2004年6月30日(水)
コミックソングじゃないの? D12の"My Band"って




 う〜、昼前に目が覚める。


 そのまま身支度をして某作品の内覧に行く予定だったのだが、もうクソ暑くて外に出るのも面倒だからよ月末における諸々の支払い等を済ませねばならないのと、原稿のための映像資料を借りにビデオレンタル店のハシゴをせねばならず、試写は日延べにしてソチラを優先。遅めの昼食はいきつけのお蕎麦屋さんで冷やしキノコそばを食す。


 とりあえず家に一度戻ると、週チャン編集部より文字稿のFAXがジージー送信中。夕刻までの戻しを要求されていたが、開田裕治先生んとこの『特撮が来た!』原稿のためにテリーとベースとなる対談をせねばならず、これを無視。近所のお好み焼き屋でもんじゃと、かき氷を食しながら話。


 さぁ、帰ってようやく文字稿チェックでも……と思いきや、我が車、再びのバッテリー上がりで動かず。JAF到着までの1時間、途方に暮れる。
 その間、編集の杉田様よりチェック催促の電話があり、現状を包み隠さず話す。携帯の向こうで引きつるような笑い。


 申し訳ない気分で帰宅後に上記を済まし、とりあえずお好み焼き屋の話をテキスト化しながら、平行して別原稿のために7月21日リリースの『マスター・アンド・コマンダー』プルーフDVDを視聴。
 本編を日本語吹替音声で一通り観賞したうえ、英語版は主要場面をチョイスし、DDならびにDTSを交互に再生。その後にディスク2の総計4時間近くに及ぶ映像特典をくまなく見て、気が付けば『ベストヒットUSA』の時間。そしてふとよぎる表題の疑問。






2004年6月29日(火) フォローも大変やで




 …いや、もう途方に暮れていても仕方がないので、とりあえず原稿執筆と平行して、サンプルビデオとDVDの山を少しずつ切り崩していく。


 まずは7月23日にリリースされる、ファン待望の『ゾンビ 米国劇場公開版』プルーフDVDを視聴。

 実は先日、この商品に関して発売元のハピネットピクチャーズの担当氏と話をした。というのも

「本ディスクのマスターは、米アンカーベイからリリースされた“ DiviMax Edition ”と同じものと確認したうえでレビューを書いたが、仕様が変わったということは、その前にリリースされた“25周年記念アメリカ公開版”がマスターになったのか?」

 という疑問が沸き上がってきたからだ。


 結論から言えば、 DiviMax Edition とマスターは同じだが、アンカーベイから権利を買ったのではなく、アンカーベイがライセンスを得たところと同じ権利元から買ったということ。そして非スクイーズ&モノラル収録なのも、他ならぬオリジナルのマスターがそういう仕様だったということだ(スクイーズ&5、1chステレオ仕様は、あくまでアンカーベイ側の処理ではないかという話)。

 本件に関してはリリース前に商業誌で詳細に触れる予定だし、ハピネット側からも事情説明があるかもしれないが、アンカーベイ版と全く同様のスペックでローカライズされてはいなくとも、画質はこれまでに国内リリースされた『ゾンビ』としては最高峰のものに相違ない。情報不足からいろんな誤解がユーザー間を飛び交っていることもあり、その事実確認をしたという次第。ほら、なにぶんにも『ゾンビ』なもんで。


 ここんとこ完全にエアコンに浸りきった生活をしているので、少し外気に触れて運動不足も解消しようと、夜の散歩。ついでに書店に立ち寄り、平田弘史『座頭市』(マガジン・ファイブ)と『イデオンという伝説』(太田出版)を買い、ついでに服を数着ほど購入する。


 後は朝まで気合いの続く限り、何らかの仕事。






2004年6月28日(月)
こういう本を前にしちゃ、自制きかねぇって!




 朝、起きて早々に週チャンのカラーP原稿に着手。デザイナーさんのスケジュールや要所のチェック込みで、今日の夕刻までに入稿せねば絶対に落ちるという、なんともスリリングな仕事をする。


 それでも昼までに終えて一段落し、さぁ次の原稿に取り組もうと思ったら、アマゾンにオーダー入れていた洋書が届く。モデルアニメーションの偉大なる神様、レイ・ハリーハウゼンの自伝“ Ray Harryhausen: An Animated Life ”だ。

 ハリーハウゼンが自伝を書いているという話は、さかのぼって6年前、広島国際アニメーションフェスティバルでの本人を交えたティーチ・インで知ったが(そのときの手記はこちらに掲載)、今年の3月にようやくそれが現物となった。しかも出版されたのは単に自らの半生を文章で述懐したものじゃなく、イメージボード、メイキングスチールが山ほど掲載された、ビジュアル大全といっていいハードカバー本だ。
 
 先日の渡米のさい、Barnes & Noble Booksellerでアメリカ版(写真はイギリス版)発見し、その場で買って帰りたかったのだけど、在庫はすっかり立ち読み客に愛されていたし、おまけに重いわで、後ろ髪引かれる思いで帰国。いやはや待った甲斐があったというもの。それこそもう時間が経つのも忘れて読みふける。


 いやホント、気が付いたらもう深夜だ。


 あー。

 

 あー。




2004年6月27日() 嵐の前兆



 今日はもう、自分で頼んだものから依頼を受けたものまで、ひっきりなしに荷物の届く日。
 特に原稿用のサンプルビデオやプルーフ版DVDの送付がハンパじゃない。5タイトル+TVシリーズのワンシーズン・ボックスがまるごとだぜ。それを近日中に全部観ないといけないのだ。というか、自分が買ったDVDですら、購入して数ヶ月になりながら開封さえしてないタイトルもあるのに。


 さらにはそれと平行し、原稿の締め切りも立て込んできた。雑事もあれこれあって煩わしい。ペンディング状態の雑事もいろいろ抱え込んでいて、かなり涙目。あ〜、ここもしばらくは記述がぞんざいになりそう……。






2004年6月26日(土) 一瞬、とまどうパッケージ




 午前中は半睡半醒の状態。そのせいでインタビュー原稿のキャッチと構成案をデザイナーさんに送るのを忘れており、あわてて書き上げメールを送る。
 

 午後は土曜日にも関わらず、週チャン・杉田姐と電話で打ち合わせ。彼女が出張で週始めまで留守にするので、原稿のスケジュール調整。

「滞りなく原稿は入れておくから、安心していってらっしゃい」

 と、オレの優しさはオレでさえ感動するなぁと思いながら、フィギュア王の原稿に着手する。舌の根も乾かないうちに他誌というところが、クールというか迷惑というか。

 
 夜はいどPより拝借したハワイ土産、クライテリオンDVD『浮草物語』『浮草』のカップリング版を視聴。

 昨日観た『釣りバカ日記15』で敬愛を捧げられていた、小津安二郎のサイレント時代の作品と、後年に大映で製作されたリメイク版。

『浮草』は2003年3月23日付の日記で国内版DVD観賞に触れているが、大きな画質の差というのは見受けられなかった(というかカラーリストの違いだけで、国内版とマスターは変わらないのだろう)。
 それよりトピックは『浮草物語』。弁士ではなく、サイレント映画専門の作曲家であるドナルド・ソシンがスコアをあてている(しかもムダに5.1ch)。だから『吸血鬼ノスフェラトゥ』とか『カリガリ博士』あたりの完全アチラ版アプローチなので、観ていてかなり奇妙。
 
 しかし最近のクライテリオンは、いささか強引なカップリングの2枚組タイトルが多い。例えばロバート・シオドマクの『暗殺者』と、そのリメイクであるドン・シーゲルの『暗殺者たち』をダブルフィーチャーでリリースしたり、『どん底』を黒澤明版とジャン・ルノワール版で束ねてみたり。これも同じ作家の作品とはいいながら、製作会社が違うワケで、我々にしてみれば微妙にムチャな商品ではあるよなぁ。






2004年6月25日(金)
今年の『釣りバカ』、傑作だったりします




 天候ことのほか悪し。天気予報でも雨をほのめかしていたが、相変わらずそのときに降っていないと傘を持たない主義なので、後で困る伏線となる。


 本日は東映撮影所の試写室にて『釣りバカ日記15』のオールラッシュを観る。

 付け焼き刃ながら、なんかもうすっかり『釣りバカ』のオーソリティにされてしまったオレくん。というか、全作観ている同世代以下の映画評論家やライターが絶対数少ないうえ、浜ちゃんヌードポイントとか、そういう側面から釣りバカの布教活動をおこなったことで、松竹から変な信頼を得てしまった。


 そんなオレが言うのも何だが、今回はシリーズ中、もっとも素晴らしい作品に仕上がっている。
 大船撮影所最後の世代である監督の朝原雄三氏が、小津安二郎の『麦秋』『晩春』をストーリーベースに、いわゆる伝統の[大船・蒲田調]スタイルを本編に塗り込め、松竹のアイデンティティと小津安二郎へ敬愛をスクリーンから芳香させているのだ。

 基本的に『釣りバカ』って、プログラムピクチャーとしての“お約束”を遵守するあまり、本編ドラマが副次的な位置付けでしかなかったが、本作はストーリーを語るために『釣りバカ』の枠組みを巧く利用し、本末転倒を脱している。そのため、いろんなお約束が今回「カラーにそぐわない」という理由でオミットされちゃったんだけど。質をとるか量をとるかで前者をとったワケだ
 

 終了後、松竹宣伝部のI氏と、共同通信社のK記者を交えて作品の所感など述べあう。途中、久しぶりにお会いした浦山珠夫さんを交え、恐ろしくディープな『釣りバカ』話へと移行。ここでは記せない本作の裏テーマとかボンボンと飛び交う。


 帰りは雨に祟られ、コンビニで傘を買う頃にはすでにずぶ濡れ。






2004年6月24日(木) 涼しい風を呼んだ一言




 仕事の必要にかられ、UIP試写室にて『シュレック2』(日本語吹替版)を観る。

 カッツェンバーグのアイズナーいびりが膏肓に入り、憎悪がひっくり返ってディズニーキャラおとぎの国の仲間たちが大活躍してしまう感動篇だった。おまけに舞台となるロメオ・ドライブは、先日LAに行った際の滞在先であるロデオドライブがベースになっていて、妙に実感の湧くこと。


 試写室を出ると我が名を呼ぶ声がしたので、振り向いたら軽部真一じゃなくて(実際いたのだが)UIP関西支社のH氏だった。ここは堂島かと思うくらい遭遇してるが、それもそのはず、最近は週の半分を東京出張だそうな。いやムリもない、『ブラザーフッド』『モナリザ・スマイル』『シュレック2』『サンダーバード』と、休むヒマのない作品攻勢だもんな。
 関西試写室での『シュレック2』反応を聞いたら、やはり吹替版における[チャーミング王子のエセ大阪弁]がウケどころらしい。そういや前作は関西試写室で観たんだよな。確実に月日は経ってるというか。


 試写室を出て中野のワールドフォトプレスに行き、「フィギュア王」次号の担当コーナーの打ち合わせ。そこでの談義も相当に抱腹絶倒モンだったが、途中で立ち寄った茶店での、隣席ギャル軍団の会話が中性子爆弾級の破壊力だったので、そっちに触れる。

 それは一人のギャルが友だちに金原ひとみの『蛇にピアス』を渡し、ひととおりの感想を述べるというシチュエーション。まぁそれなりの所感をつらつらと挙げ、“最後の締め”的に繰り出したセリフ

でもね、やっぱ若い子が書いただけあって……

 と、ここで店員がオーダーを取りに来て会話が途切れる。まぁ、たぶんその後に続く言葉は

あたしらの感性にビビッドに来るものがある

 ってな類いと思うわな。ところが……

若い子が書いただけあって、難しい字がないの

 蒸し暑い中野の街に、ヒンヤリ涼しい風が吹き抜けた瞬間だった。それでいいのか姉ちゃん達!!






2004年6月23日(水)
思いついたようにストーンズ




 朝、起きてしばらくはベッドの中で本を読み、むっくり起きあがり身支度をして高田馬場に向かう。知人と会いバカ話に興じ、ついでにDISCATで買い物。


 それから飯田橋方面に向かい、ホテルで密談。というか、某社で動いているプロジェクトを某出版社に橋渡しする“仲買人役”を請け負う。いい方向で実ればまた公にするんで。


 密談を無事に終え、プロデューサー氏とメキシコ料理店にて腹を満たしながら、延々ひたすらの音楽談義。

「ドリーさんってさ、ロックにインテリジェンスがないとダメな人なの?」

 ああ、マイ・フェイバリットの痕跡から、思いっきり気取りを見透かされ恥じ入る次第。


 店を出てそのまま車で吉祥寺まで送ってもらい、そこからJRで帰宅。


 帰ってから、早速DISCATで入手したブツを視聴。買ったのは『ギミー・シェルター』クライテリオンDVD。先の話題がアウトラインかの如き展開。

 ここの常連さんに説明はヤボだと思うが、本作は1969年にサンフランシスコ・オルタモント郊外でおこなわれた、ローリング・ストーンズのフリー・コンサートを追ったドキュメンタリー。演奏中、会場整備を請け負っていたヘルス・エンジェルスが観客の一人を刺殺したことから、俗に「オルタモントの悲劇……ああ、めんどくせぇ。

 クライテリオンは本作も容赦なくデジタルレストアしてて、しかも16ミリ→35ミリにデュープした劇場版ポジをマスターにせず、くだって16ミリのオリジナル・ネガをマスターに使用。粒状性は荒いが、カラーは鮮やかに再現されている。

 国内版DVDも廃盤になったし、いつか本DVDもローカライズされて国内リリースか…と待っていたら、やはり権利問題あって待てど暮らせど云々。入手ちょっと遅きに失した感もあるが、今さらながらに感動したので記す。今さらながらキャメラクルーにジョージ・ルーカスの名を発見したりもして。


 深夜、篠田昇撮影監督の訃報を知る。うわ、早世もいいとこだっての。今後の岩井俊二作品はいったいどうのなるの?






2004年6月22日(火)
『スパイダーマン2』にやられた




 あー、仕事仕事! ということでソニーピクチャーズ試写室にて『スパイダーマン2』を観る。

 なんと驚くべき傑作。その完成度たるや、単に空騒ぎなイベントマッチだった前作とは全く比較にならない。オレ的には“サム・ライミ版『バットマン・リターンズ』”と称して何ら差し支えないほどの、至高のヒーロー映画に仕上がっている。
 地位も名誉も最愛の妻をも失い、自らの精神をロボットアームに支配されたドクター・オクトパスの悲哀、そしてパーカーの二重生活の苦悩に焦点をあてながら
「なぜヒーローは自己犠牲を強いてまで正義を全うしなければならないのか?」
 に美しいアンサーを導き出す。パーカーの悶々ぶりも、それこそもう池上遼一バージョンに片足突っ込んでるしね。

 前作のアスペクト比はビスタサイズだったが、今回は雇われ仕事の『ラブ・オブ・ザ・ゲーム』を除けば、ライミ作品じゃ珍しいワイド(シネマスコープ)。そのファーマットを縦横無尽に活かしたアクティブな画はまさしく彼の真骨頂。撮影が『マトリックス』シリーズのビル・ポープだったり、編集がボブ・ムラウスキだったりと微妙にライミ組で固められているところ、おのずと気合いの差みたいなものがにじんでいる。ブルース・キャンベルも分かりやすく登場してるし


 試写室を出て早めの夕食をとり、日比谷シャンテ前でテリーと合流。そのまま日比谷スカラ座に移動し『ヴァン・ヘルシング』完成披露試写。

 すでにLAで観ているので2度目の観賞。字幕版に接することで細かいディテールに理解が及んだが、『スパイダーマン2』を観た後だと作品の響きが弱いなぁ。






2004年6月21日(月)
 サッシの隙間を吹き抜ける風がヒューヒューと




 てな感じで、台風の影響で一日じゅう暴風雨。『スパイダーマン2』の試写に行く予定だったのだが、濁流に足を取られ、あっけない最後を迎えそうな気がしたので敢えなく断念。近年、やれ暑いの雨のと安易に難を避ける傾向にあるが、すいませんね、根性と人並みの優しさは大阪に捨ててきたもんで。


 でも生理的欲求には忠実な下僕ゆえ、豪雨の中、昼食のために外出。間違ってる、何かが間違ってると思うけど、そういうキャラだしな。


 結局「メシを食らうのに台風をもろともせず、遠出をしたこと」がトピックという、映画にも特化してなきゃ、大のオトナの平日行動としても問題アリな日。





2004年6月20日() ペーターゼンのムラも心配




 今日は根を詰めて残務処理。仕事場の資料整理ならびにキッチンの掃除。

 ところがだ、これがもう片付けれど片付けれど状況に変化なし。成果が目に見えないと志気にも響き、陽も高いうちから「ああ、今日はよく働いたなぁ」モードに入り、未開封のDVDを視聴。


 んでもって観たのは『U・ボート/オリジナル・アンカット・ヴァージョン』。ああ、現実逃避にうってつけ!

『U・ボート』が映画版と、6話からなるTVミニシリーズの両バージョンあることは今やファンの常識だが、日本じゃ1997年にTV版がLDリリースされるまで、知ってる人は意外と少なかった(恥ずかしながらオレもその一人)。
 このDVDは、そのTV版からオープニングとエンディング・クレジット、前回のあらすじを抜き、本編だけを繋げた4時間53分のフルヴァージョン。画質も『ディレクターズ・カット』並みで、1:1、85ビスタ収録で両サイドの画面情報が復活している。

 ただ音に関しては、TV時のステレオ音声を擬似的に5、1ch立体音響にしていて迫力に乏しい。
 じゃぁ『ディレクターズ・カット』は何故8トラックのSDDSだったのかって? あれは本作用にSEを全部新調したんだよ。音楽はクラウス・ドルディンガーが所有していた音楽テープをローストして一度だけ再生可能な状態にし(保存状態がかなり悪かったらしい)、デジタルに落としたものを使った。


 しかしペーターゼンも、これを撮ったばっかりに“おまえ仮にも『U・ボート』の監督だろ”的な突き上げが絶えずの作家なもんで、たぶん『トロイ』も方々でこのセリフを吐かれてるんじゃないかと。
 けどオレは、『ネバー・エンディング・ストーリー』を撮ったときの監督の発言

『U・ボート』はみんなに絶賛されたけど、うちの子供にはウケが悪かった。だから息子たちに尊敬される映画を撮ろうと思ったんだ

 これを中和剤にしているんで、『アウトブレイク』も『パーフェクト・ストーム』も寛大な気持ちで観賞したが。
 あ、そうそう、『プラスティック・ナイトメア 仮面の情事』は『U・ボート』呪縛を断ち切れない人に薦めたい佳作。日記としてはイビツな着地点だが、映画ライターとしては本懐を遂げたという気持ちでいっぱいの、そんなサンデー。





2004年6月19日(土) スピルバーグのムラが心配




 帰国してから仕事に奔走し、後回しにしていたことが山ほどあるので、今日はその残務処理。まずは掃除だな。

 ところがそういうときに限って、注文した輸入盤のDVDとか届いたりして。誘惑には無条件降伏のあたしちゃん。


 んで、視聴したのは『プライベート・ライアン』ノルマンディ上陸作戦60周年記念版。

 もう『プラ・ライ』はいいやと思っている同志よ、これは本編が新たにトリートメントされ、既発売の国内版よりさらに画質・音質がパワーアップしている。曳光弾のヒュンヒュン飛び交う音や、弾が鉄筋バリケードにカンカン当たる音、兵士の断末魔の叫びなどが強調され、ゴリ描写がますます悪趣味度を増しているのだ。

 いや、それ以上にすごいのは、7つのチャプターに分かれた2時間のメイキング収録。先月にリリースされた『シンドラーのリスト』DVDが、特典ディスクにホロコーストのドキュメンタリーを突っ込んで「メイキングはねぇのかよ」とファンをガッカリさせただけに、これは嬉しい。日本版も出るといいのだが。


 しかしスピルバーグ、なんか最新作『ターミナル』は『オールウェイズ』以来の大駄作という話を聞いたが……大林宣彦ばりに出来不出来のムラが大きく生じてきたなぁ。





2004年6月18日(金)
知らない間にそういう位置付けになっていた




 朝、字数調整のためにインタビュー記事のリライト作業、それを終えて遅い朝食のために外出し、仕事場に戻るとカラーP原稿の文字稿がドッサリFAXされていた。
 とりあえず今日は『スパイダーマン2』の試写に行くんで、出先から赤入れ戻しをしようと思うも、寝不足で家を出た瞬間、照りつける太陽に負けてソバ屋にソバを食いに行く。
 
 
 試写を断念した代わりにガストでしばし缶詰になり、赤入れを全て終えると編集部より電話。「急ぎなので、どこか近くのコンビニでFAX送って下さい」と言われ、近くのミニストップに。
 ところが近辺一帯のファミレス・コンビニ・ファーストフードは女子高生どもの巣窟になっていて、ここもハロハロやフロフロを食いながら携帯片手のウォリアーがわんさか。エイリアンの群れに気付かれぬよう、ニュートを助けようとするリプリーのごとくFAXを編集部に送る。


 なんとか今週のノルマを果たし家に戻ると、今度は各編集氏やプロデューサー氏に電話やらメールでの連絡攻勢。これがまたアクロバティックで数多くて息切れする。


 それら全てが一段落した頃、松竹宣伝部のIさんより電話連絡。『釣りバカ日誌15』完成に先駆け、オールラッシュを観に来てほしいとの要請。

 話を聞くと釣りバカ、前回はミュージカル調だったけど、今回はさらに実験的な●●・▲■調+●●調らしい。だからでないが、何やら山根某先生や川本某先生などお歴々にも声をかけ、僭越ながらオレもそのリストに入っていたらしい。やはり西田敏行おヌード日記が効を奏したのか。朝原雄三監督直々に「偉業!」とか言われたもんなアレ(詳しくは2003年8月14日〜23日あたりのドリー日記参照)。


 あ、その裸なんだけど、今回……







2004年6月17日(木)
地獄少年というより地獄オヤジだろ




「今朝のTV見ました? ウォンビン、兵役で2年も休業するんですよ。あんなにカッコイイのに!」

 電話のよく分からない第一声で目が覚める。誰かと思えば週チャン・杉田姐だった。容姿で兵役の有無が決まるなら、ガチンコ兄弟は職業軍人かよ。


 カラー原稿ページの構成ラフ、とりあえず目鼻立ちをつけ、16時に銀座の歌舞伎座前でウォンビンの兵役に涙する乙女と原稿打ち合わせ。暑さにくじけそうになってると「そんなナリして夏に弱すぎ」と説教される。


 1時間半そこらで打ち合わせを終え、そのままUIP試写室に移動し『ヘルボーイ』内覧試写を観る。

 マイク・ミニョーラ原作のコミックを、『ミミック』『ブレイド2』のギレルモ・デル・トロ監督で映画化。
 じめじめした地下舞台と、ラバーの怪しい怪人が刃物ヒュンヒュン振り回す相変わらずの意匠で、ミニョーラの陰影レリーフ世界を置換している。奇しくも『ヴァン・ヘルシング』と国内公開時期が重なるので、絶妙に近しい世界観が比較されそうな気も。

 リック・ベイカーがヘルボーイ(ロン・パールマン)のアプライエンス・メイクを担当しているが、それが『レジェンド』のダークネスに激似で、四半世紀前のロブ・ボーティンにケンカ売ってんのかと思った。


 帰りに有楽町の三省堂書店で『深夜の初会 内田百間集成21』(ちくま文庫)と、平田弘史『剣山』(小学館)を購入。先月もボヤいたが、百鬼園先生も全巻配本完結が近くなるにつけ、だんだん近場で買えなくなってきやがった。





2004年6月16日(水)
永年待ちに待った品、到着!




 風邪も治りきらず、職業病で慢性と化した肩こりに併せ、口内炎と左アゴあたりのオデキが化膿し、そして右眼瞼のケイレンまでもブリ返してきた。満身創痍。
 
 見かねたQ太郎がボソッと

「肩こりは井上和香の写真集でオナニーすると治るよ」

 ……民間療法?


 昨日未完成のカラーP原稿と、次回のカラーP原稿の構成ラフを同時に上げないとダメな日。もう体の外からも中からもバッドテイスト。

 そんな我が身を呪いつつ仕事をしていると、宅配便到来を告げるチャイムの音。うわぁ、待ってたものがようやく到着!

 届いたブツは“ Unreleased Soundtrack Music from George A.Romeros Dawn of the Dead ”。そう、『ゾンビ』の正調サントラというか、いわゆるロメロ版でゴブリン以外に本編に使用されていたライブラリーミュージック集だ。こっちのほうが馴染みが深く、シックリくる御仁もいようかと。いや、よくぞ音源をほじくり出して揃えたもんだと。

 開巻、悪夢にうなされるフランの背後でかかるドヨヨ〜ンとした曲から、エンドクレジットのブンスカ楽団曲まで、その殆どが網羅されている。唯一画竜点睛を欠く点は、自決しようとしたピーターの心変わりに高らかに共鳴する、あの変なファンファーレが収録されていないことか。

 しかし、このコンピレーション版ってヴァレースから『ライトスタッフ/北軍と南軍』のCDが出たばかりの頃、同社よりリリースのウワサがあったのだが、そう思えば18年も長く待たされたのだなぁと……。三十肩に悩むワケだ。


 ああ至福、おかげで不調が一気に完治!って、たかだかCDで体調を左右されるような、そんな安普請な体じゃねぇや。って、ヤワだから肺病みのように咳き込んだり、変なポーズで寝ることを強要されたりするんだろうがミー!!





2004年6月15日(火) ああ、やってもうたで




 仕事場のフローリング床にベタ寝したのが災いか、指先まで痺れるような肩こりが再発。あまりの鈍痛に耐えかね救急箱を探るも、それをやわらげそうな薬は見あたらず。
 仕方がないのでQちゃんにSOSを発信するが、エイズも胃カタルも根拠のない気合いで治すと豪語する彼は、薬なんかよこさず変な精神論を持ち出して人の不摂生を責める。いや、もうホント死にそうなんっスからオレ。


 それでも仕事場に向かい、苦痛を押し殺しながら週チャンの2Pカラー原稿に取りかかる。お題は『サンダーバード』。既にアチラのスクリーニングで作品を観賞済みの渡辺麻紀さんから、メールでサジェストをいただく。ああ、持つべきは良き先輩。でもやっぱり●●が××だっつーもんだから、余計に頭を抱える。


 おまけに御難は集中するもので、FAXのインクカートリッジを切らしてしまい、外出を余儀なくされる。ついでに薬局で肩こりに効く薬を買い込み、塗布して服用して変なポーズで安静。そのまま本日はフェードアウト。





2004年6月14日(月) 恥ずかしさ100倍




 午前中に週チャンの活版原稿をあげ、フィギュア王連載ページの文字稿チェック。それと、5月のままめくっていなかった東映カレンダーをベリベリっと。凛々しい北大路欣也の姿。麻生久美子まであと17日か……


 午後は印鑑証明を受け取りに市役所に行き、画材を買いに駅に出る。ついでに書店に寄って『目羅博士の不思議な犯罪 江戸川乱歩全集 第8巻』(光文社文庫)を購入。


 夜は後日の打ち合わせのための資料を読み込みながら、この間レンタルしたCD、Bonnie Pinkの新譜『Even So』と、つじあやのの『COVER GIRL』なんぞ聴く。許せ、この辺だけ関西の緒を引きずってるというか、キャラクターから大きく逸脱したガールポップ攻勢で。





2004年6月13日(
遅ればせながら森田を褒める




 早く寝たワリには起床が遅く、昼も2時を過ぎた頃にようやく目が覚める。それこそ部屋の整理やら書類整理やら、帰国後に滞っているアレコレを片付けねばと思うも、体がギシギシと不快な音を立ててメンテを要求しとるし。


 午後は知人と会うために外出。
 茶店でしばし話をしたあと、帰りにTSUTAYAに立ち寄る。そこでCDとDVDあれこれとレンタルし、階下のブックエリアでスティーブン・キング『ザ・スタンド』(文春文庫)の3巻を購入。


 そのあれこれ借りた中より『阿修羅のごとく』DVDを視聴。

『模倣犯』が視覚的実験を施しすぎ(合成処理カットがゴジラより多いんだぜ)、気合い空転してしまった感のある森田だが、『それから』『失楽園』文芸路線の地均しがここにきてベストな肥やしとなった感あり。黒澤で比するところの『赤ひげ』に位置する作家的定点。
 しかもすごいのは『ときめきに死す』『家族ゲーム』あたりからフィルモグラフィすっ飛ばして本作を見ても、何ら違和感なく森田演出の“異能性”が漂ってくるところだろう。微妙に『海猫』への期待が繋がる。いや伊東美咲の濡れ場のことじゃなくて。





2004年6月12日(土) 吉祥寺までデロンと




 ホットケーキのペーストを一気にプレートに注ぎ込み、ポールの内側に残ったのを攪拌機でこそぎ落とすように、蓄積した疲れを取るように寝る。そうとしか言いようがない日だ。


 昼もすぎ、大泉学園か、あるいは池袋に行って『トロイ』を観ようと思うも、選ってわざわざ混みどきに映画もあるまいと。そういうことで、おとなしく吉祥寺に行って買い物。『ヴァン・ヘルシング』のサントラなどを購入。

 さっそく家に帰って聴いてみるも、あれ? 映画館で聴いたときはやたらカッコいいテーマ曲だと思ったのに、なんかイマイチに感じる。やっぱ音響の迫力差かなぁ。


 後はもう、それこそ信じられないほど早い時間に寝る。





2004年6月11日(金) 良い子悪い子卑劣な子




 朝起きて、フィギュア王の残り映画絡みの原稿と、週チャンのインタビュー記事をまとめる。


 咳だけがしっこくまとわりつく風邪と、梅雨入り独特の気候で体調はガタガタ。他に片付けるべき雑用があるにはあったが、体が言うことをきかず、だらしなく横臥しロサンゼルス空港の売店で買った『続・夕陽のガンマン』コレクターズ・エディションDVDを観る。

 マカロニファンにゃ釈迦説法だが、本作のアメリカ公開版はランニングタイム162分で、オリジナルのイタリア版は177分。今回のDVDは2002年に作成した、イタリア版と同等の全長バージョンを収録したもの。
 復元カットシーンには新たに英語音声を追加せねばならず、そのためにブロンディ役のクリント・イーストウッドと、トゥコ役のイーライ・ウォラックが、わざわざアフレコに参加している(セサンテを演じたリー・ヴァン・クリーフは故人なので、代わりの俳優が声を担当)。

 どうでもいいが、このDVDのオフィシャルサイトに置かれた予告編。なんとも『キル・ビル』テイストでイヤ〜ンな感じ。





2004年6月10日(木) 仕事再開




 いつまでも時差ボケを引きずってもいられないので、とりあえず仕事を再開。エルマガジンのインタビュー原稿を2本をガッ!とあげる。渡米中に右手人差し指のツメ横がささくれて化膿し、キーを打つのにこれでもかと煩わしい思いをしたが、テーピングで外圧を極力抑えて対処。


 昼はフィギュア王の連載コーナーを仕上げ、夜は原稿用にサンプルビデオを観る。作品は『いかレスラー』。

 巨大なシャコを見せ物にして大儲けをたくらむヤマ師の映画に『えびボクサー』なる珍題をつけた元アルバトロス・フィルムズの叶井俊太郎。氏が河崎実を監督に招き作り上げた動物+スポーツシリーズ第2弾。
 うーん、キャスティング・本編テイストともに良くも悪くも監督色の強い作品。だからして『タイガーマスク』に筋が転ぶのも、必然性を超越した展開もそういうものとして受け止めないと。西村修はああいう無骨漢だから素人臭さが味になってたりするが、さすがAKIRAは役者兼業レスラーだけあって演技が堂に入ってる。というか、河崎実の映画に演技どうこうもないだろうけど。





2004年6月9日(水)
ああ、ツケが回ってきやがった




 機内で元気モリモリ映画ばかり観ていたら、やはりというか、そのツケが帰国後に回ってきた、それこそ時差ボケで一日中、ただひたすらに寝くたれる


 ときおり編集部や、各所から帰国を見計らっての連絡が入るが、脳が働かないので対応できず。
 唯一、知人のY氏よりモリコーネ来日コンサートの自慢話を聞いたくらいか。ちくしょう、返す返すも口惜しいというか、再来日の望みが薄いことを思うと、このタイミングの悪さを呪わずにはいられない。





2004年6月7日(月)・8日(火)
羅府渡航記【4】
〜帰国したら、クボヅカ飛んでた〜




 前日は早めに寝たこともあり、スッキリ起床。9時半には時にホテルをチェックアウトし、一同ロサンゼルス空港へ。


 東京へ向かうJAL601便のフライトを待つ間、免税品店コーナーで土産物をアレコレと購入。手持ちのドルが余ったので、発売間もない『続・夕陽のガンマン』のスペシャル・エディション版DVDと、ボリス・カーロフ版フランケンシュタイン・シリーズを5作品たばねた2枚組ハードケースDVDを購入。もう、毒食らわばなんとやらである。


 9・11以降、すっかり厳しくなったセキュリティー・チェックを抜けて無事に搭乗、12時35分に離陸。
 行きは最悪だったが、帰りは隣に空席があり、誰に気兼ねすることなく体を屈曲できる。これでゆっくり横になって眠れるぞ……と思うも、こういうときに限って意識は極めてギンギン。仕方がないので機内上映映画を連続視聴。


 まずは日本でも年内公開予定の『バタフライ・エフェクト』。

 タイトルは「ニューヨークで蝶が羽ばたくと、北京の天候が変わる」のカオス理論タームだが、その題名どおり、過去に遡って出来事を変えるとその影響が未来に波及し、決して望む結果を得ることが出来ないタイムSF。『ある日どこかで』ばりの根性タイムトラベルに『オーロラの彼方で』のようなしっぺ返しを複合した作品世界というか、強引な設定を許す条件付きで面白い。
 しかしアストン・カッチャーは相変わらず「街頭の似顔絵師に描いてもらったジャック・ブラック」の面構えというか……。


 引き続いて現在公開中の『カレンダー・ガールズ』。

『2010年』以降、ヘレン・ミレンを微妙に引きずってる身としちゃ、試写を見逃したことにささやかな後悔を覚えていたりなんかして。けど老齢ヌードは積極的に観たくないしで、ところが当該シーンには見事にボカシがかけられ、渡りに船。本編はまぁ、題材から考えられる劇的要素をただ突っ込んだだけというか、飽きもない反面、面白みにも乏しい。


『カレンダー・ガールズ』の後は時間調整のために『美女と野獣』を観る。途中、機内食やベルト着用を告げる機内放送やらで幾度かの中断を余儀なくされながら、最後は『この世の外へ クラブ進駐軍』。

『ぼくんち』以外、ここんとこ鳴りを潜めていた坂本順治テイストがチラチラ顔を覗かせるんだけど、恐ろしくストーリーを煮詰めてなくて退屈きわまりない一編。キャラが戦争の呪縛を断ち切って人生を奏でていこうとするなら『ジャズ大名』くらい開き直ったウルトラセッションで“カセ”を爆発させないと。


 さすがに映画で時間をつぶしたおかげで、気がついたらもう着いたのかよ理想的フライトであった。日付変更線をまたぎ、日本時間8日の16時40分に無事成田に到着。道中、いろんな方にお世話になったことをここに記しておく。






2004年6月6日(
羅府渡航記【3】
〜グローブで映画観たり買ったり〜




 朝、どこのチャンネルもレーガン元大統領の訃報をガンガン。


 階下に降りて朝食を取りながら、まるで日本の元旦の新聞みたいに分厚いロサンゼルス・タイムズ日曜版を読む。

 今日は完全フリーなので、しからば映画でも観に行くかとエンタテインメント・カレンダーに目を通すと、お目当てのアークライト・シネラマドームは『シュレック2』。少し観賞意欲に影が差したので、日本では公開がまだ先の『スーパーサイズ・ミー』を観に、ザ・グローブにタクシーで向かう。


スーパーサイズ・ミー』は、監督のモーガン・スパーロック自らがマクドナルドのメニューを30日間徹底して食べ続け、身体に及ぼす影響を克明に映し出すドキュメンタリー。商品そのもの有害性に始まり、ファーストフードに依存せざるをえない歪な社会の仕組みや、大手チェーン店のメディア洗脳も引っくるめ、フライングぎみながら鋭い糾弾の網がビッシリ張られている。子供たちはジョージ・ワシントンの顔は知らなくても、ドナルドは細かいプロフィール込みで全員が知っている、そんなブラック描写の薄ら寒いことよ。

 本作は来年の正月第二弾として既に公開が決定しているが、これに国内のマクドナルドグループが、果たしてどう反応するのかが気になるところ(そのへんを恐れて手を引いた配給会社もあるくらいで)。
 しかし、こういう趣旨の映画でありながら、客はみんなラージサイズのコーラとポップコーンを抱えて観ていたのが印象的。


 このグローブの映画館、とにかく音響が素晴らしいので、帰国後に観る予定だった『ヴァン・ヘルシング』を引き続き観ることに。

「暗い」「閉塞感が支配して大作の印象に乏しい」と不評もチラホラ聞こえる本作だが、ソマーズタッチで濃厚に顔料の乗ったユニヴァーサル怪物リスペクトムービー。『フランケンシュタイン』のクライマックスをそのまま踏襲したアヴァンタイトルといい、きれいにオレのツボにはまる。コーラスを多用したアラン・シルヴェストリの音楽もエッジが効いててカッコいい。久々に撮影監督にアラン・ダビューの名を見つけ、ちょっと嬉しかったり。

 しかし、本当にアメリカの観客ってエンドクレジットを最後まで見ないのね。『スーパーサイズ・ミー』といい、明るくなって後ろを振り向いたら場内オレだけでやんの。


 映画館を出てから、しばしショッピングエリアをグルグルと見周り、Barnes & Noble Booksellerで『アメリカン・シネマトグファー』の最新号、ならびに『スタン・ブラッケイジ作品集』とジャン・ピエール・メルビル『仁義』のクライテリオン版DVDを購入。2枚買うと1枚タダのキャンペーン中だったので、フランク・ザッパの『ベイビー・スネークス』をイタダキ。国内外を問わず、どこへ行ってもこういう買い物ですいません。





2004年6月5日(土)
羅府渡航記【2】
〜アクションの聖地で一人むせび泣く〜




 あれだけ寝不足だったにも関わらず、朝は5時半くらいに目が覚める。
 NBCではノルマンディ上陸60周年特番“D-day special”を放映していて、律儀に視聴。未公開映像が満載で見応えはあったが、アイキャッチにちょこちょこかかるテーマ曲が『JFK』のパクリみたいだ。


 8時頃にホテルのアウトサイドで朝食をとり、9時にフォーシーズンズ・ホテルに向かい、『リディック』キャスト&監督のインタビュー。
 10時から監督のデビッド・トゥーヒーを筆頭に、出演陣のタンディ・ニュートンコルム・フィオーレアレクサ・ダヴァロスカール・アーバンらに話を聞く。

 トゥーヒーに「リンチの『砂の惑星』に触発されたの?」と確認したら
「そうでもないよ。予告編の印象がそんな感じするからかな?」
 と否定。どうでもいいが、アレクサのノーブラおっぱいチラチラ攻撃嬉しかっ困惑した。あれはマスコミの厳しい質問を封じる戦略なのだろうか。


 15時30分に開始が予定されていたヴィン・ディーゼルのインタビューは、MTVムービー・アウォードの収録時間が押しまくりヤキモキ。
 結局30分遅れでヴィンがインタビュールームに登場、けど押した分だけ時間を繰り下げてくれたので支障はなし、いいヤツ。ただヴィンのしゃべりがスローモーなので、分量的には少し物足りない感もあったが、終わり良ければなんとやら。安堵に浸りながら滞在先のホテルに戻る。


 夕食まで少し時間が空いたので、ホテルを出てセンチュリー・シティ方面に歩いてみる。
 ビバリー・ドライブからオリンピック大通りに曲がり、ロックスベリー公園にさしかかるところで、“アレ”が視界に入ってきた。建物の足元までメチャクチャ距離があったが、もう我を忘れて大急ぎで近寄ってみる。




 そう、ハンス・グルーバー率いる武装テロ集団とNY市警のジョン・マクレーンが死闘を繰り広げた、『ダイ・ハード』の“ナカトミ・ビル”ことフォックス・プラザ・ビルだ。ああ感無量。これをナマで見ることが出来ただけで、遠路はるばる来た甲斐があったというもの。ウウッ!!



装甲車が突っ込んだ表玄関。土曜日だったので全く人の気配なし。


 夜はサンタモニカ通りにある「パーム」で食事。.ロブスターと格闘する。






2004年6月4日(金)
羅府渡航記【1】
〜3日程度の話で年代記とは何ぞや〜




 昨晩からそのまま一睡もせず、出来るギリギリのところまで原稿に着手。10時にダイエーに行き、服と下着と新しいトラベルバッグに日常雑貨品ならびに薬を購入。


 13時には京成ライナーで成田国際空港へ。向かうはアメリカ・ロサンゼルス。
 17時20分、JAL602便で飛ぶ。とにかく10時間半のフライトは苦行に等しく、寝ようと思ったらイースター島10日間ツアー客のおばちゃんにとっつかまり、長々と話。やっと開放されて機内映画を観ようと思うも、そのたびにウトウト。おかげで『コールド マウンテン』冒頭の大爆発シーンだけを3回くらい観てやんのオレ。


 時差のため日付はそのまま、朝の11時にロサンゼルス国際空港に到着。ところが預けた荷物が行方不明になるわ、その狼狽ぶりが挙動不審に写ったのか、ガードマンに尋問されるわで幸先悪し。


 なんとか無事に荷物を発見し、車でロデオ・ドライブのホテルへと移動。
 ホテルに到着後、チェックインしてそのまま買い物へと出掛けるが、スーパーを見つけられないうえ、暑さと丸二日寝てないのとで頭が働かず、ホテルの部屋に戻って仮眠。



ホテルのあるロデオ・ドライブ周辺は高級ブティックばかり
オタさんショッピングを目論んでいたオレ、微妙に萎える


 夕方、今回の取材目的である映画『リディック』のスクリーニング(上映会)に立ち会う。

『ピッチブラック』のスピン・オフというか、あの映画の中でヴィン・ディーゼルが演じたお尋ね者・リディックを主役に据えたSF大作。グリーンバックでCGデパートメント処理が主流の昨今にありながら、スタジオフルセットを多用した画ヅラがまんま『砂の惑星』。


ホラ、見てよコレ

 3日間くらいの話なのに、クロニクルとは大層な…と思っていたら、本作を第一部としてトリロジー(三部作)を構想しているらしい。ああ、そういうことなのね。出来るかどうかは本作観ると微妙だが。

 夕食時、久々にお会いした町山さんと『リディック』の話そっちのけでバカ話に興じる。話題はケニー君やら小人バーのことやら。


 タクシーでホテルに帰り、ぼんやり明日の準備をしながらTVに目をやると、『デビッド・レターマン・ショー』にビリー・クリスタルが出ていた。どっちが司会だか分かりゃしない。






2004年6月3日(木) ムダに大あわて




 明日の渡米に向け、何の準備も出来てない。いや自分の事は後まわしでも問題ないが、とにかく原稿を前倒しであげなくては……。


 手離れの早さや締切りの優先順位などを考え、まずは「フィギュア王」のソレに着手するも、途中でどん詰まりになる。

 さらには夕方、週チャン編集部の杉田と打ち合わせのため、次回のカラー原稿の構成ラフ、『キング・アーサー』カラーページの文字稿チェック、さらには『マッハ!』のキャッチ入稿やらをあげ、国分寺で打ち合わせが待っている。

 ところが前日、小分けに寝たり起きたりを繰り返し、脳は半分死んでいる。仕事の能率もすこぶる悪い。少し作業しては寝て神経をごまかし、構成ラフだけ目鼻立ちをつけて国分寺へ。
 打ち合わせは駅2Fの「武蔵野茶房」で。ここは各編集氏がウチの近くまで来る余裕があったときによく利用するのだが、杉田は初洗礼。仕事の話に挟み、先日、ようやくロメロの『ゾンビ』を観たとのことだったので、その話題も重点的に。


 改札で『マッハ!』のキャッチを忘れないでくださいねと念を押されて別れ、家に帰る。もう完全に仕事モード。

 途中 OTCより連絡を受け、折り返し電話。いどプロデューサーとしみじみ話。お互い明日は渡米だというのに、いどPは夕べ大変な災難に見舞われたそうで。人ごとじゃないと思っていたら、

「いやいや、そのためのQちゃんですよ

 と言われる。うーん、そういうもんかしらね。





2004年6月2日(水)
ジャーニーは『海猿』じゃなくて『トロン』なんだよ!




 午前中、週チャンの原稿に着手し、昼に脱稿。そのまま編集・杉田姐と電話で打ち合わせ。
 会話の中で、何を思ったか『トロン』のビデオを借りたという彼女に、作品の歴史的意義をレクチャーする。といっても内容は



■公開間近「11PM」という番組で大々的にフィーチャーされたけど、フタを開けてみれば『E.T.』が世を席巻し、言うほど話題にはならなかった。

■そのときのパーソナリティーが今野雄二先生で、後年、シネカノン試写室のトイレで連れションしたときは涙が出るくらい感動した。

■「11PM」は火曜日が秘湯やら風俗やらのエロコーナーが充実していて、親の目を盗んで見るのに苦心した。




 と、もはや『トロン』と関係ないセクハラ解説をかまし、他所の編集部から受けた電話で原稿のスケジュール調整。急遽『いかレスラー』を観る必要に迫られる。





2004年6月1日(火) オレも車も不調




 朝起きると、ドロンとした感じで腰のあたりに痛みが入る。急激な気温の変化に、柔道部時代にこしらえた古傷は素直に反応するのだ。


 もろもろ下準備もあったり、そのために前倒しで原稿をあげないといけないのだが、悪化させると困るので安静。荷物やら郵便物やらを受け取ったり、各方面にメールの返信をしたり、さらには昨日読んだ『ザ・ゴッドファーザー』に触発されてDVDのコメンタリーを再聴したり。そんなことより未開封のDVDをなんとかしろよと。発売日に購入したエイリアンボックスさえ、まだ封も開けてないっつーのに。


 午後イチ、JAFが車の検診にやってくる。
 昨日、ラグナさんがまた微動だにせずお越し願ったのだが、後部ハッチを開けて燃料ポンプを金槌でコキンと叩いたら、エンジンが元気よく回り出した。45度の角度で殴るのがコツらしい。


 夜は少し具合もよくなったので、以前より魅惑のトリコロールが気になっていた、和食処「永谷園」で夕食。トンカツ茶漬け御前というのを食らい、安上がりに満足。


 帰って『ウルトラQ 〜dark fantasy〜』を観ていたら、金子修介監督が出演者として顔を出していた。







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