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のほほんエッセイ「トトロのいる教室」18

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ノウゼンカズラ 家庭菜園 テントウムシ とぐろのキュウリ とぐろのキュウリ2 赤 面
おがくずと削り節 カタツムリ集め 食いしん坊 ウミネコの大群 イヌとサルとキジ




ジェイク・シマブクロのウクレレCDを聴いている。
2曲目は「rainbow」。
ベイFMの夏のキャンペーンでBGMになっていた曲だ。
軽快なリズム,透き通ったメロディー。
この曲を聴いていると,ハワイの空気が感じられる。

そっと目を閉じてみる。
虹といえば,思い出す。
雨上がりのワイキキ。
ちょうどビルの屋上から天空への階段のようでもある。
からっと晴れた青い空がハワイにはよく似合うが,たまには雨上がりもいいものである。

ココヘッドの虹。
これは谷間にかかった虹の橋。
もう一つは,飛行機からの虹。
ドーナツ状に丸く見えるから不思議だ。
光のいたずらか。
めったに見られない存在でもあり,あっという間に姿を消す虹。
デリケートな存在ゆえ,ひときわ輝きを増すのだろうか。


イヌとサルとキジ

ご存知,桃太郎の物語である。
すくすくと育った桃太郎が鬼が島へ向かう。
その途中で,イヌとサルとキジに出会う。
それぞれ,桃太郎が持っているきびだんごをもらって鬼退治へのおともをすることになる。
でも,待って。
鬼退治ということは,いのちを落とすことにもなるかも知れないのだ。
たった1個のきびだんごでいのちがけになれるなんて。
それも初めて出会った桃太郎にそれほど心を許せるのはなぜなのか?
食べるためなら,いのちがけというところだろうか。
それとも,食べ物に執着があるのか。
よほど腹が減っていたのか。
ちょっとひねくれて考えてみても面白い。

じゃぁ,自分なら,どうしただろう?
きびだんごを1つもらったら,すぐに食べてしまって,立小便でもしている間にさっさと逃げちゃうかな?

ウミネコの大群

その日は,朝から雨が降り続いていた。
どんよりとした雲の隙間から夕方の太陽が顔をのぞかせた。
それまで家の中で静かに過ごしていたせいか,外へ出かけたくなった。
急いで上着を着て,車を走らせた。

ビーチサイドを西に向かって走らせる。
太平洋の冬の荒波は,白い牙をむき出している。
しばらくして,ヨットハーバーにさしかかった。
「あれ?」
そのヨットハーバーのわきにある広い空き地に,白い点々がいっぱい。
「何だろう?」
おそるおそるその点々に近づいていくと,それはウミネコの大群であった。
いったい何羽いるのだろうか。
ざっと見て数千羽はいるだろう。
途中まで数えてみたものの,あまりの多さにギブアップ。

ウミネコたちは,羽を休めているのだろうか。
雨上がりで干潟となったその空き地で羽をつくろったり片足を引っ込めたり
してくつろいでいるように見える。
車で少しずつ接近していく。
少しずつ,少しずつ。
そうしているうちに,ウミネコまで2,3mのところまでやってきた。
ウミネコたちは逃げずにおのおのくつろいでいる。
そっとエンジンを止め,車の中から観察してみる。
見事だね,この集団は。
そのうち,向こうの方から人影がやってきた。
自転車に乗った人だ。
その人は,一気にウミネコの大群の中を走り抜けた。
「バサバさバサバサ・・・」
ウミネコたちは一気に飛び立った。
空が暗く見える。

ところが,しばらくしてウミネコは元のように舞い降りてきた。
何事もなかったかのように,くつろぎ始めた。
どのぐらい時間が立っただろう。
ちょっといたずらがしたくなった。
「ようし。」
手をハンドルにもっていく。
(せーの!)「プ,プー!」
クラクションを鳴らしてみた。
ウミネコたちは,全部がこっちを向いた。
あれだけの数のウミネコが一斉に同じ方向を向いた。
ウミネコたち,「なんだ?」という顔をしてこちらを向いた。
「く,く,く・・・(笑)」
笑いが止まらない。
不思議なことに1羽も飛び立たない。
面白がって,何回もクラクションを鳴らす。
そのたびに反応を楽しむトトロであった。
全校で号令をかけたって,こんなに動作がまとまることはまずないね。

ビデオでもカメラでも持ち合わせていればよかったのにな。
ある冬の日のできごとだった。
それ以来,何回あの場所へ行ってもウミネコの大群に出会うことはない。



食いしん坊

それは,12月24日,クリスマスイブのことだった。
今日は特別な日。
なぜかって?
大きなケーキが食べられるからだ。

ところが,一つだけ問題があった。
この日の夕方,歯医者に予約が入っていたのだ。
仕方なく歯医者へ行くトトロ。
この日の治療は,少々時間がかかった。
歯を削るということで,麻酔を注射。
だんだん麻酔が効いてきたのか,治療はそれほど痛くなかった。
会計を済ませ,ワクワクしながら家路についた。

玄関に入ると,ごちそうのにおいがした。
さぁ,ケーキだ。
・・・。
ところが,トトロの麻酔はまだ効いていた。
しばらく待っていたが,ご馳走を前によだれをたらす犬のように我慢ができなく
なっていた。
「食べちゃおうか・・・。」
トトロは,恐る恐る食べ始めた。
「おいしいね〜。」
結局,全部を平らげた。
紅茶を飲んでカップの縁が赤くなっているのがわかった。
「あれ?」
あわてて洗面のところへ行って,鏡を見た。
口の中は真っ赤になっていた。
麻酔で感覚がなかったので,口の中も一緒にかじっていたらしい。
突っ走ってしまって,あとで反省する・・・それがトトロ(笑)
食いしん坊トトロ,失敗の巻。


カタツムリ集め

梅雨の時期,室内で遊び疲れたので,外へ出た。
かさをさして,長靴をはいて。
手にはビニール袋。
おばあちゃんの家の近所には,それぞれがマサキの木で囲まれている。
そのマサキの木の葉っぱにカタツムリが止まっている。
それを1匹ずつ袋に入れて集めていく。
面白いようにたくさんつかまえることができた。
家に戻って水槽の中にぬれた葉っぱを入れ,カタツムリをそっと置く。
ここにカタツムリ動物園の出来上がり。
水槽の横に顔をくっつけて,観察しているとあっという間に時間が過ぎる。
ある日,にんじんを食べさせてみたら,真っ赤なうんちをしたこともあったな。
何でも遊び道具になっていたあの頃。
カタツムリもまたトトロの友達であった。



おがくずと削り節

子どもの頃,トトロは父の会社の社宅に住んでいた。
建材を扱っていたため,よく工場の敷地内で遊んでいた。
工場では木材を切って,高く積み上げてあった。
足元には,おがくずがたくさん落ちていた。
幼いトトロは思った。
「こんなに削り節が落ちていて,もったいない。」
トトロはバケツにたくさん詰めて,母のところへ持っていった。
この頃のトトロは,削り節とおがくずを同じものだと信じていたのだ。
だって,色も形も見た目も似ているじゃない。
ところが,母は笑っていた。
こうして,物事の分別を覚えていくんだね。

ところで,このおがくずはなかなか役に立つ。
カブトムシの幼虫を育てるために使った。
おがくずの中で育ったカブトムシは,やがてさなぎになる。
そして,成虫となって地上に現れる瞬間は感動ものである。  
初め,固いはずの羽はやわらかくて白い。
それがだんだん褐色に変化していく。

今,おがくずを見ることはほとんどない。      
去年,トトロの家を新築した時におがくずを見たらなつかしさを覚えた。



赤 面

ある日,一人で道を歩いていた。
すると,向こうの方から笑顔でこちらに手を振っている人がいる。
「あれ?誰だろう。」
自分が知らない人。
でも,どこかでかかわった人かもしれない。
とりあえず,手を振って会釈をする。
向こうも,明るく会釈をする。
そして,トトロはこの人とすれ違おうとしていた。
「あれ?」
その人は立ち止まって,トトロの後ろを歩いていた人と話し始めた。
「げ!人間違いだったのか・・・」
トトロは,穴があったら入りたかった。

ある日,二人でファミリーレストランへ行った。
昼時とあって,混雑していた。
しばらく待って,ようやく自分たちの番がやってきた。
「何名様ですか?」
こう言われた時,トトロは人差し指と中指を立てて合図をした。
「2名様ですね。」
ウエィトレスは笑いながら答えた。
・・・考えてみたら,トトロはどうしてこのお姉ちゃんにピースをしたのだろう。
何だか,恥ずかしくなった。
穴があったら入りたかった。


とぐろを巻いたキュウリ2

トトロの家で,またまたとぐろキュウリが収穫された。
今度のキュウリは,向きによってカタツムリのオブジェに見える。

前回のキュウリは棒に巻きついていたが,今回はそのままの形でぶら下がっていた。
これもちょっとしたキュウリの自己主張か。












とぐろを巻いたキュウリ

トトロの家庭菜園は狭いが,一年中いろいろな野菜を育てている。
その中で,今回おかしなキュウリを発見。
キュウリを栽培するのに,棒を立てていた。
キュウリは自分のつるを棒に巻きつけながら上に伸びていく。
いつものように,菜園の様子を見に行ったら,なんと,キュウリ自体がとぐろを巻いていた。
何だか不思議な感じがした。
すぐさま,ケータイのカメラで撮影した。
このキュウリ,自分をつるだと信じ込んでいるのか。
すごい自己主張に,トトロは脱帽した。
そういえば,今回のキュウリ。
この夏が冷夏であったのに,実に大きく育っている。
長いもので40cmにもなる。
これではまるで,へちまだ。
漬物にしたり,サラダにしたりと毎日のように食卓を飾るトトロ家。
これは,もしカッパだったなら,大喜びだったろうに。
「キュウリの食い放題」・・・こんな看板でも立てて,カッパ相手に商売でもするか(笑)。


働き者のテントウムシ

トトロは,ハイビスカスを栽培している。
ハイビスカスの花は,たった1日でしぼんでしまうが,南国の太陽の
ようなまぶしい明るさは,情熱さえも感じさせる。
さて,このハイビスカスの天敵はアブラムシ。
締め切った部屋の中でさえも,どこからともなくやってきて気が
つくと,花や新しい葉にくっついている。
そこで,トトロは庭から3匹のテントウムシをつかまえてきて,葉の
上に乗せてみた。
そうしたら,効果てきめん。
アブラムシは,テントウムシの大好物である。
テントウムシがせっせと食べ始めた。
食べても食べても,アブラムシがいるから,テントウムシにすれば
苦労せずにごちそうにありつけるわけだ。
部屋の中においたハイビスカスの鉢植え。
テントウムシを部屋の中で放し飼い。
たまに,テーブルの上やシンクの中にいることもあるが,戻して
やると,よく働くのだ。
働き者のテントウムシは,今やトトロのよき部下である。


家庭菜園

トトロは,小さな庭に家庭菜園をつくった。
今年は,ジャガイモ,インゲンマメ,トマト,キュウリ,エダマメ。
はじめに土をつくり,種をまき,ゼロから育てていく。
時々,天候により心配なこともある。
大雨,大風で苗が倒れることもあるが,すぐさま世話をしてやる。
すると,再びまっすぐと伸びていくから不思議だ。

家庭菜園で作った野菜を収穫して食べるのが,また格別。
手作りだから,感動も大きい。
なぜか,おいしく感じられるから不思議だ。

トトロが帰宅すると,真っ先に家庭菜園の様子を見に行く。
一日の間にまた大きく育っている。
改めて,成長の勢いを感じさせられる。

トトロ家にも,もうすぐ子どもが誕生する。
歩けるぐらいになったら,一緒に野菜を育ててみたい。


ノウゼンカズラ

「ノウゼンカズラ」という木をご存知だろうか。
梅雨明け前頃から咲き始め,真夏にたくさんのオレンジ色の花をつける。
この木は,どんどん伸びていくため,かなり年数の経った木なら10m級にもなるというから
その生命力はすさまじいものがある。
いつも夏になると,道端に咲いているのを発見すると,その色が鮮やかなせいもあり,トトロは
その色に引きつけられてしまっていた。
その花は,真夏の太陽によく似合う。
まるで,ハイビスカスのようでもある。
まさに真夏の象徴。
調べてみると,古くは平安時代から日本中に植えられていたようだ。
ところで,「ノウゼンカズラ」という名前をつきとめるまで実に10年もかかった。
だから,その名前がわかったときの感動は大きなものだった。
そっそく,ホームセンターでノウゼンカズラの木を買ってきた。
どういうわけか,真夏のハワイを感じさせてくれる木,ノウゼンカズラ。
ハイビスカスとともに,今トトロのお気に入り。