2004年5月31日(月) ビューティーズとバッタリ




 2年前まで関西圏で生活していた身として、この日のトピックは大阪よみうりテレビ中元綾子アナのご成婚でしょうよ。
 試写で何度かお会いしたこともあり、そんときゃ中野美奈子級に「実物のほうがTVで見る以上に可愛らしい」と思ったりもしたのだが、そりゃ土台が元アイドルですからして。

 しかし思えば、こっちに比べて関西アナのナマ遭遇率って、ホント数えるほどだったのな。せいぜいが同じよみうりテレビの脇浜紀子アナか、最近フリーになった関西テレビの梅田淳アナくらい。何やらウメジュン、元ABCの宮根アナとつるんでCMとか出てるらしいが、大丈夫かよ今後の展開。


 午前中はうだるような暑さと格闘しながら原稿に着手、午後イチで外出し、エイブルを訪問。現在住んでいる賃貸マンションの契約更新について、潰しておくべきところの諸問題を相談。これがなんとか無事クリア。


 上記が予定時より早くフィニッシュしたので、そのまま電車で銀座まで出掛け、東映第一試写室にて『シルミド』最終試写を観る。

 金日成暗殺の目的で育てられたゴロツキ兵士たち。だが暗殺は中止となり、証拠隠滅のために政府は彼らを抹殺しようとする……とまぁ、そんな感じで東映マークがまた絶妙に映える韓国映画。イイ顔したオヤジ揃い踏みの、なんだか競馬場近辺のメシ屋を思わせずにはおれないキャスティング。そしてアメリカン・ニューシネマのようなエンディング。とにかく、こんなクソ暑い日に観るんじゃなかったと。


 帰宅途中、歌舞伎町に立ち寄り、シネシティーに飾ってあるトロイの木馬を見学しに行く。
 故事にならい、路上生活者でも中に潜んでいるんじゃないか…と思ったら、なんだ、ちゃんとガードマンがいるのね。ついでに映画も観て行こうとしたが、タイミングのいい回がなくて断念。

 まぁ仕事も残ってるし、大人しく帰ろうと駅に行くと、券売機前で「こんにちは!」と、ギョロっと大きな瞳が印象的な女の子に声をかけられる。誰かと思えば葉里真央だった。おおハリマオ、ちゃんと覚えていてくれたんだ。微妙に好感度アップで『シナモン』もキチンとチェックしようと心に誓う。






2004年5月30日(
ノベライズ読んでも行動背景を解き明かせぬとは…




 現実逃避なのか研究熱心な職業意識の現れなのか、映画関係の書籍を固め読みした日である。


 まずは『ドーン・オブ・ザ・デッド』のノベライズ(竹書房・刊)をパラパラと。

 件のノベライズはジェイムズ・ガンの初稿から置換したもの。決定稿までにかなりテコ入れされたという話を耳にしていたが、実際に読んでみると、リライトによる大幅な変更点はあまりないことに気づく。
 
 トピックは、キャラの肉付けが映画の唐突ぎみな部分をキチンと埋め合わせているところか。
 例えば冒頭、ゾンビ少女ヴィヴィアンのアウトラインだが、彼女は両親が養育権を放棄し、祖父母に引き取られていることから、ゾンビ化した凄惨な姿はサラにドメスティック・バイオレンスを懸念させるミスリードなワケよ。
 またマイケルは車のセールスマンだから、交渉術に長けていることでショッピングセンター内のコミュニティをコントロールするし、ケネス巡査が厭世チックなのは、妻がゾンビと化し、息子を食い殺された現場を見ているからだったり。

 それでも映画の後半、突然ヒーローになるCJの心変わりは、この小説版を読んでもイマイチ判明できず。どうもガードマンという職業意識がそうさせたらしいが、なんだその「カレー屋だからカレーが好き」みたいな解釈は。


『ドーン〜』を一気に読み終えると、そのまま今度は『ザ・ゴッドファーザー(ソニー・マガジンズ刊)に目を通す。

 先日ちょうど『くたばれ!ハリウッド』を読了した流れもあって、この『ゴッドファーザー』のビハインド本もなかなかに面白かった。
 約400ページ中、およそ300ページ近くを第一作目の『ゴッドファーザー』に充当しているが、特に『フランシス・コッポラ』(ダゲレオ出版)でサラリとしか触れなかった「誰が最終的に本作を編集したのか?」に関する経緯を要約は、その状況を「我が厄災」と言っていたロバート・エヴァンスの言い分が、それほど我田引水でもないことに感心したり。

 そういえば、先に挙げたダゲレオのコッポラ本も400ページの大著だが、100ページさしかかるあたりから、もうコッポラが借金生活をしているところが泣ける。






2004年5月29日(土) 冬ソナ初体験




 次週の喧騒をなんとなく思うと、それこそ今週はおだやかな週末を過ごうかな……と。そんなワケで、久々に自炊なんぞ。しめじとタマネギ、豚ロース肉で和風ポークソテーを作る。


 それを夕食にしながら、話題の『冬のソナタ』を初めて視聴。

 しかしどうだろうこのドラマ、すごい一見さんお断りオーラを発していて、人間関係が全く分からない。それでなくとも「日本語アフレコ、けど画面に映るのはアジア人」という違和感に慣れないことが、この世界に入り込めない最大原因かと。


 深夜、近所のビデオレンタル店のDVDレンタルコーナーにごっそり新藤兼人の作品が置かれたので、とりあえずと借りた『裸の十九才』を視聴。

 永山則夫の連続ピストル射殺事件をモティーフにした“マーダー・ケース映画”も、今に改めて観ると『怪奇大作戦』の「かまいたち」と絶妙に重なることに気付く。同時代性というか、作品は好きだけど乙羽信子のヌードをどう視界から外すかに、見るつど苦慮する映画でもあるなぁ。






2004年5月28日(金) 小僧寿し(オレも)



 いろいろネガティブな伏線が、ここんとこギリギリと機能し始める。人間万事塞翁が…というか“弱り目に祟り目”だなこりゃ。不幸に強いオレもさすがに気落ちする。


 ゆえに試写に出来る気にもなれず、家で文字稿チェックをし、外出といえば郵便物を出しに行ったりクリーニングなど取りに行ったりの緩慢な午後。

 そのうち友人M氏から電話が入り、一緒にメシでもというのでテリーを呼び、皆で近くの回転寿司へ。まぁ喰ってしゃべってる間は気も晴れるが、本調子でないので皿も余りかさまない。それでも3千円近くの出費で、コストパフォーマンスの悪さに辟易。こういうときに甲殻類ばかりで魚類をほとんど食わないテリーさんは、ミナス・ティリスの城塞のように皿を積み上げていながら、恐ろしいまでの安上がりを実績。


 帰って原稿にも着手せねばと思うも、なんか別なことを探してはそっちに気を持っていく、まさに試験勉強中の部屋掃除状態。

 しごく内輪な私記なれど、映画情報提供ダイアリーとしての機能も心がけているドリー版。まぁ、こういう空振りの日もあるということでスマン。





2004年5月27日(木)
ひと足お先に『ハリー・ポッター』




 午前中に週チャン原稿を仕上げ、都内へ。新橋のワーナー試写室にて『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』内覧試写を観る。


 ロン、おっさんになっとるやんけ!!
 主要キャラ、それぞれ実年齢との齟齬が出てきたのは囁かれていたが、どうもルパート・グリントが最初にシリーズさよならくんになりそうな、そう思わせざるを得ない露骨な声変わり&ホワイト・トラッシュ然とした容姿。作品は嫌いだけどお前は好きだったのに…。

 しかし監督が代われば画も変わる。『バットマン・リターンズ』が

「シリーズ中で最も暗い。本編で明るいシーンは冒頭のワーナーマークだけ」

 と冗談めかして言われたように、本作もシリーズで唯一、カラリングが渋くブリーチバイパスで抑えられ、ビジュアルトーンが寒々しい。前2作ではあまり見られなかった手持ちカメラも多用され、キュアロンが世界観をリアルに描こうとしているのが分かる。

 当初は『キル・ビル』のように2部上映されるのではとウワサもあったが、完成してみればシリーズ中いちばん短い2時間22分。『ドラえもん』で言うところの「白ゆりのような女の子」みたいな話だけど、オレは楽しんだ。


 見終わってから新宿に立ち寄り、某氏より頂いたHMVのポイントカードで『くたばれハリウッド』と『少林寺三十六房』のDVDを入手。帰って見ようと思ったら、雑用に次ぐ雑用でアっという間の就寝時間。文面だけとると密度の薄い一日みたいだが、変に忙しかったのだよ。




2004年5月26日(水)
ひと足お先に家で『王の帰還』




 遅めの起床。メールの返事やら物品輸送のため郵便局に行ったりとバタバタ。


 午後は届いた『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』の北米盤DVDを観賞。どうせ国内版が出たら出たで買うんだからと、ダブって持て余すことのないようにフルスクリーン・バージョンを購入。本作はフィルムフォーマットがスーパー35なので、TVのスタンダードサイズにアスペクト比を調整することができるワケだ。

 でも、所詮DVDは劇場観賞の追体験でしかない。というか、ピーター・ジャクソンのスクリーン・アプローチはやはりスコープサイズで、スタンダードの画角だと両サイドに窮屈な印象を受けてしまう(まるで覗き窓から見ているような)。違和感を覚えないのは人物のバストショットとミディアムショットだけ。

 お楽しみの「スペシャル・エクステンデッド・エディション」の告知映像は今回なし。
 ちょっと感動的だったのは、トリロジーをまとめた長いトレーラー。これを見ると、本シリーズが80年代以降、極めて生まれにくくなった『アラビアのロレンス』クラスの大マスターピースであることをジンワリと感じるね。


 下の写真は、DVDに封入されていた『ロード〜』関連商品カタログから。このブックスタンド、ちょっとヤバイくらいに欲しくないっスか?









2004年5月25日(火) マッハさん




 午前中はカラーPの構成ラフに着手し、それを握って恵比寿へ。

 恵比寿駅改札で週チャン・杉田姐と合流し、配給会社のクロックワークスへ移動。ここで先日観た『マッハ!』の主演、トニー・ジャーにインタビュー。

 映画の中では衝撃的なムエタイ・アクションも見せるトニーも、織田裕二をさらにクドくした見た目のように爽やかで、物腰のやわらかい好青年。やわらかすぎてカマっぽい印象を微妙に匂わせ、なんだか『アタック・ナンバーハーフ2』の取材に来たような錯覚に。配給も一緒だしよ。


 終了後は恵比寿駅のでメシを食いながら打ち合わせ。杉田から

「佐藤江梨子のインタビュー、反響すごかったですよ」

 と聞かされる。実際売り上げも良かったようで、一端として関わったことに自負を感じる。

「特にサトエリが撮影中、銀行のトイレを借りたところに反応したみたい」

 …さすがは週チャン読者、食いつく場所がそうくるか。


 杉田と別れ、恵比寿に立ち寄ったのならとOTCへ。話題の中心はテリーのこと。『燃えよドラゴン』で共演したブルース・リーの話ばかり求められるジョン・サクソンの心境になる。いいなぁ人気者は。





2004年5月24日(月)
スチームバンクな『愛の街角二丁目三番地』




 東宝試写室にて『スチームボーイ』を観る。

 バンダイ・デジタル・プロジェクトのゴースト、ついにその完成を目の当たりにする。押井の『ガルム戦記』は轟沈したけど、かろうじてこっちは残った大友ロケッティア。

 感想はテリーが記しているものに同調するし紙媒体で書くので、ここでは控えめ。大友の不幸はマンガ家としてなまじ画力があるのと、アニメ版『AKIRA』のカルト評価によって「ジャパン・アニメの旗手」として担ぎ出されたこと。その空間表現も映画チックなコマ運びも、そう、フィールドがマンガだったから凄いんであって、映画に移れば凡庸な演出家なのだ。

 まぁ、そのへんの特性がもろに出たのが今回の新作かと。それでも「病的なまでに精緻なディテール描写」「後半部のテッテ的な暴走と破壊」「やけに初期短編のテイストが匂う」ところは、ムダに9年が費やされてなかった。


 実はオレ、そんな大友氏のインタビューを画策していたのだが、アニメ界のカーツ大佐はプロモーションの表舞台にまったく顔を出さなくなったせいで、二転三転したあげくの却下。宣伝担当に
「大友さん、相変わらずプロモーションには消極的なの?」
 と訊くと、
「はい!」
 という快い返事が返ってくるくらいで、もはや処置なし。





2004年5月23日() 焼きそば休日




 午前中にやたら荷物が到着し、ぴくぴく半ボケの状態のまま宅配便職員と対応。


 うち、ブエナビスタから届いた『キング・アーサー』の資料にザッと目を通す。あー、もうテキスト資料の圧倒的少なさに頭を抱えながらですよ。
 アーサー王伝説を『グラディエーター』仕立てにしたジェリ公お得意のイベントムービー。超大作と銘打ってはいるが、キーラ・ナイトレイの名前がトップに来る映画の、どこが大作なもんかよ。


 それから同じく届いた『マッハ!』サンプルビデオを視聴。
 本作はタイのVCDで既に観ているが、主演のトニー・ジャーに翌週インタビューをするので、とりあえずの措置。内覧をことごとく見損ねたことを悔やむ。


 夜、ローソンで購入した企画ものインスタント焼きソバの食べ比べをする。レトルト具材が違うだけでベースは同じだが、焼きソバ好きとしては避けて通れない何かがあるのだ。おかげでタチの悪い胸焼けに苦しむ。グェ!


  


 この中で一番うまかったヤツのご当地に行き、モノホンを食おうという題目があったのだが、そういうことを提言すればしたで、これが一番遠い横手(秋田県)の焼きソバがうまかったりするんだな。どうするんだオレたち、富永一朗漫画館を制覇する件だってペンディング状態なのに。






2004年5月22日(土) 散財だけの誕生日




 はい、不肖ワタクシ、本日をもちましてスタンリー・キューブリックが『2001年宇宙の旅』を撮り始めた歳とタメになりました!

 ちなみに当方と同じ誕生日の著名人はココの通り、なんとも業の深いメンツ。あ、載っていない人だと、我らが唐沢俊一師匠、そして庵野秀明原史奈といった名が挙がる。


 誕生日……さりとてパーティなどの楽しいイベントもなく、故障した自家用車の修理で丸一日がパーときた。

 そりゃ、ダメになったルノーの同型部品を有する修理工場が、自分の住む場所から半径10キロメーター以内にあっただけでもハッピーバースデー効果なんだろうけど、赤貧あらうが如きテリーに修理代など捻出できるはずもなく、結局オレが身銭を切るワケだ。さすが拙のお袋が亡くなったときも、あまりの貧しさに香典も出せなかった頼もしいオバQですからして、これしきのことギャグとして受理できなくもないが。

 まぁ、無事に車も直ったし、国立のディスクユニオンで探していた『ブラックサンデー』のLDを300円で入手できたし(未だに国内じゃDVD化されねぇ、クソ!)、おめでとうオレ様
 

 結局、この日「おめでとう」の一言があったのは、オレの誕生日を覚えていてプレゼントまでくれた旧友のM嬢と、間の悪いことに休みに業務連絡を伝えに電話してきた週チャンの杉田姐さんだけ。あれだけ世話になっているテリーすら、

「あー、なんかそうだったような……ところでタバコくれ、ラッキーストライクのソフトをワンカートン

 うん、さすがはオレのお袋が(以下略)






2004年5月21日(金) 病み上がり




 昨日、少しムリをして試写に行ったこともあり、昼まで死んだように寝る。だがやはり人間、一番の良薬は睡眠だよ。眠気が完全に切れるまで寝たらカラリと熱も下がり、作為的かと思うくらい誇張ぎみの鼻声以外は健常に戻ってきた。


 病み上がりがまず最初にする労働は、仕事場の東映カレンダーを4月から5月にめくる作業。もう何日だってこともない。本来の機能をまったく果たしていないばかりか、どうせそうなら7月の麻生久美子まで先走ってビリビリやっちゃうかなどと苦悩。


 電話で各社、原稿締め切りの調整。来月、渡米で上旬まるまる拘束されるもんだから、できる原稿は今月中にあげてしまっておこうという算段。帰国してから取りかかるということだけはゴメン被りたい。そんなの自分の心がけひとつだけど。

 そんな中で、映画秘宝編集部・大内軍曹との会話。

「新作レビューどうしようか?」

「今月はタマが少ないですねぇ」

「そういえば『ゴッドファーザー デジタルリマスター版』観た? オレ昨日『丹下左膳』観たよ」

「こっちは『セイブ・ザ・ワールド』観ましたよ」

…リメイクにリバイバルばっかじゃねぇか!


 夜、ムラウチから届いた『男たちの挽歌<デジタル・リマスター版> DVD-BOXを視聴。
 すごいな、どの作品もフィルムずれやダストノイズがほとんどない。ネガに起因する荒粒状態のみ考慮すれば、充分なレストアだ。5.1ch音声も、メディア・アジア発売時代のいわゆる「疑似サラウンド」ではなく、きちんとそれぞれのトラックに効果音を回したもの。気合いが入った商品だよ。





2004年5月20日(木) アメリカD1計画・D2計画




 不調だからといって、いつまでも家に籠もっていられない。というわけで午後から試写にでかける。


 まずはUIP試写室にて『モナリザ・スマイル』。

 厳格な女子大(実質は良妻予備校)に赴任してきた新米美術講師が、女学生たちの意識にささやかな変革を投じるストーリー。学園モノとしては、それこそ過去に何度観たのか分からないウルトラ黄金パターンで、貶しどころもなきゃ褒めどころもない。そもそもがオレ、主演のジュリア・ロバーツと同い年という以外に何の親しみも感じないしなぁ。
 まぁ、性根の悪さをツラに滲み出している、キルステン・ダンストの憎まれ演技くらいは褒めてあげようかと。


 終了後、そのまま編集部に戻らねばならぬ週チャン・杉田姐と別れ、有楽町マリオンへ。日劇1にて『デイ・アフター・トゥモロー』完成披露試写。

『パトリオット』、あ、いや『ID4』に毛が生えた程度に感心できれば…と思っていたら、意外とよろしい作品でないかと。
 どんなに批判されようと、やはり継続は力。大状況を束ねる演出の場数を踏んできた、その力量をまざまざと見せつけるエメ公エメリッヒ・スペシャルだ。なにより『日本沈没』+『復活の日』を思い起こさせるストーリーが、和製パニック・ムービーに浸ってきた己れの内にカッカと火ぃつけるぜ。イアン“ビルボおじさん”ホルムなんか、まんま『妖星ゴラス』の田崎潤だしよ。

 そういえば来日記者会見のとき、エメ公エメリッヒに、
「あなたにとってパニック映画の教科書となる、偉大なマスターピースは何?
 と訊いたところ、
『ポセイドン・アドベンチャー』だ。この映画にも、あの作品の要素が散りばめられているよ
 いや、本当に登場人物が随所で生きるための選択を迫られる、まんま『ポセイドン〜』だったので、ちょっと感心した。

 デザスター描写の数々は、以前フッテージを観たとき簡単な感想を記したものの、やはりニューヨークの洪水描写に尽きるだろう。自由の女神を呑み込む津波や、ビル間を蛇行する濁流の流体力学が驚愕モノで、今さらながらに、
「ああ、特撮はCGによって“水とミニチュアのスケール率”の呪縛と難関を超えたんだなぁ」
 と、ホロリくらぁ。

 そういやハラルド・クルーサーの音楽が、20分のフッテージにテンプトラックとして付けられていた『シン・レッド・ライン』にそっくり。こういうの、作曲家的に気の毒な感じもしたが。


 映画が終わり、一緒になった開田裕治画伯とあやさん、そして宣伝部のHさんと話をし、特撮ライターの野沢さんと帰りの車中で名刺交換をして帰宅。





2004年5月19日(水) 体ガタガタ




 朝起きたら、口中と舌の横にイヤな異物感。ありゃりゃ、風邪で腑も荒れたっつーことで口内炎かよ。

 それだけならまだしも、ようやく左足の負傷が完治したと思ったら、今度は先日買った書棚の組立作業中、パーツに蹴つまづいて左親指の生爪をザクッと剥いでしまう。ガァアアアア!!! これがもう痛ぇなんてもんじゃない。大の男が軽〜くワカメちゃん泣きなんぞカマしてしまう。


 相変わらず熱っぽく、咳もおさまらず鼻づまりに苦しみ、腹具合も悪い。不摂生と健康管理不行き届きのツケがまわって重症の身。こりゃ仕事にならんと、週チャンの文字稿チェックのみ行ないベッドに潜り込む。


 横になって小川洋子博士の愛した数式』(新潮社)を読む。アッと言う間の読了。

 80分しか記憶を保てない『メメント』状態の老数論学者と、息子を持つ家政婦との交流を描いた本作。確かに『世界の中心で、愛をさけぶ』『天国の本屋』と、泣かせ効果で集客もくろむ映画界が狙ってそうな小説というか。
 数学が人を結びつける…そんなディテール描写のマジックが、主人公の心模様と変化にふっくら肉付けをしていく過程は見事で、ロジカルに世界が描かれていると思う。だがあまりに器用すぎ、作中のキーキャラクターである江夏豊に作者がどれほどの敬愛を抱いているのか、エモーションに響いてこないところもあり微妙。
 

 作者は映画化の際、キャスティングに特にこだわりはないとインタビューで答えているが、しからば自分なりに考えてみる…と、いつのまにやら就寝。





2004年5月18日(火) スネークと呼べ!




 朝、不快感を覚えながらの起床。咳止まらず。


 仕事部屋に向かい、週チャン用に昨日観た『セイブ・ザ・ワールド』の原稿を打ち込む。ほどなくして編集の杉田姐より電話。文字数変更とキャッチ要求。彼女も風邪を長患いしていて、周りにえらく病者が多いことに驚く。


 脱稿の頃に海外から郵便。『ニューヨーク1997』の2枚組スペシャル・エディションDVDが届く。

 このDVDの白眉は、スネーク・プリスケン(カート・ラッセル)が逮捕されるまでのロストフッテージが映像特典として収録されていること。米ワイドスクリーン版LDには、その一部分がカーペンターのヴォイスオーバーで紹介されていたが、今回はフル収録。カーペンターも音声解説で言及しているが、総計7分半の長いシークエンスだし、何より世界観をまず説明しておかなければならない映画だけに、まぁカットはやむを得ないかと。

 本編の画質は国内版と大差ないが、5.1chにディスクリートされたサウンドが秀逸。写真は封入されていたコミック「スネーク・プリスケン・クロニクル」の縮刷バージョン。表紙はバカ臭が漂っているが、アメコミナイズされたスネークもなかなか悪くない。

 
 夜は少し熱っぽさを感じ、早めにベッドに。ところが早すぎて深夜に目が覚め、そこからはボーッとしたまま朝まで。泣き言を繰り出すキャラではないが、独り相撲とはいえ、ここんとこ心労も重なったしなぁ。





2004年5月17日(月)
今度はあなたがそう言われる番ですよ




 体調、これがおびただしく悪し。


 今日はメディアボックス試写室に行き、『ゴッドファーザー デジタル・リマスター版』のフィルム上映試写を観るつもりだったのだが、ときおり襲う咳の連射を、はたして観賞中にこらえることが出来るだろうか……という不安もあり、やむをえず見送ることに。『PART II』も併せて劇場公開されるが、マスターネガからデジタルでブラッシュ・アップしたのは今回の『1』だけなので、少し後悔が残る。


 出掛けないなら、それはそれで細々とした用事に身を削る。


 仕事部屋の本があぶれ始めたので、近所のホームセンターに行って新しい書棚を購入。車が故障しているので配送してもらおうかと思うも、大の男が2人もいるんだぜとテリーを扱き使う。2人でかついでるフリして、後ろで饅頭食ってたり。バラクーダのベートーベン鈴木みたいに。


 夜、原稿を書くために『セイブ・ザ・ワールド』をサンプルビデオで視聴。

 堅気の医者が、娘の婚約者の父親であるCIAエージェントの騒動に巻き込まれるスパイ・コメディ。これで『あきれたあきれた大作戦』のリメイクだと気付いた人はすごい。
 ポール・マッカートニーの別テイクやアルバム未発表曲がサントラに収録されているということで、音楽マニアから「ポールのレアトラック集ムービー」と呼ばれていたが、正直そこくらいしか褒めるポイントに乏しい。う〜。

 ネガ編の女王・南とめ女史に三橋達也と、立て続けに映画人の訃報。三橋達也はなんといっても『天国と地獄』権藤の側近・河西が絶品だったね。というワケでタイトル。






2004年5月16日(
梅雨入りの前兆、体調もすぐれず




 昼に目が覚める。どうも風邪が悪化したらしく、熱も頭痛もないが咳き込むうえに変な汗をかいていた。


 こんなときは大人しく療養。ならば先月に大量入手したLDでも見るかと思い、手に取ったのは『オズ』。

 最近じゃ『コールド・マウンテン』で久々にその名を耳にした、音響・編集なんでもござれのウォルター・マーチ初監督作。昨日の日記で触れた『大いなる幻影』のオリジナル・ネガの修復とニュープリント作成に関わったのも彼。
 じつは本作、初めて観たのは海賊版ビデオ。あの頃はアメリカで既にソフトが出ている作品の字幕入り海賊版が盛んに出回っており、『ドラゴンスレイヤー』や『ターミネーター』なんかもそれで観たという人は多かった。

 ということで18年ぶりの視聴。うわ凄いよなぁ、昔はこんなビデオ3倍レベルの画質でもソフトとして商売できたんだから。しかし、美術もハイセンスで物語も小味が効いているのに、『オズの魔法使い』の存在だけで負け戦を強いられた感アリ。今見てもノーム王のクレイメーションは至芸なのに、国内では未だDVDがリリースされないことも含め、つくづく不遇な作品だと思う。


 夜は寝室に籠もって本を読んでは寝るを繰り返し、NHKスペシャル「疾走 ロボットカー 〜アメリカ軍の未来戦略〜」を見る。

 アメリカ軍が開発を予定しているという、ロボット装甲車のデモCGがインパクト絶大。悪路で横転して逆さまになったと思ったら車体がググッと持ち上がり、ボディ中央の運転部がクルリと回転して体勢を整えるのだ。カッコイイ!! だが現時点での問題は、障害物などを情報解析して運転に反映させるその処理速度ということで。
 番組では自国の兵士を殺せないという戦争の抑止効果を、コンピュータによる無人兵器が破壊することの危険性をひたすらに唱えていた。


 深夜、試写案内をPDAに入力しようと思ったら、バックアップ用のバッテリーが消耗していて、機械が交換を要求。こういうときに限って手持ちの現金がなく、ATMもメンテに入っていて朝まで引き出しは不可。






2004年5月15日(土) 未見DVDを消化




 なんか週初めから週末までの、妙に長い一週間だった。そして来週は、また余裕のない一週間になると思う。しかも風邪気味。だから今日は大人しく、家でレンタルしたまま放ったらかしのDVDを視聴。


 まずは『大いなる幻影』。「なぜ今になってジャン・ルノワール?」と問われてもアレなんだけど、これって長い間オリジナル・ネガの紛失した作品としても有名でして。

 そう、第二次大戦時、パリ駐留のドイツ・フィルム・アーカイブス保管人がベルリンにオリジナル・ネガを移し、ベルリンを占領したソ連軍が自国のフィルム・アーカイブに転送。それが1997年になって発見されたという次第。このDVDはそのネガから起こした映画史的意味の深〜いニューマスターなので、ちょいと確認をと思ってのレンタル。

 とはいえ、この映画を初めて観たのがバカ高校生のときで、それもNHK教育の世界名画劇場だったので、旧来バージョンの画質がどうだったかなど記憶も相当に曖昧。比較視聴と言うには心許ない。


 引き続き、やっとDVD化された『ほえる犬は噛まない』を視聴。

 今さらの初観賞に今さらの感想は気後れの極みだが、作家の呼吸リズムにキッチリ連動しているビジュアル術とカッティングセンスが、カラックスの『汚れた血』やスパイク・リーの『シーズ・ガッタ・ハブ・イット』を観たときと同じ気分にさせる。団地の空間表現も見事で、デ・パルマのセンで『童夢』がアリだったなら、ジュノ、あんた『童夢』やらないか? コミックマニアなんだし、いちおう『殺人の追憶』でそういうジャンルのストロークも踏まえてるんだから。

 そういえば、先日友人から送ってもらった荷物の中に「ホット・チリ・ペーパー」のバックナンバーが山ほど同梱されていたのだが、2003年9月号に載っていたペ・ドゥナのインタビューによると、彼女がこの映画でイモっぽく見えるのは、
モデルなので何を着ても見栄えが良くなるから、仕方なく特にダサイ服装をチョイスした
 からとのこと。あ、そういえば『下妻物語』の土屋アンナも、同様のことがプレスに記されていたな。ぜいたくな悩み。






2004年5月14日(金) 話題作りは分かるけど




 明けの午前5時に寝て、8時に起床。密度は濃いが圧倒的にブレインデッドな睡眠から目覚め、都内に移動。アニメのアフレコ現場で有名なアバコスタジオに向かう。 


 今日は映画『サンダーバード』日本語吹替え版の収録にお邪魔し、V6のアフレコ取材。 ……どうでもいいが、前回のソフィア・マイルズといい今回のV6といい、本来あるべきサンダーバードの立ち位置からどんどん遠くなっていく自分に呆然。

 基本的にTV媒体中心の話題提供なので、雑誌媒体の待遇悪しは承知のうえだったけど、ムダに時間は押すわ誌面的に使えるコメントはないわで処置なし。ならせめて吹替えキャストでも知っておこうと思ったら、まだキャスト表が用意されてなかったし。ペネロープが黒柳徹子だったら笑うが、それならこの時点で話題になってるだろ。

 トピック? そうだなぁ……メンバー各々がトレーシー兄弟それぞれの役を担当する中、ビル・パクストンの声を担当するリーダー(坂本)が、そこんとこ突っ込まれるというお約束を死守。それと岡田“ぶっさん”准一の
「(出身地の)大阪はサンダーバード再放送が盛んなところだったので」
 という原体験コメントくらいか。


 しかし、さすがは恐るべきジャニーズ。正門前にはどこから嗅ぎつけるのか、出待ちのジャニヲタ姉ちゃんたちがワンサカ。
 そういや長澤まさみにインタビューしたときも、出待ちのオッさんが相当いて驚いた記憶があるが(そこが彼女のオヤジキラーたる所以)、彼らに話しかけて聞いたら、
「タレントのスケジュールは、プロダクションに確認したら普通に教えてくれますよ」
 と。そこから陸軍中野学校レベルの情報収集力で場所を割り出すのだろう。好きなモノにかける真摯な姿勢、怠惰に日常を過ごしがちなオレは大いに学ぶべきかと。


 取材が終わって帰る途中、車が突然不調を訴え始める。
 いくらキーをかけでもエンジンがかからず、ボンネットを開けたらゴムの焦げ付くような異臭とともに煙がモクモク。セルモーターが焼きつけを起こし、あえなく轟沈。
 JAFを呼び、レッカーで牽引してもらい自宅に帰る。あ〜あ。





2004年5月13日(木) そのタイトルじゃあ…




 昨晩、飲んだお茶が気管に流れ込んで大咽せし、それからというもの喉がイガイガしい。ところが前述との因果関係はなく、どうも風邪のひき始めが原因のようで、ヤベぇや。


 とりあえず午前と午後の境目に都内へ。メディアボックス試写室にて『箪笥(たんす)』を観る。

 2人の姉妹が、ソリの合わぬ継母と怪奇現象とのバッドテイストに苦しむホラー。スピルバーグがリメイク権買ったのを煽り文句にしているが、試写室を出てドラマの記憶を引っ張り出しながら、500歩ばかし進んだところで、
ああ、そういう構造か
 …と思うようじゃ、そりゃ“作り手だけがトリックに酔ってる”とか言われても仕方ないだろう。あと妹役のムン・グニョンが変に可愛い。

 しかし『四人の食卓』といい本作といい、他にいい邦題がなかったのかよ。いくら作品のキーアイテムだからといって、その字ヅラじゃ“コリアンエロス”みたいで恐怖のイメージに乏しすぎ。


 試写室を後にして東京駅方面へと向かい、大丸百貨店に行く。12Fの大丸ミュージアムで開催中の『ハーブ・リッツ写真展』を見る。平日の昼間ゆえにオバハン多し。というかオバハンしかいない。オレの好きな「エクスクワイア」のクリント・イーストウッドが展示されてなかったのが寂しい。


 陽のあるうちに帰宅し、週チャン・杉田姐と電話で打ち合わせ。『箪笥』の概要を説明する代わりに、レビュー対抗馬になっている『友引忌』の話を聞く。


 夜は急を要する書類送付や不在時の荷物やらを受け取ったりと、煩雑なことをそれなりに。






2004年5月12日(水) 久々の試写




「フィギュア王」編集部に朝イチで残りテキストを送るはずだったのが、大寝坊して気が付けば昼直前。かなりあわてて着手、アッという間に脱稿。火事場のなんとやらだが、こういう速攻性をなぜ常に維持できないのかと自問。


 試写も滞りぎみの最近、これではいかんということで午後は都内へ。それ以上に、TSUTAYA新宿店に立ち寄ってビデオを返却せねばならない。ここ最近出てなかったから、ビデオ返却の機を失い9日間も延滞してしまった。こんなことなら最初からDVDを買えばよかったんだよ。


 新宿に行ってビデオを返した後は、六本木に移動。ギャガ試写室にて『コンクリート』試写。自分の物見高さを露呈するようなチョイス。

 ネットに巣食う“姿なき良識屋”の上映反対運動で、劇場公開が見送られた問題作。てゆか、お前らも無粋なこと言うなっての。センセーショナルな題材にセックス&バイオレンス、そういう要素で観客の興味を煽る「エクスプロイテーションVシネ」。それはそれで商業原理に適ったものなんだから。
 物語が現代に置き換えられているのは事件への配慮というよりも、単に低予算だからヘタな時代再現は金がかかるというだけのこと。少年犯罪がクローズアップされる現代とのリンクなんて大義名分。そういうメッセージ性は、冒涜とか言われるのを軽く交わす程度にしかコーティングされてないしさ。

 まぁかくのごとし性質の作品なんだからと、割り切った“身の丈目線”で観てたので別に憤りもなく、むしろ日常=フィックス、暴力シーン=手持ちというドン詰まりな演出力で、この監督はどこへ向かおうとしているのかが気がかり。

 暴力描写の程度? ビデオ安売王の『女子高生コンクリ詰め殺人事件』と大差ないなぁ。あの作品、ゆずの北川や篠井英介、斉藤暁が出演していたということで話題が蒸し返されるけど、オレ的には『勝手に!カミタマン』のネモトマンこと岩瀬威司が出てたことが大ポイント。


 帰りに六本木交差点のあおい書店で『緑衣の鬼 江戸川乱歩全集 第11巻』(光文社文庫)と『百鬼園日記帖 内田百間集成20』(ちくま文庫)を購入。この2シリーズ、ここ数ヶ月でウチの近所の書店じゃめっきり入荷数が減り、今月に至ってはどこも置いてなくて買えねぇでやんの。


 帰宅後、あれこれメールやら電話やら。渡米の予定が翌月にズレる。






2004年5月11日(火) 泣きながら仕事



 午前中は「エルマガジン」の原稿をあげてしまう。
 
 途中、『マッハ!』の件にてドラゴンキッカーより電話。来日インタビューの話だが、あちゃ〜日程悪し、そのときオレ日本にいないって。


 午後は「フィギュア王」のインタビュー原稿のまとめにかかるも、遅々として進まず。それでもなんとか夜の『トロイ』完成披露試写に間に合わせるためと頑張ってみる。しかしギリギリのところで間に合わず、結局『トロイ』を観ること叶わず。


 途中、FAXインクが切れてしまったので購入に外出。ついでにとダイエーでコントレックス数本にスティーブン・キング『ザ・スタンド』(文春文庫)の2巻を購入。


 夜、自分たちのした軽はずみな行為が、ひょっとして人間関係をブチ壊しにしてしまったのでは……という思いに頭を悩まし、かなり気落ちする。






2004年5月10日(月)
いくら体調不良を訴えたところで



 そこはフリーランスの哀しみ。自分の仕事を他人が代わりに請け負ってくれるでなし。え、そういうときのコンビじゃないかって? うーん、テリーはQちゃんだしなぁ……。


 午前中、フィギュア王の連載項とインタビュー項の追加原稿を脱稿。返す刀で唐沢俊一さんのところに電話。無沙汰を詫び、ちょっと相談事を。
「スケジュールさえ合えば全然オッケーだよ」
 と快く了解を頂くが……はてさて構成等は後で考えるとして、まずは逃げられない状況を作ってしまうことか。


 電話入れ替わりで週チャン・杉田姐と打ち合わせ。ローテーションと幾つか紹介作品のチョイスを。なんか彼女、GW中に『冬のソナタ』にトライしたらしく、

ヨン様、あの茶髪はちょっと……

 キミ、そんなこと韓ドラジャンキーのオバハンに面と向かって言うてみ。すごい殺人チョップが飛んでくるんだぞ。


 午後は近くのファミレスで缶詰になり、ラフ構成に着手。そのまま国分寺経由で中野に行き、ワールドフォトプレスで打ち合わせ。いつもだとブロードウエイに寄るが、エルマガジン・須波姐から原稿催促の携帯攻撃。
「この時期に入稿してないなんてオレだけだ、たぶん」
 と思うと、中野武蔵野ホールあたりで歩が止まる。その骸に合掌して直帰。






2004年5月9日() ドンづまりの絶不調



 とにかく肉体的にも精神的にも、仕事意欲がまったく沸かないほどの絶不調。あれだけ食べたいと思ったイチゴを買ってきたはいいものの、直前で食べる気が失せたり、図書館に行って蓮實重彦監督・小津安二郎』を借りたり。日曜日の昼日中にハスミを読もうという発想が、オレの不調ぶりを顕著に示している。ガス抜きであるはずの日記を打つのもおっくう。これが限界。






2004年5月8日(土) 
日本版シネフェックス休刊を今ごろ知る




 午前中は届け物ラッシュ。巨大な段ボールが二箱と小包が3点、書簡が4点ほど。大きな荷は高校時代の親友から、使っていた資料や本などを譲り受けたもの。とても助かる。しかも食料まで。お袋かよ!って、母親みたいな人ではあるが。

 利害関係や責任という壁があり、20歳すぎてからの友人関係というのは、これがなかなか成立しないというのがオレの持論。もちろん一事が万事そうじゃないけど、今でも腹を割って話すのは中・高校くらいから親交のある連中だし、それは一生モンだと信じている。そういう人らに支えられてオレは生きているのだ。


 ところが、トイズパーセルから来たハガキに目をやると、少しばかり気落ち。
 日本版シネフェックス』を定期購読を再開したのだが、現在最新号の第39号を最後に休刊となったので、郵便為替で購読料をお返しするという通知。HP上ではまったく告知されていなかったから、寝耳に水だよ。また昔みたいに本国版をチマチマ読むことになろうとは。
 けど、ILM特集号を含めればキリよく40冊。第1号から愛読していた者として、本当にお世話になりましたとスタッフ関係者を褒めてあげたい。


 夜、ようやく秘宝の原稿をあげる。というか、そんなに引っ張るほど大した内容でもないのに、時間がかかりすぎだ。自己批判。というか今、ちょっとスランプ。パソコンの前に向かうのが極めて苦痛。






2004年5月7日(金) アクシデント




 負傷した足もかなり治癒してきた。これで週明けからは試写にも出向ける。5月は夏休み大作もボチボチ回り始める時期だけど、『デイ・アフター・トゥモロー』も『スパイダーマン2』も微妙に完成が遅れてて、ほとんど紙媒体紹介済みの事後確認的試写になるというか。


 それはそうと今朝、朝食と諸々の支払いを兼ねてコンビニに行ったのだが、近場のどこの店舗も「週刊少年チャンピオン」が一冊も残っていないのに面食ら…いや嬉しかったね。マンガ家や編集諸氏の努力もさることながら、グラビア効果って恐ろしいなぁと感じた瞬間。


 というワケで、努力を怠ることに関してはナチより狡猾で、楽をしたりエロに費やすチームワークは宝塚ファン級にガッチリな映画ガチンコ兄弟も、今年で結成7年。野球に例えればラッキーセブンということで、今後の方策を練る。じゃ9回で終わりかなどと悲しいこと言うなってのメーン。
 

 その前に、昨日のマンガのような出来事から、自身の在り方を根本から見つめ直さなければならないハメになったテリー君、そんな彼を励ましてやろうと、昼食にウナ重をゴチしてやる。あー、オレの優しさはオレでさえ感動するな((C)モハメド・アリ)。というか稿料が入ったので、単にオレが食いたかっただけな……


 と、実はここまで打ち込み、遅めの夕食を取ってから再びMacを立ち上げたところ、かねて不調を訴えていた内蔵HDがついに起動しなくなった。この物入りの時期になんたること!!

 仕方がないので、起動ディスクから立ち上げてHDを修復し、それを外付HDに丸々コピーして、そのコピーから起動をかけるというアクロバティックなワザにより、こうして続きを記しているワケだ。新しい内蔵HDを買うの、これを機にOSを最新にするの、そういう思案は後のこと。まだ完成してない原稿があるのに、冷や汗モノだったよ。





2004年5月6日(木) リハビリ




 えー今日はですね、“ウソのような本当の話”というのでも呈しましょうか。例えば某映画配給会社のお姉さんと名刺交換をしたとき、

尾崎豊のファンなんですか?

 と、屈託なくストレートに訊かれたスーパーエピソードとか。いや、オレもオレであまりの攻撃力に、

「すいません、気の利かないペンネームで」

 なんて言い放ったり。柔道9段クラスの戦いだ。


 足の痛みもかなり引いてきたけど、試写に出るほどは完治もしておらず、GWのせいで完全夜型さんになったその矯正もかねがね、国分寺方面へ行く。行動の背景が自分でも判然とせんが、磁場と夏の訪れが人をそうさせるのだろうか。

 国分寺・国立といえば、オレ様の中では『野球狂の詩』の東京メッツの本拠地、そして椎名誠の名著『さらば国分寺書店のオババ』である。つまるところ、そういう絵空事のレベルでしか土地意識がないのな。ホビット庄とかゴンド島と同種といいますか。

 国立駅前の三井住友銀行で長蛇の列にウンザリしながら金を降ろし、駅前を歩いて「スタミナ丼の店」に行き、名物のスタ丼を食らう。そして帰る。




 それだけ? すいません、それだけです。それが男気ってもんです。食いたいモノのためだけに遠方まで車ころがし、目的を果たしたら変なトコ寄らないで毅然と直帰。


 そういうバチ当たりは、天網恢々疎にしてなんとやら。帰宅後「きっとシッペ返しが待っているんだろうな」と、原稿催促とか想像に足るアレコレに戦々恐々としながらメールチェックすると、某出版社より嬉しいメール。ちょっとイイものが当選してしまった。これはまた後日にでも話そう。ハッハッハ、人生は運!!


 ……と思ったら、テリーよりメールで、冒頭のエピソードが小話でしかなくなる、壮絶なまでにウソのような本当の話が!! これは後日になっても詳しくは言えないけど、神様ってほんと不公平だな。でも、それが今後の彼を変えるかも知れないということで、薄ボンヤリと希望をチラつかせながら。






2004年5月5日(
こどもの日のスター・トレック




 ズバッとやってしまった左足がズキズキと痛む。今日はささやかながらも休日謳歌という事で、お好み焼きパーティを画策していたのだが、まぁ主賓がこんなですからして。

 ゆえに真面目に仕事。秘宝とエルマガジンのに着手して目鼻立ちをつける。まさに怪我の功名。


 上記以外は特筆する事項もなし。したことといえば、封も開けずに放置していたDVDの整理と、あぶれてきた書棚の整頓。合間に野菜ジュースとホットサンドを胃に詰め『スター・トレック2 カーンの逆襲ディレクターズ・カット版DVDを視聴。

『キル・ビルVol.1』アメリカ版のイントロをカーンの台詞が飾り、ロバート・ロドリゲスが『スパイ・キッズ』シリーズでカーン役のリカルド・モンタルバンに敬意を払い、あるいは脚本家のジョン・ローガンが『ネメシスS.T.X』のストーリーベースとして引用したりと、まぁ再評価とは言わずとも、その価値が絶妙に上方修正されつつある劇場版スタトレ第2弾。

 さすがDVDでじっくり見直すと、1作目の大予算の煽りを受けての安普請さがアチコチ目立つ。けど、色調毒々しい星雲のカーテン表現や、公開当時『トロン』や『スターファイター』より衝撃の強かったジェネシス計画のシミュレーティングCG(ラスター描画)など、画期的なビジュアル群は古びることなく精彩を放っている。


 ところで本作タイトルに絡む『スター・ウォーズ ジェダイの復讐』(DVDは『ジェダイの帰還』)改題エピソード。姥心ながら整理しておくと、『カーンの逆襲』の初期タイトルは"The Vengeance of Khan"(カーンの復讐)だったのだが、『スター・ウォーズ』エピソード6の副題を"Revenge of the Jedi"と早期に発表していた20世紀フォックスとルーカスからクレームがつき、現在の"The Wrath of Khan"(怒りのカーン)に変わったというのが通説。
 その後「“復讐”というのはジェダイに似つかわしくない」と、ルーカスが最終的に"Return of the Jedi"へと変更した…と言われているのだが、これは「違法商品を燻り出すための巧妙な作戦」という説が実のところ濃厚らしい。


 しかしメイキングドキュメンタリーを見ていたところ、監督のニコラス・メイヤーがまだそれほど老けてないことに驚き、製作時はいったいいくつだと調べたら37歳だった。ああ『2001年』のキューブリックのみならず、今月はオレもこのときのメイヤーともタメになるのか。





2004年5月4日() 厄災の日



 誤解というか、雑誌等でレビューを書くために手渡されたDVDは、そのまま頂戴しているんだと思われているフシがある。

 そりゃ、その中のライナーノーツ執筆者とか、製作に関わっているなら謹呈の例もあろうが、原則的に借りたら返却を義務づけられているのだよ。
 しかもその際に手にするのはプルーフ版(視聴用)で、透明の空ケースにDVDがゴロっと入った味気ないもの。盤面にはビジュアルもプリントされてなきゃタイトルも入ってない。そんなものイタダいてもなぁ。欲しけりゃちゃんと買ってるんだよオレは。とりあえず研究費と称し領収書は切ってもらうが、それが確定申告の時に通るかどうかはテメェと税務署の裁量次第。


 そんなプルーフ版の視聴で一日が明け暮れる。
 途中、お茶でもとキッチンに移動すると、足先にゴリッと痛み。散在するビデオテープを踏みつけたのだ。瞬間あまりの激痛に身をよじったが、ムダに痛みだけが大げさな打ち身だと思いつつトイレに行く。ところが出てきたときにふと下を見やると、血の足跡がベッタリ。指先の皮膚がザックリ切れていたのだ。流血で動揺するキャラでもないくせに、気分的に痛みが増す。


 夕方、負傷を抱えながらもデジカメプリント受け取りと、資料のビデオをレンタルしに外出。友人と会って夕食を共にするが、折り悪く強風が運んできた雨雲が大粒の雨を落とし始め、行動範囲が狭まる。


 帰宅して仕事を再開すると、テリーより余人を交えず相談ありとのこと。余人を云々ったって、幸か不幸か後にも先にも良くも悪くもオレしかいないだろってんで、また説教で絡め取ってやろうかと思うも、うわ、いつになく表情が死んでいる。こりゃ、ちょっと真面目に応じるが策かと。


 うまい棒の、命を縮めるかのごとき味の濃さに眉間をひそめつつ「それでも納豆味はオレとして悪くない」と感慨に浸りながら、久々にTV番組に目をやり『ウルトラQ 〜dark fantasy〜』視聴。
 高橋洋が脚本の今回は、我が愛しの渡辺典子お姉様がご出演のエピソードでもあった。しかしね、アヴァンタイトルとクライマックスのみに登場して終わりって……うがぁああ! 足も痛いし心もやられた!!






2004年5月3日(
オーブンレンジとプリンスのニューアルバム
どちらも同じ電化(殿下)製品。ああ…




 空は快晴、しかし風が強く冷たい。それでも洗濯して布団を虫干し。昨日のうちにしときゃよかったよ。


 午後は少し資料本など読み込んでいると、フィギュア王編集部S氏より飯島真理のメールインタビュー文字稿が送られてくる。
 前の日記にも書いたが、結局、一時棚上げとなった我々の質疑はこういう形で陽の目を見る運びとなった。おそらく今の彼女に訊きたいであろうことは、ファーストマクロス世代を代表して網羅したので、痒いところにアチャコチャ手が届いていると思う。


 夕刻時には外出し、先日の流れでサンヨーのオーブンレンジを購入。オーブントースターはそれはそれで家にあるのだが、全く活用はしていなかったので。しかし今月は新しいトラベルケースも購入の必要があるし、予想外の出費がかさむのなんの。


 そうボヤいている傍から、バンダレコードでプリンス大先生の最新アルバム“MUSICOLOGY”を買っていくオレ様。

 3週間くらい前に『ベストヒットUSA』でクリップを見て、そのときの印象が素晴らしく良かったので、以来アルバム聴きたさにウズウズ悶々。最近は惰性でDVDやCD買ってる感があるが、これは久しぶりに所有欲を芯から駆り立てられた。
 そういう意味ではまぁ期待どおりというか、前作の『レインボウ・チルドレン』が実験的すぎて些かエッジがぼやけたのに対し、『1999』から『サイン・オブ・ザ・タイムス』頃くらいの絶頂ビートファンクな引き込み線に寄せ、JAZZセッションとの絡みがマイルドになり、こりゃもう殿下以外の何者でもない。『ゴールド・エクスペリエンス』が最後の徒花だと思っていたファンには特に薦めたい。


 帰ってオーブンレンジを設置し、さっそく冷凍ピザなど焼いてみる。安いぞオレも。だが、これでオーブンも使用頻度が高くなるなとほくそ笑む。クッキーも焼ければ油を使わないヘルシーフライも可能だ。さすが、料理の天才ならではの前向きなクッキングイメージがモリモリ湧いてくるじゃないの。しかし食ってるピザで腹が満たされると、そういう思いも次第にシューシューとしぼんでいき、こんなものばかり主食にしている自身に怒りが向けられる。嬉しかったり激昂したり、GWなのに忙しいなぁ。


 夜は映画秘宝のDVDレビュー用のをひたすら視聴。お題は某ベテラン俳優のボックスもの。なかでも収録されている某タイトルは長くアウト・オブ・ストックだったので、ヤフオクの高値に歯噛みしていた人には“渡りに船”かも。







2004年5月2日(
ヤケクソ黄金週間、そして未来のオレへ




 日記を付けているというのは素晴らしいことで、去年の今頃は何をしていたのだろうと現在の身に照らし合わせ、ちょっぴり反省なんてのが容易に出来るワケだ。「昨日の自分は他人」が持論のオレ、いったい何を書き残してるんだろうなぁとクリック、


>>「波平、タランティーノとメル友になる」
>>「カツオ、そいつは共和党だ!」
>>「マスオ、ヒトラーの一日側近体験」

>>ヒロスエ、国で保護な。




 今日はTSUTAYAに行って借りていたビデオを返し、近所の書店で滝山晋「ハリウッド巨大メディアの世界戦略」(日本経済新聞社:刊)を購入。既に発刊から4年が経っており、データもアチコチ老朽化しているが、ドリームワークスSKG絡みの調べモノで、本著に当たらないといけない必要性あり。

 …とまぁ、こういうこと記しておけば来年のオレが、
去年の私はこの時期、何を書き残して……
 と、過去を紐解いても大恥をかかないはず。
 いや、そういう発想を持ち出すってことは、来年の自分は今と平行線だという考えが根を張ってるワケで。ウキウキGWに反して気分はブルー。こうなると来年、生きてるかも怪しいとか考えたりして。

 ていうか、映画筆耕が映画に特化しない日をムリヤリこねくり回し、単に行数を埋めようとしている見苦しさよ。とりあえずヒロスエはオレの許しを得ずに結婚したから、国で保護の必要なし。ついでに来年のオレ、仕事増えてる?







2004年5月1日(土) オレンス!



 色ボケテリーさんが疑問を呈してくる。
「『キル・ビル』の予告で、チャイナ服を着て中国刀を振り回していたドン・チードル風の黒人いたじゃん。アイツって結局本編に登場していないけど、いったい何者だったの?」
 …あれ、ビルを暗殺しようとして返り討ちにあるオミット・キャラじゃなかったっけ?


 楽しい黄金週間の幕開け、電子レンジがお亡くなりになってしまった。
 しかし電化製品の故障というのは、なぜ逼迫した経済状況と足並みを揃えるのだろう。でもまぁ、これを機にオーブンレンジでも買おうかと思ったところ、持ち込み修理で延命すりゃよかろうにとサジェスチョンあり。
 仕方がないのでセッセと車に積み、某家電チェーン店の修理コーナーに持っていく。ところが見積もりだけで1500円とられるうえ、修理は最低実費5000円〜ときた。フンガー! じゃあ新しいの買うってばさ。


 近くに魚料理メインの定食屋さんがあり、そこでマグロのカマ(頬骨)の塩焼きを食ってランチとする。その後、試写を逃してしまった『パッション』を観に行こうかと思うが、ナイト2000テリーさんが不満を言うので帰還。


 世の休みモードの毒気にあてられて、仕事エンジンが回らず。こういうときはダワワ〜ンとビデオでも観るに限ると、『アラビアのロレンススーパービットDVDを視聴。

 本国アメリカでは市場尻すぼみで生産打ち止めのスーパービットだが、日本ではそれなりに需要もあり、新タイトルが続々とリリースされている。ただやはり最近の作品に比べ、旧作は画質的にもイマイチ食い足り無さを感じていたところにきての、本作はすさまじい高画質。さすがオリジナルネガが70ミリで、復元版製作時、徹底的にレストアされた作品だけのことはある。これを観てしまうと既発売のスペシャル・エディションには絶対戻れなくなる。









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