2003年12月31日(水)
周りがムダに気忙しくするんで




 ウチで大掃除らしきものと、形式的に正月モードを色合い立てんとアレコレ動く、本日は徹底してインで行こうと思うも、プリンターのインクを買いに外出。その流れで夕食はテリーと年越しソバを食べにまるいへ。でも食べたのは、カボチャを練り込んだ麺のうどん定食、一日10食限定メニュー。

 帰宅してTVをつけると、目に入ったのはパーマン。テレ朝もドラえもん攻勢はかまわないけど、大晦日のゴールデンタイムであそこまで放送テープの古いの流すなんて、テレビ埼玉かと思ったぞ
 でも無意味な格闘技戦争に加担しなかっただけでも褒めてやろうと、『ビートたけしの世界はこうしてダマされた!? 超常現象(秘)ファイル』を見る。ハハッ、フランスの科学ドキュメンタリー『月着陸作戦』に笑っちゃったよ。スタンリー・キューブリックが月面着陸のフェイク映像を演出していたという『東京湾炎上』みたいな驚愕すべき事件を、じつにもっともらしくデッチ上げている。しかもクリスチャン夫人やヤン・ハーランまでも担ぎ出してさ。やるんならここまで徹底してウソつこうよ。

 紅白はストレッチマン登場という、NHKが爆弾を投下したところだけ視聴。それより友人Mに電話し、初詣をどうするかという話……をしている間に、Kー1の曙VSボブ・サップは、曙がガマガエルのように突っ伏した姿が目に映る。あーりゃりゃ。





2003年12月30日(火) いちおう年の瀬だし




 メシ屋の昼定食がそろそろ終了かな?という時間に起床。カズノコの塩抜き作業と年賀状のデザインをノラクラと始める。世はもう30日だというのに、馬を盗まれてから馬小屋を造る緩慢さが我ながらエヘンと思う。というより年末年始が形骸化してしまい、5月が6月に変わる程度の日常感覚しかないというか。

 ゆえにシメ縄も鏡餅も買おうとは思わないし、それでなくともテリーもの実家から大量の正月食材が送られてきたんで。それでもまぁ、年末の喧騒を肌で感じようじゃないかと市街へ。
 補充しようと思っていたおせち料理の具材も、改めて買い足すほどのこともなく、その浮いた金で『華氏451』と『マタンゴ』のDVDを購入。割引とポイントカード併用で、買ったと言うより貰ったといったほうがいい程度の出費。でも正月に見られるかどうかは怪しい。





2003年12月29日(月)
心苦しい限りではありますが




 瞼のケイレンが完全に慢性化してしまい、煩わしさを通り越しモノモライのような異物感を感じ始める。気休めに点眼薬など用いってはみたが、目の疲労からくるものとは違うような。

 それでも奮って原稿を進めようと机に向かったところ、鶴岡法斎兄より電話。
「ガチンコ兄弟は忘年会来ないんですか?」
 そうか、今日はOTCの忘年会だったと。状況が状況ゆえに参加は微妙と断っておいたが、やはり挨拶には行ったほうがいいなぁと思い立ち、恵比寿へ向かう。

1時間だけお邪魔したら帰るんだ。1時間だけ
 と固く心に誓いながら、気が付けば既に終電も途絶えた時間に。しかも原稿催促を受けてるところの編集者とハチ合わせるという、マンガのようなバツの悪い事態にも遭遇。これで後は、締め切りに耐えられず、窓から逃げるところを編集者に見つかるという経験さえモノにすれば一人前かと。

 早朝5時の電車、エアロスミスのグルーピーと思わせる姉ちゃんに寄っかかられながら帰宅。『あの頃ペニー・レインと』のケイト・ハドソンに瓜二つなスタイルと、化粧直しの手鏡に書かれていたスティーブン・タイラーの直筆サインでモロ分かり。そういえば、東京ドームのストーンズ初来日ツアーで隣席のザ・フー狂と意気投合し、89年の再結成『トミー』ツアーに行った写真を送ってもらったけど、今なにやってんだろ? それを思い出すくらいソックリだったもんで。 





2003年12月28日(
いっそ妄想日記にしてしまおうかと




 ここで記していることは必ずしも全てが真実ではない。多少の脚色もあれば、時間軸の作為的な変更もある。さすがに、
今日は川口でビン・ラディンと会った。一緒にみそ汁の異常に辛い食堂でメシを食い、セルビデオ屋に行く。あいつ、中国人の彼女がいるのに黒沢愛のDVDを4本まとめ買いしてたぞ
 というような大胆なフィクションにまでは手を染めないが。

 であるからして、ここに目を通している仕事関係者諸氏、
「尾崎は遊んでいて、ウチの原稿をほったらかしにしている」
 ってな判断をされても困るのですよ。

 という前振りをとりあえず置いといてと。じゃなきゃ書けねぇよ、
今日は一日布団の中で腰痛に呻き、人らしい行動と言えば『ご長寿早押しクイズ』と『ガキの使い』に大笑いしたこと
 なんて。





2003年12月27日(土) 清い体で年は越せない




 右瞼のケイレン止まず。あーうっとうしい。
 できる限りパソコンと対峙するのを避けようと、ベッドに横臥したまま来年公開の『クイール』の決定稿を読む。活字に目を通してれば一緒じゃねぇかと思いつつ、このホン、犬にかなりムチャな演技を要求してるぞ。崔監督は大丈夫なのだろうか……。

 高田馬場で夕食を済ませ、各配給会社から受け取ったポジを渡しに洋泉社映画秘宝編集部へ。ここはもちろん仕事納めなどなく、我々も年内に終わらせないといけない原稿を抱えている。フヒー!

 帰りのお茶の水駅でテリーが買った「ビッグコミック」を読む。お目当てはもちろん復活・山上たつひこの『中春こまわり君』。絵筆を置いて早や13年が経ったのかとシミジミ。小説家に転身してからの著書は『兄弟!尻が重い』と『太平』しか読んだことがなく、積極的な活字仕事のフォロワーだったかといえば怪しい。どことなく筒井康隆にダブるところがあったんで、いろんな意味で遠慮していたフシが。
 こまわり君は復活したけど、作風が完璧に『湯の花親子』以降の山上だよなぁ。

 倦怠感を引きずりつつ帰宅。いろいろ片付けるべきアレコレを来年に持ち越しそうな感じ。というワケで皆さん、年賀状は少し遅れてやってくるかもしれません。





2003年12月26日(金)
メンテナンスを要するようで




『王の帰還』を観ていたときから感じた右眼下瞼のケイレンが、ここ数日かなりひどくなってきた。それに併せ、首から下がちぎれるような肩こりと、重い頭痛にも悩まされている。ムリを押し通してあれこれ仕事を平行させたツケが回ったか、どうもメンテナンスが必要な感じだ。

 午前中、響きの悪いエンジン音を発しながら『ミーツ』の原稿をあげるが、痙攣が止まらず集中できず、ムダに時間を浪費して遅めの脱稿。これは絶対に寝不足から来るものと判断し、少し早いが横になる。しかも夜の冷え込みが腰の古傷にジンジン響く。もう最悪。




2003年12月25日(木) 死を呼ぶオバちゃん軍団




 朝、ムラウチから『怪奇大作戦』のDVDが届くも、それを玄関先で受け取るなり出掛ける。有楽町線市ヶ谷駅から靖国神社方面へ向かい、クライドフィルムズ(来年1月1日よりファインフィルムズに社名変更)へ。
 各社訪問も最後になると「ところで他社さんの動向はどうですか?」と頻繁に訊かれるようになる。話せる範囲で全体的な傾向を話したりするが、代わりに業界全体の動きを教えてもらったりもする。意外とアレが高騰してナニがどれだったりとか。ぼやけた表現ですまん。

 クライドフィルムズを出て九段下駅へと移動して、赤坂見附で下車。最後の訪問先である東北新社へ。
 担当のN女史は去年、年内業務終了にも関わらず出社していただいた恩義があり、頭が上がらない。「じゃあ今年は余裕だね」と笑われたが、そうでもないんスよ。
 ここは来年度の賞レースを『王の帰還』や『ミスティック・リバー』と争う『ロスト・イン・トランスレーション』(邦題未定)があるが、なぜか『アイデン&ティティ』に話が及び、
「エンドクレジットの『ライク・ア・ローリング・ストーン』の使用権がべらぼうに高かったのでは?」
 と確認すると、
「使用権が高いことより、ボブ・ディラン側にコンタクトをとるのがメチャクチャ大変だったの
 なんてな話に。これも『キル・ビル』の「怨み節」と同じくサントラには収録されてないし、ビデオ化の際に違う楽曲に差し替えられたりしないかと心配。

 東武百貨店池袋店の地下でクリスマスケーキを物色。『スターシップ・トルーパーズ』のバグみたいなお姉ちゃんの大群に圧迫され複雑な気分でいると、波はいつの間にかオバちゃん軍団に。比喩とかじゃなく本当に胴体を切断されそうになる




2003年12月24日(水)
サンタのプレゼントは食人族!!




 イチャつく女のいないヤツに限って「仕事」とかいうもんだから、今日はテリーと姉ちゃんはべらし、新宿で豪遊忘年会。けどテリーは亜紗子姫とのデートも控えてるんで、ハメを外すのは腹八分目にする。

 その前に有楽町で合流した2人は、例の配給会社巡りで東映へ。
ゼブラーマンデビルマンと、ヒーローづくしで賑やかだなぁ東映は。しかもお土産に2004年東映カレンダーをもらってオレ、ウハウハ。
 
 東映に向かうために有楽町に行くオレは、その前に諸々の原稿を片付ける。フィギュア王の原稿をあげたり、すっかり念頭から抜けていた関西ウォーカーの記事にアタフタしたりと、半睡半醒の状態で偏頭痛がする中をまぁ。

 頭を抱えながら布団から出られなかったオレは、テリーの電話で目を覚まさざるを得なくなる。ブエナビスタに行って来年の上映作品数の多さにたまげ、これからキネティックに向かうんだが、その前に月島でレバカツを買って帰りたいんだと。そこで店を説明し、そのまま起きて原稿に取りかかるのであった。


 …とまぁ、『メメント』式に下って下って話を進めてきたが、要はクリスマスイブだ。その夜のトピックはガチンコ忘年会ハイライトとして、オレ様用プレゼントに『食人族 アルティメット・コレクション』DVDを買ったことか。クリスマスイブなのにですよ


 ジングルベル
 ジングルベル

 食るか、食られるか(原文ママ)

 
 帰って2004年東映カレンダーを拡げてみると、東宝カレンダーと違って半分は男優。しかもキケロのジョー小林稔侍や里見浩太朗など、そのオヤジ度はハンパじゃない。唯一気持ちが休まるのは、8月の麻生久美子だけ。こりゃもう元旦からすぐに8月のところまでめくっちゃる。そして8月以降はめくらない。

 ところで、松竹のカレンダーってあるのかな?

 1月〜6月  倍賞千恵子
    7月  太宰久雄
    8月  西田敏行(全裸)
9月〜12月  山田洋次(横にフレンダー)

 こんな感じかな?
 




2003年12月23日(
健康のためにジャスミンティーを薦められたが、




 あのトイレの芳香剤みたいな香りは何とかならんか。

 今日は一歩も外を出ることなく原稿に着手。そんなワケで、これといったトピックもない。あ、作業のインターミッションで『悪名』のDVDを視聴したくらいか。驚くほど画質が向上してたな。後は『スカイハイ』の再放送も見たりして。ゲストの加賀美早紀は『プラトニックス・セックス』のイメージを引きずらされて、突き抜けてブレイクしないな……などと美少女擁護発言ばかりで「ドリーさん、キモいわ」と言われるのも困りモノですね。他人に言い諭す口調でナニですが。
 てな感じで、来年のインタビュー取材はやはりキレイどころ攻略といきたいところ。昨年はモッくんやら小栗旬やら塚本高史やら、男前ばかりで女性方面から羨ましがられたアタシ君ですが、当の本人は全然嬉しくないので。

 その他『小沢昭一の小沢昭一的こころ』のネット配信を聴いたりも。優柔不断で仕事に集中しなくて困りモノですね。これまた他人に言い諭す口調でナニですが。





2003年12月22日(月)
指輪戦争の壮絶さに呆然とする




 今日も配給会社をあちこちと。まずは銀座に向かい、日本ヘラルド映画へ。
『指輪』もついにファイナルということで、来年は『王の帰還』一色だろうと思いきや、我がBD師匠アンキ・ビラルの新作がココだった。ビジュアルボードを幾枚か拝見させてもらったが、バックプレートやクリーチャーが全て3DCGだけあって、『バンカーパレス・ホテル』や『ティコ・ムーン』なんかと比べてもコミックっぽく、世界観が完全にビラルだ。

 それから原宿に移動して、先日始動した新しい配給会社、ファントム・フィルムへ。代表取締役社長は叶井俊太郎氏。
「新会社の方向性? そりゃもう、オレがアルバでやってきたことを突き進めるだけよ
 と、怪気炎あげまくりだ。頼もしいぞ叶井!
「あ、そういえば秘宝からまだ祝いもらってないんだよ何かくれって言っといて」
 ああ、面の皮が厚いのも変わらない……。

 ファントムを出て、夕食とも昼食ともつかない食事を腹に詰め込むと、再びヘラルドに戻って試写室へ。ついに『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』を観る。
 ……いやぁ、ただただ圧巻というほかない。ことに指輪戦争のスペクタキュラーといったら、映写ルームに向かって、
頼むからもう一度リールを巻き戻して見せてくれ!!
 と哀願したくなるくらいのショック。映画における兵法戦のコンティニュイティは、この作品で基準値が完全に変わった。ファンタジー、かつトリロジーの一編が映画賞レースに絡んでくるなんてピンとこなかったけど、これだけの視覚体験にこれだけの勇壮なドラマ、納得するにやぶさかでない。

 しかし2年前、この試写室で30分のカンヌ上映ダイジェストを観てから『王の帰還』に至るまで、無事に全作見届けようという保身のあまり、命を縮める何かに怯えながら生きてきた。これでもう思い残すことはないと、帰りに塩分たっぷりのラーメンや糖分の固まりみたいなケーキを食べ、電車を黄色い線の外側で待っちゃったよ。





2003年12月21日(
『宇宙の騎士テッカマン』の最終回は無視かよ




 昔付き合ってた姉ちゃんから三条大橋の上で別れ話を持ちかけられ、みっともない対応をした20代の自分を撃ち殺してやろうと、京大北口の「進々堂」でパンかじりながら、今のオレとテリーが談合しているというワケのわからない夢を見る。冬の京都が恋しいのか? 寒いのに。しかもテリーが殺す気マンマンで、報酬に「まつお」の皿うどん(大盛)を要求。オレの命はその程度なの?

 悪夢で目が覚めると、これまでの頂いた資料を整理し、おとつい銀座の山野楽器で買ってたCD『伊福部昭の芸術7 わんぱく王子の大蛇退治』を聴く。
 交響組曲として2003年に演奏された『わんぱく王子の大蛇退治』に惹かれての購入。いやいや、3章「アメノウズメの舞」の異常なアップテンポに感動しまっせ。ところで次回のゴジラ50周年記念作には伊福部待望論もあるようだが、もはや伊福部さんのスタイルは現代の映画にシフトしていないと思う。もう充分な仕事をなさったんだから、レトロスペクティブで語るに留めておけばいいだろう。

 夜、少し手を休めてテレ朝の『アニメ名場面大賞』をボケッと観る。
 まぁ、バカのひとつ覚えみたいに和也の死とかメーテルとの別れとか、ルーティンの極みだな。しかも感動の名場面第1位は、やっぱし『フランダースの犬』だしよ。しかし、オレは社会的にイイ立場のオヤジになったとしても、こんなマンガをさらしとかないといかんのか?

 アニメ名場面と言えば、ガチンコ兄弟的には、

北斗の拳』の「おまえのような巨大なババァがいるか」
グロイザーX』の「たかが人間一人のために、グロイザーXを渡すことは出来ん!」
グレートマジンガー』の「ボスはちょっと精密検査が必要だよ」

 なんだけど、果たしてあのテの番組に登場するのは、いつのことだろう。

 そんな生産性のカケラもないことを言いつつも、フィギュア王と関西ウォーカー、それぞれのレギュラー原稿に着手。明日から地獄巡りは大詰めになるし、ちょっと重要な試写が待っているので。手離れのいい原稿は極力サヨナラしておこうと。






2003年12月20日(土)
アルバムもリマスターで出してくれよ




 週明けの修羅場に備え、とりあえず今日はゆっくり寝ようと思うも、定時に目が覚める。
 寒くて外には出たくなかったのだが、腹も減るし、食料調達を兼ねて外出。ついでに年末セールをやってるバンダレコードで『シティ・オブ・ゴッド』DVDと、ヴァンゲリスのCD『オデッセイ〜ザ・ベスト・コレクション』を購入。後者は『ベリー・ベスト・オブ・ヴァンゲリス』と曲のダブりが多く、買うのを一瞬ためらったが、デジタル・リマスターという圧し文句にグラつき生じての購入。

 いや実際、リバーブで味付けした感はあれど、収録曲はどれも従来のものと比べて大幅に音質が向上。全体的にこもった感じがなくなり、各パートともに音の輪郭がハッキリクッキリしているじゃないの。トラックを再構成したようで、例えば『パルスター』なんかイントロのシンセラインが左右に振り子移動するし(従来版は右に定位)。「ブレードランナー(ラヴ・テーマ)」も マスターテープのたわみに起因する音揺れがちゃんと修整されてる。

『シティ・オブ・ゴッド』は特典ディスクに収録されている短編映画『ゴールデン・ゲート』を視聴。『シティ・オブ・ゴッド』の雛形みたいな作品。オチがコントみたいだが。

 それらを観たり聴いたりしていると、田村亮子と谷佳知の結婚披露宴中継を観ていたテリーから、
出会いから結婚までの経緯をドラマ化したコーナーがあって、それを本人同士が演じていて強烈だったよ!
 と報告あり。なんでそういうのをちゃんとビデオに録画しておかないんだオマエは。

『愛のエプロン』を見て寝室に入り、ベッドの中で『終戦のローレライ』を読みながら眠りにつく。





2003年12月19日(金)
勝てないケンカに挑んだ勇気を讃えるべきか…




 明け方4時くらいに寝て、8時に起床。そのまま身支度をして出掛ける。配給会社回り、本日の一番目はワーナーブラザース
 本社に赴いたら、少し慌ただしい雰囲気が。午後から渡辺謙のゴールデングローブ賞ノミネートの記者会見が組まれるそうな。賞レースといえばここは『ミスティック・リバー』もあるし、ちょっと大変だ。それにしても来年のワーナー、公開作品の多いこと!

 ワーナーを出ると、そのまま歩いて日比谷へ。ようやく日程の折り合いがついた東宝に行く。
 まぁ、ここも作品数の多いことと言ったら。例のゴジラ50周年記念作品に関し、オフレコを条件に監督候補の具体的な人選を聞かせてもらったが、ウーン、オレの思惑と大きなズレが……。

 東宝を後にして銀座で昼食をとり、テリーと合流して共にヘラルド試写室へ。『テキサス・チェーンソー』を観る。
 作り込まれた変態描写は極めてハイレベルで、観る者への心理的締め付けは相当なものだ。ああ、それだけに本作が『悪魔のいけにえ』のリメイクでなければ……という思いに嘖まれる。製作から30年を経ても細瑕すら見えず、恐怖のハイ・コンディションをキープし続ける偉大なオリジナルを相手に、比較という呪縛からどうやって逃れられるというのだ。そんなワケで、勝ち目のない喧嘩に挑んだ勇気も“込み”で評価しないとなぁ。

 試写場にて、漫ぶらぁ〜こと大西祥平氏と、『THE3名様』でおなじみマンガ家の石原まこちん氏にご挨拶をいただく。

 コムストックに行くテリーと有楽町で別れ、締めは渋谷のアートポートに。
 会社のカラーから分かると思うが、担当のH氏はホラー映画に殉する人なので、今しがた観た『テキサス・チェーンソー』の話題に。さらにはホラー映画が当たらないところにきて、来年の各社ホラー攻勢は吉凶どうなるといった話題や、映倫規制がますますきつくなるボヤキなど。

 帰りにすみやに寄るが、特に購買意欲を刺激するものはなく、おとなしく帰宅。メールにて駆け込みの原稿依頼が数点。「年末進行」という波に乗り損ね、年末年始に仕事をする泡沫ライターの哀れさよ。





2003年12月18日(木)
脅かされるヤツのほうがコワモテでどうする




 今日の地獄巡りは六本木固め。まずはアスミック・エース・エンタテインメントへ。例年どおり、こことは長く話し込んでしまう。

 昼食をとり、次に向かうは20世紀フォックス
ジーパーズ・クリーパーズ2(仮)』の邦題決めるのに頭抱えていたので、同行したテリーが『こうもるさん』と命名。先方の困っている様子がありありとわかる。

 その後、別のところをまわるテリーと別れ、一番町の東宝東和に行く。ここは来年の作品数は少ないものの、最大級の問題作を抱えている。そう、『ドーン・オブ・ザ・デッド』だ。
 現時点でまだ詳細をとやかく言える情報をお互い得られていないので、オリジナルとの接点をあれこれ検討できるワケもないのだが、それでも本作の話題だけで1時間半近くも話し込んでしまう。『ゾンビ』のリメイクを積極的にウリ文句にはしないという宣伝側の主張も痛いほどわかる。でもそれを封じてしまうのは、この映画のアイデンティティを殺しかねない云々。う〜ん、大変だよなぁ。
 それはそれとして、先々月来阪のおり会い損ねた関西支社のS氏と、ここでバッタリ会えたのは幸いだった。

 東宝東和を後にして日比谷へ移動。東宝試写室に向かい『着信アリ』を観る。
 座席の中間から後方にかけて埋まっていたので前のほうに座ると、隣に叶井俊太郎がいた。
「あんた何でこんなとこにいるの!?」
だってヒマだったからさ
 この慌ただしい時期、どこの世界に他社作品の試写をのんびり観てる宣伝マンがいるんだよ。しかも明後日には新会社が業務始動すんだろ? まぁ叶井さんなので、これは勉強熱心の現れなんだと好意的に解釈。
 映画は携帯というツールが事件への引き込み線になってるだけで、後は『呪怨』チックに得体の知れないゴーストが跳梁する毎度な展開。相馬光子、もといコウちゃんは以前にもまして顔が人殺しスマイルになっているので、スクリーミング・クイーンには向いていないと思います。あとトピックは、岸谷吾郎が彼の役者人生で初めて誉めてやりたくなる演技をしていたことか。まぁ三池崇史くくりで言うなら『DEAD OR ALIVE』のダンカンみたいなもんだけど。

 終了後、マリオンに赴き引き続きの試写。日劇2にてディズニーアニメ『ブラザー・ベア』。
 『着信アリ』が終了したのは20時24分。本作は20時30分上映。そりゃ重戦車のようにダッシュアタックしましたよ!! おかげで開始ギリギリで入場。関係者がズラリ並んでいるところにきて、一人駆け込みで鼻息荒げながら登場したもんだから、
尾崎、観る気マンマンだな
 と思われたんじゃないかと。恥ずかすぇ〜!!
『王子と乞食』が基底になってる情操教育アニメだけど、アホ兄弟の野郎泣かせな絆にセンシビリティを刺激されたよ。熊との格闘アクションの作画処理が秀逸で、週チャンで取り上げるからと嫌々観たにしては拾いモノ感高ぇや。

 終了後、週チャン杉田姐と茶店に移動し、シネマプレビューの文字稿チェック。秘宝の最新号を差し上げると、読むなり開口一番、
原史奈、足細ぇ! 自分の商売道具にとことん磨きかけてますね
 って、男子中学生かお前は!

 深夜2時前くらいに帰宅し、ひと息つく間もなくエルマガジンのインタビュー原稿を上げる。あ、『正三郎の部屋』最終回でやんの。





2003年12月17日(水) 今日も今日とてグルグルと




 さっき寝たと思ったら、けたたましい目覚ましのアラーム音が鳴る。
 モソモソ支度をして外へ。今日も配給会社地獄巡り。トップバッターは東映。ところが本社で1時間半待ったあげく、担当氏が高熱でダウンしてるとのことで、改めて日時を仕切り直すことに。待ってる間にこちらも段取りがもろもろ整ったので、先方が恐縮するほど憤りはない。思えばこういうアクシデントもなく押し切った昨年は、実のところ綱渡りのような危ない進行だったのだなぁと。

 仕方がないので次に控えていたUIPへ。やはり来年の目玉は『サンダーバード』。けど話の途中、鳴りだしたオレの携帯着メロが『ゾンビ』であることに端を発し、会話はホラー談義に。他社作品ながら、やはり『テキサス・チェーンソー』と『ドーン・オブ・ザ・デッド』の動向が気になる様子。
 それにしても、まさかUIPのラインナップにも韓国映画があるとは……。

 UIPの次は松竹。ここは担当氏が映画秘宝に挨拶をしたいということで、オレが橋渡し役を請け負う。編集部に赴いて、そこで話をすることに。行きがけに『CASSHERN』のオフレコ情報を仕入れる。

 編集部に着くなり大内軍曹が、
「いやぁ『マスター・アンド・コマンダー』面白かったよ。海の『グラディエーター』だぜアレ
 ……ああ、行くのを止めたオレの判断は誤っていたのか!!

 とりあえず松竹さんと話を進め、お帰りを丁重に見送る。そして別冊『アイドル映画30年史』の編責である馬飼野氏に、本誌が橋渡しとなって渡辺典子と接触する機に恵まれたことを報告。
「そういうことってあるもんなんだなぁ。でも悪口書かなくてよかったですね
 と。いやホントだよ。

 編集部を出て、他社を回ってきたテリーと八重洲ブックセンターで合流し、メディアボックスへ。
ここは映画とは別に来年発売の『エイリアン アルティメットエディションDVDボックスセット』のパブリシティも担当しており、ちょろっと知恵を提供する。ちなみにパッケージ仕様も定価も早々に知ってしまった。購入を考えている勤め人の方は先日もらったボーナスを少し残しておいたほうがいいですぜ。思ってるよりも微妙な感じの出費になるんで。

 深夜に帰宅すると、関西ウォーカーからレギュラー原稿の駆け込み要請。フィギュア王の締め切りも間近に迫ってきた。どうやら遅ればせながら、年末進行の嵐がやってきたようだ。





2003年12月16日(火) 中井ピーチ




 今日は午前中、少し早めの外出。ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント(SPE)に行く。例の配給会社地獄巡り。メジャーはテリーにまかそうと思ったが、急務でもあり、オレが行って話が早いほうはオレが出向かうことに。

 SPEでは担当の藤原さんとしばし歓談し、そのまま1Fの試写室に降り『ヘブン・アンド・アース』を観る。
 これって製作に『ダブル・ビジョン』のチェン・クォフー監督が関わっているのね。インタビューしたとき「武侠やりたいんだ」と言っていたので合点がいく。そういう意味ではパワフルな武侠篇ではあるが、『MUSA 武士』や『HERO 英雄』の後で食傷気味だと拒まれないだろうか。それと投げたようなクライマックスがオレ的には頂けない。中井貴一は頑張っているというか、向こうの俳優に紛れても違和感がなく、イイ顔のオヤジが大挙していることもあって、ヴィッキー・チャオの可愛さは引き立つ。音楽が『ムトゥ 踊るマハラジャ』のA・R・ラフマーンのせいか、いつラジニカーントが登場してもおかしくない雰囲気ではあったよ。

 試写を終えてそのまま日比谷線に乗って恵比寿へ。クロックワークスに行く。その足でOTCにも寄るが、主立ったメンバーが留守で、挨拶のみして移動。
 アルバトロス他3社を回ってきたテリーと銀座の日産ギャラリーにて合流。そのまま2人で『マスター・アンド・コマンダー』の完成披露に向かうつもりが、次々と他の配給会社から携帯に連絡が入り、そのまま座り込んで日程調整。試写は止めて後日に。

 帰りに少し空腹を満たそうとローソンに寄る。そこで声優ユニットDROPSのポスターを見るなり、テリーが、
「…なんか売れ残りを詰めた福袋みたいなユニットだな」
 と冷たく言い放つ。よくわからんが、心に残るひと言だった。けどそういうことをココに載せて、後で変な攻撃を受けたりしないだろうな?

 遅い帰宅。『パパパパPUFFY』限定復刻盤を見て就寝。






2003年12月15日(月) 寒さに負ける




 普通に寝たのに、あまりに寒すぎて布団から出ることができない。朝から夕方まで陽が射す仕事場と真逆の位置にあるから、冬場は痺れるように寒い。
 かといって惰眠を貪ってばかりもいられず、とりあえずヒーターを作動させ、ゆっくり体温上昇へと導く。チルド肉の解凍かよ

 コーヒーを煎れて腑も暖め、とりあえずチャンピオンの原稿に着手。だが脳も凍っているようだ。気分転換と家賃振り込みを兼ねて外出。

 小1時間ばかしで帰宅の後、ひたすら電話攻勢。配給会社回りのアポイントメントを取って、スケジュール調整。今年はテリーの手を借り、負担は軽減されるはずなのだが、ウー、どうにも心許ない。

 とりあえずメドがついてウツラウツラしていると、叩き起こされるように叶井俊太郎から携帯にTEL。氏が独立して立ち上げた新しい配給会社の諸々を耳打ち。まだ公に出来ないけど、社名がいいよな。





2003年12月14日(
ボーイ・ジョージじゃなくてガール・ジョージだ




 昼に起床。夕べは拘束の割に呑んでおらず、少しばかり寝不足を感じるくらいで、至って普通のコンディション。それよりも、これを見てくれ。

 アーノルド・シュワルツェネッガーの最高傑作アクション『コマンドー』CDを入手。未発売サントラアルバム最後の大物が、ようやくリリースされたのだ。
 打ち込みベースの叩きつけるような旋律に、尺八とサックスの狂的アンサンブルがトランスへと誘う。『銀河伝説クル−ル』と並んでオレ的ホーナーのベストスコアだ。でも曲のバリエーションが少ないので、商品として売るに渋られたのは頷ける。別に理由があったのかもしらんが。

 先日買ったKC復刻版『デビルマン』をイッキに復読し、その勢いで映画版のスクリプトを読む。
 那須真知子のホンは微妙だが、字で読む限りは原作のテーマをそこそこ捉えたうえでドラマを転がしている。いちおう牧村家の惨劇もあるし。となると問題は“画”だ。那須監督のディレクションと東映アニメーションのビジュアルアプローチが、『デビルマン』をコミック映画レースの勝者にするかどうかの鍵を握っている。
 
 インタビュー原稿に少し着手し、手を休めて『NHKアーカイブス』を見ようとチャンネルをいじると、画面にはサダム・フセイン拘束の報。アメリカが持てる武力の総動員で燻り出しをしながら、結局のところ健在だったことがすごい。こいつが実は精巧なクローンだったらと思うけど、そんな科学力があれば逃げるに及ぶ必要がないだろ。





2003年12月13日(土)
オレも仕事に便乗し、つい買い物を




 今日は午前11時よりパンドレッタプラスのロケ>於・新宿。テリーが場所は調べ済みということでナビゲートを任せるも、広末妊娠のショックも手伝って思いっきり迷子に

 収録内容はテリーのデート企画で、煤けた風体を魅惑の変身……と言うワケで、場所はデブ専洋服店「サカゼン」。
 しかし、5頭身半の巨顔症に驚異的なナデ肩。おまけに出っ腹&出っ尻の富永一朗キャラなテリーはどんな服装の魔法も効かず、コーディネートに駆り出されたビューティーズ長尾麻由も半泣き状態。結局、デブキャラに即したファンシーな格好をさせることで収束。

 ここでの私的トピックは、テリーが着替えていた隣の試着室に小林亜星がいたことと、8階にワープ エンタテインメントの本社があったこと。鶴岡法斎兄と「テリーを汁男優に使ってもらおうか」などと画策。

 なんとか撮影は終了し、アカシアで昼食。そのあと長尾ちゃんが呼び出した元モデルの女友だちに挨拶。「すごく可愛いコですよ」と豪語するだけあって、掛け値なしのベッピン。やはり活きのイイ魚は綺麗な水に棲むというか、類は友を呼ぶ。けど顔が見たいと言うだけで呼び出された彼女の立場は?

 それからいどPと合流し、新宿2丁目の茶店で打ち合わせ兼の談話。場所柄、男同士のカップル客が多く、野に置かれた我々も疑わしオーラを芳香させている。
 そこに5時間近く居座り、歌舞伎町で解散。ところがラムタラでDVDでも買うかと物色していたら、井戸さんから携帯にて夕飯の誘い。
「ラムタラにいるんじゃないかと思って連絡したら、ホントにいた」
 と、完全に読まれている我々の行動パターンに赤面。

 さらには小林・藤井両Dと合流。居酒屋で腹を満たし、二次会でさらに話し込む。その長い時間、やはりテリーが酒肴。もちろん恒例の説教も出し物として披露。しかしこの説教、回を重ねるうちに洗練されてきているのを実感。鶴岡兄いわく「まるで古典落語みたいですね」と。

 夜も明けそうになってやっとお開き。小林Dの車で送ってもらう。





2003年12月12日(金)
親に苦労をかけることが親孝行




 またぞろ携帯に迷惑メールがボッコボコ送られてくるようになりやがった。困るなぁと思いつつ、午後から資料探しのために神保町へ。だがお目当てのものは見つからず、書泉グランテにてワイド版『風雲児たち』19巻(リイド社)と、KCコミックス復刻版『デビルマン』全5巻(講談社)を購入。先日取材した『デビルマン』のスクリプトが手元にあるので、それに目を通す前に久々に原作を紐解いとこうと。

 例の隠し球の件で東宝本社に向かうも、明日の『ゴジラ』初日準備で混乱していたので、翌週に出直し。しょうがないので、そのまま映画美学校第2試写室に移動して『ドラキュリアII 鮮血の狩人』試写。
 同席したジャンクハンター吉田先生から『テキサス・チェーンソー』の詳細を聞き込む。『悪魔のいけにえ』の権利が意外な某メジャーにあって、オリジナルを引っ張り出しての宣伝展開が難しいとのこと。もっとも今回はリ・イマジネーションらしいが。ケッ!
 それでなくとも最近、ホラー映画は臭みを抜いた宣伝傾向にある。週チャン編集部・杉田姐のところに『ドーン・オブ・ザ・デッド』の話がきたそうで、『ゾンビ』のリメイクを謳わず『28日後... 』のようなオシャレ路線で売る意向だと聞いた。
 耐え難ぇ! オレ様の記名で『ドーン』を取り上げ『ゾンビ』に触れられないなんて、そんな薄気味悪いこと強要されるならいっそR指定にでもなりやがれ! やるなら『ゾンビ』復活を大々的に煽るぞ!! しかもぜんぜん関係ないのにウーリーの写真とか載っけたりな。

 ……ああ、映画は面白かったよ。『バタリアン』に『マトリックス・リローデッド』を足した輪郭。ヴァンパイアの設定を腐らせた『アンダーワールド』に比べりゃ、ホラー良心の固まりじゃ。

 深夜、オンエアしていた『さんまのまんま』で、明石家さんまが朝娘。の矢口とリーダーに放った言葉が本日のタイトル。心に残る至言だ。





2003年12月11日(木)
ロス先生もどんどんアホになっていく




 朝遅めに目が覚め、書類整理をして都内へ。13時よりUIP試写室にて『ディボース・ショウ』を観る。
 ジョージ・クルーニーとキャサリン=ゼタ・ジョーンズ共演、監督はジョエル・コーエン。メジャーでラブコメディという、およそコーエン兄弟らしからぬアプローチだが、それでも相変わらず作品のアベレージは高い。けど『ファーゴ』のように叩きのめされるような衝撃もなくなってきて、ちょっとウディ・アレン化の嫌いも

 試写室で週チャン・杉田姐と遭遇。雨宿りも兼ね、茶店に移動して打ち合わせ。お互い天気予報もロクに見ず、外出の時点で雨が降ってなけりゃ傘を持たないダメ人間性格が災いしたというか。

 その後、洋泉社・映画秘宝編集部へ。来月号の担当ページに関して田野辺さんと打ち合わせ。その席で今月号に寄稿した原稿のひとつが、誌面構成の関係上ボツになったことを伝えられる。稿料は出ても、陽の目を見ないのは少し悲しい。言及した作品は来年の夏にスペシャルエディションDVDが出るらしいので、そんときココで発表でも……と思うも、たかが800字程度のコラムだしなぁ。

 さらに地下鉄乗り継ぎで恵比寿に行き、OTCへ。明後日のパンドレッタロケの簡単な台本確認。事務所ではちょうどブツ撮りをしていたが、撮影対象物が某巨大ヒーローの試作品ソフビで、変身前と後が阿修羅状態というか、リバーシブルになってる気持ちの悪いモノだった。

 OTCを出て書店に立ち寄り、『蜻蛉玉 内田百間集成15巻』(ちくま書房)とヤングサンデー最新号を購入。グラビアの上原美佐はスクリーン映えする美少女だとイチ押ししてたが、テリー曰く、
推定少女の左側とすり代わっても全然違和感がない
 と、どっちに対して失礼なのか分からない、けんもほろろな発言。





2003年12月10日(水) 我が人生、最良の日




 今日は朝から練馬へ向かい『デビルマン』の撮影取材。カメラマンのワイルドマグナム江木さんらと大泉学園駅で待ち合わせ、東映東京撮影所へ。
 予定より20分早めに撮影のある第7スタジオに到着。機材を降ろして待っていると、向こうから見た顔が近づいてくる。誰かと思えば金子修介監督だった。
「今日は那須(博之)さんトコの取材? 僕も隣で『スカイハイ2』撮ってるよ
 としばし歓談。なんと17年ぶりのテレビ演出だそうで。しかし師匠の那須監督の隣で金子監督も撮影とは、これまた因果な。

 そうしているうちに、東映宣伝部の方々が登場。関西試写のYさんUさんらと1年半ぶりの再会挨拶を交わしてスタジオへ。ところがシレーヌ役の冨永愛の特殊メイク作業が遅れ、撮影は午後12時半へとずれ込む。
 昼食後に撮影が開始となり、ようやく冨永シレーヌ登場。しかしまぁ驚くべき巨大さだ。股間の高さがテリーの胸位置にあるんだから、これが同じ人類なのだろうかとしみじみ思う。

『デビルマン』グリーンバック前での演技打ち合わせ風景。シレーヌは公開していいものかどうか微妙なので、ここでは判別不可能な写真を持ってきた。残念ながら原作のようにトップレスではない。


 結局『デビルマン』の撮影がギューギューに押してしまい、冨永愛の囲みインタビューが終わったのは夕方の5時半。諸氏に別れの挨拶をし、第6スタジオに移動。金子監督から「撮影現場、見においでよ」と誘われていたので、釈由美子をナマで拝みたいというテリーの願いを叶えてやる。
 ちょうど最後のカットを撮影しているところで、なんとか釈ちゃんのフィニッシュに間に合う。だが真のサプライズは我が身に降りかかってきた。最終アフレコ作業の後、金子監督ったらゲスト出演の渡辺典子オレを紹介したのである。
 実は監督、秘宝別冊『アイドル映画30年史』に寄せた渡辺典子の拙稿を知っていて、気を利かしてくれたのだ(同誌には金子監督のインタビューも掲載)。だが、まさかこんなところで20年来の想いが成就などと考え至るワケもなく、パニックで泣き入り状態になりながら、やっとこ握手を求める意思表示が精一杯!! そんなブザマなオレに、昔と全然変わらない美貌でニッコリ微笑みながら、典子お姉様はギュッと手を握ってくださいましたですよ。

 人生最大の浮かれ気分で撮影所を後にし、テリーに気前よくメシをおごる。喜び散財ついでにゆめりあホール4Fの書店で『終戦のローレライ(上)(下)』(講談社)を買って帰ったら、案配よく映画化の話が解禁されていた。開田裕治先生から仄聞した話によると、樋口監督の絵コンテは相当に気合いの入ったモノらしい。楽しみは楽しみだが、今のオレにこれ以上の喜びは抱えきれない

 寝室に移動して渡辺典子愛を脳内再生しようと思ったが、頭に浮かぶは那須監督のヤクザチックなたたずまい。そんなぁ。





2003年12月9日(火) 無題、さらには無内容 




 ほら、よくアレだ。いきなり文章で言い淀んでどうすんだと思うが、こういう日記って、怠って貯め込むと記述が簡潔になるよな。のび太が「朝起きて昼寝して夜寝た」と記した翌日「昨日と同じ」の言葉を残し、日記を投げ出すのと同じだ。

 ということで、午前から昼にかけ、ベスト10原稿とチャンピオンのシネマレビュー原稿に着手し、夕方から新しく出来た駅前ショッピングビルを徘徊する。といっても別段散財もせず、書店コーナーで『悪魔の紋章 江戸川乱歩全集 第12巻』(光文社文庫)のみ購入。そのまま茶店で収録の『少年探偵団』を読みふける。ケツに火がついているというのに安穏とまぁ。





2003年12月8日(月) ベスト10を選ぶ




 もろもろの私用につき、終日家を空けての外出。だがここに記す性質のモノではないので省略。

 夜、提出期限をすぎて田野辺さんからせっつかれていた『2003年秘宝ベスト10』をテリーと熟考。オレ一人ならまとまりも早いが、2人の主張をすり寄せ合わせるのが大変。ワースト3は意見の相違あまりなく選定。ソダーバーグ死ね!である。

 しかし、読者ワーストにオレがベタ褒めした『魔界転生』入れてくるヤツ多いだろうなぁ。というか、深作版に操を立て、なおかつ窪塚憎けりゃ作品憎いの開きメクラが多すぎ。おまけに原作なんか読んでないヤツに限って「風太郎の毒々しい世界観がどうたら」とかヌカしやがるし……なんだ、要するにテリーのことか





2003年12月7日(日) 東京裁判




 さすがに日曜日は迷彩軍団もオフとみえ、静かな寝覚めを迎える。

 そのまま朝食をとり、午前も早くから図書館へ。昨日貸りた『武満徹全集・第4巻 映画音楽2』の残りを受け取りに行く。
 図書館を後にして昼食のおかずを買って帰り、速攻で上述のブツを聴き倒す。後半は『アニトニー・ガウディ』『東京裁判』『乱』など、オレの好きなタケミツ・ミュージックが続くが、どれもうららかな日曜日に似つかわしくない、ドンヨリした旋律のものばかりなので、気分もすっかり重くなる。特に『東京裁判』。高校のときに昨日晩飯を共にした友人Mと一緒に観に行って、見終わって外に出ると、煌々としていた周辺が既に夜の闇に包まれ、途方に暮れたあの頃。重いテーマと気疲れが肩にのしかかる難儀な半日仕事を思い出し、気持ちはいっそうブルーに。

 暗い気持ちになった勢いで、関西ウォーカーの原稿に着手。『2004年期待の大作!!』ってな原稿なのに、すごい暗い内容に





2003年12月6日(土) そういう縁があったのね




 やれやれ、今日は8時きっかりに『麦と兵隊』ときた。徐州居よいか住みよいか。朝からこんな唄を流されて住みよいかっての。

 だが居よいファクターもある。図書館に設置されている武満徹蔵書から『武満徹全集・第4巻 映画音楽2』のCDをハーフで貸りてきて、オレ様ウハウハ! ……いや、なぜこのように武満徹のCDや書籍が充実しているかというと。武満は東村山小学校の校歌を作曲しており、その縁あってのことらしい。おまけに利用者が極少なせいか、待つ事なく貸し出してもらえるのはありがたい。
 けど、これくらいの気合いに満ちた全集に興味を抱く層=既に購入している層であり、つどのつまり「気になるものの、大枚を吐けない中途半端なオレ」ということになるんで。
 資料に金惜しむなという紀田順一郎先生の言葉を胸に、残っていた秘宝の新作レビューを打ち込む。それから『二つの塔』エクステンデッド・エディションDVDの続きを視聴。追加シーンとなった、ボロミアが親父にエルロンド会議参加を強いられるシーンは泣けた。特にゴンドール旗を仰ぎ見るせつない場面ね。

 夕方、友人Mと会いお歳暮のお裾分け、夕飯を食べてバカな話をし、深夜に帰宅。そのまま流れて『愛のエプロン』を見て寝る。 





2003年12月5日(金)
恵まれない子供のために、パンツの1枚買ってやれない




 オレが小学生のとき書いた歌詞。内輪なマクラはともかく、来週からのスケジュールを考えると、さすがに一歩も進ねぇやなどとワガママ言えない状況になってきた。

 ということで、秘宝の原稿をイッキにあげてしまう。下調べは完了してたので、後はそれを文章化するだけの作業だったが、書き出しがサッパリ定められずに難渋の極み。オレ基本的に物書きには向いていないんじゃないのかなぁと、今になってそんなことを思ったりも。つまりはタダの映画オタク。

 作業途中、週チャンシネマプレビューのスケジュール設定を編集・杉田姐と電話打ち合わせ。頭脳労働者の泣き節を聴いてもらう。ついでに次回執筆分のキャッチを催促されるが、思いっきり忘却の彼方だった。

 長電話に微妙にテンションが下がり、開封の機会を損ねていた『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』スペシャル・エクステンデッド・エディションDVDをようやく本編のチャプター15あたりまで見る。奇しくもちょうど去年の同じ時期に『旅の仲間』のソレを視聴しているのが日記で見て取れるが、しかし何だ、日常生活に下落もなければ進歩もないなぁと溜息。

 夜、とりあえず手離れのよさそうな原稿のみフィニッシュ。『タモリ倶楽部』を見ながら寝室の拭き掃除をして寝る。





2003年12月4日(木) さらにコンディション悪し




 そして今日は、ベートーベンの交響曲第9番のイントロから、聴いたことのない演歌へとなだれ込む高等楽曲で覚醒。いったい何の団体なんだ?

 原稿どころか、日記に手をつけることさえもおっくうな倦怠感に襲われる。しかも寒さに耐えきれず、仕事場でフル稼働させたエアコンの熱でさらに脳死状態に。クールダウンと気晴らしのため、外へ出て近所を散策するが、頭痛だけが治まらない。
 
 結局書店とコンビニだけに立ち寄り、『ニューズウィーク日本版』の映画特集号と『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』のDVD付菓子を買って帰宅。これに収録されている「モスラの唄」のミュージック・クリップが可笑しい。どんなに現代に引き込もうと根が古関裕而なワケで、アレンジもちょっとムリが生じているって。

 しかしこうして長澤まさみと大塚ちひろの2人をしみじみ見やると、やはり今どきの子のスタイルの良さを実感するよな。特に映画ではザ・ピーナッツの小美人が写真で出てくるんで、さぁ比較しなさいよと言わんばかりだし。

 早々に寝室に引っ込み、先日のNHKアーカイブスに触発されて書棚から探ってきた『三十六歌仙絵巻の流転』(日経ビジネス文庫)を読みながら就寝。






2003年12月3日(水) コンディション悪し




 今日もまた『予科練の唄』で目が覚める。ここいらのライトな方々は、何故ゆえ8時半になると行動し出すのか。

 まとわりつくような眠気でどうにもエンジンのかかりが悪い。秘宝の原稿もとうの昔に締め切りがすぎてるが、どうにもキーを叩く意欲が湧かない。頭脳労働、進まないときは本当に一歩も進めないというジレンマに苛立ちを覚える。

 こりゃ少し気分を変えようと、先日DVDで見直した『ロッキー』を、今度は副音声解説モードでを視聴。気分転換も映画に縛られてどうするよ。
 なんて言いつつも、ロッキーに担がれ家に入れられる酔っぱらいが、トロマ・ピクチャーズのロイド・カウフマンだという事実に笑った。でも評価の定まった映画を必要以上に褒めそやすコメントばかりで、タメになるのはアビルドセン監督の低予算アプローチの作劇法くらいか。ギャレット・ブラウンはステディ・カムの不調ばっかり愚痴ってていて、『レイジング・ブル』を途中で降ろされた話くらいしか頭に残んねぇし

 それでも調子があがらず、寝る。





2003年12月2日(火) その元気をオレにも分けろ




 朝、街頭宣伝カーより流れる『予科練の唄』で目が覚める。
 そしてテリーに説教。1日15時間の睡眠について釈明を求める。
 
 午前中に外出。家を出る直前に宅配便がやって来て、ネット注文していた『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』スペシャル・エクステンデッド・エディションDVDが届く。後ろ髪ひかれる思い。

 午後は1時より、メディアボックス試写室にて『ギャンブル・プレイ』。週チャン編集部・杉田女史より「這ってでも観に行ってくれ」と念を押されていたので。
『マイケル・コリンズ』以降、ニール・ジョーダンってさっぱり追わなくなったけど(もっとも近作はビデオスルーばかりだが)、作品もそれに追従してパッとしない。現金と絵画強奪の複合ミスリードが絡む以外は、オリジナルであるメルヴィルの『賭博師ボブ』と主軸は同じ。エミール・クストリッツア演じるセキュリティ・エンジニアのキャラ造形が笑えたが。

 見終わって八重洲ブックセンターに向かい『黒蜥蜴 江戸川乱歩全集 第9巻』(光文社文庫)と、内田百間集成13巻『たらちおの記』と14巻『居候匆々』(ちくま文庫)を購入。これでどちらも既刊行分まで追いついた。
 池袋に立ち寄って家に帰り、昨日受けた関西ウォーカー誌の原稿をアップ。メール送信した返す刀で、同誌より今度は2004年度話題作についての原稿依頼。さらに秘宝より新作レビューの追加依頼。というワケでスペシャル・エクステンデッド・エディションDVDはお預け。





2003年12月1日(月) 仕事しろよ、師走なのに




 雨止まず、こういうときは観念して仕事。いや観念せずとも仕事が当たり前なんだが。
 知人より「t.A.T.u行かない?」という誘いのメールが来てたが、取り立てて思い入れもなく、むしろ誘ってくれるなら来年のクラフトワークを頼むと返事。案の定、東京ドーム興行としてはリム出版の『8マン』上映ライブやUFOレジェンドを彷彿とさせる、とっても楽しい客入りだったらしいが。

 とりあえず秘宝の原稿を1本あげ、そのまま原稿の参考資料として『ロッキー』のDVDを視聴。スタローンはやはり心の神だ
 半分見て関西ウォーカーより駆け込みでレギュラー原稿依頼。メールも忘れるほど年末進行の波に揉まれてアタフタしているらしい。編集部や編プロはムリもないなぁ。こっちはむしろ、年末年始にかけてが死にそうになるかと。ペンディングしている件もいろいろあるしなぁと。






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