2004年1月31日(土) とうとうこの日が……




 朝7時半に家を出る。
 今日は『衛星中立放送パンドレッタプラス』のロケ収録。去年から長く引っ張ってきた、テリーとビューティーズ内田亜紗子とのデート企画の撮り本番である。とりあえずこれまでの経緯もあって、撮影に同行となった次第。

 もはや映画ガチンコ兄弟の活動から剥離し、テリーの破壊的キャラがウリになったあげくのタナボタ企画。まともに考えれば理不尽このうえない(特に内田ファンにしてみれば)と思うが、それをどうシャレで視聴者に笑ってもらえるか。そして、そんなテリーの私物化企画を多くの撮影スタッフがサポートしている現実を思うと、もう我が事のように胃が痛い。

 まぁ、ヤツのへタレぶり一部始終はオンエアを見てもらうとして、オレ的トピックは恥ずかしながら「初めての横浜来訪」だったこともあり、みなとみらいやベイブリッジを目の当たりにし、今さらながら『GMK大怪獣総攻撃』や『ゴジラVSモスラ』『機動警察パトレイバー2』の原風景に感嘆したことか。
 あと亜紗子の愛しいばかりのチャイナ姿。あれならテリーじゃなくても情が移る。こっちも必見だよ。



『はじめてのおつかい』の母親的心境で2人を見守るオレ。
ところが次第に見た目いい感じのカップルになってきて、
「…テリーのくせに」と殺意を覚える。






2004年1月30日(金)
海は死にますか、バカは死にますか




 午後イチより某所で内覧の試写を観るつもり…だったが、外出前にもたつき、寸での差で間に合わずに涙を飲む。ならば15時半からの他の作品に回ろうと思うも、早急に観賞の必要性あるものは今日に限って13時に集中し、ラチがあかない。

 おとなしく帰宅して近くのレンタル店に行く。仕事で必要にかられ、笠原和夫脚本作品の資料として『二百三高地』のDVDをレンタルし、ものすごく久々に全編を視聴。

 中学2年から3年に進級する春。学級文集を渡しに、制作メンバーと担任教師宅に伺ったときのこと。
 その担任が他校に転勤することもあり、お別れに会っておこうという意趣。そのため夜遅くまでお邪魔してしまい、結果車で送ってもらうことに。
 順繰りにメンバーを各家々に送り、残るはオレという段になったとき、
「尾崎は『二百三高地』観たいもんな!」
 と突然スピンしたかと思うと、後は恐怖の余り覚えていない。おかげで半ばあきらめモードだった日曜洋画劇場、淀長抜き&冒頭の銃殺シーンからきっちり観ることが出来た。この作品と“込み”の思い出だ。

 だからして条件反射的にその頃が甦り、無性に泣けてきた。そしてボヤけた視界に映る旅順崩落の、今観てもあまりに中野昭慶テイストなソレは涙をさらにつのらせる。

 書いてみて何だが、わざわざ記すほどのことでもないな。





2004年1月29日(木)
戦いが終わったら、バカになりたい。




 映画秘宝の原稿に着手。けど雑事あれこれ入り、上げられぬまま都内へ外出。有楽町に向かい、東宝本社にて『アップルシード』試写を観賞。
 背景やメカやらを3DCGでフォトリアルに描き、登場人物のみトゥーンシェーダーで2D加工するという、馴染みな例を出すなら「マ●コ、チ●コ大好き」とか言ってるソフトオンデマンドのOPロゴみたいなアニメーション。ことに女性キャラクターは士郎正宗というより、八神ひろきの「G-taste」チックな容姿で変に艶めかしい。モーションキャプチャーで人間そのものな動きの再現が、思いっきりラルフ・バクシ臭ただよう。
 ディテール追うだけで飽きないのと、クライマックスのまるで●■映画のような画面構図&演出がオレは相当に気に入った。『イノセンス』の前座くらいに捉えていたら、すげぇ意外。
 
 見終わってそのまま松竹試写室に移動し、『大脱走』のニュープリント版を観る……つもりが、東宝に携帯を忘れたことに気付き、銀座交差点でUターン。預かってくれてた宣伝担当氏につかまり、『イノセンス』とどう絡めるか、あるいは差別化してして売るのか等の意向を訊くハメに。

 マックイーンの勇姿をスクリーンで観る時間を失い、予定を変更してテリーとOTCへ。「パンドレッタプラス」今週末のロケ撮影の台本を受け取る。さぁ、ついにテリーと内田亜紗子とのデートだ。
 入念な打ち合わせを済ませ「じゃ帰ろうか」と思った矢先、外ロケに出ていた安藤Dが、バンダイから出た350円フィギュア「東宝マシンクロニクル」を大人買いして帰ってきた。ダブりの轟天号を譲ってもらうが、どうだろうこの精巧さとカッコ良さ。コナミの「エイリアンVOL.2」リリース前に温存していた物欲をガッツンと煽られてしまったよ。







2004年1月28日(水) 痛ぇアクション映画




 今ごろになってようやく『CASSHERN』の予告編を見る。
 絵ヅラがまるで劇団唐組のアングラ舞台みたいだな。脚本も読んだけど、その妙な見た目と結びつかないくらい、意外やヒーローものしてるワケで。来週20分ばかしのフッテージ上映があるんだが、その小出し戦略が果たしてどう転ぶのだろうと、他人事ながら心配。いやオレが他人事とか言っちゃいけないか。

 そう思いながらも週チャンのカラー原稿を脱稿。『レジェンド・オブ・メキシコ』の複雑なストーリーを規定文字数で、しかも少年誌という足場に見合った文章で記すのは難渋するかと思いきや、エンジンがかかってしまうと走行はことのほかラクだった。

「すごい!」と周りで噂の高いタイのムエタイ・アクション映画“ONG−BAK”をビデオCDにて視聴。
マッハ!』という邦題で夏には国内公開されるが、確かにこれは強烈なインパクトがある。なんというか、ジャッキー・チェンのアクション・コレオグラフに『ファイトクラブ』的な痛打の陶酔快楽と暴力衝動が加わった感じか。
「ウエイトが軽いので、見た目ほど痛くはないみたいですよ」
 と、国内配給を担当するクロックワークスの宣伝氏は言うが、どう考えても痛いぞアレは!

 深夜、『ベストヒットUSA』を見るのを忘れてあわててTVをつけると、エルビス・コステロの『ヴェロニカ』を流していた。近年『とくダネ!』のオープニングデーマとして変に耳当たりのいい曲になってしまったが。コステロも昨年リマスター紙ジャケが出たんだよな。せめて『キング・オブ・アメリカ』くらいは買っておかないと。





2004年1月27日(火)
また伝説を作ってしまったのね




「ニュースステーション」のオープニングを『ロボコップ』のオープニングのパクリだと思うのは、他人を著しく疑いすぎの傾向ですかね。ところでブリトニー・スピアーズの『トキシック』PVって、『トルク』のジョセフ・カーンが撮っていたのね。ああいう感じの映画ですんで、ハイ。

 特記するほと変化に富んだ生活もなく、ヒマあらばネットべったりな中毒者が、趣味と実益を兼ねてニュースリリース形式で日記を再開……したものの、3日と続かず元の木阿弥。心機一転どころか自分の浅はかさを印象付けただけのテリーさん。
「なに早々に澱んでるんだ。さっさと再開しろ」と言うと「ウン」と答えるので、「で、いつからやるの?」と聞いたところ、
オレは“ウン”とは言ってない。“ウッ”と咽せたんだよ
 …おまえは有罪か無罪かを問われて「むう罪」と答える、『12人の優しい日本人』の陪審員8号か? いやぁカッコ良すぎるというか、怒りを通り越して笑ってしまった。

 そんな私は午前中に週チャンの原稿をあげ、昨年クリーニングに出していた背広やジャケットを受け取りにクリーニング店に行き、迷惑このうえない客ぶりを発揮。後は買い物。夜は同じく週チャン次号に載るカラー原稿に着手。やっぱ肩こりが重いよ。





2004年1月26日(月)
首から下を誰かに差し上げたい




 時事ネタ二題。岸和田の中学生虐待、ひでぇ事件だ。
 オレの母親は子供の虐待を生ガキの食中毒より嫌う、まるで『ER』のロス先生のような女傑だったので、生きてればオレのところまで電話して、この事件がいかに人道を外れた行為かを私感吐き散らしたことだろう。あぁ、こういうときにお袋が雲上人であるを実感する。

 渡辺謙のゴールデングローブ賞、まぁノミニーだけで御の字としようや。
 そういえば本人に一度だけ遭遇したことがある。河原町三条・京都スカラ座の前でタクシーに乗り込もうとしたところで、そのときの印象は「でけぇ!」。
 作品賞は『王の帰還』が獲り、アカデミー賞も霞の向こうにシルエットが見えた。史上初めてSF・ファンタジー系作品がオスカーを受賞する、そんな長年待ち望んだ“夢”を実現してくれそうなだけに、思いっきり感情移入してしまうなぁ。

 相変わらず重度の肩こりで生きた心地がしない。ドウエル教授の首みたいになりたいと切に思う。それでも月末から月初めにかけての締め切りラッシュが迫り、泣きながら仕事。





2004年1月25日() 休憩くれ、休憩




 まるで関取をおぶっているかのように、とにかく肩こりのひどいことひどいこと。キーを打つのもおっくうなくらい。苦痛を押し殺してまで記すべき私事もないので、今日はこれで勘弁。誰に対して勘弁なのかはともかく。

 そういやテリーが『週刊タイタニック』にトライしようと言い出すが、

模型が欲しけりゃプラモか木製フィギュア買え。資料が欲しけりゃ専門書買え

 と諭す。まぁ仮に買い始めたとしても、どうせ金と根気が続かず5号くらいでアウトだろうけど。

 いや待てよ。ひょっとしてコレを最後まで作り通せたら、一つ事を成しえた達成感が自信へと昇華し、ひいては人間性が大きく変わるのではと思うも……。

「もういいよ、そんな気持ちはこっちに移行したから

 ハイ、お約束ありがとう。





2004年1月24日(土) また叶井先生んとこへ



 テリーと共に原宿へ。
 本日は『衛星中立放送パンドレッタプラス』のロケ撮影ということで、ファントム・フィルムにお邪魔する。『えびボクサー』で番組と縁深い、我らが叶井俊太郎の設立した新会社。ならば当然、番組で取り上げようじゃないかと。

 ファントムは昨年末に「映画秘宝」の取材で一度訪れているし、そのときに今後の(かなり妄想気味な)ラインナップを叶井さんから聞き出しているのだが、『いかレスラー』が思いっきりクランクインまで動いていて驚く。しかも後続の企画案が『まぼろしパンティ対へんちんポコイダー』。石井輝男の『盲獣対一寸法師』かよ!

 叶井は永井豪の『へんちんポコイダー』がどういう漫画だったのかを、ビューティーズの内田亜紗子にディテール解説をしている。テリーもテリーで嬉々として
チンポがくるくると…
 とか追従する始末。おまえら、亜紗子が絡めなくて困ってるだろ

 絡む……と言えばファントムは、天久聖一の初監督作『悲しみジョニー』の劇場公開にも関わるらしい。これは観たい。つーかDVD買おうかな。


 その後、小林DやいどPと共に茶店であれこれ話をして。夜の6時から今度は別コーナーの撮影。あのダブルダイナマイトと新作DVDを紹介して、それを聞いてどっちが観たいかをビューティーズ葉里真央にジャッジしてもらう内容。そりゃオーヤ&ホークとは電波芸人としてのスキルが違うので、まともにやっても太刀打ちできない。というワケでテリーのキャラクターを盾にする。






2004年1月23日(金)
そりゃ『猿の惑星』よりはこっちだろ




「『キル・ビル VOL.2』って、ブライド(ユマ・サーマン)が墓場から甦るんだぜ。こんな演出をリュック・ベッソンがやったら思いっきり叩かれるのに、タランティーノってトクだよな」
 というテリーの弁。

 恵比寿に赴き、OTCに寄る。明日のロケ撮影の打ち合わせ。テリーのデート企画を詰める。

 それからヤクルトホールにて『ビッグ・フィッシュ』完成披露試写。
 ティム・バートンの最新作にして、もっか賞レースを賑わす感動映画。フリークス版『フォレスト・ガンプ』と喩えるのが適当かどうか……パーソナルといえば、これほどバートンらしい映画もない。「物語の継承」というドラマチックなクライマックスを『シザーハンズ』ばりのクサい泣かせ演出で彩ってはいるが、今回は素直に感情をグシャッと掴まれてしまった。
 しかし、ジェシカ・ラングの若い頃がアリソン・ローマンというのは、絵的に説得力があるなぁ。10年前だったらウィノナ・ライダーが演ってそうな役だが。

 帰りのJRでしばし余韻に浸っていると、目の前のオヤジが読んでる日刊ゲンダイの広告「他人の女房と粘膜交際できる店」という、あまりにもアクロバティックなキャッチが人の感動を邪魔する。粘膜交際ってアンタ……。

 11時過ぎに帰還し、そのまま『スカイハイ2』視聴。昨年12月10日付の日記で書いた撮影がこの回。渡辺典子という女優のスタンスを考えると、ちょっと笑えない話だったなぁ。





2004年1月22日(木)
できることならDLPで観てよ




森高千里の『雨』にビデオクリップは存在しません

 都会の吟遊詩人という方から、丁寧な報告のメールをいただく。しかも報告だけじゃなく、詩人というだけあって自作のポエムまでテキストデータで付記されていた(10編ほど)。その中のひとつを紹介。

明治チョコレートの
ミニサイズ詰め合わせセット
ハイミルクを食べた後
ブラックが少しまずく感じるのは
ブーッ!
(放屁の音)
約束どおり
町の教会で
結婚しようよ
ルルルー

 後半がパクリというのは、親切な方だけに忸怩たる思いだ。

 昼は五反田へ。イマジカ第2試写室で『レジェンド・オブ・メキシコ』のDLP上映を観る。
『スパイキッズ2』からデジタルシネマに完全移行したロバート・ロドリゲス。しからばデジタル・トゥ・デジタルで観ておくのは流儀だろう。初期時に懸念された色の浅さも全くなく、もはや被写体の質感表現やカラー再現力はフィルムを凌駕してると言える。こっちの味を知ってしまうと、もはや作り手も受け手もフィルムには戻れなくなりそうだ。

 秋葉原経由で神保町へ移動し、洋泉社へ。映画秘宝編集部に立ち寄り、少し先の本誌企画の話、そして次号の追加原稿依頼を請け負う。

 洋泉社を後にして六本木へ。ギャガ試写室にて『コンフィデンス』。
 最終試写だっただけに、場内は満杯。アヴァンタイトルで騙しのスタイルを提示しているので、いわゆる反則感のないサプライズが気持ちいい。脚本の巧さが際立つ。

 帰りに新宿の吉野家の前で、会社の同僚とおぼしきカップルがこういう会話を。

「牛丼食えなくなるもなにも、もともと食べたことなんだよね。貧乏人の救済食みたいでさ」
じゃ、今のうちにデビューしとかないと

 こういう頭の中にウンコの詰まった連中こそ、狂牛病でシビレ人形になればいいんだと心の中で呪いをかける。






2004年1月21日(水)
ティックトックなんかもう怪獣だよ




 ソニーピクチャーズ試写室にて『ピーター・パン』を早々に観る。
 原作発表から100年を経ての記念実写化。フェリニエスキーなセットワークを極めた『フック』とは対照的に、ディズニー原色をも寄せ付けない挿絵調のビジュアルイメージは悪くない。ただ題材が題材だけに、新作にしてクラシックの臭気が強く、そこをどうパブリシティ展開していくかが相当に難しそうだ。
 ILM、デジタル・ドメイン、ソニーピクチャーズ・イメージワークス、WETAワークショップが一堂に会するという、目眩のするような視覚効果布陣。そのぶんVFXの出来に大きなムラがあるんだが。他にもサウンドデザインがゲイリー・ライドストロームだし、編集はマイケル・カーン。視覚効果スーパーバイザーにマーク・ステットソンとムダに豪華。

 試写後に30分ばかし宣伝担当氏と話をし、『4人の食卓』完成披露試写に向かうが、ゆりかもめのコンコースから案内まかせに歩いたのが失策。会場のスペースFS汐留が目の前に見えるのに地階へ一度降り、さらには隣のセンタービルに迷い込むという謎の階段に翻弄されてタイムアウト。その瞬間の気分たるや、まるでフェンスを隔てた向こうでアンディ・ガルシアが殺されるの見ている、『ブラック・レイン』のマイケル・ダグラス的心境。もう同じ失態は繰り返さないが、建物の構造と誘導案内に問題ありありだよ。というか、別にそこまで執着する必要はないんですけどね。台湾版DVDで視聴済みだったりするんで、悔しくなんかねぇや畜生。

『軍事研究』を真剣に読んでいるオヤジを隣に気にしつつ恵比寿へ。OTCに行き、土曜日のロケ撮影の話を少し。

 深夜に帰宅し、週チャンの原稿に手を入れつつ『ベストヒットUSA』を見る。ああ、“Where The Streets Have No Name”が脳幹にキンキン来るなぁ、高校んときからU2はコレがオレ様フェイバリット。『フィアレス』でピーター・ウィアーが実にセンスいい使い方をしていたのを思い出す。





2004年1月20日(火) 動機は森高で口論




 少し早めに確定申告の下ごしらえをしたくらいで、今日は特にトピックなし。『24』を1話ぶん見て、冬場にしては気温が高かったので、近くのホームセンターに出向き生活雑貨の諸々と、スピーカーの台座となるコンクリートブロックを購入。
 帰宅後にさっそくスピーカーのサウンド調整をし、音場チューニングをする。ソースに使ったのは『ターミネーター3』トレーラーチェイスのくだり。モストゥ監督自身「ホームAVシステムの調整にうってつけだよ」とコメンタリーで言っていたので、早速使わせてもらった。

 長年世話になった編集者から、退社する旨のメールを受ける。オレがこの商売を始めるにあたり、雑誌連載という機を与えてくれた恩人ゆえ、ちょっと感慨深いものがある。まぁ次へのステップでもあり、また新天地でも及ばずながら力になる旨を返信。


 そういえば今日、初めて市川由衣の『』のVCを見たが、歌唱も相当にひどけりゃビジュアルも強烈にベタで、かって森高シンパだったオレの神経を逆なでするビミョーなシロモノ。その旨をテリーに話すと、

じゃ森高の『雨』のVCってどんなだったっけ?

 と逆に尋ねられ、思い出せず愕然。

「全編バストアップだけを写したヤツじゃなかったか?」

「そりゃ『道』だろ」

 ってな具合で喧々囂々。しまいにゃ自分たちの掘り下げの甘さに大ゲンカ。30すぎたオッさんが困ったもんだ。これが殺人に発展したら、どのようにマスコミ報道されるかを考えると思うと哀しくなって寝る。





2004年1月19日(月)
リヴィングデッドがウジャウジャと




 今日は打ち合わせ等のデスクワークとカレー作り。こう書くとカレー作りが本職みたいな言い方だが、前にも言ったとおりオレは料理の天才なので、妥協はしない。いや、料理の天才が献立にカレーという時点で、既にそれは妥協でしょうと。

 本職は本職で、配給&宣伝&出版社を電話で行ったり来たり。その中心となった作品が『ドーン・オブ・ザ・デッド』。嬉しい…いや哀しいことに、日本ではR指定になるようだ。ホラーとしては箔が付くけど、これで週チャンでカラー2Pというオレの永年の夢は潰えてしまった。他の持てる媒体でフォローするしかない。

 代わりに嬉しい要素も。オフィシャルサイトにアップされた新予告編は、最初に抱いたネガティブイメージを少しばかり払拭してくれた。5000万ドルのバジェットをかけてゾンビ映画を撮れば、こんな醜悪なパノラマが展開されるのだという、デジタルで完全ゴーストタウンを視覚化した『28日後...』と対極。ポスターもこれがまたイイじゃん、キチンと「地獄が満杯になると〜」のキャッチだしよ。





2004年1月18日(
ジャック・バウアーの災難、再び…




 仕事場の整理。主に紙モノを中心に片付ける。なんとか客が来ても恥ずかしくない程度には片づくが。それよりも「整理された状態をなぜ維持できないか?」を自問自答。

 それから図書館に行き、CD『エノケン MEETS トリロー』を借り、近くのスーパーで食料を調達。ちょうどその日は駅弁市をやっていて、島根は松江の「鴨ステーキ弁当」を買って帰る。
 この弁当、紐を引くと5分でホカホカになる加熱式で、まぁそれなりに美味しいことは美味しいのだが、その装置が幅を占めてるために妙な“上げ底”感がある。ちなみにこれを製造している一文字グループは、我が郷里の隣県にある仕出し弁当の老舗。ここの看板弁当である「大和しじみのもぐり寿し」はとても好物。あ、なんかちょっと恋しくなった。

 夜、宅急便の不在再配達が来る。
 届いたブツはお待ちかね『24 -TWENTY FOUR- シーズンセカンドの1巻〜4巻。別の映画のサンプルビデオを見ていたのだが、即座にビデオを入れ替えてこちらを優先視聴。
 前シーズンは大統領候補暗殺阻止だったが、今回はロサンゼルスに持ち込まれた核爆弾を探し出すという展開。総監督のスティーブン・ホプキンスは今回ノータッチなので、少し演出の質が違うような気も。相変わらず引き込まれるが、今日のところは1巻分で抑えておく。





2004年1月17日(土) 謎の夢




 恋と書いて“こ”と読むグラビアアイドルのデビューイベントを見る。恐ろしいほどグッドボディだけど、顔が韓国発注のアニメヒロインみたいで評価に窮する。囲みインタビューで記者団から「こちゃん」「コチャン」と呼ばれ、「なんか『ウルトラ6兄弟対怪獣軍団』みたいだな」と思ったところで目が覚めた。すごいディテールの固まった夢でしたわ。TVを観ながらうたた寝してしまったせいで、記憶が錯綜しているのかと思い、あわててネット検索したくらいだ。

 目が覚めると、しばらく止んでいた右瞼のケイレンがぶり返してきた。うっとうしい。

 唐突な流れだが、サンプルビデオで『ロスト・メモリーズ』視聴。
 伊藤博文暗殺が未遂に終わって以来、日本の韓国統治が2009年まで続くパラレルワールド。そんな『高い城の男』的バックステージで繰り広げられるアクションドラマだが、設定だけがSFかと思いきや、ドラマ展開も中盤からバリッバリのSFに。けど演出がいちいちクドく、おまけに長ぇ。余裕の着想勝ちも見終わってみれば凡戦の印象だな。

 それと、少し早めにフィギュア王と秘宝の原稿に着手。というか下準備。





2004年1月16日(金) 収穫の日




 今日は昨日の打ち合わせが押して行けなかった『マスター・アンド・コマンダー』をフォローするつもりで都内へ。その前にワーナー試写室にて『トルク』を観る。
 素晴らしい! 『ワイルドスピード』延長のバイクアクションだと思っていると、とんでもない爆弾を投下されるぞ。ただ物語の壊れ方を警戒して構えると、この映画の真価を削いでしまうから、とりあえずは『ワイルドスピード』延長のバイクアクションものだとシラ切っておこうか。ほんと、腹抱えて大笑いしたよ。
 アメリカでは今週から公開だが、日本は2月下旬が初夏に変更となったので、そのぶん毒が熟成されるか、あるいは腐ってしまうか微妙。布教活動の余裕はタップリ出来たけど。

 ということで終了後は六本木へと移動し、ブエナビスタ試写室にて『マスター・アンド・コマンダー』。
 うわぁ、こっちもまいったぜ。今年いきなり遭遇した上位5指ランク入り級の傑作! とにかく帆艦バトルと海上生活のディテール描写が圧倒的で、海洋アドベンチャー・ムービーの間違いなくエポックメイキング。ピーター・ウィアーのオレ的ベストは『ピクニック・アット・ハンギングロック』だったけど、今日からコレに修正された。
 本作にはアサイラムやILMといったイフェクツ・ファシリティがクレジットされているが(WETAワークショップの名も)、本編に組み込まれている視覚効果は、それがもはやCGなのかミニチュアワークなのか、フィジカルイフェクツなのか完全に境界線を消失させ、画作りとしての完成度がべらぼうに高い。サウンドデザインも精緻で素晴らしすぎるよ。

 ちょっと興奮をひきづりつつ神保町へと移動し、約10年ぶりくらいに「スヰートポーヅ」で餃子をパクつき、洋泉社は「映画秘宝」編集部へ。昨日に最新号の作業が全て終了したそうで、実にのどかだ。

 家に帰ると既に夜の11時。メールやファックス、そして留守電のチェックに併せながら『スカイハイ2』『タモリ倶楽部』を見ていると、激しい睡魔に襲われて寝る。





2004年1月15日(木) 花屋ピュンピュン丸



 今日は朝から早々に五反田へ。イマジカ第一試写室にて『ペイチェック 失われた記憶』内覧。

 はいはいウー監督、ヒッチ・サスペンスがやりたかったんだね。SFというわりにはプロップの魅力に乏しく、前半のストーリー運びが未整理なあげくに、後半のサプライズは突飛すぎて驚くというよりは呆れる。いや、そんなことには目をつぶるとして、なによりジョン・ウーならではのケレン味あるアクションが皆無なのが致命的(ハトは飛ぶが)。唯一、エピローグのトリック演出が『ハード・ボイルド/新・男たちの挽歌』の或るシーケンスの踏襲したものになっているくらいか、ウーらしいのは。
 しかし登場人物の名前が“デッカー”や“レイチェル”だったりと、ディックから『ブレードランナー』へと捻った目配せにニヤリ。


 それから有楽町へと後ずさりし、東宝試写室にて『花とアリス』(HD編集版)。

 ネット配信された岩井俊二の短編を、2時間15分の長編として再編集した劇場バーション。もう何のてらいもないスーパー岩井スペシャル。『櫻の園』が公に好きと言えないレベルで、オレ様とっても嫌いじゃないんだよと。物理的にはショートバーションの隙間を埋めて長編にしているが、水増しではなくキチンとドラマが膨らんで、むしろショートバーションのほうがダイジェストという印象を与える。
 しかしこうして改めて観ると、曖昧なハニカミが香港か韓国の女優を思わせる蒼井優の美少女ぶりにはハッとするよなぁ、そしてテリーは、見よう次第では女子プロレスラーのような鈴木杏のパッツンパッツンなプチプラ感がたまらんと。


 ジョン・ウーで得られなかったエモーションの感動を美少女で埋め合わせた我々は、そのまま恵比寿へと移動しOTCに。『パンドレッタ』の企画あれこれ打ち合わせ。テリーさんの例のコーナーも具体化してきたぞ。






2004年1月14日(水) 祝・東京進出




 午前中、週チャンの原稿をあげる。お題は『ブラザー・ベア』だったが、先日これを製作したディズニー・フロリダ・スタジオ閉鎖のニュースが入ってきて、ネタとしてタイミングがいいやら悪いやら。

 午後より『グッバイ・レーニン』の最終試写を観ようと思うも、練馬あたりで間に合わぬことを悟り、新宿へ。
 とりあえずツタヤに立ち寄り、資料用のビデオをいくつかレンタルする……つもりが、そのほとんどが貸出中。借りてるヤツに罪はないけど、誰も手をつけないだろうと思っていたタイトルがレンタル中だったときの憤りは、オレだけが抱える性質のモンじゃないだろう。

 そのまま紀伊国屋書店に移動し、柳下毅一郎『興行師たちの映画史』(青土社)を買うか、文庫化された『指輪物語』追補編(評論社)を買うか思案し、結果として柳下さんの本を購入。その足で歌舞伎町に移動し、先月に東京進出した「神座」のラーメンを食べる。しかし、天下一品の隣に店をかまえるというのもすごい話で。オレの舌が変わったのか、ちょっとスープが薄めに感じるな。






2004年1月13日(火)
どれもこれもピリッとせんのう




 夕べから早朝まで断片的に週チャンのラフ切り作業。完成したブツを持参して飯田橋へ。秋田書店で打ち合わせをし、午後から今年ようやくの試写始め。

 まずは新橋のワーナー試写室にて、ハル・ベリー主演のサスペンスホラー『ゴシカ』。
 心神障害者の妄言が、実のところ本当の話だったら…という着想はいいんだけど、ストーリー自体は『シックスセンス』ばりの、ひどくありがちなものになってしまった。ハル・ベリーは思いっきりオモチャにされてっし。ただM・リバティークの撮影がムーディで、特にシャワー室のくだりのストロボ効果が巧技。

 続いて東映試写室に移動し、『ゼブラーマン』を観る。
 うー、今年早々にして最大の期待作だったのに、オレの過剰な期待が災いしたか、消化不良な感が否めず。ゼブラーナースにはいろんな意味で驚きを隠せなかったけど、三池もクドカンもヒーローものの素養がないからキメはずしまくってるし、さりとてパロディとしても詰めが甘い。ただ水木一郎が歌うTVシリーズ『ゼブラーマン』のフレーズが耳に残る。「今日がおまえの〜〜ラララ命日だぁ〜〜♪」だもんな。
 ちなみにエキストラで参加したテリーが、ちゃんと画面に写り込んでたかどうかを本人に確認したら、
うーん、構図から考えるとフレームには入ってるハズなんだが、ロングすぎて判別できん」と。
 
 そのまま東京駅に移動して家に帰るつもりが、ええい露払いとばかり映画美学校に立ち寄り、『ツインズ・エフェクト』を観てしまう。
 香港のトップアイドル、ツインズ主演のヴァンパイア・アクション。共演がイーキン・チェンにアンソニー・ウォンという、喩えるなら加護・辻が主演の映画に、浅野忠信や役所広司がワキ固める感じ。ジャッキー・チェンが特別出演で顔を出しているが、本編にほとんど必要のない役。ジャッキーは縁起モノか?
 寝不足がたたって経過30分のところで睡魔と格闘。フラフラになりながらの観賞。実はこれ、既に香港版のDVDで視聴していたので、単に字幕で細かいニュアンスを確認するために行ったようなもの。他愛のないストーリーだが、ドニー・イェンのアクション・コレオグラフが素晴らしいので、ディテール指向という意味ではビデオ向きかと。





2004年1月12日(
かといってディテールだけでもなぁ…




 1月も中旬に入って病みもあがり、「そろそろ本格的に映画慣らしをしておいたほうがいい」という思いもあり、先日入手した『ワンダフルデイズ』DVD(日本語字幕入ブート)を視聴。

 126億ウォンという、韓国アニメ映画史上最高のバジェットをかけた超大作アニメーション。とにかくビジュアルが圧巻で、公式サイトで配信されている予告編を見ては「おお、スゲ!」と思うことしきり。ただストーリーが絶望的につまらないという先行情報もあって……。

 うーん、別に目くじら立てて怒るほど出来が悪いワケでもないが、面白いかと言われれば大して面白くもない。ただリファレンスが判然とする借り物イメージの羅列が問題。ときおりハッとするビジュアルはあるが、その大概は『王立宇宙軍』か『AKIRA』の亜種だしな。CGIやミニチュア模型を混合した、いわゆる「3Dイメージとのコンポジット」も、よくよく考えりゃフライシャー兄弟が『ベティ・ブープ』で既にやってることだよ。


 夜、TSUTAYAで平田弘史の『黒田三十六計』を買おうとコミックコーナーを物色していると、週チャン杉田姐より「カラー原稿の校正ラフを明日午前中に欲しいぞ」との業務連絡。そのまま引き返して作業に入る。






2004年1月11日(
映画の神はディテールに宿る




 昼頃にドアのチャイムで目が覚める。アマゾンから洋書「The Lord of the Rings: Weapons and Warfare」が送られてきた。開田裕治先生のHP日記に触発されての購入。
 しかしどうだろう、甲冑から鏃のひとつに至るまで、細部に行き届いたデザインイメージは。WETAワークショップのクリエイティブ・スーパーバイザー、リチャード・テイラーが、
ファンタジー映画では登場人物が“本当のことにしておいてくれ”と観客にウインクするが、我々は媚びない。なぜなら中つ国は本当に存在するからだ
 と、エクステンデッド・エディションDVDの中で言っていたが、これだけの仕事をすればその言葉、豪語でもなければハッタリでもない。

 その後、だいぶん体調もよくなってきたので、久々に外出。といっても駅前まで散歩程度の外遊だが。西武百貨店の書店で『新宝島 江戸川乱歩全集 第12巻』(光文社文庫)と『残夢三昧 内田百間集成16』(ちくま文庫)、ならびにみなもと太郎『ワイド版 風雲児たち』20巻(リイド社)を買って帰る。

 そのまま、年を越して惨状のままだった部屋の片付けを始める。ところが右のものを左にする程度の作業は、疲労感のみ残って成果が見えず。おまけに大河ドラマ『新選組!』も見逃すし。





2004年1月10日(土) 思い出し記




 たぶん、病と称して寝まくっていたのではないかと。というのも日記を怠けていたので、3日前のコレを“思い出し”で綴っているからだ。

 あ〜何かトピックはあったっけ? 日記のための単語帳を見ると「ダメ人間」やら「殺してやる」といったキーワードがパラパラと。あ、これはテリーへの忌み言だったか。

 他には「人生チンコの勃つうち」とか書いている。そうか、今村昌平の『赤い橋の下のぬるい水』をDVDで視聴したんだ。イマヘイのセックス・リテラチュアには高校〜大学時代にドップリ浴したが、アレですな、映画もチンコの勃つうちだな。頑張ってハーフ勃起がせいぜいみたいな作品だったぞ。

 あと「キャバクラ先生」という単語の意味がどうしても思い出せず。オレ様、取材先でメモると断片的な単語しか記さないもんだから、後の作業で三題噺を作るような面倒を余儀なくされる。けど、こういうところで弊害が出るとは。





2004年1月9日(金) 美松も消えるのか…




 インフルエンザで臥せる毎日。正月明けでするべきことはいろいろあるのだが、体がイマイチ言うことを聞かない。

 仕方がないのでベッドの中で『終戦のローレライ』を読んでいたら、頭と手の重みに負け、そのまま意識が遠のく。起きてみりゃ既に夕方で途方に暮れ、とりあえず仕事場に移動してネットで調べもの。
 ところがオフシアター絡みでリンクを踏んでいくと、美松劇場閉館のニュースを知って愕然となる。ああ、京都の足場がズンズン形骸を失っていく……。

 オレさま美松メモリーズは、なんといってもギックリ腰で体が動かないのに『氷の微笑』を観に行き、終映後に席から立てなくなったあげく、係員に抱えられてロビーに連れ出されたことか。そんなにしてまで観に行くべき作品だったのか? いや、行くべき作品だったんだよ。

 それとRCSが主催する「美松ミッドナイト・シネマテーク」。土曜深夜の4本立てオールナイト上映で、オレが初めて参じたのが左の半券プログラム。客の殆んどは『ロッキー〜』コスの気合いマンマンな方々だったから、『ファントム』派のオレは居心地悪かったなぁ。『?』のシークレット上映は『フォービデン・ゾーン』。当時この映画の影響でオインゴ・ボインゴのアルバムをタワーレコードにて買い貪った思い出も込み込み。まだタワーが四条烏丸にあった頃の話。ああ…。





2004年1月8日(木) 綻びだらけの権威主義




 あー頭が割れるように痛い。熱を計ると37度5分。だいぶん引いたが、今週はちょっと試写ムリだなぁ。
 それでも文字稿チェックや原稿の電話打ち合わせなど、些細な用事で寝床から起きあがることしばしば。

 夜、書類整理をしながらTV『白い巨塔』2時間SPを見る。
 リメイクに懐疑的だったので視聴に踏み込まなかったが、やっぱ「財前教授の総回診が始まります」をどう踏襲したかは押さえとこうと。しかし2クールを半分消化したところでようやく教授就任って、誤診裁判は大丈夫かよ。ひょっとして映画と同じ一審の財前勝訴でチョンだろうかなどと心配していたら、最初の1時間半でもう患者殺してやんの。速ぇ!! あれか、『ベン・ハー』や『十戒』を今の映画速度で作り直すと、2時間強に収まるという話か。どうでもいいが、マタンゴ伊藤の演技がヘボい。いや罪は軽いか。矢田亜希子出てるのにノーチェックだったオレの詰めの甘さに比べれば。

 キネ旬の評論家選出映画ベスト10が公表されたが、正直言っていい? 邦画第1位の『美しい夏キリシマ』って何? テメェの無知を棚に上げて言うワケじゃないが、謎の映画が1位ってのも居心地よくないなぁ、あと『キル・ビル』も完全に気後れ評価。それとも少数高得点が評を稼いだか。どっちにしてもバランス悪ぃんだよ。





2004年1月7日(水)
そうやって思い出の場は消えゆく




ミレー書房は数年前に閉店しましたよ
 サムから報告のメール。あひ〜健在じゃねぇじゃん。とはいっても、京都を離れて何年になるってこともない。そりゃ河原町上空をスピナーも飛ぶよ。
 
 京都か。ああ、天天有のラーメンが食いてぇ。

 体調は相変わらず優れず。肺病みのように咳の速射連打で腹筋を痛める。インフルエンザそのものより、運動不足のほうが深刻じゃねぇのか。鼻はグズグズで涙が止まんないし。
 ベッドで布団にくるまってウンウン唸りながらも、気合いで起きあがり年持ち越したエルマガとチャンピオンの原稿をイッキに書き上げる。それからブレインデッドの蘇生と称し、完全防寒で近所のセブンイレブンに行ってチョコレートとシュークリームを買い込む。ついでにイーエスブックスで注文したみなもと太郎『冗談新選組』(イーストプレス刊)を受け取り、ウチに帰って読みながら糖分摂取。

 しかしブック通販のコンビニ受け取りって、意外と使えるよな。だいたい欲しい書籍は都心に出たときに購入するし、書店で本を物色するのが醍醐味なので抵抗があったけど、ちょっとした本を買うのには重宝。エアクッション包装で完全パッキングされてるから、人格を疑われるようなヤツを買っても大丈夫だし。

 うーん、でもミレー書房が潰れたと嘆いている片割れで、特段するべき話でもないなぁ。





2004年1月6日(火)
人生の宝ぞ、エロチック・マガジンと言え




「ウレッコ最新号に、南波杏のインタビューが載ってましたよ!」
 と、日記に書いたことにスピード反応でメールをくれる、オレには心強い旅の仲間がいる。だから指輪の魔力には屈しないぞって、もう否応なしに南波杏のファン決めつけなのね。

「ウレッコ」といえば大学の頃、たまたま三条河原町の社会科学専門書店「ミレー書房」で2ヶ月連続で購入し、後日に別の本を買いに行ったところ、店のオヤジが無言で「ウレッコ」の最新号を差し出したのには参った。オレの存ぜぬ間に定期購読扱いかよ買ったけどさ

 そんな煌びやかな思い出を切り口にするほど、今日もしんどい一日。しかも原稿の不備を埋め合わせたり、あるいは原稿の催促といった各編集者からの電話攻勢で、おちおち寝てもいられない。幸い熱は下がったが、鼻水と咳だけはかえって頻繁に出てくるようになった。

 深夜、単三電池を買いに近くのデイリーヤマザキに行き、そこでサムが教えてくれた「ウレッコ」に目を通す。件のインタビューより何より、中とじの留め金より左半分がほとんど広告掲載という、昨今の出版事情を如実に物語る誌面に驚いた。ミレー書房のオヤジもさぞ嘆いていることだろう。今も健在かどうかはしらんが。





2004年1月5日(月) 闇の声




 風邪ますます悪化。
 しかし、どうしてこう年末年始というのは体調が崩れるのだろうか。昔テリーが、
「年末年始はTVの番組編成が変わるから、それに体内サイクルを狂わされるんだよね
 と奇説を吐いたが、それはTV人間であるアイツの基準であってさ。

 いちばん酷かったのは4年前。クリスマスに巨大バターケーキ食らったら、脂質のせいか顔の吹き出物が膿んでマタンゴみたいな顔になったことがあったな。やはり人間、質より量をとるとロクなことがありませんね

 話の行きがかり上というか、やっとこ買って放置していた『マタンゴ』DVDを観る。妖艶きわまりない水野久美はこの頃26歳。今で言うなら釈由美子が同年代だ。じゃ今『マタンゴ』をリメイクしたら、水野久美の役は釈ちゃんかと言えば微妙。でも土屋嘉男のキャラは土屋嘉男にしか出来ない気がする。いや気がするんじゃなくて、そうとしか言えない。
 土屋嘉男といえば、オレ的に黒澤映画や東宝特撮より、『薔薇の葬列』でピーターの愛人役を演じていたのが印象的だったが、なんであの役をオファーしたのか当の松本俊夫監督に訊いたところ、
あれはね、“ゲイの好きな俳優”ということでゲイバーにリサーチ行ったら、土屋君が第4位くらいの支持率だったんだ

 でも『マタンゴ』、レナード・マーティンの『ムービー&ビデオガイド』では、東宝特撮映画の中で異例に好評価の★★★。確かマーティン・スコセッシの個人フィルム・ライブラリーに4本ある東宝特撮のうち、1本がコレだと耳にした覚えがあるが。

 と、かくの如し小ネタを提供して1日が終わる。





2004年1月4日() 故障だよ 




 とうとう風邪でダウンする。
 咳の乱打でときおり呼吸困難に陥り、扁桃腺炎の痛みと半ボケ状態で日常生活は不可能と断定。布団にくるまって半藤一利『[真珠湾]の日』(文春文庫)を読みながらやり過ごす。
 だが原稿を書き上げないと。特に秘宝の地獄巡りをテキスト化しないと……。タイムリミットが精神的重圧をかける。

 すさまじい排気音を響かせながら起きあがってパソコンの前に座り、そして寝室に戻っては横臥してウンウン唸るを繰り返したあげく、夜半にはようやく完成する。

 安堵して今日初めての食事。うへぇ、何を食っても味がしない。






2004年1月3日(土)
今年も現実に背を向けて生きるオレたち




 緩慢に時間が過ぎると嘆いていた正月三が日も、あっという間にもう3日。今年もこうやって時の無駄遣いをするのかと暗澹たる気持ちでいると、テリーが今後の打ち合わせを兼ねて食事に出ようと言い出す。風邪気味で頭がボヤーンとしているが、こいつが自主的に会議を持ちかけてくるなんて滅多にないことなんで、付き合う。

 議題内容は今後の活動というか、もっと積極的に企画を打ち上げていこうと。そこで交わされたのが、「名作に泥を塗るような企画で、憎まれながら金儲け」という話。例えばTVスペシャルの『ルパン三世』で『カリオストロの城』の続編やろうとか、氷川きよしに「ルパン音頭」をカバーさせて『きよしのルパン音頭』をエンドクレジット曲にしようとか。ファンから叩かれる気マンマンだなぁオレたちも

 ならばもっと現実的戦略と、狙いを定めたのが黒澤プロ。『旋風の用心棒』や『SEVEN SAMURAI 20XX』など、黒澤明の名作権利を叩き売りしている事に端を発し、オレらもそこに着目した企画を考える。現代医学界に問題提起の鋭いメスを入れるドラマ『赤ひげによろしく』とか、内田百間の教え子が萌え美少女ばかりで、しかも百間先生が臭作みたいな『ギャルゲーまあだだよ』とか。いやもう妄想に罪なしで、アイディアが湯水の如くブクブクと。

 ところが六ちゃんが空想鉄道に乗って宇宙を旅し、変な人たちに遭遇する『スペースどですかでん』が出ると、「それって銀河鉄道999だろ」と急速に冷め、お開き。
 しかしまぁ何ですな、タイトルの頭に「スペース」とか付いちゃうと、そこはかとなく“終わり感”が漂いますよねスペースゴジラとか。タイトルにスペースがついて、かつ名作なのはこれしかありません。









2004年1月2日(金) 映画初めは『T3』でした




 今日は川口でビン・ラディンと会った。一緒にみそ汁の異常に辛い食堂でメシを食い、セルビデオ屋に行く。あいつ、中国人の彼女がいるのに南波杏のDVDを4本まとめ買いしてたぞ。

 んな脚色はさておき。AV嬢の名前だけが前記(12月28日)と違ってるって? そういう突っ込みもさておき、今日はオレ様の仕事始め。仕事場に籠もるが、ポカポカ陽気に誘われて、昨年にレンタルした南波杏のビデオ…じゃなく、ストーンズのベスト『フォーティ・リックス』のCDを返しにTSUTAYAへ。くどいようだけど、ATOKはTSUTAYAを自動変換する。いやATOKそのものさえも。

 CDを返した帰りに階下の書籍コーナーで、スケッチ・ショウとカール・バルトス(元クラフトワークメンバー)のインタビュー、それに『ターミネーター3』のサウンドメイキングを読みたくなり「サウンド&レコーディング」最新号を購入。帰宅後にメシを食いながら読む。カールに『ツール・ド・フランス2003』のこと聞いてて、その答えがまるでエメやん版『GODZILLA』に対するヤン・デ・ボンの回答みたいだった。当然と言えば当然か。

『T3』の記事はとにかくSEやスコアの膨大なトラックミックスに驚き、それを再確認したくなり、TSUTAYAに舞い戻り本作のDVDを購入。オーディオコメントでもモストゥ監督がサウンドミックスの件、言及してるぞ。カーアクション・シークエンスのCGは取材に行ってた高橋良平御大から聞いていたので、特にタネ明かしの驚きはなし。

『T3』で今年の映画初めを果たし、『ガキの使い』の特番を見て仕事場にこもるが、眠気の猛襲に耐えきれずに寝る いいのかオレ、今年は夏目漱石が小説を書き始めた歳に相当するんだぞ。なぁんだ、大器晩成じゃんムニャムニャもう食えない。





2004年1月1日() 初春のお慶び




 というワケで、2004年である。
 
 字ヅラだけ見るとすごい未来だが、相変わらず自分でハシやスプーンを持たないとメシは食えんし、貸りたビデオソフトは自分の足で返しにいかないといけない。

 塩抜きしたカズノコをオレ様の調合したツケ出汁につけ込んで一昼夜。さて食えるかのうと味見をしたところ、なんという奇跡のような美味さ!! ほんのり塩味にコンブの旨味が調和した、繊細でデリケートな味わい。控えめに言ってオレは料理の天才じゃないのだろうか。これはひょっとして進むべき道を誤ったのかもしれない。
 ちょっと転身を真剣に考えたので、実家の父親に新年の挨拶も兼ねて相談の電話。そしたら、
今、実業団駅伝を見てる最中だ。邪魔するな
 と、冷めた父子関係。

 だからというワケではないが、用意した正月食には手も付けず、ケンタッキーにて鶏肉フライを食らう。正直言って、別に煮豆も昆布締めも好きじゃないんだ。店に行くなり、
狂鶏病なんてなくてよかったよなぁ
 などと話していると、オーナーらしき人物が“正月早々何を言うのか”みたいな顔で接客。安堵しているのに怒るなよ。

 僕は田舎の子なので、この時期TVを見ていて、
○×△商店より、初春のお慶びを申し上げます。初売りは3日からとなります
 といったストップモーション地方CMに郷愁を感じます。新年早々の日記の締めが、何のドラマ性もなくてゴメンよ。しかも何だか襟まで正して。






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