2003年10月31日(金)
美人だからといって女とは限らない




 朝起きると、ビデオにテープ突っ込んだまま故障したTVビデオが目に入る。はてさてどうしたものか。修理に出す気づもりもないので、分解して取り出そうと決意。とりあえず決意だけ
 半睡状態で着替え、近く…といっても一駅越えたところの電気店に、ファックスインクカートリッジを買いに出掛ける。帰りに新所沢にて新規開店のつけ汁うどん専門店を発見。食べて行くが、すき焼きの残りみたいなつけ汁、なかなかに美味しいぞ。最近は讃岐うどん系チェーン店が乱立していて辟易していたところ、こういう店が新しく出来るのは嬉しい。

 夕方、週チャン杉田姐より電話。『アンダーワールド』のキャッチくださいと言われ、あわてて「今日のを観てから送るわ」と。そんなワケで、夜になってノコノコ試写へ。20時よりGAGA試写室にて『アンダーワールド』。
 なんか設定死んでねぇか? ゴスルックが妙に似合うケイト・ベッキンセールも、吸血鬼と人狼族の代理戦争の狭間にあって、メインキャラとしては存在感薄いし。人狼の変身プロセスもCGで全行程見せてくれたところで、妙に味気なくて。やっぱロブ・ボーティンもリック・ベイカーも偉大だったよ。

 試写では「おお、久しぶり!」と上京中のミルクマン斉藤氏に遭遇。東京国際映画祭のアジア映画部門審査員として拘束状態らしい。それでも時間が許す限り新作試写をフォローする。偉いもんだ。
 他に滝本誠センセや馬飼野さんと立ち話して試写室を後にする。今日は10月31日の万聖節前夜。すなわち“ハロウィン”ということで、六本木はもっか街をあげてのトリック・オア・トリート喧騒中。オレもブレザー女子高生のコスプレした巨大ロシア系美人に襲われ、無差別キス攻撃を受けちゃったよ。嬉しいというより、お前本当に女なのかと、イマイチ性別が分かりかねる後味の悪さ。






2003年10月30日(木) エイリアン2魂、炸裂!




 壊れたTVは悲しいことにビデオデッキ一体型。しかも中には、明後日TSUTAYAに返却しないといけないテープが入ったまま。困った。何のビデオかって? キミが想像したヤツは借りるまでもない、買ってる

 結局睡魔に負け、ゴジラの原稿を上げたのは昼もとうにすぎた頃。仕方なく、そのまま着替えて新宿へ。新宿ミラノ座にて『マトリックス レボリューションズ』完成披露試写。
 まぁ、結末はああいう着地点以外にないとは思うけど。ますますジョエル・シルバー濃度が高くなってさ、もう誰の映画だよって感じ。今回こそモニカ・ベルッチ大活躍とか聞いていたのに、結局オッパイ要員じゃねぇかよ
 でも日記のタイトルどおり、ザイオン最終バトルの『エイリアン2』状態と、『ロボコップ2』のコング数千台がバレットバレエを繰り広げる、ティペット・スタジオ至芸のロボット大戦争には燃えたってば! ここだけまた観たくてDVD買うんだろうなぁ。

 しかしプレスのウォチャ兄弟紹介文、なんでたった4行しかないんだ? しかも「プロフィールは謎」って冷たく突き放してるし。

 終了後、週チャン杉田姐と食事。仕事から雑談に至るまであれこれと結構長く話す。
 その後、帰宅して関西ウォーカーの不定期連載クロスレビューを上げる。お題は『マトリックス レボリューションズ』。締め切り前に試写観られて、いいタイミングだったなぁ。





2003年10月29日(水)
オオ、いいぜ今回のゴジラはよ!




 昼起き。寝室のTVがブッ壊れてしまった。この部屋だけアンテナ線が通ってないんで、ほとんどビデオ観るかDVD観るかだけに使っていたんだけど。

 支度をして都内に向かう。今日は午後3時半より東宝試写室にて『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』。
 長澤まさみにナマ「モスラの歌」を披露され、オレは本作の批評を放棄したのだが、これなら所感を表明してもいいだろう。手塚昌明演出ゴジラの最高傑作。平成ゴジラシリーズとしても、オレ的には『大怪獣総攻撃』の次に位置する出来だ。脚本の感触が微妙だっただけに、ちょっと驚いたよ。
 視覚効果面でも手塚ゴジラで一番イヤだった「合成素材をそのままスライド移動させる2Dアニメみたいな画ヅラ」がなく、ムリめなデジタルショットを避けて撮りきりで勝負している。コイツが特に効いた!
『×メガギラス』は「いつもの平成ゴジラじゃん
『×メカゴジラ』は「アヴァンタイトルだけ10回繰り返せば傑作
 とクサしてばかり来たが、やはり“継続は力”なんだなぁ。
 ただ悲しいことに、せっかくの渡辺典子の出演シーンが映写ミスにより、2カットしかないアップのひとつが台無しになってしまったことか。あああ……。

 試写には1961年の『モスラ』以来、42年ぶりに中条博士を演じた小泉博氏がいらしてたので、プレスにサインを頂く。オールド東宝特撮ファンとして黙ってられない皆様に囲まれ、ロビーはプチサイン会場と化してしまった。

 試写後、開田裕治画伯・あや夫妻や青井邦夫氏らと近くのコーヒーショップで歓談。いつもは新作ゴジラ映画を観たあと、
今回は無かったことにしてやるけど、次はわかってんだろうな
 みたいな重い空気が流れるのに、みんな爽やかな笑顔。なんと素晴らしい光景だろう。南街東宝で『VSスペースゴジラ』を観た後の殺気だった過去のオレに教えてやりたい。

 その後、初対面の各諸氏に挨拶し、三田線に乗り込んで『映画秘宝』編集部へ。郡さんの「『24』、午前9時まで観ましたよ」を口火に、仕事やら3日の「秘宝裏ファンタ総決起集会」の話などを。

 その足で恵比寿に立ち寄りOTCに。井戸さんといろいろ話し込む。おかげで帰りがすっかり遅くなり、これを記して週チャンピオンの『東京SOS』原稿に大急ぎで取りかかる。





2003年10月28日(火)
とりあえず外出準備までして




『アンダーワールド』の試写に向かうつもりが、雨がたたって一日中家に籠もる。仕方がないので、室内で出来る用事をもろもろ済ます。
 その合間に『レッド・ドラゴン』DVDの、アイソレーテッド・スコアとダニー・エルフマンのコメンタリーを聞く。かって指摘していた『サイコ』の影響は本人の口から語られず、ブレット・ラトナーの音声解説で監督が言及していた。もっともラトナーの狙いがヒッチコック・サスペンスだからして

 ところで阪神の日本一が叶わなかった夜、それでも戎橋からダイブした楽しい酔狂さんはいたのだろうか。やんなら徹底しろよ、集団心理に流されないでさ。
 阪神フーリガンといえば、花くまゆうさく先生の「ダメ人間グランプリ」。今月の回は俺の日記と同じこと言及してて笑った(03・9・15参照)。おまえは『スーパー写真塾』なんか手にとって読んでいるのかというツッコミすんなよ。

ドーン・オブ・ザ・デッド』のリメイクがオリジナルへの冒涜かどうかという話をテリーとしていたら、

あの程度でオリジナルを汚したとかいうのがおかしい。本当の冒涜とはな、主題歌をKinki Kidsが歌うとか、そういうことを言うんだ!

 と猛省をうながされる。意外と広い心を持つ男だなぁ。そんな彼は『木更津キャッツアイ』に今頃ずっパマりで、密かに木更津に行こうと画策中、俺ガイドで。また行くのかあんなところ!

 来週から東京国際映画祭だが、会期中に観る作品は『エイリアン/ディレクターズ・カット』くらいか。怠けてるなぁ自分。





2003年10月27日(月) 演劇ガチンコ兄弟




 駅前の西友デパートが深夜1時までの営業になった。ああ便利だ。

 今日は電話で原稿やら打ち合わせをやって、夕刻より西武新宿線で下落合のTACCS1179(劇団俳協ホール)に向かう。サウンドパフォーマンスチーム・の新作『ROAD』(構成・作詞・演出/鄭義信)のショーケースに招待されていたので、テリーと観劇することに。
『孫悟空』を入れ子にした、或る少年のアイデンティティ模索の物語。この主筋をベースにミュージック・パフォーマンスが展開されるが、ダレ場のない緊密な構成と音楽設計は、舞台劇が門外漢なオレでも充分楽しませてくれる。相変わらず小ネタに走ろうとするところも鄭義信の作劇スタイルだよな。

 終了後、広報の信夫女史に挨拶し、『OUT』のインタビュー以来1年ぶりに鄭さんと話をする。
 来年はこの舞台と平行して映画も戦場になるらしく、既に書き上げている2本のシナリオが映画化されるそうな。公表していいのかどうか差し支えがあるので作品名は伏せるが、ひとつは今年初めにアレで逮捕された方の格闘技ファンタジー。そしてもうひとつは『月はどっちに出ている』原作者の別の作品。
 さらには某女流推理小説家の大著の脚色化に入り(急遽おハチが回ってきたとか)、さっそく今晩から缶詰になるとのこと。

 帰りにダイエーホークスの日本一決定を確認。リーグ優勝決定後の戦力低下がやはり影響したのだな阪神は。一番笑えるのは、試合からその後のスポーツニュースまで全部ビデオ録画チェックしていたテリー。バカだよこいつ。






2003年10月26日(日)
「夢盗まれちまったからな、取り返しにいかにゃ」




 テリーに重要な話を切り出す。映画ガチンコ兄弟としての活動のリミットについてだ。
 コンビなら活動も二乗になると踏んで蜜月を続けてきたが、どうもコイツのためにならない面も出てきた。オレ個人もいろいろ考えるところもある。まぁ今日明日の話ではないのだが、「今後コンビを維持するなら…」とテリーに相当厳しい条件を期限付きで与えたのは事実。

 そして午前中は宅配便がぞくぞくと。実家から送った着替等の荷物と共に、留守預かりになっていたムラウチの荷物も届く。予約購入していたのは『ルパン三世 ルパンVS複製人間』と「マルクス・ブラザース コレクションBOX」DVD。
 劇場版のルパンは圧倒的に『カリオストロ』支持者が多いが、オレは断然こっちだ。今のTVスペシャルはこれの爪垢を煎じて飲め。そして柏原寛司は大和屋竺の(以下略)。マモーは魔毛狂介のネーミングを頂戴してはいるが、こうして改めて観るにつけ、やはり『ファントム・オブ・パラダイス』のウィンスロー以外の何者でもないと。
 画質はLD版に比べるとかなり向上している。特に色の階調範囲が広いから背景やセルの塗りムラまでも拾っているくらいで。ただ冒頭のクレジット「東京ムービー新社作品」を「トムス・エンタテインメント作品」に差し替えるのはどうかなぁ。

 マルクス兄弟はとりえず『我輩はカモである』『けだもの組合』を久々に観るが、徹底的にボケ倒すスタイルは体調がよくないと観ててヘトヘトに疲れる。それより『会議は踊る』あたりのMGM時代の傑作も早くDVD化してほしいのだが。






2003年10月25日(土) 市川崑ダブルフィーチャー




 午前中は留守中に溜まった郵便物を整理し、午後より池袋へと向かい、新文芸座へ。

 文芸座はちょうど今「岸恵子特集」をやっていて、本日のラインナップは『細雪』と『悪魔の手毬唄』。市川崑特集といっても別に差し支えない。旧プリントだが、久しぶりにフィルムで両作とも観たくなったので。
『悪魔の手毬唄』はリピートするほどに磯川警部(若山冨三郎)のイノセンスな情愛と、リカ(岸恵子)の憐愛との距離感がグイグイ食い込んでくる。来月は念願のDVDがリリースされるし、その前哨戦的意味合いを含む久々の観賞だったが、やはり劇場で観てナンボの作品だと。
 それにしても文芸座はジイさん率が高く、隣に座っていたオヤジはときおり呼吸困難を起こしながらの観賞で、なんともスリリング。休憩時にトイレが長蛇の列になるのも、映画が長いだけが起因ではない。

 外に出ると外は真っ暗。皆で夕食をとり、タワーレコードに立ち寄って『キル・ビル Vol.1』のサントラを買って帰宅。帰るなり『愛のエプロン』を観ると国分佐智子ご出演。でも国分様、まともに食える料理を作ると、この番組にお呼びがかからなくなるぞと心配。





2003年10月24日(金) 久々の大阪




 朝8時に起床し、タクシーを呼んで駅まで直行。帰りは飛行機には乗らず、高速バスで大阪へ。車中、キオスクで買った佐藤正明著『陽はまた昇る 映像メディアの世紀』(文春文庫・刊)を読むが、日光直撃のうえ、長時間活字に目を通していて気分が悪くなり、中途で寝る。

 昼12時半に梅田へと到着。三番街シネマの勇姿を見て像がジワ〜ンとボヤける。ここを離れて1年2ヶ月ぶりの来阪。懐かしいなぁ。
 早速、旧友のUお姉さまを昼ご飯に呼び出して会う。その後は各映画配給会社の関西支社に挨拶周り。時間が限られているので、堂島に集中したところだけを訪問することに。他の配給会社にはこの場を借りてごめんなさい。SPEのSさんには特にスマンと。

 とまぁ、行った先々で積もる話をあれこれ。日本ヘラルドでは『王の帰還』まで何とか生きてられそうだと互いに泣き合い、UIPでは「今度は一緒に飲みに行くんだから、次来るときは絶対事前連絡すること」と関西宣伝界のドンに叱られ、東宝東和ではもちろん『ドーン・オブ・ザ・デッド』と、これを松竹に持っていけば(オレ的には)採用間違いナシの『釣りバカ日誌』宣伝プランの話…って、なんで?

 そして場所をさらに移し、エルマガジン編集部映画班のメンツに、同誌の元編で今も懇意のK姐とサ店で合流して懐かしく歓談。仕事の話やらをいろいろと。心の琴線に触れるいいブツなんぞ頂いたりして。
 その後、K姐と難波方面に向かい、阪神フーリガンを警戒した軍事境界線のように物々しい道頓堀戎橋や、そのたもとに新しく完成した巨大TSUTAYAを案内してもらう。微妙に記憶風景と差異が生じていく我が青春の地。あ〜、時間がありゃ京都にも寄りたかったな。

 地下鉄難波駅から新大阪へと移動。金曜日の夜はさすがに新幹線チケット売り場も蒸せかえり状態。結局1時間後発ののぞみ指定席で帰ることに。ロビーで黒山の人だかりに遭遇したので、何かと思えば日本シリーズTV観戦の群衆だった(写真左)。

 紀伊国屋書店梅田店で購入の『明かりが消えて映画が始まる ポーリン・ケール映画評論集』(草思社・刊)なんぞ読んで時間をやり過ごすと(『ディア・ハンター』の論考に舌を巻きつつ)、新幹線はあれよと言う間に東京駅へと到着。深夜12時ジャストに帰宅して、郵便物のチェックやらなにやらをして寝る。






2003年10月23日(木) 殺伐とした帰省生活




 朝8時に起床。実家にいる間に健全な生活になる。

 午後は親父と買い物にでかけ、購入した生活要品の運び役に徹する。その後、書店にて文庫本「新潮45」編集部編『殺人者はそこにいる 殺人者はそこにいる―逃げ切れない狂気、非情の13事件―』と、同編『殺ったのはおまえだ ―修羅となりし者たち、宿命の9事件―』(新潮文庫)を購入。家に帰って2冊をイッキに読み込み、暗澹たる気持ちになる。すべてがそうだとは言いきれないが、鬼畜の血をたどれば、そこにはやはり鬼畜がいるという事実に

 後は一周忌の書類整理を兼ね、親父と日本シリーズ観戦。金本の劇的なサヨナラホームランにめずらしく親子の喜び波が共鳴する。元広島カープの選手が阪神の勝利に貢献しているという事実に。






2003年10月22日(水)
早いもんで、もう一年か




 朝、親父に叩き起こされ、早々に朝食。実家に帰ると便秘になるので、朝からあまり食い物を腸に詰めたくはないのだが。

 親戚一同が集まる。朝が早い老人からぞくぞくやってきて、たちまち居場所を失う。仕方がないのでベランダに出て、一人文字稿の赤入れ。フリーランスの筆耕になってから、どうも「親父を放って放蕩しているバカ息子」というイメージがあるらしく、おまけに職業をよく理解できない叔母様方には、
一男さんは書生さんですかね
 と呼称さえミもフタもない。大学に勤めていた頃は、アカデミックの威光で少しは扱いもよかったのだが。しかも供養が始まると同時に週チャン編集部に電話し、修正個所を口頭で伝えるバチあたりぶりを披露し、ますます溝が深まる。

 気疲れだけが残ってヘタってると、携帯にOTCの福里嬢より業務TEL。「こんな田舎まで、遠いところをわざわざすいません
 などとワケの分からない挨拶。

 夜は外食で済ました後、親父と母親の思い出話。晩年の凄惨な闘病状況を聞かされブルー極まりない気分になるが、話の途中で突然親父が、

もう11時か、『帰ってきたロッカーのハナコさん』見るぞ!

 さっきまで遠い目をしながらの母親話はウソっすか。てな感じで、ともさかりえにすっかり夢中のご様子。もうパパンたらと呆れたふりをし、
華子さんもいいけど理子さんもいいよなぁ
 と、さりげなく国分様愛をお父上にカムアウト。





2003年10月21日(火) 帰るのも一日仕事




 朝、週チャンのカラー原稿を上げ、そのままメールで原稿を送る。その後は2つばかし片付けておかなければんらない所用を済ませ、午後からは羽田に向かい、米子市の実家へと飛行機にて帰省。昨年亡くなった母親の一周忌のためだ。

 夕刻時に家に着くと、叔母と親父が明日の準備をあれこれ相談の最中。
 一服つく間もなく、週チャン杉田姐より電話。文字稿送るからファックス番号を教えてくれと。ところが家に予備の用紙がなく、仕方なく少し距離のあるショッピングストアまで行くことに。ついでに父親からは本をいくつか買って来いと依頼され、仕方なく叔母と買い物に出掛ける。そして近くの本屋で谷甲州の『紫苑の絆』上下巻(幻冬舎)と、新堂冬樹の『炎と氷』(祥伝社)を買い、ついでに自分用にと堀川弘通の『評伝・黒澤明』(ちくま文庫)を購入。

 帰ってファックスを受け4ページ分の赤入れ。その後にワークス・エム・ブロスより依頼の『バッドボーイズ2バッド』の原稿を上げて、メールで送る。

 夜は親父との話もそこそこに、布団に潜り込んで『評伝・黒澤明』を一気に読了。定説と化している黒澤エピソードに意外と過ちやデマが多いことや、東宝争議における黒澤のスタンス、そして本木荘二郎との確執にキチンと触れ、しかも駄作は駄作と遠慮なく言い切る点で読める黒澤本と言えるけど、正直、クロサワはもう語られ尽くした感があるというか。

 疲れがたまって頭がボンヤリしてるが、長年寝なれてない場所なので睡眠の浅瀬をひたすらに漂う。





2003年10月20日(月) 短くてすまんス





 朝、週チャンの『ブルース・オールマイティ』の原稿を入れ、夜、徹夜で週チャンの『バッドボーイズ2バッド』の原稿を書いた。その間は何をしていたのかというと、気合い入れていろんなことを考えていたさー。






2003年10月19日() あったことだけ記す




 今日は『キル・ビル』ご一行様の記者会見に行こうと思ったが、母親の一周忌で帰省の前に片付けておかなばならない原稿があり断念。去年、葬式を中途に投げ出してスピルバーグの記者会見に行った自分、後ろめたい思いが微妙に尾を引いてるんだわさ。
 
 というワケで仕事してたんで、今日も特記することなく。昼寝をしては資料を読みこなし、また寝るを繰り返す。
 
 夕方に目が覚め、日本シリーズ第2戦を見る。阪神ボロ負け。あー、以前にチラホラ指摘されてた、圧倒的な打撃力の差が出ましたな。タイガース贔屓歴半世紀の親父も「勝てる気がしない」と言ってたくらいで。急ごしらえのファンは「勝って儲けモン」程度のスタンス持っとかないと、必要以上に腹が立つことになると思うよ。

 夜、NHKアーカイブス『私の秘密』『ジェスチャー』を見ながら寝る。





2003年10月18日(土)
「セックスが見たいだろ? ヴァイオレンスが見たいだろ?」
(ブライアン・デ・パルマ)




 夕べの『ドーン・オブ・ザ・デッド』ショックを引きずり、今日は寝たきりになる。いや、保安官役でトム・サヴィーニが登場していたりと(ご丁寧にもテロップ入り)愛は感じるのだが、あのビジュアルアプローチを受け入られるのは少し、いや、かなり時間を要するようだ。

 寝たきりで北米盤DVD"SCARFACE TWO-DISC ANNIVERSARY EDITION"を視聴。
『スカーフェイス』公開20周年記念版のDVDだが、音響をサウンドリミックスして5.1ch化したくらいで、既発売のものと大きく変わらない。
 新しい映像特典でめぼしいのは、『スカーフェイス』に影響を受けたラッパーの証言集か。メソッドマンやパフ・ダディといった錚々たるメンツが、本作がいかに自分の生き方や音楽に大きく影響を及ぼしたかを喋ってるんだけど、公開から20年、『スカーフェイス』がそういう位置付けになっているとはつゆ知らず。映像的にデ・パルマらしさに乏しいという理由で、公開当時は不評だったのになぁ。

 寝たきりでメシを食い、寝たきりで寝る。あー寝たきり寝たきり






2003年10月17日(金)
「なぜファースト・フードと言うか? 死に一番近いからだ」
(老師チウン・談)




『帰ってきたロッカーのハナコさん』に国分佐智子さん、ちゃんと出ますよ。もっとしっかりしてください!

 と、どこの方やら分からない人から、情報だかクレームだかボヤけたメールを受け取ってしまった。お前は国分様に対する愛が足りないとでも言わんばかりに。そんな親身になってブーたれなくてもさ。しかも「しっかりしろ」とか叱咤激励されてるし。誰よ?

 今日も試写。アミューズピクチャーズ改め東芝エンタテインメント試写室にて『バレットモンク』。
 本作でチョウ・ユンファが扮するのは、弾丸もヒョヒョイと避ける超人チベット僧。不老の肉体を得て、強大なパワーを秘めた経文を守り続ける役だ。『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』の聖盃を守るクルセイドみたいなもん。というかさ、『レモ/第一の挑戦』ですよコレ

 そのまま東芝エンタテインメント試写室に居残り、『ミッション:クレオパトラ』の試写へとなだれ込む。
 フレンチコミック「アステリックス」の実写版第二弾。「3ヶ月で宮殿建てろ」と女王クレオパトラに無理難題命じられた建築家が、アステリックスと相棒のオベリックスに力を借りるストーリー。日本じゃ原作の知名度が低いから、モニカ・ベルッチのクレオパトラものとして売られちゃうワケだ。いや、そんなことより問題はギャグがひとつも笑えないという致命的な欠陥があることか。『フリントストーン』や『スクービー・ドゥ』みたいな立ち位置を割り切りゃ、それなりに面白いんだけど。同席したおすぎ先生は完全にフランス映画文脈で斬りつけちゃってましたが。

 西武新宿駅で週チャン杉田姐と電話で原稿打ち合わせ。同時に他所より別件の原稿依頼を受ける。
 試写2本つぶして、その前後であちこち歩いた割には疲労感もなく帰宅。帰ってネットを見るや、アップル映画予告編サイトでついに『ドーン・オブ・ザ・デッド』のアメリカ版トレーラーが登場!! ビジュアル解禁ということでドギマギしながら見るが……ああ、ゾンビが元気モリモリでなんかイヤ。ここでどっと疲労感が押し寄せ、そのままショックで寝込む。






2003年10月16日(木)
やはり現地行くと、作品に情が移るというか




『キル・ビル』の呪縛も解け、今日はようやく試写に足を向ける。

 まずは東宝試写室にて『g@me.』。東野圭吾原作の誘拐サスペンス。主演は藤木直人と仲間由紀恵。
 犯罪計画が腐った縄バシゴを渡るような危ないものだが、登場人物の立ち位置がガラリと変わるプロットのカラクリには「おお!」と感嘆。ただ、ドラマ中盤から後半にかけてのヒト山終えた後の二転三転がクドい。『スピード』で言うと、既にバス爆発の時点で観客は腹いっぱいというか、その後の地下鉄チェイスの蛇足感にさも似たり。別に全てを丸く収めなくてもいいと思うんだがなぁ。
 でも、やっぱり仲間ちゃんは美しい。容姿端麗すぎてセックスの匂いがしないところに訴求力の弱さを感じるけど。いや、やっぱ山田奈緒子のイメージが諸々の邪魔をするのか。奇しくも今日は『トリック』新シリーズがオンエアという、これがまたなんともな。

 その後、メディアボックス試写室に移動して『木更津キャッツアイ 日本シリーズ』。
 どうせみんな『ハリウッド的殺人事件』の完成披露に流れるからガラガラよと思っていたら、意に反して超満員。さすがに2日も現地取材に赴いたヤツに補助イスは申し訳ないと察したのか、宣伝担当のH女史が空席を確保してくれる。そんな心遣いはいいから『ジョゼと虎と魚たち』の試写案内くれよ。観賞動機を見透かされているみたいで頬を塩辛い水が伝うっつーか。
 しかし懐かしいなぁ、みまち通りも富士見通りも。まぁ、やはりTVシリーズを愛した視聴者へのサービス篇。それだけにキチンとフィルムで撮って欲しかったと思うのだ。しかし映画にもなったことだし、そろそろぶっさん(岡田准一)のキャラクターが『幕末太陽傳』のフランキー堺を下敷きにしているであろうこと、誰かクドカンに突っ込んで欲しいんだけど。奇しくも現在関東では、リピートオンエアされてっし。

 終わって試写室を出ると、すぐにエルマガ編集部の須波姐より電話。大人の事情あり、原稿に一部リライトを要求される。しかしこの場から自宅に帰ってからでは間に合わない。そこで洋泉社に立ち寄り、『映画秘宝』編集部で作業をするというアクロバットを展開
 でも秘宝を訪れたら訪れたで、いろいろと次号以降の原稿のことなどを打ち合わせ。特に戦々恐々だったのが、年末恒例“秘宝千本ノック”こと「全映画配給会社隠し球」のページの話。田野辺さんから、
だいたい君たちは2人組だし、後釜が見つからなきゃ向こう4年間は担当してもらうつもりなんだが
 と、血も凍るような冷徹な通告。ヒー!!

 駅から帰る途中でセブンイレブンに寄り、買うまいと思いつつもプライスダウンに負け『マトリックス・リローデッド』DVDを購入。
 結局、深夜1時を過ぎて帰宅。メールと書類をチェックし、2時にNHK教育の『エド・ハリス自らを語る』を見る。大のインタビュー嫌いで、自分の演技が気に入らないと壁を叩き壊す気むずかし屋が、よくこの番組(アクターズ・スタジオ)に出たと。やはりロメロ作品に出てたピッツバーグ時代は黙殺。奇しくも裏番組では『ナイトライダース』をオンエアしてるというのに。






2003年10月15日(水)
1年1ヶ月ぶりに国分様モード




 昨日の『キル・ビル』のせいで他の映画を観る気になれず、『シービスケッツ』の試写に向かおうと一度は外出したものの、駅前の赤提灯でサラリーマンに囲まれながら焼き鳥をつまむ。会社をリストラされた事実を家族に言えぬまま、お弁当を持って公園でブラブラしたあげくに「あー今日も取引先で大変だったよ」と帰ってくるお父さんの気持ちでしょうか? でしょうね。

 でも神様はそういう気分次第の怠け者にも目配せしてくれますわ。何とはなしに見ていた『ディスカバ!99』に国分佐智子様がご出演されていて、夢のような1時間を過ごさせていただいた次第。
 しかも深夜の『堂本剛の正直しんどい』にも国分様はご出演されてまして、いやぁ人生ムダに長生きもしてみるもんだと。そしてオレが『帰ってきたロッカーのハナコさん』を見ないのは、国分様がご出演していらっしゃらないからだと確信できただけで、今日一日が何気に有意義だったと。

 その他のトピックは、ガス代振り込みのネットバンキング組み戻しトラブルで東海ガスとバトル。つーか、根本的になんでここはプロパンなんだよコラ!!





2003年10月14日(火) ビルを殺れ!!




 夕べは公私ともに考えることあり、断続的に起きてはまた闇に落ちを繰り返し、最終的には昼の1時に起床。午後の試写を回るつもりが、これでパー。
 
 それでも少し書類を整理し、シャワーを浴びて着替えて外出。6時頃、高田馬場でテリーと合流して夕食をとり、有楽町へ向かう。

 夜7時30分から丸の内ピカデリー1にて、ハイ、長らくお待ちかねの『キル・ビル Vol.1』。
 いやぁ狂ってる。本当にこれが21世紀のアメリカ映画なのか。ミラマックスだから出来るショウ・ブラザースのロゴリールから、日本人以外の観客がどんな気持ちで聴くのか想像もつかないエンドクレジットの『怨み節』まで、本当にタラ公が自分の好きなモノだけ切り張りして作った映画だったと。でも分かるぞ。この映画と同じ匂いを、オレは新世界東映や新世界公楽の三本立興行で確実に嗅いでる。片腕カンフーや清順だけじゃなく、デ・パルマから加藤泰まであるじゃないか。
 語りは『パルプ・フィクション』と同じ錯時構成になっているが、これは既に分割公開という時点で意を成してないし……あぁ、というかどうでもいいや、そんなこと

 帰りに秘宝大内氏や青井邦夫氏とああでもないこうでもないと談笑し、中野貴雄監督らと軽く感想を交わして帰宅。テリーは「第二部なんか観なくても、オレの中でこれは圧倒的な傑作!」と力説。サントラを買って帰ろうとも思うが、雨に負け大人しく帰宅。

 深夜、NHK東北制作の棟方志功特番を観ようと待機していたら、『ストレッチマン with ゴスペラーズ』の番宣が流れる。いったい両者にどういうつながりがあるのか知らんが、絶対見ようと固く心に誓う。そして誓ったところで意識がぼやける。棟方志功? ああ、というかどうでもいいや、そんなこと





2003年10月13日(
未見のDVDがたまってるもんで



 まとわりつく眠気で、一日中ボンヤリ。強引に完全オフにする。
 唯一、仕事らしい仕事とといえば、『ロープ』のDVDを視聴したことか。映画ライターだから、映画観てりゃ仕事かという我田引水な解釈。

 映画は言わずと知れたヒッチ先生の実験作(リアルタイム進行のドラマ)。本編はいまさら語ることがないが、驚いたのは特典のメイキング・ドキュメンタリー。脚本を担当したアーサー・ローレンツが、
最初に殺人シーンを見せるのはヒッチコックの失策だ。死体が本当にあるのかないのか、その驚きが観客の興味を引き寄せる
 と、評価の定まった名作に噛みついてビックリ。さらに返す刀で、
ロングショットが効果的だとは思えない。カットのつなぎ目がかえって目立つ
 とか、このオッサン言いたい放題。そりゃローレンツクラスなら、ヒッチ批判も屁じゃないだろうが、DVD特典で当の作品をネガティブに評価するなんて、妙に感心してしまう。おかげで今ではすっかり本棚のクソとなった名著『ヒッチコック映画術』(晶文社・刊)を久々に紐解いて読み始める。つーか、ヒッチ自身がこの映画に思い入れがないんだよな。

 ファックス受信があったがインクを切らしたために確認できず、いやな予感がしてインクを買ってきて装填すると、エルマガジンの原稿に2ライン追加の要請ファックスが。大あせりで活字稿チェックに併せて追加文を送る。後は…え、何したんだっけか?






2003年10月12日() 誰かリルを知らないか




 朝起きて、一心不乱に部屋の片付け。
 もう仕事場なんか人が住むとは思えぬ惨状で、重要な資料を踏みつける可能性もあり、いくらなんでもこりゃやばいだろと。しかし一日二日で散らかしたものじゃないので、かなり片付けた気持ちでも成果が見た目に現れない。すぐに結果を得ようとする自分にはツラい。

 部屋のカレンダーも、8月のままめくってないのがズボラすぎ。東宝さんからいただいた東宝女優カレンダー、キャミ姿の長澤まさみから突然、秋模様な装いの生田智子になる10月。あぁ、9月の野波真帆は陽の目を見なかったワケか。

 夕刻、図書館に本を返しに行き、CD「SP原盤再録による津村謙ヒットアルバム」を借りる。「上海帰りのリル」を聴かずにはおれない心境だったもんで。あと「東京の椿姫」も。
 聴きながら野波真帆供養。部屋の掃除もそっちのけで。






2003年10月11日(土) もはやネタも尽きたか…




 ああ、とうとうここまで来たか。

 いや、サンクスに買い物に行ったとき、陳列されていた期間限定インスタントラーメン。「珍遊」は京都市左京区一乗寺にあるラーメン屋で、三条の映画館のレイトかオールナイトを観に行った帰りによく寄った。とりたてて美味いとは思ったことはないが、ニンニク炒飯と、量の異常に多い唐揚が好きだったので。
 あそこのラーメンは美観もへったくれもないくらい、背脂をどんぶり一面に叩きつけた見た目が特徴だが、さすがにそこまでは再現できないか。
 当時よくそうしたように、生卵を乗せて食べる。あー、分かってたことだが、似ても似つかぬ味

 夜、OTCの井戸さんと仕事のミーティング。待ち合わせをしている際、テリーと『怪奇大作戦』DVD化の話題に触れ、リメイクするなら云々の話になる。
 こういうキャスティングの話題になると、バカのひとつ覚えみたいに牧史郎=佐野史郎が挙がるが、オレもテリーも既に機を逃したとキッパリ。ルックスが若くして演技が老成している役者ということで、テリーが渡部篤郎をプッシュする。どうかと思うものの、激しく否定する材料もない。怪盗キングアラジン=生瀬勝久には笑ったが。なら監督は堤幸彦か?
 オレはリメイクなら『京都買います』を挙げ、須藤美弥子は矢田亜希子に演らせたいと、それだけワガママ。でも、高度成長に併せて古都の景観がどうとかの時代でもなく、ストーリー自体が成立しないんじゃないかと。

 井戸さんと合流して、晩ごはんを食べながらあれこれ話を進める。しかし話は一昨日のテリーの話に流れてしまう。だって楽しそうもんなぁ、実現すると。
 場所を移してファミレスに行き、そこで具体的な内容と進行スケジュールを決め、同時に井戸さんから「某社の担当氏から聞いたけど、某O監督の作品は売れないから絶対DVD化しないんだって」という衝撃の事実を耳にする。そんな殺生な!

 結局。話は4時間近くに及び、深夜にウチまで送ってもらって別れる。帰ってらちょうど『愛のエプロン』終了間際。うへぇ、熊田曜子が出てたのに。






2003年10月10日(金)
八重洲ブックセンター
階を上がるにつれ、なぜ暗い?




 11時頃、尿意をもよおし起床。闇に落ちたのが朝の7時だから、睡眠は4時間程度か。原稿打ち合わせの電話と書類整理。メールの返事や日記の更新をして、早めに家を出る。

 夕方には京橋へと移動し、6時からメディアボックス試写室にて『武士 MUSA』観賞。韓国の歴史剣劇。
 日本国内での公開時期とジャンルが近しいこともあって、マスコミ内ではよく『HERO』と比較されるが、本作は2001年の製作。『HERO』が様式美の戦闘シーンなら、こちらは徹底したリアリズム。手も斬り飛ぶ足も斬り飛ぶ。ちょうど韓国映画がハリウッドスタイルを取り入れ、娯楽性を強めていった時期の作品なので、モロに『プライベート・ライアン』の影響が見受けられる。逆に『墨攻』がダブる砦攻めのシーンは、『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』の先を行くエクスプレッションの連続で驚くが。

 見終わって東京駅に向かう途中、八重洲ブックセンターで『内田百間集成』の1巻と2巻を購入。帰りの車内で1巻『亜房列車』を久々に読むが、用もないのに行ってUターンするだけの大阪旅行の話は行動理念が破綻しすぎていて、今でも同じ文章箇所でニヤニヤしてしまう。

 券売機の前で、ワインを瓶ごとラッパ飲みしているニイちゃんに遭遇。ヘンなの。





2003年10月9日(木) パンパンパンパン




 味わい深さバツグンのテリー語録。意味はまさに言葉どおり。

 昼1時 ソニー試写室にて『 DARKNESS FALLS 』内覧。現時点では邦題未定。
 暗闇に潜む恐怖の殺人霊と、その影に長年取り憑かれてきた男との格闘を描いた、面白いけどまんまドラマ構成が『ターミネーター』なホラー。クリーチャー造形がスタン・ウィンストン・スタジオで、『さまよう魂たち』の死神みたいな感じを想起してもらえばいいかと。クレジットデザインがカイル・クーパー。スカイウォーカーサウンドで作り込んだサウンドデザインが秀逸で、これは音のいい劇場で観て欲しいのに、メイン公開が新宿ジョイシネマというのが悲しい

 その後、高橋良平、渡辺麻紀、鷲巣義明、週チャン担当杉田諸氏とお茶して、銀座の日産ギャラリーで『NY式ハッピー・セラピー』の試写でUIPに行っていたテリーと合流。
 そのまま歩いて日比谷に東宝本社に立ち寄り、『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』の完成稿をお借りして、そのまま丸の内線で新宿へ。車中でむさぼるように脚本を読むが、手塚東宝特撮観を反映させた前半とバトル構成の後半。いろいろ思うところあるが、画の上がりに少しばかり期待してしまう。

 5時前に新宿ロフトプラスワン入りし、7時より『衛星中立放送パンドレッタ』公開収録。とりあえず戦慄と冷や汗の2時間を経て、無事終了。
 その後近くの居酒屋で打ち上げ。どんどん美味しい位置づけになるテリーを肴に、酒席は7時間近く盛り上がり、あげく奴メインの企画も勃発。実現するとメチャメチャ面白いんだが。

 気が付くと朝の5時。夜もしらじらと明け、始発の西武新宿線で帰宅。






2003年10月8日(水) 左手さん




 昨日の日記でアーシュラ・ル・グィンの『闇の左手』に触れたが、バンド組んでる友人がそのバンドネームを「左手さん」と名付け、「ル・グィンか?」と訊いたら「いや、オナニーの利き腕」と。すいません。ふと仕事疲れな脳裏の右から左を、こんな遠い思い出が駆け抜けたんで。

 午前中から昼にかけて『バッドボーイズ2バッド』のラフを仕上げ、その足で飯田橋へ直行、秋田書店へ。
 チャンピオン編集部の杉田女史と打ち合わせ。近くのスターバックスに移動し、件の『バッドボーイズ2バッド』と、活版2Pの『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ東京SOS』の小見出しを定める。それと今後のスケジュール確認。今日は比較的マジメに仕事の話をし、いつものダメ人間自慢は無し

 秋田書店からまっすぐウチに帰る途中、池袋で知人K氏とバッタリ遭遇。先方の時間がないので立ち話で別れる。時間がないという点ではこちらも同じで、帰って速攻、秘宝のレビューを一本あげる。メールで原稿を送り、別件と併せて編集部に電話。

 深夜、明日の新宿ロフトプラスワンでの『衛星中立放送パンドレッタプラス』公開収録の進行台本をチェックして寝る。





2003年10月7日(火)
母さん、ちょっくら指輪を捨ててきます




 午前中に『フィギュア王』の原稿を執筆。午後をちょっと回ったところで仕上げ、ついで『バッドボーイズ2バッド』のカラー原稿ラフを切ろうと思うが、画像データの紙焼きがされてなかったので、自己作業で作成。それがことのほか時間がかかり、結局、打ち合わせの時間に上げられず。平行して『ミーツ』の原稿の文字稿に赤入れし、ついでに『ブルドッグ』の原稿を仕上げる。そんなこんなで家を一歩も出ぬまま夜を迎える。忙しいように思えるが、単に段取りが悪いのだ

 休憩時に『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』の特典映像を視聴。嗚呼しかし、よほど不慮の事故がない限り、生きて『王の帰還』を拝める段階まで来たかと。『指輪物語』がこうやって映画化出来たなら、次は『ゲド戦記』あたりを誰がいつ手掛けるのか。敷居の高さでは『指輪』よりこっちだろ。ル・グィンは『闇の左手』もまだだっつうーのに。

 SF小説といえば、テリーにジョー・ホールドマンの『終わりなき戦い』を薦め、数ヶ月前に本を入手しておきながら、未だヤツから感想を聞かない。「山羊が食った」とか、油断するとそういう言い訳をこともなげにする豪快さんだし。ちなみに彼の最近のハッピー発言は、
広末が早稲田を退学したのは、スーフリの和田さんがいたからだ。しかも容疑者なのに“さん”づけ

 小学生かと思うような早い時間に寝る。





2003年10月6日(月) いや、悪いんだと悟った




 秘宝の原稿とエルマガジンの原稿を同時にフィニッシュ。フィギュア王とチャンピオンの『ブルドッグ』レビューと『バッドボーイズ2バッド』のカラー原稿ラフまでは手が回らず。
 手を休め、試写状を整理してシグマリオンのスケジュールソフトに入力する作業。

 ネットで資料をあさっていると、ちくま文庫から内田百間集成や「現代民話考」が文庫化されているのに今頃気付く。しかも百鬼園先生に至っては、今月から第二期シリーズが刊行されるという大幅な出遅れぶり。新宿出たときに紀伊国屋に寄らねば。

 ついで最終話まで更新されていた『花とアリス』を視聴。別に感想はなし。これも今さらながらに気付いたが、美術を『キル・ビル』の種田陽平が担当していたんだよ。いや、種田陽平といえば『変態家族 兄貴の嫁さん』だろってツッコミはナシよ。

 寝る前に携帯のメールアドレスを変更。おかげでスパムメールがピッタリ止んだ。ひどかったんだよマジで。





2003年10月5日(
10月で冷房つけてちゃ悪いのかよ




 朝、ペリカン便の大声で起床。届いたのはネットで注文した『人類、月に立つ』(アンドルー・チェイキン著/NHK出版)の上下巻揃い。実は秘宝の『ライトスタッフ』特集を書いたとき、参考資料に『フロム・ジ・アース・トゥ・ザ・ムーン』のDVDボックスを買ったのだが(BS放送分のビデオ録画が飛び飛びだったので)、さらに下って原作を読みたくなったのだ。原稿詰まりの現在、読むのは先送りだなぁ。

 その原稿のネタとして使うため、未見だった『千年女優』をDVDで観賞。
 ああ、岡本喜八みたいなシンクロ繋ぎや、松本俊夫の『薔薇の葬列』みたいな入れ子構造。エクスプレッションは古いぞ。『パーフェクトブルー』や『東京ゴッドファーザーズ』同様、よく出来てると感心はするが、小さくまとまりすぎて魅力にひとアタマ足りないって
 
『千年女優』と一緒にレンタルしていたCD『機動戦士ガンダム 劇場版総音楽集』を返却しに近くのビデオ店に。
 ついでに書店に立ち寄り、文庫本『巡洋艦インディアナポリス号の惨劇』(ダグ・スタントン著/朝日文庫)を購入。『JAWS』でロバート・ショウが話していた、戦艦クルーがサメに食われる話の元ネタエピソード。読みたがったが、ようやく翻訳が出た。けど原稿…(以下略)

 時間がないので、NHKスペシャルはビデオに録画し、後はひたすら仕事。起きていられるまで。言ってるそばから視界がボヤけてきたが





2003年10月4日(土) オタク一夜漬け




 とりあえず朝から原稿。郵便受けを観たら『キル・ビル』の試写状と記者会見状が投函されていた。ようやくかい。

 昼は西武百貨店に行き、WAVEで捜し物。ついでに同階で開催されていた「全国うまいもの大会」に立ち寄り、お昼ご飯になりそうなものを物色。京都のマールブランシュが参加していて感動。うわ懐かしいなぁ。在京時、よく北山本店でチーズケーキ買ったよ。
 でもケーキじゃ昼ご飯にならないので、島根県の名産「カニいなり」を買って帰る。我々的には郷土品にあたるはずなのに、実はよく知らないのだが>カニいなり

 その帰り、停車していたワゴンの後ろに座っていた、かなり目を引くカワイ子ちゃんに遭遇。取材なりビューティーズなり、仕事がら美少女慣れしているオレらが改めて感心するくらいだから、相当なものだと思ってもらっていい。ただその娘、生気がないように一点を凝視していて、美貌よりそっちが気になった。

 夕方から夜にかけテリーとミーティング。最近オタクを休んでいるので、ネタ仕込みと称し『美少女戦士セーラームーン』『超星神グランセイザー』『魁!!クロマティ高校』をビデオで観る。
 しかし『セーラームーン』、スタッフ布陣が『仮面ライダー龍騎』だから、そのうち続けてりゃハードな展開になってくんだろうと思うが、やはり実写は違和感がある。タキシード仮面なんか場末のパブの変態ショーみたいだもんな。渡辺典子の安い起用も悲しかったよオレには






2003年10月3日(金)
『いけにえ』も来年で製作30周年か




 朝から恒例のテリーに説教。すごい妄言に付き合わされ、なんだかそれだけで疲れる。

 午前中にエルマガジンの原稿を1本上げて外出。OTCに向かう。10月9日にロフトプラスワンで行う公開収録の打ち合わせ。
 途中、高田馬場のDISCATに立ち寄り、悪魔のいけにえUK−PAL盤DVDサービス券で頂く。ついでに昼食は「くいしん坊」で肉を食らう。

 その後OTCに行き、いろいろ話を。井戸さんに別の企画も持ちかけられ、乗る。時間が押してしまい、観る予定だった『MUSA』の試写は後日に。

 帰りは新宿マイシティのHMVに寄り、紙ジャケが出たエルビス・コステロのCDをどれか買おうと思ったが、ラムタラで叩き売りしていた『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』のDVDを買って西武新宿線に飛び乗る。

 帰宅後、さっそく『悪魔のいけにえ』を観るが、画質は国内のカルチュア・パブリッシャーズからリリースされていたものと大差ない。こっちのほうが少しフィルムライクな感じが際立ち、雰囲気は悪くないが。72分のメイキングドキュメンタリーは、トビー・フーパーの薄汚れたオヤジぶりが目立って侘びしい。『アメリカン・ナイトメア』のときから気になっていたけどさ。

 しかし、久しぶりにこの狂気に触れると、やっぱ来年公開のリメイク版は無謀としかいえないなぁ。






2003年10月2日(木)
仕事のために空けたはずなのだが…




 終日、まるでエネルギー切れを補充するように寝くたれる。燃費が悪い外車のようだなぁオレはと感心。 
 外出は近くのコンビニだけ、タイムスリップグリコなどを買う。2個買ったが、キングジョーと警備隊基地を引き当てた。ささやかに嬉しい。

 そういや、半睡半醒で頭がボケボケの中、週チャン杉田姐とマンハッタンピープルより同時にTELあり。めでたく『バッドボーイズ2バッド』のR−15が取れ、少年誌での掲載復活となった
 レイティングの経緯は今月号の『フィギュア王』に詳しいが(買え。ゲスラもついてるし)、日劇1ほか全国ロードショーの正月映画がR−15というのも不自然な話だもんなぁ。回避の詳細は公表していいかどうか微妙なのでここでは記せないが、オレ個人としては歓迎したくない話だなぁ。

 のたくた秘宝の新作レビューを1本あげ、机に突っ伏して寝る。頭脳が活性化しない一日ではあった。んなこと悠長に言ってらんねぇけど。






2003年10月1日(水)
そんなの、ヴィンの兄貴じゃねえよう




 連日の試写通い。試写をサボったツケは高い。
 朝起きて週チャンの原稿をあげ、そのまま銀座に移動。UIP試写室で『ブルース・オールマイティ』。おすぎと、そしてシベ超トレーナー姿の水野晴郎先生に囲まれてのサバトな環境で作品を観る。
 全知全能の力を与えられた男の悲哀を描いたジム・キャリーの新作。彼の特性と視覚効果がいい塩梅でブレンドされた、クセのない『マスク』というべきか。良くできてはいるが、人間の欲を満たすおいしい設定を置いていながら行動は健全だし、欲絡みの割にはカセが弱いんだよ。そんなイイ子ちゃんストーリーじゃなくて、もっと毒吐け、毒。

 そのままギャガに移動して『ブルドッグ』を観る。
 ギャガ試写室の座席はケツの痛みを感じさせないはずなのに、しかもベスト・コンディションで観たはずなのに、なんでここまで関節の節々が痛むのか。つまるところ、こっちはヴィン・ディーゼルの特性が全く活かされてないんだな。活かしてるのは“アホ”くらいか。キャラに爆発力がないから、最後まで物語を引っ張れない。F・ゲイリー・グレイは『交渉人』『ミニミニ大作戦』と傑作積んできて、ここにきてフィルモグラフィにミソつけた感アリ。

 帰りに青山ブックセンターで『風雲児たち』17巻と、クラフトワーク特集の『サウンド&レコーディング』今月号を買って帰宅。やば、原稿たまってきた。明日は一日中家で仕事ということで。







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