2004年4月30日(金)
この商売、世間ではGW進行などと言うなりも…




 原稿の正式依頼が今日だったり、あるいは資料が休み明けの到着だったり、本来なら脱稿していて然るべき原稿が遅々として進まずだったりという筆耕もいるワケで。

 つまり、オレは連休中に仕事をするのだ

 まぁ余計な金も使わないし、世間並に公楽心キラめかしてアチャコチャ出掛けたところ、ギャラリー多くて地獄を見るは必至、なら別に仕事上等ということで、とりあえず今日は出来るところまでの仕事を進ませ、午後からパーカーに運転を委ねワールドフォトプレスに行き「フィギュア王」の打ち合わせ。兼ねて新編集長と挨拶を交わす。


 ついでにとブロードウェイで買い物をし、それから有給で都内に出ていた友人M氏と中野駅北口で合流して夕食。M君、

「そういえば今日、森繁を見かけたよ。生気があるやら疑わしい車イス姿のさ」

 と、まるで縁起物と遭遇したかのように嬉しそうな顔。帰りの車中、家電チェーンのテーマ曲と広末涼子の話でケンケンガクガク。悪い大人の会話。


 帰宅するなり、渡米の用意でパスポートを探すが、あるべきはずの場所に置いておらず、部屋をひっくり返すように探し回る。連休中に探せばいいモノを、こういう事態になると気になって他のことが手につかない。ふと冷静になって物事を順繰りに辿ると、昨年の渡英時、チケット袋に挟んだままだったのを思い出す。

 ひと安心してTVをつけたら、NHKでスタンリー・キューブリックのドキュメントを放送していた。しかしこれDVDを所有しているし、衛星でオンエアしたものをビデオに残している……のでチャンネルを変えようと思ったが、豪華な証言者たちが語る天才伝説につい気を奪われ、あげく最後まで視聴。


 そんなスタンリーが『2001年宇宙の旅』を撮り始めた歳に、オレは次月、到達する。






2004年4月29日(
『パニック・ルーム』3枚組DVDに唸る




 しかしいくら周りに焚きつけられたとはいえ、タレントに公開告白とはテリーさんも穏やかじゃない。ファンの手前、うっちーもリアクションに困るっての。でも高坊テイスト香ってて、久々にバカな後輩を持つ先輩の気分にさせられたというか。

 そんなバカの誕生日を祝い、ドンキーでメシを食う。そこで、
貴様ももう、四捨五入すりゃ四十郎なんだから
 と、心のこもったオメデトウの言葉などを述べる。


 今日は連休前の祝日とあり、『エイリアン』のDVDボックスやら、注文したり頂いたDVDがワンサカ届く。果たしてGW中に消化できるかと訝しがりながら、とりあえず『パニック・ルームトリプル・デラックス・エディションDVDを視聴。

 このDVDはプレビジュアルとポストプロダクションの解説がワンサと詰め込まれていて、かなりハイエンドユーザー向け。ちなみにプレビジュアルとは3DCGの絵コンテと連動した立体映像設計図で、これでカメラポジションから構図までを一括管理し、デビッド・フィンチャーの緊密かつ巧妙なビジュアル・プランの下支えとなっている。CGIはスクリーン上の画だけでなく、こういう見えない部分で映画製作に変革を及ぼしているのだ。

 プレス枚数も少ないし、作品そのものが決して好評価というワケじゃなかったので、リリースのインパクトには乏しい。けど映画のテクニカルな面に興味がある人は、散財しても惜しみを感じさせないDVDであることを保証する。


 そんなこんなで、遅く起きていたワリには生産性の低い一日。まぁ、こういうのトコトン見るのも職業スキルを上げるための一端と思い、ムリヤリの納得。






2004年4月28日(水) 休日にしか思えぬ平日




 朝9時45分からの『シルミド』試写を観るつもりが、目が覚めたのは午前9時半。物理的にムリだっての。


 そういう日は割り切って家仕事と、文字稿チェックをしてファックス送信し、他の原稿を進める。でも快晴に誘われ、フラフラと外出。支払いやその他もろもろで郵便局や銀行を回ったり。途中、某所より携帯に連絡。突然だが来月、仕事でニューヨークに行くことが決定。

 ブックオフで『マーティン』や『鴛鴦歌合戦』など、300円均一で投げ売りのLDを何枚か購入した後、ニューズウィークの映画特集号を求めて書店に。それからほどなくして家に帰り、週チャン・杉田姐と互いのGW消化案など会話に挟みつつ、今後のラインナップについての打ち合わせ。

 ここ数日の暴風で相当の黄砂が運ばれたのか、これでもかと自家用車が埃っぽい。仕方がないので洗車でもと思ったら、不意打ちで旧友より電話。GW中に都内で会えないかという話と、『世界の中心で、愛をさけぶ』の話。こいつ、やたら原作を薦める。昔はそういうのに誰より嫌悪を示すヤツだったのに、歳月は人を変えるなぁ。


 夜、ほんと久々に『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』を視聴。
 DVD版は最後にビデオ発売の告知が入っていたのと(公開当時のね)、画質が良くなった反面、夜間のシーンでセルゴミが思いっきり目立つのと、製作から既に20年を経てしまったという事実に驚く。あるいは金田パースやイースターエッグ的キャラ等、80年代アニメ文化の特性が著しく劣化しているのにも気恥ずかしさを感じるというか。
 けど押井の作家性と本質的な面白さの点で、『イノセンス』に至るまで劣化が見受けられないのは凄い。もとより学園祭という[思い出共有映画]の免罪符が光る作品ではあるが。『青春デンデケデケデケ』や『花とアリス』もその類型。






2004年4月27日(火)
僕はここできれいな陽の出を見るよ




ドーン・オブ・ザ・デッド』で思わずグッとくる男泣きなセリフ。そう、本日はこの『ゾンビ』フリークをも唸らせた傑作リメイク、2度目の試写観賞
 というのも、本作を紹介した『衛星中立放送パンドレッタプラス』のいどプロデューサーが完成披露を見損ねたので、その付き添い。

 週チャンの活版見開き2Pを急いで脱稿し、そのまま東宝東和に直移動。試写室でフィギュア王編集部&モノマガジン連合勢とハチ合わせたので、東和の本作担当N氏に紹介。
 いどさんは前回同様、渋滞につかまり少し遅刻したが、なんとか無事に作品を観賞。概ね気に入られたようで、そこはもともと作り手の人間、
「編集がメチャクチャうまい」
 と称揚。オレも2度目の観賞で改めて気付くところ多し。軍のヘリがそれとなく2004年を主張しているとの話で、
そういや『ゴッドファーザーPART3』も、現代性の表象はヘリだったなぁ
 と、まぁそんな連想などを各々。何よりいどさんはトライアルの宣伝嬢Iさんに久々会えたのも嬉しかったらしく、また番組が立ち上がったら是非ご出演を……と、軽いナンパをカマしてらした。


 そのまま2人でOTCに移動し、『下妻物語』を観てきたテリーと合流。小林Dと共にみんなで夕食を食べに行くが、その席上でテリーが近日中にHPで、とある胸中をコクると宣言。おまえは高校生か。


 23時くらいに渋谷で皆さんと別れて新宿へ。TSUTAYA新宿店にビデオを返却しに行き、エレベーターに乗って帰ろうとしたさい、乗り込んできた元フィギュア王編集長の額田氏とバッタリ! 偶然にもほどがあるというか、業界人御用達の場所なので、誰と会っても別におかしくはないのだが。以前より約束している仕事の打ち合わせをぜひ連休明けにでも……と交わして別れる。


 日にちをまたいでの1時過ぎにタクシーで帰宅後、ラムタラ新宿店で購入した『怪奇大作戦DVD6巻を視聴。
 オレの愛する第25話『京都買います』が収録されている最終巻。京都で10年近くを過ごしたので、もちろん化野念仏寺や祇王寺など、本作に登場する寺院はほとんど訪ねた。須藤美弥子を捜し求める牧の気分になったよオレも。

 漫画化を企画したこともあって、しかもクライマックスをオリジナル以上のバッドエンドにアレンジしたっけ。もし『ウルトラQ』みたいに新バージョンを作るなら、前にも記したようにこれはリメイクを望みたいところ。それで須藤美弥子はぜひ矢田亜希子に演じて欲しいと。まぁ、5年後は上戸彩に演じて欲しいとか、時に合わせて主張も変わるんだろうが。

 しかしこのDVD、24話『狂鬼人間』を収録しないのを今さら責めたりしないが、存在そのものを隠蔽してしまうのはどうか。作品の背景くらいちゃんと説明しとけよ。






2004年4月26日(月)
なぜ日本のマスコミは
藤原紀香をC・ディアスのデフォルトにしたがるのか




 本日も取材。帝国ホテルにて『シュレック2記者会見20分フッテージ上映


 ところが、有楽町線で有楽町駅に向かうはずが、途中でガーガー居眠りこいたせいで新木場まで乗り越し、あわてて引き返して向かうも5分の遅刻。おかげでジェフリー・カッツェンバーグや声優陣の挨拶の場に立ち会えず。まぁ、フッテージ上映と記者会見には間に合ったんで結果オーライ。

 今回の『2』はシュレックとフィオナ姫との正式結婚をめぐる、彼女の王家と許婚を巻き込んだ騒動がストーリー。前作以上にディズニーおとぎ話のキャラたちが無惨におちょくられるという、カッツェンバーグの怨み節が大爆発だ

 フッテージはDLPでのお披露目だったが、フィオナ姫の元フィアンセの、ヒゲそり跡のCG再現力に感心する。ただ青く変色させたという表現じゃなく、ちゃんと毛穴から0.5ミリ程度伸びてきたあのツブツブ感があって、そりゃもう胃から酸っぱいモノが素晴らしい。


 記者会見は、いかにもタレントを囲んでの他愛ない質疑応答に終始したが、浜田雅功のクレジット表記が「濱田」のときと「浜田」のときとではどう違うのかを知ったのが、まぁ小さな収穫か。

 ちなみに前作を見ていない人は、ビデオやDVDをレンタルするついでに『ハリウッド・ビジネス』(文春新書:刊)を副読本にするといい。マイケル・アイズナーとカッツェンバーグの身も凍るようなディズニー愛憎劇を知っておくと、このシリーズの根の深さが分かる。


 会見終了後は別室に用意されたカクテルパーティに通されて食事。フィオナ姫役の藤原紀香の背中越しにメシを食うという『レオパレス21』のCMもかくやのシュールな状況に立たされるが、思い入れがないというのは恐ろしいもので、あれだけドレスアップして耳目を釘付けにしている紀香にオレは目もくれず、傍らにいて襟川クロ姐と怪しい談義をしている山ちゃんにかなりドキドキ。やはり美女より声優・山寺宏一への尊敬の念が勝るんだなぁ。

 帰り際にはUIP関西支社のHさんKさんにご挨拶し、大阪で本作の宣伝を担当しているオフィスリブラのYさんと名刺交換。
 UIPは本社が宣伝外注をするようになったのに併せ、関西支社もパブを委託するようになった次第。けど、長く関西で映画業界に関わっていた人には分かると思うが、UIPがソフトシューズやリブラと同じ場でパブ活動をしているのは、まるで『サタデーナイト・ライブ』にエリック・アイドルがゲストで出たときのような、あるいは専属アナがフリーになって他局に出演したときのような不思議な違和感を覚える。

 けど、実はこういう大きな記者会見の場に行って嬉しいのは、昔お世話になった大阪の方々にお会い出来ることだったりする。うわ、すごい優等生発言で顔から変なモノがにゅるにゅる出るよオレ様。







2004年4月25日(
なぜ『シンドラーのリスト』DVDには
メイキングが収録されないのかということ




 すさまじく不調な休日。ベッドから出られず、ウダウダと『モンティ・パイソン・スピークス』(イーストプレス刊)を読んでいると、いつの間にか昼。


 外出してランチをとり、帰宅して昨日購入した『シンドラーのリスト』DVDを視聴。
 この作品を見直していつも感心するのは、画面設計の精緻さ。かって滝本誠センセが本作を「ホロコースト・ノワール」と評したように、明部を飛ばしてフォギーがかったノワール調モノクロームの美しさが大きく際立つ。ときおり挟み込まれるシネマヴェリテ風の荒々しいルックも強烈で、スチールにおこしたビジュアルを見ると、まるで当時の記録写真みたいだもんな。スピルバーグのこういうところを評価しないでどうするよ。そしてこういうところを評価しないから、あいつが未だにフィルムにこだわってデジタルシネマに移行しない理屈がわからないのだ。


 ところでこの『シンドラーのリスト』、本編のカラーパートを除き、バックステージもメイキングフィルムからフォトスチールに至るまでモノクロ貫徹で、つまりカラービジュアルが公表されていない。未翻訳の“The Making of Scindler's list”の中で紹介されているスチールも、その殆どが40年代風に人工着色されたものだ。唯一、クラコフでビデオカメラを回すスピルバーグだけがカラーフォトで掲載されている。

 理由は明白、スピルバーグが映画のリアリティを壊したくないがための措置だ。
 だからどうせDVDの映像特典も、映画のビハインドなんかこれっぽっちも語らず、ホロコースト生存者の証言とか集めたりするんだろうなと思ったら、その通りだった。ああ、帯に短し襷になんとやら……。







2004年4月24日(土) 安くてどうもスイマセン




 朝、宅配便の呼び声で起床。
 今日はやたらに届け物の多い日。購入したり譲り受けたDVDやら書籍やら資料やらを運びに、ひっきりなしに宅配便や郵便配達員が入れ替わり立ち替わり。

 おちおち寝てもいられず、起きて仕事場に行ってメールを確認すると『関西ウォーカー』誌から連載レビューの原稿催促。これはいかんとあわてて着手し、脱稿。


 テリーと久しぶりにミーティング。
「東京に居を移して1年と9ヶ月。まだ接していない関東文化にでも触れようか」
 という話になり、やれ東京国際ブックフェアだの、先日果たせなかった3億円事件の現場に行くだの、さんざアレコレ意見を交わしたあげく、

二木の菓子で買い物

 という結論。……まぁ題目の理には叶ってる。けど、それなら浅草の本店に行くのがスジなんだろうが、「面倒くさい」が発露の妥協案ゆえ、そのへんの支店で帳尻を合わせることに。


 というワケで、二木の菓子で酒も飲まないのにしこたま珍味を買い込み、それを食らいながら「アド街」を見る。映画に特化しない日もあるということで。






2004年4月23日(金)
同志に薦めたい『世界の中心で、愛をさけぶ』




 今日もまたまた取材でして。新宿パークハイアットにて『ドーン・オブ・ザ・デッド』主演のヒロイン、サラ・ポーリーのインタビュー。

ロメロのトリロジーは素晴らしいわ。もちろん『ナイト』も『デイ』も観てるんだから!
 という頼もし正しいサラは、活動家で跳ねっ返りという実像と結びつかない気さくなビューティーさん。
「おりしも日本ではウマの『キル・ビル』と近しい時期にあなたの作品が公開される。『バロン』が好きなオレとしては感慨深いよ
 と伝えると、笑いながら、
「『バロン』は8歳のときだったのよ。とても懐かしい」
 通訳さんとオレ、「それにしてもまぁ、こんなに大きくなって……」としみじみ感慨に浸る。親御さんかワシらは。 


 インタビュー終了後、東宝東和関西支社のS氏、ならびにエルマガジン編集の竹村君と、地階の中華料理店でランチを食す。席上ではS氏から東和が『コールド マウンテン』の上映権を買った経緯の詳細を教えてもらったり。その後は14時からの記者会見にも出席する。


 会見終了後、別件インタビューの打ち合わせに向かう竹村君と共に東宝へ。オレは『世界の中心で、愛をさけぶ』の試写を観る目的。

 移動途中で、沸々と疑問がアブクを立ててくる。息を荒げて小走りになりながら、そんな犠牲を払って観るほどの作品かよと。こんなタイトルいただきの、志の低い原作のさ…。

 否! それほどまでして観る映画だったんだよこれがね!!
 正しくは「長澤まさみに恋をする映画」と呼びなさいのまさみスペシャル。サービスカットの連打、舌足らずでぎこちないセリフ回し。こんな娘をバイクのケツに乗っけて、
胸、(背中に)あたる?
 とか言われてごらんってば旦那、まったく映画ってヤツは魔物さんだ。

 しかも朔太郎(大沢たかお)の高校時代を演じる森山未來、またコイツがボンクラ高坊を絵に描いたような垢抜けない顔でさ、おまけに劇中、好きな映画は『ドラゴン怒りの鉄拳』に『ライトスタッフ』とか抜かしやがる。ああ、こいつはオレだ! と感情移入率ゲキ高!!

 まさみはまさみで、『ロボコン』のインタビューで話したときの“素”と全然離れてなくてさ、
ゴジラファンの人に“あいつはダメだ”って言われないようにガンバルから
 と、キュッと拳を握って微笑んだ彼女の姿にディゾルヴして、気持ちすっかりメソメソと泣き入りまして。嗚呼まさみ、キミはオレとそう約束したじゃないか。なのに何故に生き急ぐ……。
 ってな感じで、批判精神はまたもや封じられたという次第さ。オイオイそれは『ゴジラ』に限ってのことじゃなかったのと忌憚のない意見もあるだろうが、ううっ、知るかそんなこと。

 行定勲はたぶん“オレ版『Love Letter』”をやりたかったろうなぁ。スコープだし撮影は篠田昇だし。『君がいた夏』を腐らせたようなベタなドラマの重ねかたは、それはそれで芸になっちゃいるけど、世界の中心で愛を叫ぶワリには人間関係が手狭で、ときおり泣かせと笑いが紙一重な演出に吹き出しそうになる。けど隣に座っていた姉ちゃんは反応がダイレクトで、音とか立てて涙を流してたぞ。

 ただ、やはり柴咲のコウちゃんは、
「さっき、そこの草むらで男の首をスパッとやってきました」
 とでも言いたげな毎度の形相が違和を発しているというか、おかげでかなり損な役回りの印象だ。


 そんな感じで、フライングでショップに並んでいた『シンドラーのリスト』DVDを購入し、ちょい遅めの帰宅。






2004年4月22日(木) 大監督、その尊面を拝す




 なんだか妙な寝苦しさを感じて起床。起き抜けにシャワーを浴びて体を拭いても汗が流れる。おいおい、このモワワ〜ンとした空気は…もう夏か?


 まぁいいやと、そのまま外出支度をして車に乗り込み、成城へ向かう。本日は東宝撮影所のポストプロダクションスタジオにて『東京オリンピック ディレクターズ・カット』(以下『DC』)の試写。

 東宝撮影所に到着してスタジオに向かうと、いきなり入り口前で既視感アリアリな杖の御老人とバッタリ。うおおっ! 今回の作品を創り出した当の本人・市川崑監督その人ではないか!! 
 黒澤やイマヘイ、深作や大島に喜八など、ありとあらゆる巨匠の御尊顔をナマで拝してきたオレだが、大尊敬してやまないこの方だけは、その実物に遭遇したことがなかった。そりゃもうあんた、パンツの中にホカホカう●ちを漏らした児童のごとく、変に体が硬直して涙目になったズラよ。





上映前に『ディレクターズ・カット』についての説明をする市川監督。
映画がワイドスコープなので、写真もこのような画角にしてみました。



 この『DC』は再来月6/25に東宝ビデオよりリリースのDVD『東京オリンピック』に収録されるバージョンで、ランニングタイム170分のオリジナルを148分に短縮リカットし、音声をドルビーデジタル5.1ch化。
 どこがどう変わったかの詳細は「フィギュア王」次号の連載で触れるが、オリジナルのモノラル音源を立体化したものながら、フリーライフル競技の発砲残響や砲丸投げのズシンと落球する重低音など、随所で効果的なサウンドデザインが施されている。

 ただ「IOCの要請で、全ての競技を本編に盛り込まなければならない」といった制約から解き放たれ、表現として引っかかりを感じていた部分を抜いた今回の『DC』、自分の中では一長一短だよなぁ。というか本バージョンをすんなり受け止めるには、オレは『東京オリンピック』をあまりに観過ぎている。


 今日、このスタジオにはちょうど『ローレライ』で樋口真嗣監督がインしてたので、見かけたら挨拶でも…と思ったものの、早々に場を離れてそのまま直帰。

 
 帰宅してニュースを見ると「やっぱり」というか、今日は今年最高の気温(30度平均)だったそうで。
 ところが深夜になると急激に空気が冷たくなり、昼の気温差も相まって、ひとしお強い寒さを感じる。こういうときに風邪は忍び寄ってくるのでご用心。我ながら誰に仏心を向けているのか知らないけど。






2004年4月21日(水)
「もはやLDは死んだメディア」の世間的認識




 昨晩から書類整理に片付けとヅルリ動いていると、いつの間にやら夜は明けてモーニンに。そのまま週チャンの原稿に着手。10時くらいに仕上げ、ぶっ倒れるように寝る。


 3時頃に目を覚まし、所用につき新宿まで移動。まずは仕事の資料用映像を求めてTSUTAYA新宿店に向かうが、ことごとく貸し出し中。仕方がないので別件にて入り用だったメルヴィルの『仁義』とゴダールの『軽蔑』をレンタルし、ディスクユニオンに移動、買おうと決心したときには既に市場から消えていた『空飛ぶモンティ・パイソンコレクターズBOXを紆余曲折の末ようやく入手。あげくは陽も落ちてるのに昼食と称し「肥後のれん」でラーメンを食す。


 帰りはテリーに車で拾ってもらい、買い物を共に。
 ついでにと近くのホビーショップへ立ち寄ると、なんとLDが単品1枚100円、LD−BOXは200円というヤケぎみな投げ売りセールをやっていたので、車での移動をいいことに大量購入。収穫は『機動戦士ガンダム』のTVシリーズと『ER 緊急救命室』サード&フォース・シーズンのボックス。後は『オズ』や『ブラジルから来た少年』バイリンガル版といった未DVD化商品を重点的に。

 家に帰ると、メールでいい知らせと悪い知らせ。嬉しいなぁ&気が滅入るなぁ。





2004年4月20日(火)
パーカーだけマリオネーションのままってのはどう?




 で、昨日言ったとおり、本日はパークハイアットにて『サンダーバードソフィア・マイルズのインタビュー取材。


 特急乗ってタクシーで移動したらムダに早々と到着。仕方がないので41階のピークラウンジでアイスコーヒーなど注文して待機。しかしまぁウワサには聞いていたが、マメ汁1杯1320円というバブリー感プンプンな(というか法外な)オーダー料金に思わず笑いが込み上げちまったよ。んなことなら窓際に座って、景観料の元でもとりゃよかったっつーか。

 インタビューはオレら「フィギュア王」をはじめ、スターログさんや宇宙船さんらマニア誌との合同。なんだか束ねられ方がぞんざいだよなぁ。ジャンルが近しいと質問内容も酷似するし、相手はそういうジャンルとは最も遠いところにいる姉ちゃんだし。

 それはそれでお互い目配せも利きながらの、インタビューは無事に終了。終わって近くのカフェで編集部・高橋君と打ち合わせを兼ねて談義。
 今回の『サンダーバード』売りの問題点は、UIPと東北新社の足並みが揃わないことにある。クラシックと連動した宣伝展開ができればいいのに、それが簡単にいかない大人の事情が横たわっているのだ。殊にキャラクター商品あってのフィギュア誌的には、それがもどかしい限り。旧1号と新1号との比較とか、新旧キャラクターの横並び解説とか、やりたいけど難しい現状をどう打破するか……みたいな話などをね。


 別れてディスクユニオンに向かう途中、新宿タイガーマスクとすれ違う。






2004年4月19日(月)
器がデカかったから意識しなかったのか




 本日は取材。東京ドームシティ・プリズムホールにて『サンダーバード』レディ・ペネロープ役のソフィア・マイルズ来日記者会見。
 
 会場に行くと福々しい方が微笑んでいらしたので、誰かと思えば池田憲章先生だった。
「ところで『CASSHERN』、ちゃんと叩いて砕いてた?
 と訊かれたので、
「あうぅ、叩いてたといえば叩いていたような、砕いてたといえば…」
 などと歯切れの悪い返答。

 ソフィアは明日にインタビューするし、輸送費用1000万円をかけたFAB1(ペネロープ号)はパインウッドに行ったとき現物に乗り込んだりしたので、じゃ何がトピックかと言えば、7分間の最新フッテージ映像ですかね。ところがこいつが微妙なシロモノで、
うへぇ、『ス●イ●ッ●』だぁ!
 というのが偽らざる心境。



 しかしFAB1、向こうではそんなに感じなかったが、
こういう場に置かれると異様に巨大なのを思い知らされる。



 会見終了後、フィギュア王編集部の高橋君と明日の予定について少し話し、週チャン・杉田姐にキャッチ入れるのを確約して場を離れる。

 その足で秘宝編集部に立ち寄り、ようやくワイルドマグナム江木先生からの預かりモノを受け取って高田馬場に移動。買い物をしてつつがなく帰宅。






2004年4月18日() 物欲の休日




 朝、玄関の呼び鈴で起床。

 安眠をつき破って届いたブツは『復讐するは我にあり』と『フリークス』のDVD。自分で買っておきながら、あまりといえばあまりな購入の取り合わせに、開封した一瞬クラクラとめまいが。

『復讐〜』はオリジナルネガの経年劣化を考慮した範疇で「とても画質がいい」と思えるソフト。日本語字幕はときに意訳になったりダイアログ原文と異なったりするが、榎津(緒形拳)が冒頭で歌う歌が「オラショ」であることを補足説明したりと、「とりあえず入れとくか」的やっつけ仕事でない良心が伺える。松竹ホームビデオは頑張ってるよなぁ。まぁ、半ば文化事業として映画に関わってるところですからして。

 だが『フリークス』にはやられたぜジュネス! マスターは明らかにビデオマスターの流用と分かるし、フィックス情報と動画情報とのマッチングが悪く、やたら画面がゴワゴワする。画の解像度も低いし、それでいて値段が高い。アメリカで1993年にMGMがリリースした"NEW REMASTERED EDITION"のほうが見事に高画質だ。ハァ、購入にあまり意味を見いだせなかったムダな買い物。


 午後は市内の古書店を回る。年内、某仕事で恐らく必要になってくるであろう資料を収集するためだったのだが、目当てのものはなく、「デ・パーマ・カット」(キネマ旬報社)と、ポーリン・ケールの「映画辛口案内」(晶文社)を購入。どちらも以前所有していたが、大学時代ジリ貧に喘いでいた頃に売り飛ばしてしまったもので。

 ついでにとブックオフにも立ち寄ると、レーザーディスクが投げ売り状態。そこで『ハート・オブ・ダークネス コッポラの黙示録』を500円で購入。
 本作は権利問題が絡んで今のところDVDがリリースされないので、見つけた人は問答無用で確保をオススメする。ただ残念なことに、これ国内盤はモノラルなんだよなぁ。オレはアメリカ版LDを持ってたんだけど、こっちはオリジナル通りステレオ収録されているのだ(だからそれまで国内版を買わなかったのだ)。

 でも、これも食えないときに手放してしまい……。ああ、貧すれば鈍する。





2004年4月17日(土)
尿退席する客多し。やっぱ休憩挟もうよ




 GW進行前のチョイ安息ということで、今日は友人Mとテリーに付き添い、両人とも未見という『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』を再観賞(於:ユナイテッドシネマズ入間)

 別れがツラいとかスペクタキュラーの団子状態に鼻息フンガーとか、そのテの感慨は去年の内覧でタップリ味わったので、客に迷惑のない程度の「それワザとか?」チックな格好で座席に座り、バケツ大の飲み物ガブガブやりながら、とてもお淫らな態度で観賞。
 
 観てその後の所感に責任が伴わないというのは、何とラクチンなことだろう。だから作品を巡る話もいい加減の連打。

「平和のためにやむなく戦っているのに、みんなヤケに血の気が多いなぁ

「オークの方々は見てくれがヤヴァ〜ンそのものなのに、戦闘じゃディテール凝り凝りの様式美をお持ちでらっしゃる」

「どうしてこの映画に出てくる城塞は、人を見たら泥棒と思えみたいなトゲトゲしいのばかりなの」


 後はもう、車ぶっ飛ばして無軌道の極み。夕飯食ったり買い物したり、家に帰って思いついたように仕事したり腰ミノ巻いてフラダンス踊ったり、ドロドロ。





2004年4月16日(金) 景山民夫や浦辺粂子のような




 横山光輝先生の死に唖然。


 午前中、GW進行締め切り設定の早い原稿の草案を立て、外出。UIP試写室にて『ブラザーフッド』試写。

 韓国映画史上最高の製作費を投入した、朝鮮戦争版『ディア・ハンター』。兄貴が武勲をあげて徴兵された弟を国へ戻そうと頑張るが、戦っていくうちにだんだん本気入った戦争バカになっていくという、まぁそんな塩梅の救えない話。これもいわゆる『プライベート・ライアン』シンドロームの一本だけど、戦闘描写はアップが多くて『ウインドトーカーズ』に寄り気味っスかね。
 しかしハリウッドナイズ後の韓国映画はレベル極まったというか、日本が優位なのはアニメーションくらいになっちゃったような。


 終了後、テリーと合流して六本木へ。途中、恵比寿のOTCに立ち寄って挨拶。本当に挨拶だけして、テリーがタバコ一服して同社制作番組『フィギュアの王国』を見て帰るという、『サタデーナイト・ライブ』でジョン・ベルーシがやっていた「イヤな訪問客」みたいな来訪。


 恵比寿から地下鉄日比谷線で六本木に移動し、ブエナビスタ試写室にて『レディ・キラーズ』を観る。

 コーエン兄弟がトム・ハンクス主演で撮った最新作。日本じゃ先週『ディボース・ショウ』が封切りになったので、ものすごくせっかちな新作披露の印象があるが。というかローテーションも作品の内容も、ますますウディ・アレン化が膏肓に入った感アリ。『ファーゴ』の頃までは先発完封ピッチャーだったのに、中継ぎリリーフに格落ちしたみたい。おまえら、そろそろ3年くらい間隔置いて投げるべきかと。
 本作は1955年の『マダムと泥棒』のリメイクだが、テリーは、

「むしろ『ワンダとダイヤと優しいやつら』に相似ベクトル向いてるような」

 と指摘。あとブルース・キャンベルやエディ・マーフィがあまりにも堂々とカメオで顔見せしてるので、本当に本人なのか疑わしく思えてしまった。


 帰宅後、購入した『キル・ビル Vol.1』のDVDを視聴。先日『Vol.2』を観た直後とあって「あ、なるほど」と今さらながらに思う箇所多し。






2004年4月15日(木)
「リングをね、収めるところに収めれば収まるワケなの」




 テレ東の番組『二人ゴト』で、安倍なつみが『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』のストーリーと作品の感想をトークしていたが、この端折りすぎの意訳に超感銘! んで今日のタイトル。
 
 そういやアレだ、ユナイテッドシネマは『ドーン・オブ・ザ・デッド』の女子高生限定試写なんてのをブチ上げてるが、感想とか公表して欲しいよなぁ。オレらなんか『ゾンビ』のリメイク云々とか、いろいろ面倒くさいこと背負い込んでるけど、映画に精通していない彼女たちがどうバッサリ斬ってくれるんだろうなぁと。『妖星ゴラス』を『妖精ゴラス』だと思い込んでいた葉里真央級の大ナタ期待!!


 午前中は電話での打ち合わせやメールの返事をまとめて打ち、午後は試写のために外出。有楽町に向かう途中、渋谷に立ち寄り紀伊國屋書店で『透明怪人 江戸川乱歩全集 第16巻』(光文社文庫)と『忙中謝客 内田百間集成19』(ちくま文庫)を買う。

 ところが、あちこち寄り道をしていたら15時30分の『シルミド』に間に合わなくなり、18時半の試写までズッポリ穴が開く。困ったあげくに開き直り、洋泉社に行ってカメラマンのワイルドマグナム江木先生から頂戴するブツを取りに行く。しかしそれとは別の預かりモノに気を取られ、受け取りを失念。はて何しに行ったのやら。


 空いた時間を今度は日比谷公園にてボケーッと。ベンチにグワッと仰臥し空でも仰ぎ見ながら、ふとここ2、3日の喧騒で顧みることのなかったアレコレに気を這わす。すると、どこか地方から遠征してきた高校生軍団がゾロゾロとやってきた。おいおい君たち、噴水と一緒にオレの写真を撮るなよ。珍獣とか東京名物じゃないんだから。


 18時すぎてから東宝試写室に向かい『下妻物語』を観る。

「ロリもヤンキーも、隙の多い信仰という点で根は一緒。だから類は友を呼ぶ!」
 という主輪が、小ネタの輪列を軽快に動かす。近年のクドカンや堤幸彦のエクスプレッションにドップリなTV屋特有の滑舌だが すさまじくパンキッシュでアクロバティックで不衛生。だが世界観の立ち位置は変でも、友情物語としての筋はセンシブルに活写されている。ハハ、久々に来たよ、オレの魂のコッチ側によ!! これ観ちゃうと、同じ地平を目指しながらココまで突き抜けられなかった『ゼブラーマン』や『キューティーハニー』の不甲斐なさをホント口惜しく思う。
 パブリック・イメージを逆利用したキャスティングがドラマの頭からケツ、画の中心からスミまで効果絶大で、特に深田恭子と土屋アンナは全国どこのファミレスに行ってもタダでメシが食える国民特典を差し上げてもいい。オレが小泉ならそうする。






2004年4月14日(水) とりあえずケリはついた




 午前中、ようやく週刊以外の月刊原稿を終える。というか強引に終わらせて都内へ出掛け、試写。銀座ガスホールにて『キル・ビル Vol.2』。

『Vol.1』があれだけエキセントリックな展開だったのに、着地は『ジャッキー・ブラウン』ばりに堅気で驚き。『ブレードランナー』のプリスを再現してしまうダリル・ハンナと、魂の業物をめぐるマイケル・マドセンの男気がツボだったなぁ。

 会場はあまり混んでおらず、「やはり昨日の完成披露に集中したか」と思ったら、昨日も前作ほどではなかったらしい。前作が観る者を篩にかけたか、試写からすぐ公開の余裕の無さが媒体に「今さら観てもなぁ」の気後れ感をもよおさせたのか……。


 終了後、その足で洋泉社「映画秘宝」編集部へ向かい、次号の原稿の話。刷り立ての「『キル・ビル Vol.2』&タランティーノ・ムービー インサイダー」を頂く。


 その足で今度は中野へと移動。ワールドフォトプレスに行って『フィギュア王』編集部で直接連載原稿の赤入れ。遅めの夕食を近くの食堂で済ませ、中野ブロードウエイを物色して帰宅。ブッ倒れるように寝る。





2004年4月13日(火) 特に記すべきこともなく




 一日中こもって原稿と格闘。眠い。かなり眠い。傍らではFAXが唸りをあげ、版下が流れてきては文字をチェックの繰り返し。気が付いたら夜みたいな、密度が濃いやら薄いやら皆目分からぬ生活。

 少し仮眠をして再び仕事に着手しようと思ったが脳が働かず、そのまま寝室のベッドに横臥して、手塚治虫の『0マン』を再読。そのまま眠りに落ちるかと思いきや、体は睡眠を要求しているのに神経がビリビリして一睡も出来ず、結局仕事場に戻ってチンタラと仕事を続ける。

 あ、でもほんの少しゴールが見えてきたか。






2004年4月12日(月)
恋する人のHPを見つけちゃった・




 状況にさしたる変化なし。
 
 そのクセ細々とトップページをイジって、本当に貴様は忙しいのかという非難も聞こえてきそうだが、何を言ってるんだいキミである。目の前に横たわってる難事に、思いっきり耐えかねてるからこその逃避行為だよ。


 夏日並みの気温。こういう温暖の到来に虫畜生はベスト反応。そう、さっそくが出てきやがった。俺が多量の二酸化炭素をモワモワ発してるのいいことに、ボッコボコ吸血しやがって、やい家主、網戸が網戸としての機能を果たしてねぇよ。しょうがないからエアコン作動。


 夕刻、ワールドフォトプレスのT君と国分寺で待ち合わせ。ラフ受け渡しを兼ねた打ち合わせ。来週からGW進行まで、少し仕事が立て込みそうだ。


 20時に別れて国分寺を後にし、夕食を食べながら讀賣新聞夕刊に目を通すと、常識者が一人として出てこない『牡丹と薔薇』でおなじみの脚本家・中島丈博インタビューが載っていた。
 大意だが、先生にとって恋愛神経をすり減らし性愛葛藤を生むやっかいなものだそうで。モノは言い様というか、やはり創作物は生産主を反映するとしか。

 恋、そして脚本家といえば、俺の愛するウィリアム・ヒョーツバーグサイトを発見。『レジェンド』マニアにはたまらないフォトもあった、ホレよ。






2004年4月11日(
キミ、『完全なる飼育』に手が行く気持ちはわかるが、
今晩はその思いを横にある『七人の侍』に移せ




 しかしだな、現実逃避が単なる時間の浪費にすぎない、それを知る理性が何故『人間の條件』の第三部…いや二部あたりで自分を静止しようとしないのか。

「ダメだよね、そういう弱い心に打ち勝っていかないと」

 とテリー氏。世の中で一番、人に説教してはいけない男から人生について一席ぶたれ、胃もたれするくらいラーメンを食いたくなる。


 そういえば食事ついでに近所のTSUTAYAに行くと、黒澤明作品のDVDレンタルが開始されていた。
 ゲームだの食玩フィギュアだの、なりふりかまわぬ財産の叩き売りに黒澤プロの台所事情はいったい…の心配が心をよぎり、少し助けるつもりで借りる。とはいえ幾つかは所有しているので、未購入の『』と、クライテリオン版との画質比較のために『生きる』をレンタル。


 んで『生きる』の比較視聴。
 画質にそれほどの優劣はないが、目に見えて明らかな差はフィルム傷の有無。東宝ビデオ版はオリジナルネガの擦りに起因する縦傷がかなり目立つが、クライテリオン版はそれを可能な限りレストア。だが傷を極力拾わぬよう解像度を甘めにしているところもあって、例えば渡辺(志村喬)の遺影を飾る額のディテールなどは、国内版のほうがよく再現されてるんじゃないかと。他にも夕焼けを見た渡辺が「おお、美しい」と呟く逆光撮影シーンでも、東宝版は人物の目鼻立ちが判別できるのに対し、クライテリオン版は完全な影絵。どちらも一長一短というところか。

』は経年劣化というか、テレシネの段階で色彩補正している感じで痛々しい。
 でも本作、スピルバーグが『プライベート・ライアン』で、ルーカスが『SWエピソード1』で、そしてスコセッシが『ギャング・オブ・ニューヨーク』でこの映画の合戦シーンを模倣しまくってる経緯もあり、ちょっと確認程度が久々に本腰入れての視聴となる。そういや、ヤン・デ・ボン監督にインタビューしたときも、

『乱』のバトルシーンは映画史上最高だ。ボクもあの境地に達することが出来れば本望だ

 なんて答えてたなぁ。『スピード』や『トゥームレイダー2』のセンでそれ極められるかとうかはさておき、国内と国外でこれほど評価の温度差がある映画も珍しい。


 …仕事に戻ります。






2004年4月10日(土)
画像をふんだんに使いながらの現実逃避




 オレは仕事に煮詰まると「始めたら終わりが果てしなく遠い」現実逃避をする人である。今回も急ぐべき原稿からつい目を反らし、『人間の條件』DVDを第一部から見始めてしまった。


 ハハ、まぁそれはソリの合わない人と距離を縮めるためのウソなんですが、仕事から逃げたくなると、本当はポール・ウィリアムスの『サムディ・マン』を口ずさむのです。


ボクは生まれながらの気楽屋
ボクにとって人生は甘い休日


 ああ、癒されるなぁ。

 というワケでですね。今ちょうど第四部の中間あたり。
ソ連兵のシラミ潰し行軍の恐怖で、千秋実がクルクルパーになるところまで観てます。







2004年4月9日(金) 落城寸前



 朝、週チャンの原稿が届いていないと編集部・杉田姐より電話で起こされる。慌ててメールを再送し、チェックならびに打ち合わせ。今日は共に某アニメ作品の内覧試写に向かうつもりが、本日中に約8ページ分のレイアウトを切らないといけないので、君だけ屍を乗りこえて行って来いと指示。完成披露が今日だった『レディ・キラーズ』も後日だ。


 そんなワケで、短期集中決戦は戦場を変えてとばかりに、午後から近所のガストに移動。そこで作業がてら摘める軽食とドリンクバーを注文し、黙々と作業。
 ところがだオレ様、近くに女子高があることを全く計算に入れてなかった。2時をすぎたあたりから女子高生軍団がワラワラとやってきて、うる星でやんの!!
 おまけにドリンクバーだけで粘ることにかけてはプロフェッショナルな彼女達だからして、暗くなっても退散の気配すらない。やっと帰ったかと思うと、今度は夕食時で家族連れのビッグウエーブ! 


 それでも頑張って全てを仕上げ、満身創痍で帰途に就く。だが戦いはこれから。そこに載っけるテキストを週明けまでに全てオレが埋めるのだ。サトエリのインタビューも未だまとめてねぇし。あああ……。





2004年4月8日(木) 労働の人




 フィギュア王、エルマガのインタビュー記事、ならびに秘宝の残り原稿と週チャンの原稿をこの日で一気に脱稿。朝から夜までその作業のみ。仕事の話だけですまぬ。

 あ、ビデオでエアチェックした『鉄人28号』を観て、後は書店に行って「週刊アスキー」と、文庫化されたスティーブン・キングの『ザ・スタンド1巻(文春文庫)を買ったくらい。どっちにしてもつまらない話だ。それより何とかしてくれ肩こり。





2004年4月7日(水)
さよならジュピター、さようなら




 朝から仕事。進行状態の悪さに併せ、首から下が鉛のように重い。苛立ちがつのり、そのストレスが暴食に行く。ここ数日で確実に体重が増したか。まぁ、人口1万の村に10人越してくるようなものだが。


 Comodo Online Shopの半額セールに乗じて購入した『さよならジュピター』デラックス版DVDが届いたので、それでも観てハァと息抜きをするつもりだったが、再生してみて我が眼を疑った。

 まさかここまで薄ら寒さが漂っていようとは!

 日本特撮映画希望の星という、そういう一方的な思いが作品のネガ部位に遮幕をかけてたのかなぁと。そのうえでオレの脳内には別の『思い出さよならジュピター』というのがあって、そこには無重力セックスも宇宙連邦大統領も、ましてやイルカのジュピターもなかったのだろう。うー、劇場公開と同時にリリースされたビデオソフトを買った、そんな男の吐くセリフじゃないが。

 画質は経年劣化をかろうじてニューテレシネでカバーした感がある。昔の東宝ビデオ版は色調が全体的にブルートーンで、そこんところ雰囲気があったんだけど……いやこれは『思い出さよなら〜』じゃなくて。


 にしても本DVD、やはり特報が入ってないのが残念極まりない。これが収録されているとそうでないとでは、本編の価値は消費税分でしかない。






2004年4月6日(火)
BD師匠に感動の対面…




 明け方まで原稿に着手し、朝のニュースを少し見て寝る。10時半には起き、都内のホテルに向かう。


 そう、先週のサトエリに引き続いてのインタビュー取材。お相手は『ゴッド・ディーバ』のエンキ・ビラル監督

 オレにとってビラルは映画監督ではなく、やはりBD=バンド・デシネ(フレンチコミック)の巨匠であり、鼻血が吹き出るほど憧れのコミックアーティスト。それこそ高校時代、この人の絵柄にどれだけ影響されたか。あ〜「その成果がこれかよ」とか言うなっての。真面目な絵だって描くんだよオレは。

 あの線処理によるレリーフ表現に魅せられてフレンチコミックを俯瞰したとき、やはり鮮烈に映るのはジャン“メビウス”ジローのソレだが(昔のオレのペンネーム【ドリー・蛇臼】も、もともとはメビウスをもじったもの)、そこにダーケントな彩色とデッドテック・フューチャーの図像を持ち込んだビラルはさらに強烈だった。

 なもんだからして、柄にもなくド緊張マル出しのインタビューとなる。始終すっかり萎縮しきったオレはインタビュアーというより単なるボンクラなファンで、持参したニコポル三部作の日本語版(原書は実家なので、あわてて購入)にサインをせがむ。するとビラル師匠は恐れ多いことに、ホルスをスラスラと描き込んでくれた。よっしゃ! オレ様この眼でしかと見たぞ、その流麗な筆致をな!!


「ああ、高校時代のオレに教えてやりたい」と、渡辺典子のときと同じことをつぶやきながら中野へと移動。ワールドフォトプレスに向かい「フィギュア王」の特集打ち合わせ。今週から来週頭にかけて、すさまじいページ数の構成とテキストをこなさなければならない。ああ、浮かれ気分に暗雲モクモクと。

 
 自宅についてから、速攻で仕事を再開。途中、OTCの井戸さんと電話であれこれと話をし、今日からオンエアの『ウルトラQ dark fantasy』を視聴……とりあえずさ、宮内國郎のオリジナルテイスト爆発のスコアと、佐野史郎のナレーションが石坂浩二のトーンを踏襲しているところは良しとするべきなんだろうなぁ。





2004年4月5日(月)
あ、とうとう尻に火が!




 朝、起きて仕事場にこもり、週チャンのレビュー原稿と活版インタビューページのレイアウトをあげてしまう。

 それを速攻でメール&FAXし、電話で再度の打ち合わせ。話は流れに流れ、編集部・杉田姐とどちらかが『冬のソナタ』を観て、その中毒性を報告するという口約束を交わす。オレは大丈夫だとは思うが、彼女がベ・ヨンジュンのオバサマみたいになる可能性も考えられるワケで。ちょっとトラップが大きいなぁ。


 昼食と現金をおろしに外出、ほどなく帰ってきて、映画秘宝とエルマガジンの原稿、そして明日のインタビューのレジュメを作成。仕事の鬼にならざるを得ない状況。ケツについた火がメラメラ燃えてる。


 余談だが、映画関係者の皆さん、ココ意外と目を通してらっしゃるのだなぁ。今日も今日とて配給会社の制作室某氏から
「○○の○○に関する件、お褒めにあずかり光栄です。ぜひとも弊社作品にご助力を」
 と、わざわざメールを頂戴してしまった。字義通りに受け取っていいのか微妙だが、すいません、いつもいつも勝手を書き散らしたり、映画のことそっちのけでオッパイだの胃液吐く男だのと、イマイチ意図を解しずらいネタに走ったり。





2004年4月4日() 過去回想




 寒気もブリ返し、外は雨。家にこもって仕事だ仕事。それ以外の行動と言えば、食事に出掛けてビデオを返却した程度。程度がどの時間幅かという怪しい問題もあるも、まぁ、今日はそんなところですいません。


 そういえば、昨日書き漏らしたコレ。

 三鷹まで意味のない遠征をした我々だが、本当は府中刑務所に行き、三億円事件の現場見学をするつもりだった。いや理由を問われても「なんか行かないとバチが当たりそうで」としか答えられないのだが。
 ところがその道程で、なかなか前の車が進まずの立ち往生に巻き込まれる。するとテリーが、
「あれ、ひょっとして……」
 そう、ここはかの有名な中央線三鷹=立川間の開かず踏切。いや本当に大待たされ大会だったからウルトラ感動! 焼肉食べに行こうと気合い入れてたのに、ちょっと食前につまみ食いしたコロッケで空腹が満たされてしまった…という感じですかね。


 そして、この一週間で書き漏らして一番「しまった!」と思ったコレ。

ドーン・オブ・ザ・デッド』の本編終了後、配給である東宝東和はケン・フォリー、スコット・H・ライニガー、そしてトム・サヴィーニらの特別出演を、ご丁寧にクレジットで明記している。『ゾンビ』のリメイクであることを口ごもっているワリに、えらく気配り利かせてるなオイ!






2004年4月3日(土) 本日も反省の色ねぇ




 すいませんねぇ、いつもいつも昨日のオレが妄言を吐いてまぁ。


 でも仕事はしてますって。翌週のインタビューに併せ、話を伺う当該人物の作品を見直そうとビデオを探す…が見あたらず、仕方なく車でビデオレンタル店へ。

 しかしレンタル店に行っていつも思うんだけど、なぜ人はアダルトビデオを借りるとき、男性店員がレジ打ちをしているカウンターに並ぼうとするのか。隣のお姉さん店員のカウンターのほうが空いてるでしょホラホラ。
 心理はそりゃオレも男だからよく分かるが、別にそのお姉ちゃんと親しくなってお茶でも飲み行くワケでなし。エロキャラを通しとくと変な気ぃ使わなくていいからラクよ。オレは学生の頃、映画レンタルする店とアダルト借りる店を分けてたので、アダルト御用達店ではすっかりヘンタイだと思われてたよ

「たまには教養を深めるために、映画とか観たらどうですか」

 などとバイト君に説教され、『去年マリエンバートで』なんか差し出されたりしてさ。


 外出ついでに昼食でもと思い、そのまま車でスイスイ走っていたら、目の前には「ジブリの森美術館」が! あら、三鷹まで来てしまったのね〜〜!!
 
 昔、知人がここに住んでいた関係でよく訪れたのだが、足が遠のいて早10年。久しぶりに禅林寺近くに車を止め、三鷹商店街を駅に向かってさかのぼっていく。懐かしさのあまり「江ぐち」で中華ソバを食べてしまったよ。


 あ〜こりゃこりゃと、すっかり遠足気分で帰ってきて、20時から『犬神家の一族』を視聴。

 おいおいコラ、これ横溝の原作を通り越し、呆れるほど市川崑バーションがベースになっているじゃんかよ。ひどいところなんか石坂浩二をそのまま稲垣メンバーに置換しただけの、剽窃スレスレなカットもあらぁ。しかも琴の先生に至っては市川版と同じ岸田今日子だし。こういうの置かれるとオマージュとパクリの明白なラインが飛んでしまうので、それが狙いか、ん? ラストの音楽なんか『インデペンデンス・デイ』の丸イタダキで、そこんとこどう思ってんだフジテレビ!!


 どう思っているかを問われるべきはお前かと? いや、オレ明日はきっと仕事の……。






2004年4月2日(金) 仕事の鬼になる…



 はぁ、なんか昨日のオレがハタ迷惑なことを言ってますが、人間というの睡眠を挟んで日付が変わりゃ、昨日の自分は別の人。じゃあ夕べお前が友だちを殺して、翌朝起きたときに冤罪を主張するのかと。あのね、殺人と個人のデスクワークを同レベルで考えるなよ。仕事のほうが憂慮すべき問題だろ。


 快晴、ゆえに車の運転を少し。快晴ったって始めたのは夜だから何の天気ぞって感じだが、やっぱ左仕様は難しいよ。ライトつけるつもりがワイパーを作動させたりはギャグの範疇だが、車幅感覚がつかめず、何度対向車と歩道のおばちゃんを地獄へ導いたことか。身も縮む思いだ。


 夕食をとってから帰宅し、今朝届いたDVD−BOX『テオ・アンゲロプロス全集1』から、『旅芸人の記録』を視聴。
 なんか各所で画質最悪とクサされてたが、製作年度とテレシネマスターの状態を考えれば、それなりだと思うがなぁ。いったい何を比較対象として画質の悪さを叫ぶのか。アンゲロプロス級の映画にたどりつく人間なら、そのあたりにも理解が及ぶと思っていたのは良心的すぎる早合点。まったくアホや無知ほど声がデカいって感じで。


 寝る前に少し原稿。終わりよければ…みたいな強引な結びに軽い自己嫌悪を感じつつ、明日こそ仕事の鬼になろうと決意。






2004年4月1日(木) 病的に眠い




 朝、起きて階下に降り、郵便受けからあふれんばかりの郵便物を引っ張り出して寝る
 
 ふと起きだして週チャンのカラーPラフを切り、また寝る

 起きて仕事場でメールチェック。某所よりちょっと大きな仕事の話を持ちかけられる。これはちょっと心動かされたので、前向きに検討するメールを返送。もういちど寝る

 アレ? さっき仕事の話は、ひょっとして四月バカなのではと脳裏をかすめ、そんな不安を断ち切るために寝る

 耳かきをオーダーメイドで…寝る


 とりあえずこれで睡眠不足のツケを払ったことにして、18時に新宿へと向かう。
 アルタ横の三井住友前で待ち合わせをしていた週チャン・杉田姐と合流。そのまま「滝沢」に移動して寝る。違う、打ち合わせ。昨日のインタビュー記事をどう構成するかと、今後のラインナップの決定に至るまでを雑談交えつつ。杉田の男心をもてあそぶ、まるで鬼畜のような四月馬鹿ネタがツボにハマった。

 結局2時間ばかし話し込み、さくらや新宿店あたりで別れると、久しぶりに西新宿はビデオマーケットへと足を運ぶ。そこで何を思ったか寝るんじゃなくて、『イレイザーヘッド』LD(にっかつビデオ版)と『フェノミナ インテグラルハード完全版』LDを買って帰宅。どっちも800円という投げ売り価格を哀れんでの購入だが、『イレイザーヘッド』はちょっと仕事に使うかも知れない。

 仕事、そう、明日は仕事の鬼になる
         ↑
    これを読んで、明日のオレは孤軍奮闘するように。そして寝る






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