2004年2月29日() オスカー前夜のお楽しみ




 ゴールデン・ラズベリー賞の結果を知る。スタローンの偉業に涙する。
 ところで我々、日本アカデミー賞トークライブのときから[日本ゴールデン・ラズベリー賞]というのを考えているのだが。もちろん発表日は日本アカデミー賞の前日、場所は新宿ロフトプラスワンで。できれば本家と提携とってキチンとしたものを。誰かこの話、ノリませんか? ちなみに今年の我々選出は、

 最悪映画賞『スパイ・ゾルゲ
 最悪男優賞 窪塚洋介(『魔界転生』)
 最悪女優賞 SAYAKA(『ドラゴンヘッド』)

 くらいまでは文句なく出たが、ヅカちゃんはスタローンと同じでここが指定席になりそう。しかも怖いことに、コイツ授賞式とか来そうだな

 
 週チャンのシネマレビューを驚くべきスピードで脱稿し、「NHKアーカイブス」を視聴。なんでスッ飛ばして夜なのかという謎はさておき、「又七の海〜死の灰を浴びた男の38年〜」は“忍び寄る死”の描写に背筋がゾッとする特集だった。来週にでも第五福竜丸を見学しに行こうかと思うが、別にそのまま新木場まで乗り越せばいい話を、なんで来週までペンディングしておくのかと夜中に自問自答。





2004年2月28日(土)
内幕を封じる者と、大いに明かす者




 今朝の新聞はショーコー死刑判決の報道一色。そういえば昨日のテリーとの会話、

「死刑にするより、組織内部の全貌を麻原に口述で明かさせ、それを出版するというのはどうだろう。今回の事件を掌握する歴史的な意味合いも出来るし、得られた収益を幾らかでも遺族のために役立てるとかさ。ダンマリ決め込ませて死刑でハイさよならじゃ、誰も浮かばれない」

 という話までは聞く耳を持っていたが、遺族への慰謝料というところに話題が特化するあまり、

「麻原とか、宮崎勤や宅間守を一カ所の部屋に集めて、スカパーかどっかで24時間ライブで延々流し撮りってのは? ペイバービュー1時間1000円とかの設定でさ、極刑者どうしのコンタクトから生じるやりとりなんて興味津々だし、途中で死刑執行の係員がやってくる視聴者ラッキーボーナスもあったり」


 昼食と同時に、書店でアニメ監督・今敏の『 KON'S TONE 』(晶文社)を買う。これはココのHPに掲載されたテキストの書籍化で、その気になればウェブで読めるワケだが、電車移動や試写の時間調整中にでもと思いつつ。
 ところが、立ち寄った茶店で読み始めたら弾みがついてしまい、気がついたらアっという間に読了してしまった。こんなことなら別なのにして、家でネット閲覧すればよかったよ。

 購読動機のひとつでもあった『パーフェクトブルー』のメイキング手記が面白い。
 無能な制作担当や、襲い来る幾多のトラブル――。劣悪な状況下でアニメーション映画と格闘した当事者の心情が包み隠さず綴られ、読み手の興味を絶やすことはない。おしなべて日本のアニメ制作現場は厳しいものだが、それを『ノーツ』や『バトル・オブ・ブラジル』『ファイナル・カット』並に明かした本著は、アニメ制作のベースラインが分かるマニュアルとしても重宝する一冊だ。できれば『東京ゴッドファーザーズ』あたりのも読んでみたいが、作り手のステイタスが上がった今、辛酸をなめ尽くし血を吐くようなメイキングプロセスは想像しがたいけど。


 ……うう、いかん、仕事仕事。





2004年2月27日(金)
印象深いところ…ナオミ・ワッツの微乳ですか




 朝、恐ろしく冷え込んだ体を温めるために、風呂場に湯をはってボーッと浸かる。前にも同じような出だしがあったっけ。
 そんな間に『フィギュア王』編集部S氏より電話連絡。折り返しTELしたら編集のY氏が出てきて、仕事のことや私事やらを久々に話し込む。それからほどなく携帯にS氏から。次回の『それって映画か?』で『イノセンス』が取り上げられないかという、編集部からの珍しい作品指定。用意していたネタは次号に回せるので、あっさりと承諾。


 それはそれで、本日中に観てキャッチを入れないといけない作品があり、六本木へ。ブエナビスタ試写室にて『ホーンテッド マンション』を観る。
『パイレーツ・オブ・カリビアン』に続く、ディズニー・アトラクション映画化作品。うーダメだこりゃ。もとより期待はしてなかったけど、せめてリック・ベイカーのクリーチャーメイクが楽しめれば……けど、それすらも精彩を欠いてるし。エディ・マーフィはただ形式的に主演なだけで、明らかにテレンス・スタンプに持ってかれちゃってるしなぁ。ちょっと『ロッキー・ホラー・ショー』愛に溢れてるところはプラス5点(/100点)。


 終了後はギャガ試写室に移動し、先日門前払いを食らった『21グラム』。
 交通事故で人を殺めてしまったクリスチャンと、その事故で亡くなった男の心臓を移植された大学講師と、ドナーの妻――。3人の人生が交差する『アモーレス・ペロス』のイニャリトゥ監督最新作。出演のショーン・ペンやナオミ・ワッツ、そしてベニシオ・デル・トロらの演技が高く評価されてるが、確かに粒子の粗い高感度フィルム&自然光撮影で、役者のパフォーマンスが見た目リアルに映るのは確か。
『アモーレス』同様に規則性のない錯時編集が施され、普通の悲劇が増幅効果で「えらく哲学的な感じ」に思わされてしまう。完成度は高いが、なんか『トラフィック』を観ているような既視感がまとわりついて、なんとも……。


 六本木からそのまま直帰して、テリーと夕食をとりに改めて外出。麻原の死刑判決についてあれこれ会話。





2004年2月26日(木) こうもるさん




 土日は原稿にかかりきりになるので、試写にでかける。まずは20世紀フォックス試写室にて『ヒューマン・キャッチャー/ジーパーズ・クリーパーズ2』、なんじゃその邦題。
 前作のAIP産モンスターみたいな殺人クリーチャー(特定の名がないのでジークリさんと仮称)が必然性を超越した存在だから、もはやどういう続編になろうと覚悟はできてたけど、飛ぶところまで飛んで怪獣映画になってました。タイトルの意も既に死んでるし。
 今回は貸し切りバスで遠征中の高校バスケ部員が餌食になり、ジークリさんが空をガンガン翔るダイナミック構図が多いので、アスペクト比が1:2.35ワイドスクリーンになっている(前作は1:1.85ビスタ)。作り手が趣意をよく分かっていて快い

 終了後、フォックス宣伝担当氏らと『デイ・アフター・トゥモロー』の話。ドラマ前半は嵐で地表が水没、そして後半は気象異常で地球壊滅。おいおい、そりゃ『日本沈没』と、その幻の第二部まんまですがな。ワールドワイドな日本沈没。言葉が矛盾しているが、とりあえずエメ公は小松左京に幾らか払え。


 同席した週チャン・杉田姐と軽く打ち合わせをして別れ、そのまま20世紀フォックス試写に戻り『ドラムライン』を観る。
 マーチング・バンド版『チアーズ』。喩え悪いけど作品は悪くない。スネアドラムの巧技と独特のリズムビートに体がぴくぴく反応する。見せ場のドラムバトルはストロボ効果で『プライベート・ライアン』みたいな臨場感を醸し出しているし。オレの大好きな「昼飯もおごってくれなさそうな堅物」ことオーランド・ジョーンズが出ていたのが嬉しいが、主人公の天才ドラマーを演じたニック・キャノンも、デンゼル・ワシントンぽさの間に山本太郎が見え隠れするナイスなメロリンキュー。

 帰ったら新規の原稿依頼やら文字数変更やらの諸連絡が留守電に入っているが、混じって実家の父親が、東野圭吾『幻夜』の辛辣な書評をメッセージとして残していた、理解に苦しむぞ。





2004年2月25日(水)
本当にみんなソニンが好きだなぁ




 昼に起床。投函されていた郵便物が尋常じゃない量。とりあえずフィギュア王とエルマガジンなど、掲載謹呈誌をパラパラと。エルマガはソニンがフィーチャーされてて、テリーに持って行かれてしまう。

 不幸はそれに留まらず。電話で編集部と打ち合わせをしつつ、シグマリオンにスケジュールを入力していたら、カードリーダー部の致命的破損に気付く。まぁ使用年数を考えれば、そろそろ買い換えを検討すべき時期。テリーは、
「シグマリオンよりはCLIEにすべき」
 などと主張するが……どっちにせよ物入りだなぁ。

 仕事でもなんでもないのに、夜はえらく久しぶりに『アイズ ワイド シャット』なんかDVDで見てしまう。キューブリックも亡くなって5年が経つ。命日も近いよ。
『アイズ〜』を見終わってTVに流れたら「ベストヒットUSA」が目に入り、そこに映っていたのはヴァン・ヘイレンの『ジャンプ!』。その瞬間、階下に降りてお袋が作ったおにぎりでも食べようかと、ふと20年前の高坊スイッチが入ってしまったことにビビる。
 こういうフラッシュバックは大阪から東京へ越して間もなく、UIPやヘラルドあたりで試写観てると、
「ああ、終わったらドーチカ(堂島地下)でインデアンカレーを食うか」
 ってなケースがよくあったな。しかし深夜、遠方の食い物に思いを馳せることほど、その後始末に困るモノもなく。なんとも悶々としながら寝室にこもる。





2004年2月24日(火) エイリアン煉獄




 朝方に週チャンの原稿を脱稿。同時に既にあげたと言ってた関西ウォーカーの原稿も。最近なんかウソの記述が多いです。文中に出てくるテリーって誰か知らないし。

 肩こりツラいよ〜、何とかしてくれよオイ……といったところで症状が緩和されるでもなく、軽くお茶でも飲む。ところでカテキン式緑茶、オレ様的にとても苦く感じるぞ。まぁ、ウーロン茶も缶入りが市販された当初は「こんな渋い液が飲めるか!」と毒づいたもんですが、今じゃ違和感も覚えずチューチュー愛飲しているワケでさ。

 おまけに来週は3月だというのに、仕事場に掛けてある東映カレンダーは1月の萬田久子のまま、これでは何のための暦ぞとペラリ、2月は池上季実子。うわーすまんです、わずか四日の付き合いで。

 それはともかくとして、今日のオレ様トピックは、なんといってもコナミの食玩『エイリアン Vol.2』発売でしょうね。ファミマで鬼と化したあげくの、2ヶほどのダブりを抱え、レアアイテムのUSSスラコとニューボーンを残す全部は揃った。こうなると後はまぁ、トイショップで剥き身を購入したほうが利口だろう。余談だが、何気にクイーンとパワーローダーが同スケールなのは嬉しい。

 しかし、あとわずか2年で『エイリアン2』が20周年のアニバーサリー映画になるのかよ。オレの中での劣化がないのに、着実にクラシックの道を歩みつつある。キャメロンも今一度、これだけプロップ感覚豊かでアクション演出の沸点が高いSFを撮っちゃくれまいか。というよりいい加減、新作に着手しろ。あんまりインターミッションが長いとどうなるかは、ルーカスが証明してくれただろ。


 てな感じで、件の食玩エイリアンの画像アップも芸に乏しいので、
久々に読んだ米版「シネフェックス」の『エイリアン2』特集号をば。
この頃の同誌はファシリティの広告もなく、実にシンプルでした。







2004年2月23日(月)
遠いぜパークハイアット
(『ロスト・イン・トランスレーション』の舞台)




 平原綾香のヒットがフラッシュポイントか、最近どうもクラシックに妙な歌詞のついた歌が耳に入る。『イノセンス』の主題歌はアランフェス協奏曲だし、『クイール』の劇中歌はカバレリア・スルティカーナ間奏曲。さっき聴いたのはカノンだったか。とにかくパブリック・ドメインで作曲料払わなくていいから安い商売。こりゃ斉藤晴彦の再評価も時間の問題だ。つーかステージ低いんだよ! やるんなら『春の祭典』とかでやってみろっての。
 だがオレも、メキシコとかインド国歌に日本語の意訳をつけて持ち歌にしていたことがあるんで、偉そうな事はとても……。歌詞? 当該国に対する言われなき差別表現が五段くらい重ね込められてるんで、公表は勘弁してくださいのコトよ。

 昨日からの倦怠感を引きずりながら仕事。新宿パークハイアットに向かい『ペイチェック・消された記憶ジョン・ウー監督と主演ベン・アフレック来日記者会見。現場ではUIP関西支社の方々や、昔エルマガジンの担当だったソフトシューズ(本作の関西宣伝担当)のU女史と再会。

 会見はそれほど混み合う規模のものでもなく、挙手をして質問をかます。

「『フェイス/オフ』も大幅に設定変えたほど“SF嫌い”のあなたが、どんな心変わりでディックを?

 これ、映画秘宝最新号で石熊勝己さんが同様の質問を監督に呈しているが、別媒体絡みで会見発言としてどうしても欲しかったし、なぜSFがダメかの依拠も穿り出したということで、容赦のほどを田野辺さん。

 終了後は新宿南口方面を闊歩し、遅めの昼食はアカシアでロールキャベツシチューを食す。それから直帰し、週チャンの原稿他に着手。眠くなるまで。





2004年2月22日() これくらいです




 夢の中でプロップ感覚バツグンのSF映画を観た。既存の作品ではなく、夢の中のオリジナル。己れの頭中にバンクされてないイメージが沸くことなんてないだろうから、意外とイマジネーションが豊かなんだと。しかし時間が経つにつれ、覚えているのはヒゲ剃りが一体になった携帯電話くらい。

 低気圧の関係で気温が高め。寝覚めも悪く、なんともドローンとした気分。あまり仕事をしようという気にもなれず、近所を散歩。武蔵野線をボーッと眺める。

 夜は池袋へ。リンクを貼っているkanameさんと会い、2時間弱ほどあれこれ話し込んで家に戻る。ところが帰路は強風と叩きつけるような雨のピークに祟られたもんだから、帰宅時には全身ずぶ濡れ。





2004年2月21日(土)
気ぃ利かしたつもりが、すげぇ迷惑!!




 テリーと昨夜の『日本アカデミー賞』中継についてあれこれ話。技術賞に『座頭市』が集中し、作品賞含め主要部門での受賞がなかったのは、その発表時刻には裏番組で『たけしの誰でもピカソ』があったからだという、そういう毎度なことをね。出席しない者に賞はやらないの不文律。

 今日は『21グラム』の完成披露試写に行く。土曜日にマスコミ試写なんで珍しいが、要するに今日が21日だから、単にタイトルと数字を合わせただけのこと。
 だがな、そんなくだらねぇ理由でウィークエンドに設定しやがるから、物見高いヒマ人どもが大挙してやってきて開場からわずか10分もしないのに門前払いを食わされたじゃねぇか!!! 銀座ガスホールってそんなにハコ小さかったか? とにかく、これを観るためだけに外出したのでムカつくのなんの。

 さりとて他の試写に鞍替えすることも出来ず、夜ゆえにどこか行くという変更も出来ない。仕方がないので秘宝編集部に顔を出し、さらにはOTCに寄って先日、車の中に置き忘れたウナギパイを受け取りに行く。野口君と編集中の小林Dと歓談。ウナギパイは結局ここで会話の肴となる。

 結局、深夜1時に帰宅し、フジの『ザ・ハンティング』という深夜クイズ番組を見る。これ先日、オレが考証アドバイザーを務めたプログラム。観た人はくりいむしちゅ〜の有田が『ゾンビ』の弾着効果と『エイリアン』の造型にコンドームが使われていると言及してるのを目にしただろうが、要はそのへんの事実確認のために駆り出されたのだ。しかしこの番組、客観的に見てもプライムやゴールデンの帯にはなりそうにないなぁ。





2004年2月20日(金)
みんなソニンが好きだなぁ




 朝、ガーガー寝ていると立て続けに郵便やら宅配便やらで起床を促される。
 到着した郵便は映画秘宝の最新号。表紙と巻頭グラビアを飾るのはソニン。テリーは小躍りして喜んでる。最近ソニンにご執心のようで、彼女が載っているというだけで「ピーチ・ジョン」まで買ってきている。それ女性下着のカタログだろ? おまけに貴様はウッチーひと筋じゃなかったのか? だが本人は必死に弁明。要するに「ソニンとウッチーは別腹」みたいなことを言うワケだこれが。
 片や宅配便は『24』セカンドシーズンのビデオ5巻から10巻まで。現在、2巻で視聴が止まっているので、無為に背を押されたみたいで焦る。

 京橋のフィルムセンターに、フィルム復元に関するヨハン・プライスの講演に行く予定が、目に幕が張ったような違和感と倦怠感を覚えて取りやめにする。後で「やはり行くべきだったなぁ」と深い後悔が襲う。

 家に居たならソレはソレで、電話で週チャンのシネマレビューのキャッチを催促される。さらに話題は『エースをねらえ!』に移行し、
「いつも見逃して一度も見てないんだよね」
 と、担当の杉田姐にのたまう。
「ビデオ録画すれば済むことでは?」と彼女が言うや、オレは、
「その時間に家にいれば、“うかつにも”とか“偶然に見てしまった”という弁明が利く。けど出掛けにビデオチェックすると、それはもう“見る気マンマン”に他ならない」
そんな言い訳をしてまで自分を偽りたいんですか!
 と爆笑されるが、『プライド』を必死こいて見ているヤツに笑う資格はないぜ!

 夜、『第27回日本アカデミー賞授賞式』を視聴。
 ふーん、フジが絡むから『踊る』に作品賞はやれないんで、深津の受賞が功労賞代わりか。まぁいいや。それより『赤目』や『ヴァイブレータ』も作品賞にノミニーされてないのに、寺島しのぶが最優秀主演女優を獲るなど、相変わらずポリシーがないことおびただしい。27年歳月を重ねたからといって、バカが誰でも立派な社会人になるでなし。





2004年2月19日(木) イヤになるぜ、ほんと




 業界の因習が人の首を締めやがる。クソむかつくぜまったく! 10を見て100を言えるヤツが、なんで10を見て5しか言えないヤツの仕事を傍観してなきゃいけねぇんだ。

 という憤りの気持ちを和らげるために、脚本家・長坂秀佳の自伝エッセイ『長坂秀佳術』(辰巳出版)を読む。フツーに書店に行ってフツーに買えばよかったのに「どうせそんなに部数出てないだろ」などと判断したあげくのネット通販。出遅れぎみの拝読。ナガサカも苦労してるんだ、オレも頑張るよ。
 
 ムカついてばかりもいられないので、とりあえず仕事。夜7時から新宿ミラノ座にて『オーシャン・オブ・ファイヤー』完成披露試写。
“馳夫さん”ことアラルゴン((C)軽部真一)でおなじみ、ヴィゴ・モーテンセン主演の西部劇。2時間17分という長尺に観る前からくじけそうになるも、監督がジョー・ジョンストンだから外せない。
 だからってワケじゃないが、乗馬のアクション演出が妙にインディ・ジョーンズっぽい。しかも視覚効果は古巣ILM。それはともかく、ジョンストンもだんだん監督としての演出力が高まってきたな。今回はシネマスコープの構図処理が実に見事。砂漠における飢えと渇きのヘトヘト感に、絵としての説得力が加味されていればベストだったかと。

 終わって、西武新宿駅の前で秘宝編集部・大内軍曹と立ち話。『ミッシング』に『アラモ』、そして本作。今年は西部劇が目白押しという状況にハタと気付かされる。





2004年2月18日(水)
ゾンビが沢山出てくるけど、ゾンビ映画ではない




 テリーが先日観られなかった『ロスト・イン・トランスレーション』を観たいというので、オレ的にも記事作成の必要もあって渋谷まで付き添う。ところが開場10分後に試写室は埋まり、既に1度観ているオレはキャビネのみ受け取り、おとなしく退散。ロビーで東北新社の担当氏とオスカー絡みの雑談をしながら時間をやりすごす。
 
 それでも時間が大幅に空いたので、ならばシネカノンに移動して『ジャンプ』を観ようとも思ったが、次への移動に差し支えるので渋谷をブラブラと散策。テリーなら迷わず道玄坂あたりを視察するだろうが、オレはセルリアンタワーから紀伊国屋に行き、すみやを回って…みたいな感じ。

 それから試写を見終えたテリーと新橋に移動。TCC試写室にて『アンデッド』を観る。
 一昨年、映画秘宝の記事作成のために配給各社を訪問したさい、アートポートの担当氏にダイジェストを見せられ、その公開を楽しみに待っていたオーストラリア産ゾンビ映画。いや、内容は一概にゾンビものとは言いきれない展開が待っているのだが。
「長い物には巻かれろ」でいれば事態も混乱しないものを、登場人物が揃いも揃ってバカのオンパレードだったため、困ったゾンビ騒動になってしまう“SF”といったほうが。ハメをはずしたノリで押し切るかと思えば、何気ないセリフが絶妙なオチの伏線になったり、技巧的にも目を見張る。果たしてこの新鋭兄弟監督、サム・ライミやピーター・ジャクソンになれるのだろうか。





2004年2月17日(火)
そりゃ、寺島しのぶがキモなんですけどね




 午前中はここ一週間、貯め込んでいた試写状の整理とスケジュール入力をし、頭をスッキリするため&冷えこんだ足元を暖めるために入浴。それから身支度をして渋谷へ。

 南口のラーメン屋で昼食を済ませた後、東芝エンタテインメント試写室にて『4人の食卓』試写。
 『猟奇的な彼女』のチョン・ジヒョン主演最新作。彼女の役割を解説すると、それ自体がネタばれになる難儀なサスペンスホラー。しかし展開がタルく物語のカラクリもどこか消化不足で、恐怖演出に見るべき点は多いが別に感心もしない。ジヒョンも演技派を気取るのはいいが、色気も覇気もないチミを観ても楽しくないって。もっと今のウチにやっとかないといけない役やろうよ。サムソンプリンターのCMんときみたいなのを。

 終了後は新宿に移動し、友人M氏と新宿駅東口広場の巨大ハセキョー看板前で待ち合わせ。その場でテリーとは別れ、ポレポレ東中野に『赤目四十八瀧心中未遂』を観に行く。
 時代設定を現代に置き換え、蝶を追う少年のエピソードをブックエンド形式で挿入し、マイキーのような狂言回しが出てくる以外は原作に割と忠実。荒戸のハッタリ演出が車谷の私小説世界をコントロールできるのかと思っていたら、そんなに違和感はなかったな。それにしても麿センセ、登場からフレームアウトまで一心不乱にチンコさすってる、その役作りは誰の要求なのでしょうか

 外に出ると既に10時をまわり、メシを食うには時刻遅く、とはいえ呑むには下戸な当方ゆえ、仕方がないので近場の松屋で夕食を済ませる。

 そういえば総武線で新宿から東中野駅に向かう途中、ホームで立川談志師匠とすれ違うという特典があった。渋谷ではおすぎとすれ違ったが、それは業務範疇なので





2004年2月16日(月) 睡眠不足のツケ返し




 さすがに2日もまともに寝てなかったせいか、夕べは深夜の3時に寝て、起きたのは昼も過ぎた14時。のそのそと外出し、公共料金の支払いや延滞したビデオを返却して昼食。西武百貨店内のいけだ書店で『三角館の恐怖 江戸川乱歩全集 第15巻』(光文社文庫)と『うつつにぞ見る 内田百間集成17』(ちくま文庫)を購入し早々に帰宅。乱雑した部屋で支払い調書を探す。
 それでもなんだか眠気が落ちず、ちょっと横になったら夜。『関西ウォーカー』誌の連載コーナー「シネマ相打ち」の原稿を脱稿。

 横になって、一昨日大阪で買ってきたジャック・オーブリーシリーズの第1巻『新鋭艦長、戦乱の海へ』(パトリック・オブライアン著・早川文庫)の上巻を読み始める。山のような海事用語と帆装シップのパーツ解説に躊躇するが、読み始めるとどうにも止めがつかなくなり、半分以上を消化してしまった。狂った睡眠サイクルを元に戻すために自制。





2004年2月15日() 日本橋狂詩曲




 ここは大阪、日本橋の某旅館。『衛星中立放送パンドレッタプラス』大阪公開収録当日。
 やはりというか眠れぬまま時間を消費し、夜が明けてようやく半睡半醒の波間を漂う。傍らでテクニカルスタッフ達がムクリと起き出し、テキパキと着替えて出ていくところを夢うつつに見ていたが、そのプロフェッショナルかくあるべしの姿に感動を覚える。公私に境界線のないテリーに見せてやりたい光景だったが、そういうときに限ってヤツは大イビキ。おまけに起きて開口一番、
ああ、全然眠れなかったよオレ
 といいながら、浴衣の前をベロンとはだけ、昨日の弁当をモリモリ食うのであった。

 というワケで、我々は午前10時に会場入り。会場で本番への準備を調えると同時に、いろいろな方と挨拶。ことに今回の共演者である竹内義和氏との遭遇は、かっての『サイキック青年団』のリスナーとしては実に感慨深いものが(金成の姐さん、ついにやりましたよと私信)。

 そして12時本番スタート。満員立ち見のお客さんであふれかえる会場。とりあえず当日の模様は放送を見ていただくとして、我々の状況報告。
 コーナートークはあれだけ段取りを説明したのに、場のプレッシャーによってテリーの思考回路がトんでパーになり、オレの進行プランがガタガタ。本当に本番にダメな人だなぁと。けどビューティーズ内田&長尾コンビが見事にオチを付けてくれたので、綺麗にフィニッシュ。
「最後にあんなこと言っちゃったけど、大丈夫でした?」
 とウッチー。とんでもない、キミとマユマユが女神に見えらぁ。


 公開収録も盛況のうちに終了。最後に竹内兄貴((C)北野誠)に挨拶をしたら、
「今度は東京で何かやりましょうよ」
 と、社交辞令ながら勇気づけられる言葉頂く。さらにビューティーズの撮影タイムを傍らで見ていたところ、一人のお客さんが当方に握手を要求。お手汚しをしてしまい恐縮である。表入り口にはビューティーズたちの出待ちが沢山いて、テリーが熱狂的な内田ファンに刺されるのではという憶測も飛び交うが、意外にもテリーは、
デート、頑張ってください!
 と暖かい声援を贈られたとか。

 東京から駆けつけてくれたという番組ファンの方々に見送られ、一同大阪を後にする。車中では完全に意識がなく、皆の話に耳を傾けては意識が遠のくのを繰り返し、日も変わろうかという時間に東京都内に到着。終電の関係もあり、ADの野口君がムリをして自宅まで送ってくれる。鶴岡兄にもいろいろと世話になったね。
 というワケで、キチンとした生活の区切りがなかった大阪遠征、48時間の長い一日が終わったという印象。





2004年2月14日(土) 聖バレンタインの大移動




 早朝、恵比寿はOTCに行く。今日は『衛星中立放送パンドレッタ』大阪ジャングルでの公開収録のため、スタッフ・キャストともに一路大阪へと向かうのだ。
 ところが車での移動途中、神奈川付近で玉突き衝突事故があり、渋滞に巻き込まれ大幅なタイムロス。事故現場を見たらハデにプレスされていたな。これで死者が出なかったのが幸いというか、ウソみたいだ。

 そのせいで予定時間を3時間もズレ込み、明日の会場であるジャングルに到着。急くように進行の段戸りを確認。ビューティーズ長尾麻由と内田亜紗子が、店内にあった映画秘宝とフィギュア王を手に取っていたので、オレの仕事をキチンと見せておく。どうも最近、テリーの保護者が本職みたいに思われてるので。
 そういえば、亜紗子からチョコをもらったな。といっても先日、彼女に渡しモノをしたそのお礼返しであって、ファン心理をざわつかせる色っぽい意図があるでなく。むしろそういう細事に気配りの利く娘ゆえ、ウッチーを愛してやまないマニアは己れの慧眼を自負していただきたいと。一緒にもらったテリーは、
これはオレへのまごうかたなきLOVE証明
 と、妄想とどまるところを知らず。ブスリとやられるぞオマエ。

 宿に到着して一息つき、久々にナンバの空気でも吸うかとテリーと外出。関西に永く居ながら一度も食することなかった名物・黒門ラーメンで腹を満たす。
 食後の散歩がてら、ぶらりと関西ブックセンターに入るや『マスター・アンド・コマンダー』の原作、[英国海軍の雄ジャック・オーブリー]シリーズ(早川文庫)の既訳3巻・計6冊が安価の揃いを発見、迷わず購入。旅先での古書店周りはオレら人種にとって義務…というか商売みたいなものだが、別に入手難のブツでなし、荷をムダに増やしたことに後悔。

 旅館に帰る途中、高熱を押して来阪の井戸Pより電話。今しがた到着して道頓堀の千房にいるとの呼び出し。応じて千房に行き、焼きそばとお好み焼きを食らう。さっきラーメンを胃に詰め込んだのにだ。

 深夜に皆と旅館に戻り、12時過ぎに消灯。明日の段取りを頭の中で思索していたのと、暖房の利かせすぎで寝苦しく、明け方になるまで眠れず。果たして明日は大丈夫なんだろうか……。





2004年2月13日(金)
川井憲次のテーマ曲は姫神みたいだったけど




 昨日の書類整理の続きをやり、週チャンのキャッチ入稿とエルマガジンの文字稿チェック。仕事はそのへんにとどめ、都内へ。日比谷みゆき座にて『イノセンス』のマスコミ完成披露試写。
 まず前言撤回。先んじて観た『アップルシード』は、やっぱり本作の前座でしかない。押井守のディスクールを圧倒的な描画力で可視化し、引用とメタファーに彩られたダイアローグは観る者のリテラシーをチクチク刺激する。作家のパーソナリティと極上のアニメーション技術が、最良の形で結びついた脅威の傑作。見終わったそばから再び観たくなる欲求を抑えるのに苦労するほどだ。
 スタジオジブリと結託して「商業主義におもねった」みたいな批判を受けているが、興行戦略を一任することで、エンターテイメント・ドラマティカルの敷布を尻から剥がすことが出来たのも事実。そうして極めることの叶った作品濃度に、果たして一般客が付いてこれるかをどうかは不安がよぎる。そう考えると、伊藤和典は商業娯楽のバランスを保たせる乳化剤のような役割を果たしていたのだと再認識。

 帰って明日の準備などしていると、依拠するところを他人に説明できないけど大好きな、ガス・ヴァン・サント版『サイコ』を放映していて視聴。
 でもこれ、ジュリアン・ムーアやヴィゴ・モーテンセン、そしてウィリアム・H・メーシーといったキャストが今やビッグネームになっていて、なんかムダにゴージャス感が加味されちゃったい。
 ただ、やはりヴィンス・ヴォーンだけが、初観賞時も今も変わらずミスキャストな印象。見た目から狂っているノーマン・ベイツなんて、ヒッチ先生の意趣に反するじゃないの。あのテリーでさえ、
ヴィンス・ヴォーンが経営するモーテルなんて、怪しさバクハツで泊まらねぇよ
 というくらいだからさぁ。





2004年2月12日(木)
西武新宿前にビル・マーレイのいる違和感




 とりあえず、本日も足しげく試写通い。まずはUIP試写室にて『スクール・オブ・ロック』。
 売れないロッカーが正体のニセ教師が、受け持ちのクラス生徒たちをダマしてハードロックを教え込む、ジャック・ブラック版『陽のあたる教室』。これ最高だよ! AC/DCリスペクトに溢れてて、ことに持ち歌である「スクール・オブ・ロック」のイントロなんか狙いすぎ。おまけにジャックのステージパフォーマンスは見た目が完全にアンガス・ヤングだし。あ、悪ぃ。テリーの方はコレ伏せてたんだ。

 続いて浅草線に乗って新橋へと移動し、15時30分から『ロスト・イン・トランスレーション』を観る……つもりが、開場から10分と経たずに満員札止め状態で、すげなく門前払い。仕方がないので18時30分の回を観ることに。
 持てあました時間で新橋散歩。まずは文教堂書店に立ち寄って、『東京人』最新号を購入。特集は「東京からなくなったもの」と題し、今は無き東京ランドマークの数々を掲載。ノスタルジーを共有するには東京生活の浅いオレだが、ついつい読みふけってしまう好企画。これの関西バージョンとか出来ないものか。

 それから新橋駅前ビル探索でさらに時間を調整し、改めてスペースFS汐留に向かい『ロスト・イン・トランスレーション』完成披露試写。
“都会の孤独”に基づくベタなカルチャーギャップ・ラブコメディだけど、それをハリウッドの誇張性に満ちたセットアップでなく、役者のパフォーマンスと日常描写のカット&アウェイでモノしたところに本作の真価がある。そういう意味合いでビル・マーレイのオスカー主演男優賞は当然だろうし、ソフィアだって脚本賞でフォローしてもらえるだろう。かくしてカーマイン、そしてフランシスに続くコッポラ親子三代オスカー受賞の快挙が演出されるのだ。

 帰りに新宿の「やんばる」でヘチマ味噌煮定食を食べる。しかしここでメシを食う度に思うのが、一緒についてくるお茶だか何だかわからない、あの龍角散を水で溶いたような味の液体。その場で正体を訊きゃいいんだろうけど、なんかとんでもない答えが返ってきそうで…。





2004年2月11日() 押し迫る恐怖!




 うわ、テリーの日記更新スピードがオレを凌駕している!!

 公私あれこれ難儀な書類と資料の整理。途中で手を止め、昼食のために外出。幾つか書店に立ち寄り、車谷長吉『赤目四十八瀧心中未遂』(文春文庫)を買う。
 近く映画を観るので「それまでに目ぇ通しとけば」と思ったら、帰ってページをめくり始めるや、ビャ〜と一気呵成に読了。『ラストタンゴ・イン・パリ』を東陽片岡のマンガ世界に置換したような…と言えば、恐ろしく陳腐になるが的確な喩え。アヤの背に描かれた迦陵頻伽の彫り物が、原作→映画を意識した際によぎるインプレッションなんだろうが、監督は荒戸だけにイメージの深追いと思い込みは禁物だろう。

 作業を再開し、そのまま深夜まで続行。空腹に耐えかねコンビニに向かうも、食料を一切買わずに『月刊 森下千里』(新潮社)なんか購入して帰宅。いったい何考えてるんだ!…って、そりゃそのときはオッパイのこととか考えてるんでしょうね。





2004年2月10日(火)
“インディーズでCD発売”なんて考えも…




 観ておける余裕のあるときに作品を消化しておこうと、『ミッシング』『4人の食卓』の試写に行くつもりが、『パンドレッタプラス』のMAに向かうテリーに同行することに。最新鋭のスタジオを見とくべき…ってな欲求と、ウッチー(内田亜紗子)のナマ歌声など拝聴しましょうかねという気が勝ったようで。

 そう、今日のスタジオ録音は、テリー&内田亜紗子のデート企画に挿入されるデュエット曲の収録だ。しかも作詞がテリーで、初デートを飾る歌なのに詞がなぜか夫婦歌謡舞台は横浜なのに歌に出てくるのは井の頭公園と破綻しまくり。ほどよく狂っていて抱腹絶倒だ。けど書いた本人はいいが、巻き込まれるウッチーが気の毒。彼女の人生の汚点にならなければとオレは伏し目がちだ。ごめんな、責任の一端が自らにあるだけに。


思い起こせば昨年秋、酒席の酔狂がここまで発展しようとは…。


 録音作業はさすがに亜紗子はセラミューで歌慣れしてるのと、テリーは自作ゆえに陶酔の極みだったこともあり、順調に進む。うーん、それにしても恐ろしいのは、なんか聴いているうちに「そんなに悪くない曲」と感じてくることか。しかも自然と口ずさんでしまう自分、ハッと我に返り「げに恐ろしき刷り込み効果」と頭を振ることしばしば。

 その後、リップシンクとミックス作業中のモニターをネタに、テリーやウッチー、小林Dと歓談。それからほどなく解散し、洋泉社は映画秘宝編集部を訪れ陣中見舞い。帰りの途中で吉野家に立ち寄り牛丼を食する。その日が最後の販売と、ウチに帰ってニュースを見てから気づかされた。無自覚の別れ





2004年2月9日(月) レスター病、膏肓に入りて




 午後よりヘラルド試写室にて『ゴッド・ディーバ』内覧試写。
『ウーマン・トラップ』→『イントルージョン』と邦題決定が転々とした、バンド・デシネの巨匠エンキ・ビラルの監督作第3弾。というか、最終的に到達したタイトルも変でないかい? そもそも“ディーバ”が「女神」の呼称だろ。原作どおり『罠の女』にすればいいじゃんと思うのだが、セットアップのスケールを考えるとタイトルが貧相で不釣り合いに思えたのだろう。
 確かに作品背景となる未来都市は寒色系の『フィフス・エレメント』というか、緻密かつ雄大に作り込まれている。といっても絵が立派になっただけで、『バンカーパレス・ホテル』や『ティコ・ムーン』と変わらぬビラル節炸裂、地味な物語はどう背伸びしても単館向きですわ。
 まぁコミック時代からビラルが好きな自分としては、原作どおりジルの乳首もちゃんとブルーという、そこのこだわりが嬉しい。

 終了後、鷲巣義明氏と作品に対する冷えきった会話をして別れ、そのままJRに乗り込んで新宿へ。インクジェットペーパーと、結局メーカー在庫切れで通販入手できなかった『ナック』のDVDを探しに三丁目あたりをフラフラ。
 販売元が紀伊国屋書店なので、ファーストプレスも極少なせいか、ラムタラにもマイシティのWAVEにも見あたらず。ならば存在するのはココしかないとばかり、紀伊国屋新宿本店のコミック&DVD館「Forest」に行く。すると3枚ほど在庫があった、ビンゴ!!





2004年2月8日() 『悲しみジョニー』




 休日の安穏をうち破るかの如く、表題のDVDが到着。『バカドリル』でおなじみ漫画家の天久聖一が撮ったビデオ映画である。
 アフリカ人のジョニーが安来節のソウルを学ぶため島根県安来市に赴き、マスターに会って安来節を伝授してもらうというロードムービー。そこにドラマが描かれるのかと思ったら、現地に行って踊りを学んで帰るだけの20分。その間、変なサンプリング効果やインサートビジュアルが仕込まれ、見終わった後に妙な異物感が残る。まぁ、天久のマンガそのものなテイストなんだけど。
 そもそも主人公であるジョニーの存在が。舞台が我が郷里の隣、県境超えたらすぐの地ゆえ、変に郷愁感を煽られる。特に岡山駅から特急やくもに乗り換えるジョニーの姿は、まるで夏休みに帰省する自分自身を見る思いだ。

 DVD特典として、天久聖一がスナックをかじりながら話す副音声が収録されている。けど口から出るのは、
いま画面に映っているのは僕のお母さんです。今年再婚したので、名字が変わりました、そういう意味で思い出深いシーンです
 とか、あまりタメになる情報を明かすでもなく、誰に対して喋っているのか分からないモノ。しかもリアスピーカーから囁くように
 
 そんな本作、あのファントム・フィルムの叶井俊太郎プロデュースで、渋谷シネマライズでレイトショー上映される予定。ひょっとしたらそのために再編集される可能性もある。けど劇場用に長くなっても、何がどう変わるというもんでもないが。
 
 なんか『悲しみジョニー』で一日が終わってしまった印象があるが、夜はイトーヨーカドーで仕入れたフグチリをメインにお吸い物を作る。ところが調味料の加減に狂いが生じ、なんとも塩辛い出来に。料理の天才にあるまじき失敗、落ち込みも相当激しい。いっそ首にロープ巻いてキューッと引っ張ったろかと思ったが、そうしたら最後に見た映画が『悲しみジョニー』なんですね。





2004年2月7日(土)
地獄の果てまで迷惑をまっとうするのかよ




ヌーブラって、粘着力の高低が、粗悪品かそうじゃないかの違いなんだよね
 とかなんとか言いながら、着ているTシャツをはだけ、男のくせに装着したヌーブラを自慢げに見せるテリー。しかもそれをベリベリ乳から剥き取ると、肉まで削げて臓腑モロ出し状態。「おげぇええ!!」と這いずり逃げるところで目が覚めた。本当に夢でよかったと安堵。いかん、肉体的な疲労が精神をも蝕んでいる。

 起きたとき既に14時を回っていたので、昼食を食べに外出。夕方に帰宅し、映画秘宝の残り原稿とエルマガジンの原稿に着手、夜に脱稿。生産性すこぶる悪い。日当換算するとキャバクラの姉ちゃんのほうが遥かに稼いでいる。

 そんな現実に涙で頬をぬらしながら、先日買ったDVD『キングコングの逆襲』を視聴。
 画質については今さら言うまでもないか。…けどその高画質が災いというか、増上寺→東京タワーの決戦は輝度が明るすぎ、アイライトに照らされるコングのダイナミックな演出が、ちょっぴり迫力不足になっている。
「今度のゴジラにメカニコングも出しゃいいのに。機龍ならぬ“機猿”で
 などと傍らでテリー、その場で射殺もやむなし発言。今朝の夢のことも含め、
おまえちょっとそこに座れ」とロング説教。フルコースを出し終わると塩梅よく『愛のエプロン』の時間となり、見て寝る。そして寝床で井上和香のダメ調理ッぷりを憂える。料理の天才ゆえに。





2004年2月6日(金)
他にもいろいろあったハズなんだが…




 原稿のために試写に出ることが出来ず、ならば一日中家で仕事と決めるが、その仕事絡みで『東京原発』のディテールを思い起こさねばならず、近くの書店まで赴き『シナリオ』最新号を買う。そこには入手が難しいと踏んでネットオーダーした『長坂秀佳 術』がゴロゴロ置いてあんじゃねぇか。事を急いた後悔に臍を噛む思いだ。

 家に帰ると、再びフジテレビ番組制作部から電話。先日の話の続き。ギャラなんか期待してないけど、せめて協力クレジットくらいはしてくれるだろうなオイ。

 夕食は牡蠣ナベ。料理の天才は創意工夫も抜かりなし。木更津産のアサリも奮発だ。もちろん美味いですよ。なんたってオレは料理の(以下略)

 秘宝の原稿を1本だけあげて寝る。子供の日記か?





2004年2月5日(木)
愛情の有無を問えば、かなり両極かと…




 午前中にフィギュア王の原稿を脱稿し、週チャンの文字稿チェックを済ませて五反田へ。イマジカ第2試写室にて『CASSHERN』20分フッテージ上映。
 作品フォーマットはシネマスコープ。映像のルックは、やはり宇多田ヒカルの『 traveling 』VCの意匠だ。都市像はゴッサム・シティのような、ロシア・アヴァンギャルドとスチームバンクをデコラティブした独特の世界を作り込んでいる。そりゃ手間も時間もかかるわな。『新造人間キャシャーン』のプロット骨子を拝借した紀里谷スペシャルと割り切れば、見るべき点はあるかと。ただカット&ペーストで貼り付けたソレはどれも奥行きがなく、総じて絵画的印象。カット数は多いが、編集そのものはひどく雑に思える。

 ネタばれというほどではないが、人によっては興趣を削ぐかもしれないので、以下文字反転。オープニングのナレーションを担当しているのが納谷悟朗。やはり声はかなり老齢化していて、それが味と言えば味でもあるが、「とりあえず、これでオリジナルのファンに仁義切っといた」みたいなやっつけ起用で、なんか鼻持ちならねぇ。
 しかし麻生久美子、意外とタツノコ美女な顔立ちでおかしい。ケツについていた2分間ダイジェストで、キャシャーンのコスチュームが露わになっている。パッと見た印象は…ゼイラム? 14日にはビジュアル解禁になるらしいので、そちらでお確かめのほどを。

 それから一風堂でラーメンを食し、新橋に移動。ワーナー試写室にて『ルーニー・テューンズ バック・イン・アクション』。
 ジョー・ダンテ、久々の監督作。『ロジャー・ラビット』のワーナー・キャラクター版だが、『バットマン』の新作をロジャー・コーマンが撮ってたり、例のエンドウ豆を持った白黒のケビン・マッカーシーが狼狽していたり、ロビーやメタルナ・ミュータントが出てきたりと、いつものダンテ映画でホッとする

 試写では秘宝の大内軍曹とハチ合わせ。原稿未納で思いっきりバツが悪いが、ジョー・ダンデの新作の場ゆえにお咎めなし。

 途中でOTCに立ち寄り、今度のスタジオ地図を受け取る。それから新宿に移動し、ラムタラで『キングコングの逆襲』DVDを買い、友人Mと紀伊国屋前で落ち合い、かなり長く茶店で話し込む。





2004年2月4日(水)
主題歌、ひょっとしてヘタくね?




 みんな『エースをねらえ!』見てる? テレビ朝日開局45周年記念ドラマだ。困るよね。
 人にフッといてナニだけど、オレはタイミングが悪くてさ。気がついたらニュースステーションの時間で、さらに気がつきゃ番組改編期。そうやって人生素通りしていったドラマは星の数ほどだ。まだ3話しか放送してないのに、とりあえず敗北宣言出しときます。

 フィギュア王の原稿にことのほか手間取り、前に進めない。手離れの悪い原稿があると後に影響する。
 そんなこんなで悩みながら作業していると、フジテレビから番組協力依頼の電話。深夜枠のクイズ番組で、映画に関する出題の事実確認という他愛のないモノ。それを含め制作担当といろいろ話をする。

 立て続けに秘宝編集部・大内軍曹から原稿の催促。
「ところで最近、何観たの?」
「『クイール』です」
「その前は?」
「『アップルシード』を…」
「今度は何を観るの?」
「さしあたって『ホーンテッド・マンション』行くつもりだったんだけど」
ダメだよ、ちゃんとしたの観なきゃ
 …すいません軍曹。オレの宝物、レイア姫のペッツで勘弁。





2004年2月3日(火)
今日はツライ日だった、一日じゅう働きづめ



 あれこれ締め切りが首を絞めつけてきたので、今日は一日中おとなしくウチで原稿を叩いておりました。外出もせず。

 …いや、外には出たか。近くのレンタルビデオ店でBonnie Pinkの新曲マキシと、表題どおり『ハード・デイズ・ナイト』のDVDを借りた。周期的にリチャード・レスター病とタルコフスキー病が襲ってくるんで、それを叩いて治療するために。殊にレスター病は重症のようで、思わずムラウチで『ナック』なんか注文してしまったりして。

『ハード・デイズ・ナイト』もとい『ビートルズがやって来る/ヤア!ヤア!ヤア!』はクライテリオンのLDか、97年リリースのリマスター版DVDが欲しいのだけど、モノがビートルズなので入手が困難で。誰か持っていたら譲ってくれ。スペック詳細はここが詳しい。





2004年2月2日(月)
ゴールデン街の鬼はいずこへ




 雨で冷え込みも激しく、笑う膝をかばいながら銀座へと向かい、松竹試写室にて『クイール』試写。
 ベストセラー『盲導犬クイールの一生』の映画化。決定稿は状況描写を黙々と積み重ねていき、その多くを語らない姿勢が逆に「泣き」を増幅させる構成だったが、完成版は全編にナレーションが挿入され、広くファミリー層に目配せした作りになっている。変更の意図は分からないでもないが、そのために感動狙いの“あざとさ”が表面立ってしまったかと。

 終映後、崔洋一監督がロビーにいらしてたので宣伝担当氏に紹介してもらい、挨拶と2、3の質疑応答を交わす。こちらの唐突な質問に笑みを絶やさず回答をくれる監督は、オレの中に昔からこびりついていた「新宿ゴールデン街最強のステゴロ師」というイメージに微塵もダブらず、少し戸惑う。横にいた週チャン担当・杉田は、
うわ、『刑務所の中』のメイキングで見た顔まんま!
 と屈託なく喜んでいたが。

 松竹を出てからルノアールで打ち合わせ。某作品のグラビア連動レビューの話になり、でも当のタレントが既に水着展開してないしなぁと意見すると、
でも少年誌のグラビアなら、前ボタンのひとつもはずしてもらわないと
 と杉田姐、相変わらずオッサンみたいな発言をかます。しかも最近『ゆきゆきて神軍』を観て、奥崎謙三に深く感銘を受けたらしいし。

 帰ったらアチコチから原稿の催促。明日から今週にかけては消化しておかねばならない試写も多いので、泣く泣く仕事。





2004年2月1日(
また明日も見てくれるかな!?




 以前に鶴岡法斎氏から強く薦められた『ワラッテイイトモ、』展を観に、早稲田鶴巻町のアップリンク・ギャラリーに行く。昨年のキリンアートアワードで最優秀作品賞に内定されながら、著作権問題で審査員特別優秀賞という急ごしらえ枠に収められたあげく、非公開の措置をとられた46分の実験映画。そのアンカット&アンセンサード・バージョンの公開展だ。
 フジのTVバラエティ『笑っていいとも!』の膨大な放映フッテージをビジュアル・サンプリングし、お笑いとしては既に形骸化された同番組とタモリを解体→再構成することで『ゴダールの映画史』並のパーソナル史観を繰り広げ、そこに作家である“私”の心的梏桎を錯綜させる。あの番組を創作のパッションに持ってくる変態性と、画面を刻む異様なリズム感。裏ビデオのように繰り返されたオーバーダビングの、電子ノイズがもたらす淫猥さ。そして見え隠れするタモリへのアンチテーゼが心を奪う。さっき食った「えぞ菊」の味噌ラーメンが、這って食道を逆流してきそうだった。褒め言葉だが。

 ギャラリーを出て新宿へ。JR新宿駅の東口から高島屋タイムズスクエアに向かう途中で、先ごろワールドフォトプレスを退社された元「フィギュア王」編集長の額田氏とバッタリ遭遇。つい今しがたまで『シービスケット』を観てて、これから夜7時の打ち合わせに向かう途中とのこと。後日また会おうと約束して分かれる。
 
 紀伊国屋サザンシアターに到着し、『妄想代理人』第1話と第2話の試写を観る。WOWOWオンエアに先駆けてのお披露目で、上映後には本作の総監督を務める今敏と、音楽を担当した平沢進のトークショーも用意されていた。
 あ、内容ね。まぁ全13話からなるドラマの助走としては、まずまず安定してるんじゃないかな。次へと繋げる作りの面白さと監督のカラーは踏襲しているし。
 昨日のパンドレッタロケで一緒した小林Dが番組用撮影のために会場入りしていたので、昨日の今日でお互い大変だと歓談。

 帰りの電車の中で少し寝ようと思い、一番隅に座ろうとしたら、乗り越した客がそのまま陣取り、意中の席は空かず。
 ところがその周りに中国語を話す集団が集中して座り、まるで朝の北京市場のようにすごい剣幕で話し始める。乗り越した客は眠るに眠れず、ざまあみろである。しかもチャイニーズの一人がときおりホジった自分の鼻クソを、まるで珍味でも食うかの如くおいしそうに口に持っていくし。友だちのそんな行為を周りは別にとがめるでもなし。日常風景なのかよ?






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