ。
      一階から上がる煙。
      階段からは下りることができない。
      ベランダへ出る。
      脱出シューターを設置する。
      手際よく、一人づずつおろして行く。
      短時間で行うことが求められる。
      たまに、声が聞こえてくる。
      「あち!」
      「いて!」
      そう、摩擦でかなりの衝撃があるからだ。
      そして最後にトトロが下りていく。
      集合場所に到着。
      人員点呼。
      手際がよくできたので、消防署の人たちからもほめられたトトロっ子。
      備えあればうれいなしだね。

      
「かまきりの卵」
      
      大人が見ると実にくだらないものでも、幼い子どもには宝物であることもある。
      かまきりの卵。
      枯れ果てた木々や草にしがみつくようにくっついている。
      ある日のトトロ学級では、このかまきりの卵さがしに熱中したことがある。
      生活科で冬の終わりに野山を散策した時のことだった。
      一人が、かまきりの卵を発見。
      そうしたら、みんなで探し始めた。
      誰かが見つけると、うらやましくなるのだ。
      よし、みんなで探しにいこう。
      水筒をもって、野山を散策する。
      まずは、校庭を一周。
      体育倉庫の裏に5,6個発見。
      次に公園へ行く。
      公園はどういうわけかあまり見つからない。
      最後に学校の裏手にある竹やぶへ行った。
      「あったよ!」
      「こっちにもあった!!」
      ここはかまきりの産卵場所だよというばかりに出てくる、出てくる。
      一人に1個ずつは楽に確保。
      教室へ帰り、水槽の中へ入れて観察記録が始まった。
      赤ちゃんかまきりが数え切れないほど生まれてくるさまは、想像を絶する。
      卵からかえったら、元の竹やぶににがしてやろうね。

      
「始業式」
       
       3学期の始業式。
       いつもより引き締まった顔の子どもたち。
       さあ、やるぞ
       〜そういう決意が溢れている。
       今日は、今年の抱負を作文に書かせた。
       夢があるから、目標が生まれる。
       目標に向かって頑張るから、夢に近づくことができる。
       3学期は逃げるように早い。
       1月は・・・いく。
       2月は・・・にげる。
       3月は・・・さる。
       卒業学年にとては、1日1日が大切になる。
       最後まで思い出を作っていこう。

      
「水平線」
       
       海辺にやってきた
       灯台下の白砂のビーチ
       ふだんは力一杯砕け散る波も今日はおだやか
       小春日和
       東風が頬にあたる
       海の向こうから潮風を運んできた
       
       ビーチの公園の芝生
       ごろんと横になる
       目の前に広がる青い空間
       飛行機が飛んでいった
       ほのかに漂う、菜の花の香り
       もううぐ春なんだね
       
       気がつくと、昼寝をしていた
       ふと水平線に目をやる
       水面に浮かぶ水鳥

       
空を舞うカモメ
       沖をタンカーがゆっくりと進んで行った

       
水平線の向こうには何があるのだろう
       ただ、ぼんやりと海を眺めていた

       
     
「百人一首」
       
       4年生を受け持った。
       12月に百人一首のカードを配る。
       冬休みに、みんな必死になって暗記する。
       1月に百人一首大会があるからだ。
       4年生ぐらいだと、100首ぐらいの暗記はなんのその。
       
       冬休みが明けた体育館。
       4クラスいっしょに、大々的に大会を行う。
       これは、同じレベル同志が対戦する。
       つまり、相撲の番付のようになっている。
       それを各クラスごとに得点化して競うのだ。
       だから、みんな夢中になる。
       
       トトロ学級は今まで何をやってもだめだったけど、とうとう1位になったね。
       この後、自信が大きかったのか、いろいろなもので大活躍となった。

      
「たこ」
       
       子どもの頃、よくたこあげをした。
       それも、わざと風の強い日に飛ばすのだ。
       手で持つ糸にぐいぐい引っ張られながら、見えなくなるぐらい高く上げる。
       いつだったか、台風並みの強風の日に飛ばしたら、急に大きな音がした。
       「ブチン!」
       気がついた時にはもう遅かった。
       たこはものすごい勢いでかなたへ自由な旅に出て行った。
       あのたこは、いったいどこまで飛んでいったのだろうか。

      
「ハガキが足りない」
       
       トトロは、200枚年賀ハガキを用意した。
       まぁ、これぐらいあれば足りるだろう。
       ところが、予想に反してまたもや不足してしまった。
       思いがけない子たちからも来るからだ。
       急いでハガキの裏面印刷をして、言葉を添えながら書いていく。
       
       家族の写真、赤ちゃんの写真つきの年賀状も多い。
       トトロの願いがある。
       来年は、ちびトトロと一緒にうつりたいな。
       コウノトリにお願いするしかないね。
       「年賀状」
       
       トトロに来る年賀状は、枚数の計算ができない。
       半数以上が教え子たちなのだが、下は小学生から上は23歳までいる。
       おまけに自分の学級でない子からも来ることが多いから、あわてて書くこともある。
       一年にたった一度の年賀状。
       でも、この交流を大切にしたいとトトロは思う。
       今年は200枚あったが、すでに足りなくなりそうだ。
       成人している教え子からのハガキに返事を書くとき。
       どうしても、その子のイメージは小学生の時のままなんだよね。
       いつまでたっても、教え子なんだなってトトロは思う。

      
「新世紀の開幕」
       
       高台にあるトトロの家
       そのトトロの部屋からも新世紀の初日の出が昇ってきた
       勇壮なその姿に、感動さえ覚える
       昨日に続く今日
       別段なにも変わりはないが、
       これから始まる新しい世紀の鼓動が聞こえてくるからだ
       さあ、頑張ろう
       結局、歴史を作るのは一歩一歩しかない
       日が昇る
       午前8時の太陽のごとく、さわやかに
       そして、希望をもって
       この21世紀を作り上げていこう
       何でもうまく行く時は、謙虚に
       なかなかうまく行かない時こそ、慎重に
       そして、負けない心で
       今日から決意も新たに船出をしたい
       
       21世紀は、希望の世紀
       明けましておめでとう♪

      
「20世紀の最後の日」
       
       今日は、20世紀の最後の日。
       去年の大晦日。
       それは、1999年の終わりだったが別に何も変わることはなかった。
       確かに昨日に続く今日だから、今度も変わりはないだろう。
       しかし、20世紀と21世紀の変わり目にこの世に存在したことは奇跡でもある。
       この1年、トトロにとっては人生の歴史に残る年になった。
       かけがえのない人との出会い。
       来年は、いよいよそのスタートとなる。
       トトロは生きがいを見つけた。
       その生きがいを21世紀に希望をもって行くことができる。
       明日から21世紀。
       トトロは、決意を新たにがんばりたい。
       20世紀、さようなら。

      
「小さなお客さん」
       
       冬休みに入った。
       休み中にも学校の仕事はあるので、毎日仕事へ行っている。
       10時頃、窓の外で声がする。
       「せんせ〜い!」
       あれ?と思って声の方向を見ると、トトロ学級の子たちが10人ほど立っていた。
       「なんか、おてつだいすることないですか?」
       「ほほー、ありがとう。えらいね。じゃ、お花に水をかけてあげてね。」
       「はーい!」
       よく働くんだよ、トトロっ子たちは。
       「おわったよ。」
       「そうか、ありがとうね。お花もきっと<うれしい>って言ってるよ。」
       「うん。」
       「少し、みんなで遊ぼうか?」
       「やったぁ。」
       校庭に出て、リレーごっこ、なわとび。
       すっかり汗をかいたので、もういいかな?
       「じゃ、先生はお仕事にもどるからね。また遊ぼうね。」
       「さようなら。」
       トトロっ子たちは、満足そうに帰っていった。
       それにしても、休みの日にもトトロに会いに来てくれるなんてうれしいなぁ。
       みんなトトロの宝物だね。

      
「いもばん」
       
       生活科の時間にいもばんを作った。
       折りしも,ゆうびんやさんの仕事の勉強をした後。
       今度は、年賀状の書き方の勉強をする。
       郵便番号、宛名、差出人の住所、名前の書き方。
       それを指導したあと、さっそく裏面で使ういもばんの作成に取りかかる。
       学校の畑で収穫したサツマイモを使う。
       それに彫刻刀で彫っていく。
       やわらかいので作業はしやすいが、失敗も多い。
       しかし、失敗したら表面を切ってしまえばいいので、わりあい簡単だ。
       「できたよ。」
       「ほら!見てみて!」
       かわるがわる見せにくるトトロっ子たち。
       用意してあった手製のハガキに次々とスタンプしていく。
       「乾かしている間、なわとびしに行こうか?」
       「やったぁ。」
       それで、さっそくみんなでなわとびをする。
       え?何をするかって?
       もちろん、「ゆうびんやさん」だよ。

       
♪〜ゆうびんやさん、おとしもの、拾ってあげましょ〜1まい、2まい〜♪
       こういう時のトトロっ子たちの表情はキラキラだね。
       さあ、かわいたね。
       はがきを書きに行こう。
       <郵便局長のトトロ>

      
「模様替え」
       
       模様替えをした
       いつもと違う配置に置き換える
       あれ?
       古い写真や文集が出て来る
       気がつくと、夢中になって見ている
       結局、いつまでたっても片づかない
       模様替えには時間がかかる

      
「たこあげ大会」
      
      トトロの学校では、毎年たこあげ大会を行っている。
      12月から作ってきたたこ。
      手作りのたこは、おのおののデザインに工夫が見られる。
      みんなで歩いて、近くの河川敷へ行く。
      川を渡る風はちょっと冷たいが、たこあげにはもってこい。
      1年生の世話は6年生の仕事。
      一緒に持ってあげたり、走ったり。
      糸がからまったと言えば、修理をしてあげる。
      糸が切れたと言って、遠くの方まで追いかけていく上級生。
      でも、よほどのことがない限りみんな空高く上がる。
      「あがった!あがった!」
      1年生たちも大喜び。
      雲ひとつない快晴。
      2時間も楽しんでいたとは思えないように、あっという間の時間が過ぎる。
      土手のところで、記念撮影。
      そして、みんなで並んで帰ってきた。
      昔ながらの楽しい遊び。
      大事にしたいね。
      幸い、トトロ学級はみんな外遊びが好きだね。
      この調子だよ。
      空高く上がるたこをみながら、どんな夢を見ているのだろう。

     
 川を渡る風はちょっと冷たかったが、心の中は澄んでいた。
      
「メッセージ」
      
      
♪〜揺れる想い,体中感じて このまま ずっとそばにいて〜♪
      ZARDの曲の歌詞じゃないが、いつまでも今のこの気持ちを大事にしたい。
      
      ♪〜遠くに離れていても 分かり合える わずかなぬくもり 分かち合ったように〜♪
      ♪〜愛が全てさ、今こそ誓うよ 愛の限り 強く強く〜♪
      HOUND DOGのff(フォルテシモ)の歌詞だ。
      トトロは、前向きな歌が好き。

      
      今まで、歌はメロディーラインから入ったトトロだったが、最近歌詞に込められたメッセージが
      気になるようになった。
      もっと、心をみがきたいとトトロは願う。

      
「祈り」
      
      祈りとしてかなわざるなし
      〜そういう言葉がある
      一念が強ければ強いほど、不可能すら可能となることもある
      
      離れていても、分かり合える
      そういう仲間の存在は大きい
      共に笑い、共に涙し、共に歩んでいく
      そのためには、まずは強い祈りが大事かな
      人は、よい時だってあるし、うまくいかない時もある
      できれば、困難な壁は避けたいとも思う
      しかし忘れてはならないことは、大事な時に負けないということではないだろうか
      何があっても、朗らかに
      何があっても、前向きに
      堂々と前進して行ける人間
      希望を与えていける人間
      そんな人に、トトロはなりたい
      <詩人・トトロ>
      「がっこうだいすき」
      
      トトロ学級で、アンケート調査をしたことがある。
      2年1組。  
      ちょっと不安だったが、開けてびっくり。
      「がっこうが、すきですか?」
       はい 26名 いいえ 0名
      「どうしてたのしいのですか?」
       ・ せんせいがすきだから 18名 ・ ともだちとあそべるから 8名 ・・・
      
      トトロは、これを見てうれしくなったね。
      そうだよね。
      結局、一年間でトトロっ子たちと遊ばなかったのは2日だけ。
      同僚たちが休んでいる間も、トトロは外で走り回っていたっけね。
      休み時間は本来休憩してもいいことになっている。
      職員室でコーヒーを飲んでもいいのだが。
      授業が終わるたびに、
      「先生、あそぼ!」
      と、一度にわっと来るわけだから、もはや逃げるわけにもいかない。
      トイレまでついて来るのだから、たまったものではない。
      一度にトトロに6,7人もぶら下がる。
      そうだ!これで「トトロ」になったのだった。(笑)
      
      休みの前日、こんなことをつぶやいた子もいた。
      「休みがないほうが楽しいよ。」
      トトロはすかさず聞いてみる。
      「どうして?おやすみの方がたくさんあそべるんじゃないの?」
      ところが、答えは、
      「学校の日の方が、先生やみんなとたくさん遊べるからいいの。」
      そう言えば、放課後「さよなら」をした後、何人もがひょっこり教室まで遊びに来ているね。
      一度家に帰ったのに、また学校へ遊びに来るとは。
      「がっこうだいすき」
      とてもいいことだね。
      みんななかよしさんだね。
      先生も楽しいよ。
      <2年1組担任 トトロ先生>

      
「飲み会の謎」
      
      飲み会について考察してみた。
      どういうわけか、飲み会では最後にみんなでラーメン屋へ行く。
      だいたい、ビールの時はラーメン。
      日本酒の時はお茶漬け。
      どうしてかな。
      飲み会の後、帰宅がどんなに遅くても翌日は早起きになる。
      どうも謎である。
      あるいは、トトロだけのことかな?

      
「成長」
      
      最近、トトロ学級の子たちが変わってきた。
      あれほど動きが活発だったのに、すごい集中力。
      授業中なんか、鉛筆の音しか聞こえないほどになった。
      低学年の頃、担任はずいぶん泣かされたそうだ。
      だから、2年続けての持ち上がりが一人もいない。
      トトロが初めての持ち上がり。
      あちこちでいろいろお世話になってきたトトロッ子。
      ところが、今年に入ってから可能性が一気に開花。
      かつては、よくない意味での名物学年だった。
      それが、今では下級生たちのヒーローになった。
      
      うれしい時も、悲しい時も、悔しい時も、みんなで心を分かち合ってきた。
      だから、成長する時の速さも39倍になるのだ。
      巣立ちの日まであと3ヶ月。
      見事なテイクオフを飾れるように、トトロは祈る。

      
「小さないのちと共に」
      
      2年生のトトロ学級には、鳥かごがある。
      窓辺の日当たりのよいところにそっと置いてある。
      中には、セキセイインコのつがいが一組。
      ある日、授業中に交尾が始まった。
      低学年の子どもたちというのは、こういう時目をまん丸にしてそっと見守る。
      生きた性教育にもなる。
      やがて、メスは巣箱の中で産卵。
      このつがいはオスもメスも手乗りだから、それほど警戒心がない。
      たまにそっと巣箱の中を見せてやる。
      わずか2cmほどの小さな卵が7個。
      メスは大事そうに温めていた。
      
      「先生!中から声が聞こえるよ。」
      耳をすますと、かすかに聞こえてくる。
      「チィ、チィ。」
      親鳥を刺激しないようにして、そっと手のひらに乗せて子どもたちにも見せてやる。
      「かわいい!」
      「そうそう、うまれた時はこんなに小さいんだよ。」
      「こんなに小さいのに、いっしょうけんめい生きているんだね。」
      子ども達に見せてあげたあと、そっと巣箱へ戻した。
       
      さらに日数が経つと、次々と兄弟がかえる。 
      1日おきに孵化するから、見事に大きさも違う。
      大きくなってきたら、今度は手乗りの練習を始める。
      毛が生えそろわないうちに手でえさをやる。
      温かいお湯につけたあわ玉にボレー粉を混ぜて指でつまんで与える。
      ちゃんと指から食べると、子どもたちは感動でいっぱいになる。
      小さないのちを育てる楽しみ。
      こうして巣立ったひなたちは、希望する子や先生方にもプレゼント。
      今まで巣立ったひなは、もう200羽にもなる。
      言葉じゃないんだ、いのちの大切さは。
      <ムツゴロウになったトトロ>

     
「もちつき大会」
      
     もちつき大会があった。
     トトロの学校では、体験学習で稲の栽培を行っている。
     水田で収穫したもち米を餅にするのだ。
     幼稚園児も招待して、もちつき大会をする。
     PTAの役員さんたちや、お年寄りの人たちがお手伝いをしてくれる。
     高学年は、丸めた餅でお供えを餅をつくっていく。
     一つ一つていねいに仕上げる。
     これは、地域の一人暮らしのお年寄りにプレゼント。
     だから、みんなで心を込めて作っていく。
     
     しばらくすると、今度は自分達も餅を試食する。
     あんこ、きな粉、からみ。
     持参したおわんに入れてもらって、みんなで食べる。
     バスケットコート2面とれる体育館もところせましとおいしい香りが立ち上る。
     残しておきたいね、こういう習慣。
     お年寄りから子どもへつなぐ、文化の掛け橋。
     <もちつきトトロ>
    「ちびっこチーム」
     
     トトロはバスケットを指導して14年になる。
     トトロにはジンクスがある。
     どういうわけか、ちびっこばかりが集まってくる。
     小学生とはいえ、高学年ともなれば普通は大柄な子もいるのだがトトロのチームには
     小さい子ばかりが集まるのだ。
     よそのチームが平均身長150〜160cmであっても、トトロのチームは平均で130cm台
     ということが多かったのだ。
     ここまでくると、まるで大人対子どもの試合のようだ。
     ユニホームなんて、すそを短パンの中に入れたら番号が見えなくなるから、いつも外に
     出させているんだ。
     トトロは基本ばかりで走るバスケット。
     だから、気持ちでは絶対に負けない。
     この前、どう見ても高校生みたいにでかいチームと試合をした。
     それでも、トトロのちびっこチームは勝った。
     やればできるじゃん。
     ちびっこチームでよかったということもある。
     なにしろ小さいから、かわいい。
     だから、どこへ行っても自然とまわりが応援してくれるのだ。
     うれしいよね。
     来年に向けて、今度は連覇を達成する時。
     今はしっかり基礎を作っている。
     ほら、うそみたいでしょ?
     今のチームが万年最下位だったなんて。
     トトロに任せておけって。
     <監督トトロ>

    
「ゆうびんやさん」
    
    2年生の生活科で、郵便の仕事の活動をした。
    この前、郵便局の見学へ行ってきたトトロ学級。
    さっそく、子ども郵便局開設に向けて準備が始まった。
    みんなで持ってきたダンボールでポストを作る。
    赤い紙でまわりを包む。
    ハガキも、切手もみんな手作り。
    集配用のバッグも、帽子も作ったよ。
    鏡の前に立って、ニコニコしている子どもたち。
    みんなかわいいゆうびんやさんだね。
    ほら、みんな並んでごらん。
    ポストの前で、小さなゆうびんやさんたちの写真を撮る。
    26人、みんな笑っているよ。
    
    各クラスと先生方にハガキや切手を配る。
    さらに、学級用のポストを取り付ける。
    トトロ学級の子ども郵便局が始まった。
    
    みんなで手分けして、運営にあたる。
    郵便物を集める子。
    行き先別に分けていく子。
    配達に行く子。
    みんな瞳がキラキラ輝いているね。
    「わぁ、OOちゃんからだ。」
    「校長先生からもきたよ。」
    ハガキが届くたびに歓声があがる。
    なんでも夢中になって取り組むトトロッ子。
    とても楽しそうだよ。
    「はい!ゆうびんです。」
    あ!また新しい手紙が来たね。
    よし、お返事を書いてあげるからね。
    トトロは、ねこばすで配達しようかな(笑)。
    「笑顔の絶えないトトロ学級」
    
    トトロ学級は、6年生。
    最近、うれしいことがある。
    前にも増して明るくなり、男子も女子も仲がよい。
    思春期の入り口の子ども達にとって難しい時期とも言われている。
    ところが、トトロ学級では全く問題がない。
    今までいろいろ失敗もした。
    しかし、その分心と心のつながりが大きい。
    みんなで楽しくしようという雰囲気がトトロは自慢だ。
    給食の時には、楽しい会話が弾む。
    授業中には、トトロもついマシンガン脱線(ダジャレなどが止まらず次々と飛び出してくること)。
    ゲラゲラ笑う声がこだまする。
    でも気持ちの切り替えもうまくなったのか、集中力もまたすごい。
    チャイムが鳴ったのに気がつかないほどの時もある。
    以前は、確かに楽しい時ばかりじゃなかった。
    悲しい時、つらい時もあった。
    そんな時みんなで助け合ってきたことが財産になっているね。
    いつまでも思い出になる学級になりそうだよ。
    「さようなら!」
    明るく、元気な声が聞こえるね。
    職員室の前を元気に通り過ぎて帰っていくトトロッ子たち。
    また明日も元気にがんばろうな。

    
「公園へ行こう」
    
    教室ばかりではつまらない。
    1年生たちを連れて近くの公園へ行くことにした。
    運動公園なので、広い敷地に芝生が広がる。
    アスレチックで思いきり汗を流す。
    「こっち!こっち!」
    動くおもちゃ、トトロは汗だくになりながらあっちへこっちへ。
    疲れたところで、草ずもうにする。
    勝ち抜き戦だ。
    トトロが負けようものなら、1年生たちは大喜び。
    今度は、「押しっこ」だ。
    全員と勝負。
    ふう。息が切れる。
    そうだ、芝生の上に大の字に寝てみようか。
    みんなでごろんと空を眺める。
    今度は雲が遊び相手。
    「あの雲はゾウさんみたいだね。」
    「ソフトクリームもあるよ。」
    ほのかに漂う草の香りが気持ちいいね。
    帰りには、持ってきたロープにみんなで入って電車ごっこしながら帰っていく。
    毎日楽しいとトトロっ子たちは言う。
    そうだよね、トトロも同じだよ。
    この日の給食は特別においしかった。
    <動くおもちゃのトトロ>

    
「気持ち」
    
    たった一言だけなのに、うれしい言葉がある
    たった一言なのに、心に残る言葉がある
    相手の気持ちと自分の気持ちが同じ目線になった時
    しっかりつながっていく気持ち
    理解していこう
    思いやっていこう
    そう思っているうちに、自然と前向きな自分がここにいる
    よし、自分も頑張ろう
    そう思わせてくれる仲間
    素敵な仲間がトトロにもいる
    決して飾らず、決して焦らず
    ありのままに、そして自然に、前向きに
    気持ちというものを大事にしたい
    自分のことをわかってくれている
    いるだけで、安心感がある
    そんな人にトトロはなりたい
    <メッセージ>

    
「保護者会
    
    学期末の保護者会があった。
    トトロが来るまでは、毎年担任が代わってきた。
    つまりは、それほどパワフルな学級だった。
    現在のトトロ学級は、見事に蘇生。
    学校始まって以来の大活躍。
    スポーツではすばらしい成績だった。
    
    保護者会があった。
    卒業まで3ヶ月ほど。
    さすがに、ここまで来ると感慨深いものがある。
    卒業してもずっと見守り続ける存在でありたい。
    最後まで頑張る決意を披露した。
    思っていたよりたくさんの拍手を送ってくれた。
    全然苦情の一つも言ってこない保護者の皆さん。
    ありがたい話だよ。
    子どももそうだけど、保護者のおかげで頑張っているのもあるな。
    
    担任の間だけを頑張るのももちろん大事だが、トトロッ子たちに
    とっては生涯担任なわけだからね。
    残り少ない小学校生活。
    みんなで思い出をたくさん作ろうな。
    <6年担任のトトロ>

    「木の葉で作る」
    
    生活科の時間に落ち葉を集めた。
    赤や黄色の鮮やかな色。
    大きさもまちまちだ。
    どういうわけか、こういう時に限ってただの葉っぱは宝物に変身するのだ。
    「ここにもあったよ。」
    「ほら、これはライオンみたいだよ。」
    1年生たちは、自慢げな顔でトトロに報告しに来る。
    校庭の隅でみんな夢中になって拾っていく。
    「さあ、教室で模様を作ろうか。」
    「やったー!」
    用意しておいたのりやマジックを使って模様を作っていく。
    イチョウの葉っぱは、そのまま使うとキツネになる。
    そこに、マジックでおひげを生やしてあげるのだ。
    たたみ2枚もある大きな紙に、みんなで貼り付けていく。
    26人で作った動物園が出来上がる。
    「校長先生に見せに行こう!」
    「学校のみんなにも見せようよ。」
    「そうしよう!」
    結局、廊下に貼ることにした。
    そう言えば、七夕の時も、ビニール袋で作ったこいのぼりの時も廊下に飾ったよね。
    ダイナミックに活動を展開するトトロ学級だよ。
    みんなで思い出を作ろうね。
    <低学年担任のトトロ>

    
「郵便局見学」
    
    2年生を連れて郵便局の見学に行った。
    市の研修バスに乗って行く。
    まるで遠足のように喜ぶトトロッ子。
    バスの中で、歌を歌いながら楽しく過ごす。
    
    郵便局へ到着。
    みんなで元気にあいさつ。
    郵便局の人から説明を聞く。
    郵便物の旅〜ドラえもんの映画を見る。
    人気アニメの主人公だけあって、夢中になる。
    映画の中ののび太に話しかけるトトロッ子たち。
    すっかりストーリーの中に忍び込んでいるんだね。
    この後、実際の仕事の流れにしたがって体験学習。
    届けられた郵便物に消印を押したり、配達地域ごとに仕分けしたりする。
    そんな仕事も体験させてもらい、大喜び。
    帰りに、お土産のハガキや本をもらってまた大喜び。
    
    帰ってきてから、さっそくはがきの書き方を勉強。
    みんなで書いてポストへ出しに行く。
    「行ってらっしゃい。」
    はがきの旅の始まりだ。
    <生活科のトトロ>