
※本稿は『映画秘宝』第35号に掲載された映画『OUT』の脚本家・鄭義信のインタビューに併せて載るハズだったが、配給元である20世紀フォックス極東支社から「生々しいし、バラバラ解体を売りにしている映画ではないので」とストップかかり、やむなくオミットとなったものである。
●死体の解体と聞くと、血や肉が飛び散るイメージを想像してついつい敬遠しがちですが、この不況の世の中、一体バラしただけで数百万の収入が懐に飛び込む仕事なんてそうそう転がってません。あなたも以下の手順を覚えて、一攫千金をめざしましょう。
1.気持ちよくバラせる準備をしましょう
★一人でバラすのが難しい場合、口が堅くて金に困ってそうな奴を上手く誘いましょう。その際、自堕落な生活を送る人を引き込むと、弱みにつけ込んで脅してきたり、逆に脅されてバラした事を喋りかねないので絶対に避けましょう。
★解体場所ですが、ひと一人をバラすのに適度な広さを持ち、作業後に清掃しやすい風呂場が最適ですが、ユニットバスは狭いのでやめましょう。
★タイルの目地に肉片などがこびりつくとあとで面倒です。ビニールシートなどを敷いた上で作業しましょう。また、作業の際に粘度の高い血が溜まりやすいので、排水溝の金網は外し、水道の水を流しながら作業を行いましょう。
★できるだけバラす時に肉が切れやすい、鋭利な刃物を用意しましょう。手術用メスなどがあれば最適です。また、関節や骨などを切断する場合に電動ノコギリなどがあると重宝しますが、切断した際に血や肉が霧状に舞って目に入る危険性があるので、防御用のゴーグルを用意しましょう。
★作業の際、血が付くと面倒なのでなるべく上着は脱ぎ、動きやすい服装に着替えましょう。また、骨片を踏む可能性があるのでゴム長等を履いて作業を行いましょう。
2.早速バラしましょう。気をつけて作業すれば意外と簡単です
★まずは頭から切り落とします。頭を残しておくと、ついつい生前の姿を連想してしまい、あまり気持ちのよいものではありません。
★先に首を切り落としたら、次にノコギリで各関節を切り離してから、肉や内臓をバラしていきます。この際、肉がノコギリの刃に巻きつくと非常に切れにくくなるので、前もってメスや包丁などで肉に切れ目を入れておきましょう。
★バラした死体は自治体指定のゴミ袋などに細かくわけますが、その際に一目で死体と判別できないよう、違う部位の肉もまんべんなく入れて混ぜておきましょう。3.最後に、バラした遺体はちゃんと始末しましょう
★ゴミ捨て場に捨てる場合、ちゃんと生ゴミの日に捨てましょう。また、面倒だからといって公園のゴミ箱などに捨てたりしてはいけません。誰かに発見される可能性が高くなります。できるだけ町のゴミ置き場で、他のゴミの中に隠すようにして捨てましょう。
★知り合いがゴミ焼却施設を持っていれば、多少遠方でも宅配便で送るなどして燃やしてしまえば足がつきにくくなります。その際、事情を知らない送り先が勝手に中身を見ないよう、先回りして荷物を受け取ると安全です。
★作業後は、クレゾールとデッキブラシなどでひたすら現場をゴシゴシ洗いましょう、万一警察のガサ入れがあった際、ルミノール反応が出たりすると一巻の終わりです。
最初は倫理観から嘔吐を催したり、悪夢に苛まされるかもしれませんが、馴れれば刺身をさばくようなものです。自信を持ち、どんどんバラしていきましょう。これであなたも立派な掃除屋です。
※なお、上記の行為が警察にばれて死体損壊・遺棄の罪で逮捕されるか、もしくは違う筋にばれて自分が透明になる場合もありますが、当方では一切の責任を負いかねます。全て自己の責任の元に作業を行ってください。
■参考文献 『OUT』(桐野夏生・原作 講談社:刊)
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原作/桐野夏生(講談社刊) |
(未発表原稿 2002年9月 執筆)
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