2003年4月30日(水)
続編どうなっとるの『トロン』は




 ちょっと説明の難しいワケがあって、朝からウナ重を食べる。ぎこちない笑顔で。

 ウナギの精力を活かし、朝はチャンピオンの原稿と秘宝の原稿にとっかかるが、ムラウチから注文していたDVD『XーMENアルティメット・エディション』と『E.T.コレクターズ・エディション3枚組』が届き、あっけなく中断。
『E.T.コレクターズ・エディション3枚組』は1982年のオリジナルと、スペコレLDに収録されていた『メイキング・オブ・E.T.』の大幅短縮版が収録されている。オレは20周年特別版に距離を置きたい人なので、オリジナル版リリースは嬉しい。というか最初から出せよ
 今でこそ名作として定着した『E.T.』だけど、初公開の年、オレらの興味は完全に『トロン』だったなぁ。劇中の3D−CGショットをTVでガンガン流し、水曜日の『11PM』では今野“連れション”雄二先生が「映画の歴史を変える作品」と豪語していたし。ところが全米で公開されたときには大きなニュースにならず、その代わり入ってきたのが「スピルバーグの宇宙人映画、映画史上空前のヒット!」という報。日本公開までの半年のタイムラグの間、映画の話題は『E.T.』オンリー。思うに『トロン』の存在はいったい何だったのだろうかと。だからオレにとって1982年=『E.T.』じゃなくて『トロン』。映画ファン的にはベルトルッチの『1900年』の年ともいえるが、田舎の中学生にそういう選択肢はない。

 続けて郵便。コメント寄せた関西ウォーカーの掲載誌が届くが、筆者近影がバカ丸出しで哀しすぎ。しかも最終的に原稿はチャンピオンの分をあげるのがせいぜい。





2003年4月29日() 怪奇大作戦




 今日は個人的に特記することないが、ふたつばかし雑記。

 唐沢俊一師匠の日記を読んでいたところ、「安来で動物?に襲われ女性死亡」というこのニュースに関して触れていた。
 安来といえば、我が故郷・鳥取県米子市の隣都市だ。近隣住民から言わせりゃ田舎といえば田舎だけど、人を襲う生物が生息しているような未開の地でもない。歯形から推定して全長約10メートルとか、そういう発表があったら怖いなぁ。
 このネタを機に、テリーとUMA談義になる。テリー君、
オレが小学生の頃、近所の疎水に牛の死体が浮いていた
 という話を得意げに吹聴する。牛は未確認生物じゃないだろ。
 牛といえばオレが子供のとき、近所の溝川に牛だか豚だかの臓物が100メートルばかし敷き詰められた、不条理な光景を目にしたことがある。近所のオヤジによると、畜肉業者が不法投棄したのだろうと。クローネンバーグの『ビデオドローム』に妙な既視感を感じるのは、たぶんこの体験がトラウマになってるんじゃないかしら。

 そういやオレの後輩に、全長3メートルの雷魚と肉弾戦をしたというヤツがいる。そのディテール語りがS・キングの小説みたいに細密で、よしんばそれがウソだとしてもオレは許すよ的な完成度とリアリティ。
 けどその彼は、川上から高級釣り具セット一式が流れてきたとか、映画を観ていたら中山美穂似の痴女が迫ってきたとか、どうディテールを積み重ねようと信用の及ばぬ二弾三弾を繰り出し、せっかくの武勇伝を台無しにしてやんの。

 ところで最近、街を歩いているとバイリーンマスクをかけている人をよく見かけるのだが、これってSARS対策というか、早期の自己防衛を良しとしてあげるべきなのだろうか。それとも「西成で起きた暴動に戦々恐々とする滋賀県民」というか、意識過剰な人と嘲るべきなのだろうか。





2003年4月28日(月)
マギー・チャンだよなぁ、やっぱ




 GW進行、原稿も気になるが、別の仕事で消化しておかないといけない作品の試写を観るため外出、有楽町に。
 まずは東映試写室にて『二重スパイ』。ハン・ソッキュ主演の北朝鮮工作員もの。『レッドブル』で始まり『サクリファイス』で終わる映画。まぁ観りゃ分かるさ。でも“ここが見せ場だろ”ってところをアクション入れずに流しちゃう、サービス精神のなさが問題。それに正直、南北問題を材に取った韓国映画は食傷ぎみ。一時のインド映画ブームみたくなってきたな。

 観賞後は大急ぎで新橋へ移動、ワーナー試写室で『HERO』。
 既に席は大方埋まってたので、一番後方のテーブル席に座る。そこでメールチェックしていたら誰かにポンと肩を叩かれたので、見上げると滝本センセだった。恐縮。
 本国では賛否両論飛び交ったが、オレは賛だ。先んじてDVDで観たときは“武侠アート”の印象だけが濃かったが、じっくり本編を観ると熱い義侠心に満ちた男泣き映画になっていて、少し感動。けどやっぱり最大の押しは『ワン・チャイ/天地大乱』以来のジェット・リーVSドニー・イェンのバトルステージだな。
 しかし、チャン・イーモウが武侠を撮るとは違和感の極みだが、『ダブル・ビジョン』の監督チェン・クォフーにインタビューしたとき、
僕もゆくゆくは武侠映画やりたいね。あのジャンルはアジア人監督なら誰もがトライしたい“到達点”なんだよ
 と聞き、なるほどだからアン・リーもウォン・カーウァイもだったんだと納得。
 ところでこの映画、原題は『英雄』なのだが、邦題タイトル表記は『HERO』にしてくれとのお達し書き。作品のゴツゴツしたイメージを薄め、ライトな印象を与えようとしているが、そりゃ違うだろ。

 終了後、秋田書店に打ち合わせに行っていたテリーと合流し、新宿の権米衛で軽く夕食を食べて帰宅。
 深夜、岡本喜八の『暗黒街の対決』を放映していて、ついつい観ながらウトウト。寝室に入って倒れるように寝る。




2003年4月27日() 他愛のない話




 だるい、ひたすら眠い。そんな仕事にならない日曜の午前にこそ、先日買ってきた『幻の湖』のDVDを観るに限る。
 しかしこの映画、いつの時間に観賞しようが夜中特有のグレーな気分にさせるので、「観よう!」という強固な意志を要する。これまでTV放送もビデオグラム化もされなかったのは、そんな容易な観賞姿勢を良しとしない“何か”が働いていたのだろう。ああ、朝からくだらないことに脳を使ってオレったら。

 午後はテリーと共に昼食をとり、近場で買い物。道中、生産性のない話。ラーメンの話とか野球のこととか。
 しかし、オレ的に今年ほどプロ野球に冷淡な年もない。やはり地域的影響もあるんだろうなぁ。大阪には阪神タイガースという表裏一体的存在があったから、プロ野球に無関心でいられない空気が充満していた。今、関西では阪神にマジック点灯なんて話もあるが、いったいどういう理屈でそれが成立するのよ? 

 帰りにツタヤでいきなり『機動戦士ガンダム THE ORIGEN 』を既刊4冊買い込み、イッキ読み。基本的にガンダム産業にゼニを落とさない人だし、安彦良和によるファーストガンダムのコミック化なんて「あまりに出来すぎたステージ」なので敬遠していたが、読んでみると『虹色のトロツキー』や『王道の狗』といった安彦マンガ脈に沿ったものになっていて驚く。
 そういや某マンガ編集氏から聞いた話だが、「ガンダムエース」執筆者のなかでいちばん入稿が早いのが安彦さんなんだそうで。あれだけの分量描いて締め切り遵守、いろいろ耳の痛い人がいそうだ。






2003年4月26日(土)
遂に日本にも『SPR』シンドロームが…




 目が覚めたらなんだか暑いぞチクショー! と思ったら、関東地方では気温が急上昇し、東京は27.9度。誰の許しを得てそんな夏日みたいな温度なんだよ!
 そういえば京都に住んでいた頃、夏の訪れは水道水のマズさが告げてくれたなぁ。気温が上がると琵琶湖に青粉が大量発生し、カビ臭の混ざった水が運ばれてくるという次第。長く過ごして愛着も深い関西だが、これだけは最後までネガティブファクトだった。

 午前中は週明け締め切りの原稿に着手するが、調べモノと称してネットに逃避。
バトル・ロワイアル2【鎮魂歌】』のプロモ映像が公式ウェブにアップされたが、上陸描写がモロに『プライベート・ライアン』。日本映画で初めて重度の伝染作品を見た気がする。砂塵パラパラのストロボ効果にブリーチバイパス等、かなり研究して撮影プランを練ったんだろうなぁ。たぶん深作欣二だったらこういうビジュアルアプローチはなかった。でも、そんな効果もリキちゃんの前では霞んでしまうんだから、恐るべし竹内力(りょく)。

 夕刻、今さらながら『二つの塔』の観に行ったテリーと夕食を共にするため、入間市へ。映画の感想もさることながら、ユナイテッドシネマズ入間の小屋の形態・状況をつぶさに訊ねる。

 帰宅後、テレ東の「BB-WAVE.tv」を視聴。ヴァージンシネマズ六本木ヒルズの立ち上げからオープンまでを追った内容。日本最新・最大級のシネコンを立ち上げるプロジェクトスタッフがわずか4人という事実に驚いたが、ヴァージン・シネマズ・ジャパンが100%子会社として東宝グループに買収されたことで、計画に横やりが入ったのか、あるいは強力なバックアップ体勢がとられたのかまでは言及されておらず、少し気残り。
 そもそも映画ライターがこういう興業の外ワクに疎いのは問題で、ましてや我々映画ガチンコ兄弟は、映画よりもそれを経営する興行主の胡散臭さをほじくり出すスタンスこそが強みなワケで。試写室で作品の優劣を品定めするだけの商売ではないのだ。と、今さらながらに少し自戒。




2003年4月25日(金) アキバさん




 V6の初主演映画が、同時にSABU監督の新作でもあるという、そういう余剰価値で映画ファンにも媚び売ろうとする姿勢、めっちゃ鼻につくぞジャニーズ。そりゃタッキー&翼の主演映画に監督・三池崇史…なんてレベルまで行くんなら感心するだろうけど。

 今日は『デッドベイビーズ』の試写に行く予定が、書類整理やら銀行振り込みやらで時間ロスが生じ、やむなく次回に。もちろんATMお馴染み「機械の前にベッタリ張り付いて5件6件平気で振り込みを繰り返すオヤジ」や、「手順が分からず銀行員の手を煩わすオバちゃん」というカセにやられたのは言うまでもないが。

 軌道修正が車中だったので、仕方なくそのまま都内へ向かい、秋葉原で下車。『幻の湖』DVDを買おうと思い立ち寄ったのだが、主だったショップで見つからず。『ハリー・ポッターと秘密の部屋』はたたき売り状態で腐るほどあるのに(ラムタラなんかセールスプライス1980円だぜ)。
 結局、5件くらい回ってようやく『幻の湖』を発見し購入。その足で秘宝編集部に行き、少し時間を調整した後、銀座に向かう。テリーがフォローしたいというので、松竹試写室にて『シティ・オブ・ゴッド』。内覧で観賞済みだが、何度観ても悪くない。特にリトル・ゼが拳銃で撃ち殺す同アングルを、成長する度のジャンプカットで構成したモンタージュにはゾクゾクするね。

 新宿で夕食をすませ、帰ったら秘宝・大内さんより原稿依頼。レビューネタをどうするかで打ち合わせ。それが終わるとネジが切れたように眠気がさす。
 ……と、ふと考えるに、三池崇史はSPEEDで『アンドロメディア』撮っているから、冒頭の掴み、ネタとして面白くも何にもないじゃんか





2003年4月24日(木) うぅ、職業病だなぁ




 しかし少年マガジンも少年サンデーも、表紙と巻頭グラビアが同じ週に上戸彩ってのはどうだろう。『あずみ』攻勢なら小学館に譲れよ。そのくせグラビアの出来は明らかにマガジンのほうが優れているという惨めな現実。そんななか、我が「少年チャンピオン」は小倉優子。ムダな戦争に荷担しない姿勢に安堵(できないとか無粋なことは言うな)。
 というチャンピオンの表紙、水面から顔を出す小倉優子がなんかタマちゃんとか、あのテの小動物みたいで笑う。
 タマちゃんといえば、例の「想う会」はオレたち予想通りの団体の傀儡で、これまた笑う。まぁ、そういう人たち特有の匂いを発してたんで、たぶんそうねと薄々は感づいてたんだが。

 今日は試写に出るつもりが、肩こりからくる偏頭痛に悩まされ、映画を観る気分じゃなくなる。それでも腹は減るので、テリーと共に遅めの昼食。ついでにツタヤで『愛蔵版 ワイルド7』の8巻を買う。
 その足で西武百貨店に行き、WAVEに。ハリー・ポッターと秘密のなんとやらDVDが山と積まれるなか、そんなものは無視して『TOMITA ON NHK』を購入。
 前回買った『惑星〈2003〉』と同時期リリースされた、冨田勲・作曲のNHK番組テーマ曲集。「新日本紀行」や主立った大河ドラマ等は『新日本紀行〜冨田勲の音楽』と重複するが、期待したあげく結局アルバム化されなかった「街道をゆく」と、トミタの最高傑作「今日の料理」のために買ったようなもの。
「みんなの世界」が後半部オミットされての収録で、ファンサイトでは画竜点睛を欠く一大事のように言われているが、すまん、世代じゃないのでピンとこない。

 夜はGW進行の原稿スケジュールを定め、出来るものから徐々につぶしていく。同時に連休中にあげてしまう企画書いくつかの下案を考える。営業が基本だよテリー殿。



 



2003年4月23日(水)
ホラー映画三題(うち一本、疑問の余地あり)




 内々の試写なので大きな声で言えないが、今日は早起きして映画美学校にて『呪怨2』を観る。
 うん、前作の映画版よりも完成度は高い。狭い空間に枠を設けながら、恐怖を限りなく膨張させるパラダイムとボルテージの高さは尋常じゃない。ただ世界観を固定するあまり、清水のエクスプレッションが袋小路に入った気もする。のりペー(酒井法子)が心持ちおばさんフェイスになってるのが侘びしい。

 試写後、秘宝・田野辺さんの配慮で一緒にご覧になっていた大森望氏に紹介をいただく。ちょうど滝本誠センセもいらしてたのでご挨拶。傍で叶井俊太郎、『ベッカムに恋して』の不入りをまだ吹聴してる。あんた絶対ネタだろそれ。


 その足で東映本社へとテコテコ移動し、『恐怖極道大劇場 牛頭(GOZU)』を観る。三池崇史のビデオスルー新作。そのくせカンヌの監督週間出品という、ずいぶん足場のデコボコした公開形態ではあるが。
 映画はというと、『血を吸う宇宙』を三池ベースでやればこんな感じ…の、ぶっちゃけポジティブ狂気な作品。そのくせ絵ヅラは『オーディション』で見え隠れした『悪魔のいけにえ』ルックを前面に出している。不条理を狙いすぎてスベる場面も多いが、まぁ、曽根晴美のここまでフレーム占有率の高い作品なんて、そうそうあるもんじゃないので。それより生きて再び間寛平と木村進のツーショットを拝めるとは、涙腺が緩んだなぁ。

 しかしこの日の試写、バッドタイミングなことに吉野きみ佳が観に来ていて、そりゃもうバツ悪いのなんのって。というのも後半、彼女が●●して××する展開や、あられもなく△■するシーン、そして●ーケ●だのチ●ポだの、美女の口から言わせちゃいけないセリフ噴出の出血大サービスがあるのだ。その張本人が後ろにいるワケで、とても画面を正視できず。でもオレ、彼女のオッパイ見たさにカールスモーキーの搾取映画『ACRI』を2回観に行ったし、ナマ公佳にちょっとドキドキ。帰りのその旨をテリーに言うと、
「なんでそれ教えてくれなかったんだよ! うぉおおおおん!!」
 と、いい大人が丸の内東映前でおねだり子供みたいに泣く。


 そんなテリーと別れ、夕刻にヤマハホールにて『28日後…』試写。
 ダニー・ボイルの世界破滅映画。いや、まんま『ゾンビ』+『死霊のえじき』。黒人の姉ちゃんが持っているナタ、ショッピングセンターでの買い物、飼われた感染者……ここまであからさまにサインしてるのに、敢えてプレスで明記を避けるところ、愛が欠けすぎだよフォックス。隠す必要どこにあんの? 安易やら平ぺったいやら作品はいろいろ批判を食らうだろうが、ダニー・ボイルの映画に初めて好感情を抱いたぞ。つーかおまえ、友達じゃん!!
 前半のゴーストタウンと化したロンドン市街のビジュアルイメージに「これが見たかったんだよ!!」級の興奮を覚える。ウソはやっぱり徹底してついてくれなきゃね。

 席の埋まりも悪く、あまり知った顔のいない試写だったが、秘宝編集部の郡さんと一緒になったので、帰りの駅まで歓談。メガネを飛ばされて無くしてしまい、代わりに左目にハード、右目に使い捨てコンタクトで試写に臨んだ彼女の根性に泣く。ピンボケな話だが、それが許されるキャラだしな。

 



2003年4月22日(火)
おまえか、『M:I−3』の監督は。




 前日は10時に寝たおかげで朝は6時に目が覚める。ジィさんかオレは。
 
 今日は試写周り。まずは『極道恐怖大劇場 牛頭』に向かうが、有楽町線の飯田橋あたりで気持ちが変わり、『NARC』を観るためUIP試写室へ。
 『ミッション:インポッシブル3』の監督に抜擢されたジョー・カーナハンの手腕を確認。派手な絵作りをしているワケじゃないが(聞き込み捜査を4分割画面で処理するところは感心したけど)、状況の呼吸音とカメラの連動という点でパーソナルなスタイルを持っている。確かに『M:I−3』をコイツに賭けてみるのもいいかもしれない。

 見終わってすぐ聖路加に移動しようと思いつつ、仕事の電話連絡に手間どり、そのままUIP試写室へ戻り『メイド・イン・マンハッタン』。ジェニファー・ロペスのメイド萌え〜〜といいたいところだが、ホテルのhousekeeperだからして、あまりそういう要素はない。子持ちだし。
 ウェイン・ワンの雇われ仕事、それこそもうシンデレラ・ストーリーの紋切り型表現で固められ、新しい要素のかけらもない。唯一『ザ・コア』のスタンリー・トゥッチが出ていて、なんだか当たりを引いた感覚。おまえはハリウッドの津田寛治か? けどオレ、知らず知らずのうちにコイツのことが好きになっているような。

 終わって東銀座から六本木へ、ギャガに向かう。途中でオープニング・セレモニーでざわつく六本木ヒルズの足元を見て回り、外観を確認。
 それからギャガ試写室にて『デッドコースター』先行試写。『ファイナル・デスティネーション』を観ていることを大前提とした続編なのに、どうしてこういう邦題にしたのか。前作のまるでバスター・キートンのようなステージ崩壊が好きだったが、今回はその手前で踏みとどまっているので、爆笑に至らず苦笑に留まる。死に方の意匠がダイレクトで、しかもそれぞれがほんのり残酷。Rー15は仕方がないかも。

 終わってロビーに出ると、なぜかアートポートの木村さんがいたので「あれ、今日は?」と訊くと『灰の記憶』をこっちで追加試写をやるということ。未見なのでフォローして帰るかと思ったが、久々の1日4本は考えただけで気持ちが悪くなったので。
 帰りに秘宝編集部の田野辺さんとお茶。『スクリーム』以降のティーンホラー文脈と『ブレアウィッチ』の劣化の早さを論議して帰宅。

 



2003年4月21日(月)
セクシーなの、キュートなの、どっちが好きなの?




 どっちでもいいよ、いい女であることが前提ならな。

 朝からチャンピオン編集部より電話。レビュー予定だった『ファイナル・デスティネーション』の続編『デッドコースター』にR−15指定がついたので、急遽『エックス』に変更。至急それに対応したキャッチを入れてくれとのことだが、作品そのものが初耳でアセる。というか、配給会社も媒体に積極的にプッシュすんなら、そこに書いているライターに試写状くらいよこせよ。

 今日は自主的にオフ。散乱してた部屋を片付け、読書に当てる。まずは先週、鶴岡法斎氏から謹呈いただいた『日本オタク大賞』(扶桑社・刊)を読む。

オタクは1年休んだら、もとに戻すのに5年かかる
 とは、某少年誌編集者のものすごい名言だが、つまりオタクがオタクであり続けるというのは、追えど突き放される膨大な情報量との戦いの日々なのだ。本書はその年、最も突出したオタクムーブメントを選定するイベント「日本オタク大賞」を活字再録したものだが、同時にオタク情報の年間目録でもあり、細分化されたオタク動向を総括することで「その年オタクを休んででも、オタク界では何があったのか」という、オタクが容易にオタクのアイデンティティを取り戻すことが出来る研究書でもある。特にTV放映時にはフォローできなかった膨大な脚注は、それだけでも一読の価値ありだ。
 オタクをキモがる奴もいるが、『ギャラクシー・クエスト』を観よ『ザ・コア』を観よ。地球を救うのはオタクだ。さらにオタクの物欲をエネルギーに変えることができれば、資源が枯渇しても電力にゃ困らないかもしれない。なんだか『SEX発電』みたいだが。

 読了後、そんなオタクパワーにアテられたか、買ってそのままにしておいた『ガンダム者〜ガンダムを作った男たち』(講談社・刊)を続けて読む。1979年に放映された『機動戦士ガンダム』、いわゆる“ファーストガンダム”に関わった主要スタッフたちのインタビュー集だが、エポックが生まれる背景=超然とした現場というイメージを持ちたがる我々に、選択枝のない、運命の成り行き的な関わりでステージに上がらされたスタッフの話は、そんな共同幻想を気持ちよく打ち破ってくれる。そう、富野由悠季以外はね。

 夕方、夕食の買い出しに行くが、「ラウンドハウス」というパン屋さんの明太子パンを食し、あまりの美味さに取り憑かれたように買い占める。中にチーズを詰め、トルネードステーキ状に焼いたパンのうえにペースト状の明太子を塗りつけたソレは、引っ越しを余儀なくされた際、最も後ろ髪を引かれるブツになるだろうなぁ。

 



2003年4月20日(
慣れないことはするもんじゃねぇや




 昨晩の早寝が幸いしたか、朝4時に起床。午前中に『衛星中立放送パンドレッタプラス収録のために日本橋の浜町スタジオへ。
 今日は3本収録。まずは小コーナー「クイズ・コマツザキシゲル」(ビューティーズの描いた絵が何かを当てるクイズ)の貯め撮り。答えを聞いてもなお納得いかないビューティーズの抽象絵画に軽い目眩を覚えつつ、ステージは「えびボクサー特集」の収録へ。アルバトロス宣伝プロデューサー・叶井俊太郎氏を招いての『えびボクサー』トークなのだが、相変わらずの口八丁な興行師ぶり。オレらなんかとは役者が違う。例の『東京ラブ・シネマ』について本人の口から語られるのが、ちょっと貴重かもしれん

 次の収録までの空き時間に、テリーが密かにお気に入りのウッチー(内田亜紗子)とのツーショットをフォローする。彼女だけフィーチャーするのはパートナーで絡んだ窪塚愛ちゃんに失礼だよなと思ったけど、こういう雨とムチを使ってヤツの志気を高めようというオレの苦肉の策、どうか許してほしい。

 そんなことに気をとられたせいか、「キャメロン&スピルバーグ特集」の収録は冷や汗タラタラ。あれだけみっちり企画構成に関わりながら、本番では肝心のスピルバーグについては言葉を費やすことができず、スター大矢雅則先生のホストのように堂に入った進行ぶりに、がんがんリードされるばかり。ようやくエンジンがかかったのはキャメロンパートという、意味ねぇじゃんソレ! やっぱ慣れないことはするもんじゃないね。まぁ編集に期待をかけつつ、次回への反省材料ということで。
 
 帰りにサブナードのショウウインドウで、確信犯的ドンデモ本生産者である深見東州の新刊を発見。しばし思考停止になりながらも、思わずデジカメに手が行く。

 


 コメントに窮する謎の因果関係。ますます自分の矮小さに落ち込む。





2003年4月19日(土)
トミタを満喫した日



 まぁ東京スポーツのトップ面に本気で怒るのがヤボなように、そういう意味で『えびボクサー』はアルバトロスの本懐を遂げた映画ではあったデスヨ。しかし恐ろしいことに、徹夜明けのオレが苦戦を強いられたのは『えび』ではなくて『X−メン2』だったという事実。贔屓俳優ブライアン・コックスが悪役だから積極的に貶しはしないけど、洗練されたアクションをもってしても、ときおり意識が遠のくほどストーリーが怠かったなぁ。M・ケイメンからジョン・オットマンに代わったスコアは『スペースバンパイア』みたいでムダにかっこいいけどさ(メインテーマだけね)。

 というワケで、今日は生まれて初めて「DVDオーディオ」のソフトを買う。冨田勲の『惑星〈2003〉』だ。
 トミタのシンセアルバムといえば4chステレオの音場再生だが、もっともヘヴィリスナーだった中学当時はセンターアンプと4本のスピーカーを持っておらず、4ch再生で聴くことができたのはLDのドルビーサラウンドにシステムをシフトさせた二十歳の頃だった。
 DVDの普及に伴い、家庭用オーディオの世界にドルビーデジタル5.1chが台頭してくると、いったいこの人はどういうサウンドアプローチをとるのか気になって仕方がなかった。そこにきてこのアルバムだ。
 インナースリーブには冨田勲自身による「4.1chについて」という触書があるが、そこでトミタは
5.1chだとセンタースピーカーが音の定位を作ってしまう。指向を定めないのが僕の音場再生なので
 という旨を語り、あくまで基本は4チャンネルであることを明示。しかし独立ディスクリートされた各チャンネルをフル活用した「惑星」は、旧バージョンの比じゃない。しかも「惑星」に比べると素材レベルで再構成され、オリジナルとは異なる音源をオーバーダブしている。ほとんど新作を聴いているようなものだ。このフォーマットで『月の光』とか『ダフニスとクロエ』とか新たにリリースしてほしいなぁ。

 夜は例の「めちゃイケ」を見るが、予告編ほどのインパクトはなし。11時には寝入ってしまう。






2003年4月17日(木)
次は〜マントル〜マントル〜




 昼頃に起床。起き抜けで溜まったメールの返事を書いたり、資料整理やらなにやら。

 午後から仕事の下ごしらえのため、試写に出る。まずはイマジカ第二試写室にて『ザ・コア』。
 本来ならもっと早い時期に観られたのだが、あえて社内やホールの完成披露や映画美学校を避け、イマジカで回るのを待っていたのだ。もともといい評判を耳にしていなかったので、ならばせめてそのデザスター描写だけでも最高の上映環境で観賞すべしと思い、日本一のオーディトリアムに参じたワケだよ。

 期待値を下げてたせいか退屈することなく観たけど、CGアートがかった地底シークエンスは『ミクロの決死圏』とダブるなぁ。おまけにスタンリー・トゥッチ演じる御用学者コンラッド博士がドナルド・プレザンス的役回りっぽくて、ますます『ミクロの決死圏』。それでなくともこの前観たヴァンセー会議のドキュドラマ『謀議』でアイヒマン演って、胡散臭さバリバリだし。
 キャラ的には天才ハッカーのラットが二重マル。「私は五カ国語を操る」というコンラッド博士に、
僕の言語は10100、この数字だけだ。だが、これであんたや世界の情報を全て得ることができる
 やっぱオタクが地球を救うのか。

 始まる直前に呼ばれる気配がしたので、誰かと思ったら渡辺麻紀さんだった。この映画、チャンピオンでレビューする予定だが、振り分けに苦労しそうだなぁ。

 そのまま山手線で渋谷に移動し、夜9時からパルコのシネクイントで『地獄甲子園』。完成披露試写だが、ライター関係者よりその辺りにいる兄ちゃんたちを集めてきたような客層が謎。
 見終わって出ようとしたら岡田斗司夫師匠もいらしてて、
どう? オレはこれ、アリだと思う」と満面の笑み。
 いや、オレもアリだと思います。もともと漫$画太郎センセの中でも特にコワれた話だけど、これだけ生産性のかけらもない撮り逃げ映画が、ここまで人を感動させるとは思わなかったんで。
 帰宅は深夜1時。明日は明日とて試写を絡めた撮影があったりで、大変ですわん。




2003年4月16日(水) わらの犬




『魔界転生』のイベントで窪塚洋介に感想を訊かれ、ひとしきり褒めると「けどこの人は出来に納得してないんスよ」と、十兵衛を演じた役所広司を紹介。「ん? 十兵衛は佐藤浩市だろ……」と、夢であることを多分に自覚したを見る。そういや昔、父親が、
痴呆になるなら、“ボケて他人に迷惑かけっぱなし”という充実感を自覚できる痴呆になりたい
 と言ったことがあったなぁ。「信じていれば、夢はきっとかなうよパパン」と答えたオレちゃん、18歳の冬。

 それは今日は午前中にチャンピオンの原稿をあげ、もろもろ文字稿がファックスされてきたものをチェック。夜は旧知の編集氏から久しぶりに電話。上京したことや現在の仕事のことなど、あれこれ埋め合わせるように話し込む。
 基本的に長電話さんな人なので、些細な用件のはずが結局アワー単位なんてのはザラ。自慢じゃないが、最長8時間という自己記録まで保持している。高校を卒業してからもしばらくベッタリだった看護学校の姉ちゃんと、夜11時から朝の7時まで話し込んで達成したよ。激務からくるストレスのはけ口として、よく長電話の相手させられたなぁ。
 
 深夜、DVDで"STRAW DOGS"(わらの犬)を視聴。35mmインターポジからデジタルマスターをおこしたクライテリオンのそれは、すばらしくクリアな画質。けどこれ、権利の関係で2枚組は期間限定発売なんだよな。特典ディスクに収録されている"ON LOCATION:DUSTIN HOFFMAN"、作りが完全にアイドルレポートで笑う。ダスティン・ホフマンにもそんな時期があったのだなぁ。
 ペキンパーといえは『ガルシアの首』のDVD化を長々と待っているが、ビデオもかなり遅れてリリースされたしなぁ。と、ふと考えるとペキンパーって『ワイルドバンチ』『戦争のはらわた』『ゲッタウェイ』くらいしかまだ国内でDVD化されてないじゃん。どうすんだよこの現状。





2003年4月15日(火)
そんなにカットよっちゃんが好きなら、
よっちゃん食品工業に転職しろ!!




 とりあえず締め切りの波状攻撃は一時ストップとなり、相も変わらず仕事場は惨状となりにけり。人生そんな毎月の繰り返しでいいのだろうか。仕事への耐性も年々弱くなってるし。酒タバコをやらないかわりに、そのストレス発散は食と衝動買いに出る。今日も今日とて「カットよっちゃん」の大人買いをしたしね。レベルこんなもんですが。

 しかしよっちゃん食品工業、HPが堅苦しいよ。オレの愛するよっちゃんイカが、こんなガチガチの経営哲学のもとに生産されているかと思うと。企業精神は買うが、こちとら「セクシー女塾」とか観ながら寝そべって食べてるのだ。

 というワケで、新たにリンクを貼る。



2003年4月14日(月) 見ろ、人がゴミのようだ!!




 書類やら企画書作成やら、慌ただしいデスクワークに追われるが、ここずっとボンヤリした感覚が肉体と精神を支配して、内容的にイマイチ。
 これ以上やっても効率も悪く、また試写に出ても寝に行くだけだと判断し、DVD観賞。今日は先日『SPIRITED AWAY』と同時購入した『CASTLE IN THE SKY』を観る。『天空の城ラピュタ』のアメリカ版だ。

 最悪な英語タイトルだと思うが、La Putaというのはスペイン語で“淫売”を指すスラングなので、ディズニー・エンターテイメントとしては不適切だと判断したのだろう。だから劇中ではスウィフトの『ガリバー旅行記』のラピュタ島との関連性を示すパズーのセリフがオミットされてるし、本来はラプータあるいはラピュータと発音されるはずが“ラピュタ”と発音されている。つまりラピュタはこの映画のオリジナルネームだと主張しているワケだ。あと、みんなが大好きなムスカの表題セリフも、アメリカ版では訳されてなかったぞ。

 それよりなにより、注目は久石譲がアメリカ版の音楽を新たに編曲・再録音しており、それが確認したかったのだ。けど、コイツがちょっとショック!!
 アメリカ人は長いサウンド・オフに不安と退屈を感じるらしく、セリフのない冒頭にムダなセリフが増え、音楽のないシーンにかなりベッタリ音楽が乗っかる。これがかなりうるさいし、思いっきり違和感を覚える。

 けど、1カ所だけ「そうだよ、それ!!」と脳幹がビリビリくるシーンがあった。
 パズーとシータがムスカの前で滅びの言葉「バルス」を叫ぶシーン。日本語版はその瞬間、それまで流れていたコーラスがオフになるのだが、新録版はそのままコーラスが流れ続け、ラピュタ崩壊のすさまじいシーンに対位法的な効果をもたらしているのだ。オレでさえ、
「あのシーンは音が尻切れトンボだし、こうしたほうが…」
 を常々感じていたのだから、現場レベルの久石なら当然アタマをかすめていたことなのだろう。感動したのはそこだけだが。

 そのままの流れでフジの月9ドラマ『叶井俊太郎一代記』を観賞。魔物が棲んでる業界を小粋なラブロマンスのセットアップに選ぶとは。けど大手配給会社という設定のフェノミナン。オフィスに『シカゴ』のポスターがあるのは、モデルはギャガでございって言ってるようなもんだけど。






2003年4月13日(
すいません、国民の義務を果たし忘れました




 朝も早々にテリーから「竹内結子のお宝映像発掘!」というタイトルのメールが送られてきたので、何かと思ったら『笑っていいとも』でタモリの横に謎のオーディナリーが鎮座し、スタッフに連れて行かれるという生放送ハプニングの映像だった。とても哀しい気分になる。

 寝不足独特の浮遊感を抱きつつ、ただひたすら日曜日を休日として消化。
 昼間に少し仕事。ここまではよかったのだが、明日のスケジュールを確認しようとシグマリオンを立ち上げたら、これがウンともスンとも言わず。アダプターから電源供給して立ち上げ確認したところ、データバックアップのバッテリーが切れてて、これまでの入力データが全部パーになってしまった。試写日程やらを全部再入力し、ネットやメールの設定をやり直し、ソフトを再インストール。この作業だけで半日を費やしてしまい、既に外は真っ暗。

 しかも時間は既に8時をまわり、今日の都知事選投票に間に合わず。都民としての役割を怠ってしまった。最低! いや「お前等はかろうじてぶらさがってる実質・埼玉県民だろ!」って気はしますが。
 夜、夕食がてらに近所のツタヤに行き、借りたCDを返しにレンタルコーナーへ行くが、そこでお約束のようにアホなカップルに遭遇。
彼氏、『オースティン・パワーズ ゴールドメンバー』のDVDを手に取り、
なぁ、これの2作目ってメグ・ライアン出てたよね
とナパーム級の発言を投下。それを間違いだと指摘する彼女、
違う、メグ・ライアン出てたの『メリーに首ったけ』だよ

 いやもう、何をどこから正していけばいいのか悩むと同時に、こういう場に遭遇すると、オレの存在意義とはいったい何なのだろうかとシミジミ考える。

 かなり凹んで帰ってきたら、テリーより「新・竹内結子のお宝映像発掘!」というメールが送られていた。見る勇気と元気に欠けていたので寝る。





2003年4月12日(土) てれびくん




 本木雅弘インタビュー記事のまとめ。ようやくこれで締め切りを遅延していた原稿に関しては全て…いや、週明けの原稿がまだ終わってない。そのうえ関西ウォーカーからイレギュラーの原稿依頼。地獄が明けん。

 睡眠サイクルもガタガタで、今日は昼の1時に寝て夕方に起き、原稿の件でエルマガジン編集部に電話を入れてまた寝て、起きたのは夜8時。目が覚めてTVをつけたら『めちゃイケ』が飛び込んできて、つい見てしまう。「浜口優、大学受験企画!」は笑わせてもらった。 
 学力テスト以来、バカキャラが定着した“よゐこ”の浜口をデッチ上げの予備校に三ヶ月間通わせ、しかも青学を受験させるという悪趣味なネタだったのだが、もちろん不合格という当然の結果でオチかと思ったら、来週は存在しない大学を作ってそこに合格させ、架空の入学式を開いて浜口を騙し通すという展開。その発想があまりにもP・K・ディック的なので、ちょっとツボにはまる。

 TVといえば「キリン生茶」のCM、すべり台から松嶋菜々子が下の中学生を蹴り倒すロングショットが、すべり台下に生えた草を捉えたフィックスショットに差し替えられているの、「いじめを助長する」とか「子供が真似する」とか、お定まりのクレームでもあったのか? 無粋な。マリリン・マンソンのライブは中止してもボウリングは追及しないのかって、別のネタじゃん

 そういやオレの父親は、
いい大人が作られた会話をし、悲しくもないのに泣き、腹も立ってないのに怒るのを傍で見て楽しいか?
 という、「死ねば空腹もない」みたいな理由でTVドラマを見ない人だったなぁ。でも映画は好きなんだよなぁ。「いい大人が作られた会話を」云々はそこに当てはまらないのかと言いたくはなるが。
 そんなオヤジが『ナースのお仕事』の隠れファンだと知ったときには、やはりこの親あってのオレというのを実感しましたわ……あ、『愛のエプロン』見忘れ!!




2003年4月11日(金) 仕事してるよ、とりあえず




 今日は『クレしん』の試写に行きたかったが、原稿を優先させる。それと平行して電話で打ち合わせ。少年チャンピオンの担当モチヅキ氏と、作品取り上げのチョイスを考える。秋田書店的には『バトル・ロアイアルII』をやりたいという考えがあるのだが、それはオレとて望むところ。でもR-15では少年誌で取り上げられない。隔靴掻痒!!
 『バト・ロワ』といえば、そろそろ考えている取材を実行せねばならず、東映に深作健太監督のインタビューをとれるかを電話確認。
昨日クランクアップで、これから編集や音楽録りにワルシャワに行くので、スケジュール押さえで迷惑をかけるかもしれませんが、たぶん大丈夫です
 と担当女史から回答をもらい、後日企画書面をファックスすると約束。前作インタビューのときは深作欣二監督だけの予定が「フィギュア王さんなら僕も参加させてください」と直々にご指名もらったので、なら今回もフォローするのが仁義という次第。特におたくネタは健太仕切りなので、遠慮なく突っ込める。ギンティ小林君いわく「春風のような男」(いいフレーズ!)だしね。

 留守中に配送され、預かりになっていた荷物が再送される。『チャーリーズ・エンジェル フルスロットル』の仮プレとMcG編集による3分ジャストのプロモビデオだ。いやぁ、続編だと割り切りと開き直りがきくのか、コスプレ濃度とアクション濃度がかなりドロンドロン。デミ・ムーアもビジュアル解禁で初めてその姿を見たが、エンジェルたちの向こうを張ってかなり若作りしている。これで41歳なら大したもん、全身整形もムダじゃないね。





2003年4月10日(木)
今日はシークレット事項ばっかりだ



 昨日からとにかく眠い。寝不足というよりはやはり春の気候だ。

 1時より都内で某作品の内覧試写。オレの愛する監督が初ジャンルを撮った…といえば、わかる人にはわかる作品。最初の1時間はその見せ方にメチャメチャ興奮したが、後半は意見が分かれるだろうなぁ。アメリカ映画というよりは、イタリアSFみたいだよ。

 試写後、秘宝編集部に行き、インタビュー文字稿のチェック。『魔界転生』の記事を入稿に来た池田憲章さんと談笑。
日本特撮が盛り上がるのもいいけどさ、役者ばっかり書き殴りしてないで、若いスタッフをキチンとフォローしてあげないと。面白い仕事しているコいっぱいいるんだから」
 という大先輩のご意見、肝に命じる。ちょうど手元にあったチャンピオンがオレの『魔界転生』記事だったのでお渡しする。
 
 その後、編集部内にて門外不出のブツを目にする。ひとことで言えば「殺伐としてるなぁ」。悪ぃ、それだけしか口外できないよ

 帰りに総武線ですさまじい眠気に襲われ、お茶の水から中野まで乗り越ししてしまう。しかも後戻りして新宿で買ったおにぎり店「権米衛」の“しそわかめおにぎり”を、西武新宿線の電車に置き忘れてしまう。好物を犠牲にするほど相当に疲労蓄積。





2003年4月9日(水) SPIRITED AWAY




 朝、ベッドから起きあがれない。

 倦怠感が体を包み、小刻みに眠気が襲ってくる。睡眠不足をカフェイン摂取でごまかしてきたツケが回ってきたみたいだ。
 それでも無理矢理エンジンをかけて意欲を奮い立たせ、這って仕事場へ。かなりの時間を費やし、かろうじて一社のみ原稿をアップ。勢いだけで仕事が出来なくなってきたなぁ。机に突っ伏して寝たり起きたり。朦朧とした意識の中で、風呂場を一生懸命こすって掃除する夢を見る。テリーにそのことを話すと、
そりゃあんた、欲求不満だよ
 というか、こいつの夢判断って、たいがい結論が「欲求不満」なんだけど。

 仕方がないので、先週末に秋葉原のIt`sで購入した『SPIRITED AWAY』DVDをやっとこ視聴。そう、『千と千尋の神隠し』の北米版ソフトだ。
 国内で既にリリースされているものを、何故わざわざ輸入盤で買うのかって? 北米版はトランスファーを独自に行なっており、つまり国内版でさんざ騒がれた“赤かぶり”の問題が解消されているのだ。
 しかも北米版は、日本語音声がドルビーデジタル5、1chでの収録。国内版はドルビーデジタルはサラウンド4ch収録なので、ディスクリートされた5、1chを聴くにはDTS環境を整えないとダメだったのだ。

 ディスク2のサプルメントには予告編集など、ほとんど国内版の特典をそのまま移植している。特に絵コンテと本編の対比は国内版のソレを一部抜粋したものなので、本編ビジュアルは例の“赤い画面”まんま。オレは例の赤問題に関しては寛大なスタンスをとってきたけど、ウン、確かにこうして比較してみると、国内版の色合いには違和感を覚えるよな。

 結局、これをダラダラ観ただけで、体力回復せず。






2003年4月8日(火) サヨナラだけが人生だ




 春は別れの季節。この時期に送付されるメールには、移動や退社を告げるものが多い、フリーランスというのはそういう流れの外枠にいるので、まるで眼下の河でも眺めるような感覚で捉えがち。しかも配給宣伝会社や出版社なんて激流の最たるもの。仕事の関係がなくなっても個人的に付き合いある人もいるが、その多くは一期一会だなぁ。

 朝から遅れ気味な原稿をひとつずつ潰していき、11時頃に銀座ヤマハホールへと移動。『ダブル・ビジョンチェン・ クォフー監督インタビュー
 配給会社と宣伝会社のスケジュール押さえに食い違いがあり、媒体書き分けでトータル15分間というムチャな配分に苛つくが、時間が押したということにしてもらい、予定どおり30分間で決行。結果オーライ。柔軟に対応してくれたSPE関西支社、了承してくれた読売テレビに感謝。
 クォフー監督は評論家出身の理論派なので、こちらの意図を解した答えをキチンと返してくれる。当初インタビューの予定は俳優のレオン・カーウァイ(来日中止)だったが、オレ的にはむしろこっちのほうが実りあるお仕事だったかも。

 終了後、関西時代にお世話になったソニー・アジア担当氏と歓談。『ダブル・ビジョン』には、ビル内にある寺院で刑事たちが虐殺される恐ろしいバイオレンス描写があるのだが、最初の編集バージョンはもっとエゲツなかったらしい。内蔵ボロ出しやら顔半分ザックリの断面モロ見せやらの残酷ビックリショー!
だからファナルカット版は“ずいぶん大人しくなったなぁ”と思ったよ
 って、じゃ最初のヤツ見せてくれよ!!

 その後は五反田のイマジカへ行き、『ALIVE』試写。
 北村龍平は『あずみ』の印象は決して悪くなかったのだが、これは処置に困る。再編集が公開遅延の原因らしいが、無理もねぇや。ワンステージを過剰なアクションコーディネートで持たせようとしても、ストーリーの捻りの乏しさは埋め合わせが利かない。『スカイハイ』は大丈夫か?
 
 試写室を出るとすさまじい大雨。五反田駅到着時はそぶりもなかったのに。試写が始まる30分前、携帯での会話で、
「夜はザザ降りになるらしいんで、尾崎さんコンビニで傘買っておいたほうがいいですよ」
 と忠告してくれたメイジャーのT嬢に感謝。『アビス』で、捨てるのを思い留めた指輪に命を救われるエド・ハリスの心境。

 帰りに所沢の西友で買い物をするが、ベージュの背広に野球帽をかぶった、どこか既視感アリナリなオッさんがカートを引っ張って品物を物色している。よく見るまでもなく蛭子能収先生でした。ああ、とうとう遭遇してしまったって感じか。

 帰宅して声優の山内雅人と、作曲家の石井眞木の訃報を知る。春は別れの季節……。





2003年4月7日(月)
手塚先生的にはどうなんですか?




 この時期の陽気は眠気をあおる毒だ。それでなくとも睡眠時間の少なさから、現実感のないフワフワした生活をここ数日送っているというのに。

 大幅な原稿完成の遅れを気にしつつ、恵比寿のOTCへ、今日は『衛星中立放送パンドレッタプラス』の打ち合わせ。
 高田馬場経由でJRに乗り換えるが、連絡口で何やら耳に馴染みのあるテーマが流れてくる。心やさし、ラララ……
そう、今日はドクター・テンマ叡智の結晶、鉄腕アトムが起動した日だ。しかもここ高田馬場は誕生の地である。ゆえにひとしお賑やかな次第。しかし、そういう時代がオンタイムになったという実感の乏しさよ。いや、過去から20年くらいスッ飛ばして今を見れば、携帯電話とか壁掛け液晶TVなんてじゅうぶん未来ガジェットなんだけど。

 OTCに到着し、企画打ち合わせ。ディレクター安藤氏と構成の岡野氏を交えてみっちり話し込むが、話し込みすぎて帰宅が夜10時。かなり涙目。どうすんの原稿もろもろ。




2003年4月6日() 謎の気くばり




 今日は一日中こもって仕事。
 既に締め切りをすぎた原稿や、一昨日に依頼を受けて週明けに渡さなければならない原稿、ヤバイよヤバイよ。よって特記することもなければ、その余裕さえもない。
 眠気と格闘、テンパってるオレを見かねて、テリーがコーヒーを差し入れ。



 とてもありがたく頂戴したんだけど、ゴマキ缶ばかり買ってきた意図を教えろオマエ。

 ところで、昨日の日記にて赤川次郎と西村京太郎のファンサイトについて触れたが、なんと「十津川警部の事件簿」のウェブ管理者からメールが送られてきた。
「ひょっとして、イメージを損ねたお怒りのメールかも…」と思っていたら、

じつは西村氏の作品には、まるでペアのようなソックリ題名がいくつも存在し、しかも恐ろしいことに同名異作まである
最近は登場人物の名前までパターン化され、日本のどこの県警に行っても、三浦警部という名の人物が出てくる

 と、さらなるネタを頂戴してしまった。オレのような素人の戯言を叱るどころか、ドツボな西村サスペンスの世界を教示いただけるとは、その余裕ある愉しみ方に平伏。さっそくお礼のメールを送ったが、サーバーが反応せずメールエラーが出るので、不義理だと思われぬよう、こちらにて早急のお礼に代えさせていただきます。ありがとうございました。


 



2003年4月5日(土) 作家先生あれこれ




 昨夜は帰宅してから友人Mに、仕事が立て込んで『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』の付き添いが出来ないことを詫びる電話を入れたが、その際、
志茂田景樹先生は今なにをしているのか?
 という話題が出た。最近はTVにも出ないし、さりとて本業を全うしているなんて話も耳にしない。そこでネットを活用して以来、初めて検索に「志茂田景樹」という固有名詞を打ち込んでみると、このようになってました。
 ……口述筆記スタイルが妙な進化を遂げている。しかしまぁ、オレたちはなんて勉強不足なんだろう。志茂田先生が絵本作家活動を始めてから、既に5年が経過しているではないか。しかしこの転身、いろいろ思うところはあるんだけど……。

 この作家検索がツボにはまったので、他にもかねてより懸念していたことを調べてみる。いわく、
西村京太郎や赤川次郎の著作は、具体的にどれくらいあるのか?
 こういうのは公式ウェブより、熱心なファンサイトのほうがキチンと網羅しているので、そっちを当たってみる。するとありましたよ、両方とも。

 「赤川次郎大好き!」(赤川次郎ファンサイト)
 「十津川警部の事件簿」(西村京太郎ファンサイト)

 どちらもマメに更新され、これまでの作品がちゃんとデータベース化されてる。
 んで、早速確認したのはいいが、そのあまりといえばあまりの膨大な数に、クラクラ目眩と吐き気が!! 漠然と思っていることが明確になるって、なんて罪深く恐ろしいことだろう。

「あれだけ作品が多いとプロットもいい加減で、どうせ犯行現場に岡持が置いてあれば、犯人はラーメン屋だ程度のもんだろうな」
 という食わず嫌いを改め、これから二人の作品世界に触れていこうとする熱心な読者を、この著作リストは絶対に挫折させるぞ。

 しかし西村京太郎の作品リスト、書誌情報データベースに「題名類型別一覧」というのがあるんだけど、管理者の親切心と検索の利便性を追求したものが、結果として作家のボキャブラリーの貧困さを露呈している皮肉、ちょっと笑ってしまいました。

 そんなバカなことを朝からやっていると、郵便物が大量に到着。その中に何やら目立つブツがあると思ったら『えびボクサー』の試写状ではないか。実はガチンコ兄弟、この映画にちょっと関わりを持つことになってしまった。まだ詳細は言えないけど、いずれ公表することになるだろう。

 夜、これもとある企画絡みで、久々に『シンドラーのリスト』を視聴。言わずと知れたスピルバーグのホロコースト映画だが、何度観ても感動作である以上に、スピの変態性が魂を揺さぶる。これを公開初日に京都京極東宝で観たとき、終わって外に出たら初雪が降ってて、傘もなく家路へと歩む自分と劇中のユダヤ人に心象がダブったなぁ。


 



2003年4月4日(金)
魔界の“魔”は真実の“真”



 なんと、もう金曜日じゃないのという余裕のない一週間を送った気も兼ねながら、携帯のバッテリー消耗が早くなってきたことを大きく懸念。新機種を好むと好まざるとに関わらず、機種交換ってこういうことで必要になってくる。

 午後から試写のために外出。『ダブル・ビジョン』のレオン・カーウェイの来日インタビューが立ち消えになり、急遽監督のインタビューに切り替え。その打ち合わせで携帯のやり取りやらメールチェックやらで、移動中も大わらわ。気が付いたらいつの間にやら丸の内東映の前に。

 というワケで東映試写室にて『魔界転生』試写。
 ……なんということだ。2日前に『あずみ』を「ちゃんとエンターテイメントしてるじゃん」と褒めたけど、これを観た後ではとても同じことを言えやしない。娯楽映画としての完成度が違う。お茶濁しに終わるだろうとタカを括っていたら、深作版をも凌ぐ傑作じゃないか!
 全編をつらぬく疾走感と高揚感がすごい。倒せど現れる剣豪たちの、居合いの威圧感がすごい。特に武蔵が登場するまでの、草原と風を巧みに操った緊迫演出のカッコよさは観ていて震えが来る。平山監督以下、東映時代劇のプロフェッショナルたちの仕事に改めて感服したよ。しかも前作『魔界転生』を幾つか踏襲したセリフやシチュエーションもあり、深作版へのリスペクトがまた泣かせる。
 こちらが最初に読んだシナリオからは大幅な変更点があったが(ドラマがお雛の一人称形式で語られるはずだった)、結果として完成したもののほうが断然優れている。東映は『BRII』の前にとんでもない怪物をモノした

 試写が終わってから秋葉原→お茶の水に向かい、映画秘宝編集部へ。前回行ったときに「平山監督をキチンと評価しよう」の話題が出た矢先でもあり、至極当然の流れで『魔界転生』話で盛り上がる。さらにその場にいた人間で『あずみ』と『魔界』の両方観ていたのはテリーとオレだけだったので、宿命のように比較話。打ち合わせで来ていた池田憲章先生に「オダギリジョーはどうだったの?」と聞かれ、「作品最大の良心でした」と告げる。

 仕事が詰まっていたので、今日は編集部からそのまま直帰。






2003年4月3日(木)
『ソナチネ』には魂も震えたけど



 今日は『魔界転生』の試写に行く予定が、個人的な書類作成や、インタビュー取材の打ち合わせ、文字稿直しなどが押し、結局ウチで一日中作業。しかも気候のせいか、やたらと眠い。
 
 その眠気を引きずって夜は仕事の能率も悪く、途中で投げてレンタルしてきた『Dolls』のDVDを視聴。本作も引っ越しのドサクサで試写に行けず、劇場公開もフォローできなかったので、やむなくビデオでの観賞。劇場に行かなかった北野武作品はコレが初めてだったりする。
 けど、所詮その程度のモンなんだな。ここ数年の北野映画って、消しゴムのカスを縒り集めて再利用し、ノートをひたすら黒く汚している感があったが、この作品は特にその印象が強い。劇中の3エピソードそれぞれも“純愛”を通り越して恐怖でしかないわ、北野絵画を絵筆ではなくフィルムで表現したシーンも「フジカラー友の会」の壮年ジジィが撮るような風景スナップ並だわ。多忙なタレントに練ることが可能なプロットも、ここまでが限界だろうし。でもこういう日和った作品を、たけし評価を出遅れた輩が持ち上げるんだろうなぁ。『その男、凶暴につき』あたりを「素人芸」とか言ってた奴らがよ。ピント外れてるって。

 見終えてすぐ返却しに行き、コンビニで食料を買い込んで仕事の続き。でも眠気には勝てず。




2003年4月2日(水)
秘宝に書いてるとアンチ龍平に思われがちだが



 朝から雨。恒例の宅急便叩き起こされ。前日が遅かったのも手伝い、おかげで睡眠不足で頭がボーっとしている。
 半睡半醒をひきずりながら、銀座へと向かう。今日はホテル西洋にて『スパイ・ゾルゲ』本木雅弘インタビュー
 モックンは寡黙な兄貴かと思っていたが、意外と多弁。舞台挨拶を終えた開放感とテンションを引きずってたこともあるだろうが、質問事項を2、3しただけで、後はノンストップで本人がしゃべりっぱなし。仕事としてはかなり楽させてもらった。

 その後はテリーと有楽町で合流し、夜8時より日劇2にて『あずみ』試写。おお、不穏な噂ばかりを先立って聞いていたけど、完成した作品は立派にエンターテイメントしてるじゃないの。
 小山ゆうの原作は映画のベースになっている部分まで読んでいるので、平和のために人を斬る、二律背反を抱えた殺人集団の悲哀をセリフで語らせてしまうのには脚本の推敲不足を感じたが、殺陣をガンプレイ的カット&アウェイで見せる殺戮バイオレンスで帳消しに出来る。あずみが初潮を迎えるシーンをどう処理すんのかとドギマギしたが、オスカープロの看板タレントにそんな描写あてがうかっつーの。
 その上戸彩はフォトジェニーの極みで、惚れ惚れする美少女ぶり。けど『集団殺人クラブ』の延長みたいなエンケン(遠藤賢一)や、相変わらず仮面ライダーをフィルモグラフィから抹消したがるオダギリジョーに印象うばわれちゃったい。

 どうでもいいが、邦画もマジで安易な竹中直人の起用を自粛したらどうだ。昨日の『スパイ・ゾルゲ』の東条英機役といい「とりあえず使っておこう」的スタンスでスクリーンに映る竹中は、うっとおしいを通り越して苛立ちすら感じる。少なくとも使うなら『トリック』の堤幸彦みたく「だってショスタコビッチ三郎太、みんな見たいじゃない」くらいの気概と配慮が欲しい。

 その後、歌舞伎町で遅めのメシを食い、深夜1時に帰宅。方々にメールの返信をして寝る。





2003年4月1日(火) 四月バカ



 今日はエイプリル・フール
 テリーは「オレの訃報でもウェブにアップしろ」というが、人の生死はウソのネタとしては不適切だよ。そういや我々が過去に提供した四月バカといえば、架空の映画デッチ上げが定番だったなぁ。たとえば、

『コンバット』映画化!
若き日のサンダース軍曹にエミリオ・エステベス。
一本線…もといヘンリー少尉をショーン・ペン
監督はリチャード・ドナー

 ってな感じで。「デビッド・リンチの『ロニー・ロケッツ』、主役に間寛平」というウソにまんまと引っかかったのは、他でもないテリーだったが。

 午後から有楽町は東宝へ。3時半より『スパイ・ゾルゲ』試写。
 映画のモティーフとなるゾルゲ事件は、中学のとき『歴史への招待』を見て個人的にかなり調べ込んだネタだし、作家が創作の締めを唱う、その意気込みに賭けていたことも手伝って、やっぱ自分の中の敷居が高くなりすぎたんだろうなぁ。オレの目には末期の東宝8.15シリーズのような大系的戦争ドラマというか、昭和史を遠目で眺めただけの映画に映ってしまった。コミュニズムが真の平等と平和をもたらすと信じ、結果として売国奴となったゾルゲや尾崎のアンビバレンスこそがドラマの要だと考えていたんで、そこに肉迫して欲しかったのだが……。
 とはいえ、映画の“疑似現実”を空気ごとクリエイトする方法論は悪くない。日本軍侵攻前の上海や、銀座四丁目などのデジタルペイントは見モノだ。あと現在→過去→現在というブックエンドにジョン・レノン……『悪霊島』の弔い合戦に少し揺さぶられたかも。
 帰りに試写室の入り口に篠田監督がいたんで、伊藤律をドラマに組み込まなかった真意を問おうと思ったが、監督の笑みを見たらちょっと切り出せなかったなぁ。

 携帯にP2より留守番伝言。ベニチオ・デル・トロの来日が中止になったそうな。ああやっぱりというか。さらに帰宅後、テリーよりレスリー・チャンが自殺したとの報を耳にする。

 おいおい、人の生死はウソのネタとして不適切だとあれほど……






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