2004年9月30日(木) それがワタシの伝家の宝刀 



 朝8時に起床。そのまま仕事場に入り、週チャンの原稿に着手。昨日観た『2046』に関してのレビューで、まぁあれだけペッと吐き捨てたことからも想像に容易いだろうが、書くことに思いっきり窮する。まぁそういうときは女優論に逃げるワケで、オレは秋本鉄次アニィかよ。


 目先の締め切り原稿を入れたらフッと気が抜け、再度ベッドに横になる。大きな地震が起きたらいつ崩れてもおかしくない頭の書籍の山をほじくり、一昨年にに購入していながら手をつけていなかった諸星大二郎『西遊妖猿伝(1)』と『同(2)』(潮出版社)を読む。これでようやく次巻購入へと弾みがつく。


 ほどなく週チャン編集部から送り返されてきた文字稿をチェック。二カ所ほど赤入れしてリターンしたら、ファックスが何度も途中で止まり、液晶画面が「インク不足」を訴える。カートリッジ入れ替えたばかりなのに変だよと思いつつ、仕方なく新しいのと交換すると無事に作動。ありゃ、早くも寿命か? 購入当時としては珍しかったカラーファックス専用機なのに、その機能を一度も使うことなく轟沈なの?


 その後はあっちこっちと電話連絡によるスケジュールの日程調整やインタビュー掲載の打診。しかし関東と関西の両方にまたがって仕事をしていると、IP電話のありがたみを痛感するな。






2004年9月29日(水) 5年近くもかけてこれかよ




 今日こそ原稿だと思っていたら、観る必要性ありの作品と対峙せねばならず、泣く泣く都内へ。
 そのついでで本当に観ておきたい作品も消化しようと、13時よりTCC試写室にて『ふたりにクギづけ』。

 ファレリー兄弟の新作はシャム双生児が主人公という、我が国での公開を放棄しているようなヤバ題材。しかも、くっついてるのは寄りによってマット・デイモングレッグ・キニア。まるでモルツ軍団の山本浩二&原辰徳くらい絶妙なボンクラ感がプンプン。不謹慎なギャクの濃度としては『メリーに首ったけ』の6割くらいというかパンチがやや弱目ではあるが、心ない邦題に反し実に心温まる作品だ。


 試写室を出てテリーと昼食をとり、秘宝編集部へ。しかし原稿打ち合わせのために訪れたはずが、叩き台となるラフ構成を忘れたので後日に。ただただ時間だけを持て余す。


 編集部を後にして日比谷に向かう。途中に立ち寄ったレコード社神保町店で『1900年』のLDを発見したので購入。プレス枚数が少ないうえにDVD化の予定も立たず、現物になかなか遭遇できなかったが、ようやく会えた。


 そして19時より東京国際フォーラムCホールにて『2046』完成披露試写。

 ……いやぁ、気分だけの演出でひたすら怠惰な時間が過ぎる、まるで『夢の果てまでも』の再来かと思ってしまいましたよ
 良く解釈すれば『花様年華』以降のビジュアル・サーカスに依存しないカーウァイのリテラシーを感じないでもないが、ここ数年、これでさんざ人の耳目を引きつけといての大山鳴動アリ一匹。その“とんだイッパイ食わせ感”は半ば犯罪じゃないのかと。こんなもん、前の季節に企画して先月に撮影&編集あげくの、今日公開みたいなレベルやんけ。


 ムダに疲れを背負わされたというか、ガッカリしながら帰宅。






2004年9月28日(火) 宮崎メカは、そりゃワンサと




 朝5時半に起き、半ボケ状態をシャワーで強制的にシャッキリさせて都内へ。朝8時より日比谷スカラ座にて『ハウルの動く城』マスコミ披露試写。

 ああ、早朝のDLP上映は半睡に効くなぁ……それはともかく、言うべきことはいろいろあるのだけれど、本作には商業誌にて関わる可能性があるので私感は避ける。というか、今回はジブリが極力宣伝を抑える方向で行くので、仔細明らかにしないほうが協力的。でもせめて軽く皮だけ剥いとくか。「大泉洋と我修院達也は今回も元気いっぱい!」とかさ。


 試写が10時に終わり、ずいぶん時間を持て余したので、この時間のみ動いてる築地場外市場をウロウロと徘徊。


 築地から六本木へと移動し、13時よりアスミック・エース試写室にて『約三十の嘘』。見終わってそのまま東宝試写室に向かい、15時半より『笑の大学』。

 両方とも舞台劇の映画化だが、なぜそこまで板表現に歩を合わせようとするかな? クセのある俳優同志のアンサンブルの妙、あるいはスかしたダイアログ感覚なんて小細工に執心しなくていいからさ、映画に置換したときのダイナミズムとか省略とか描き込みとか、そういうものと格闘してくれよ。『ラヂオの時間』で三谷幸喜は、少なくともそれをちゃんと実績していたぞ。


 ま、そんな尽きぬモヤモヤを解消したのが、18時にUIPで観た某続編作品の内覧試写。

 ここ最近観たアクション映画の中で、構成カット数が頭抜けて多い。それがストーリーを追おうとする意識をマヒさせる、麻薬のようにセンシブルな動的快楽を発散してるのだ。カットマニアとしては、そこに押し切られてしまった。

 終了後、週チャン・杉田兄と軽く打ち合わせをして、23時半に帰宅。映画漬けから開放される。






2004年9月27日(月) そういう日



 ウチで雑用をこなし組閣に注目していたらアッという間に夜になり、あなり早い時間に布団にもぐり込む。

 いや、振り返ってみればもっと細かく立ち動いていたと思うが、映画ライターの日常として他人に明かしても足しのないネタばかりなので割愛。





2004年9月26日() やっと治った




 持ち崩した体調もなんとか回復したようで、とりあえずこれで遠出ができる。そこで会う約束をしていたT先輩と下井草駅前の茶店で落ち合い、預かってもらっていた日本映画史叢書1『日本映画とナショナリズム』(森話社)など受け取る。実はこれに寄稿する予定になっているのだ。


 茶店でしばし話しをし、高田馬場に向かう。駅前の芳林堂書店で加藤幹郎「『ブレードランナー』論序説」(筑摩書房)を購入。それから東西線で中野へと移動し、所用で中野に赴いていたテリーと合流し、夕食をとる。






2004年9月25日(土) ヤバイなぁ『血だるま剣法』




 安静の甲斐あって、痛みも和らいできたので久々に外出。近所の書店に発売日を今か今かと待ち続けた平田弘史『血だるま剣法・おのれらに告ぐ』(青林工藝舎・刊)を買いに行く。

 本作はかって『平田弘史劇画創世期傑作選』を刊行した出版社から、CD−ROM作品全集に収録されるという話があったと記憶しているのだが、なぜか今になっての再出版。けど当の作者のリアクションに乏しいのは、やはり回収経緯の溝が深いのだろう。


 さっそく帰宅後、床に臥せって読みふけるが、リメイク作『おのれらに告ぐ』しか知らない不勉強な平田劇画マニアには筆舌に尽くせぬショック。肉体欠損が物語のボルテージを高めていく、そのあまりといえばあまりな展開に驚愕し、思わず立て続けに2度も読んでしまった。






2004年9月24日(金) 安静の日




 昨日からの痛々しい肉体を引きずったままの本日。それでも起きあがっては、メールの確認と電話連絡の受け取り。


 祝日を挟んだ月末の週末なので、執筆分の謹呈誌がゾロゾロと届く。静養中なのでじっくり目を通す。フィギュア王は付録のウルトラマンは無しに泣き、エルマガの書店特集、一乗寺の恵文社書店に里心を掻き乱されたり。よく寄ったよなぁ。

 ファックスも普段以上に多い。奇しくも追悼となったラス・メイヤー映画祭の案内やらに混じり、公表するのも憚られる変な企画書が。何だこりゃ。


 企画と言えば、寝てばかりもナニなので、現在刊行中の映画単行本シリーズに寄稿する長論考のテーマを検討。締め切りは1年後という、かなり長いスパンの仕事。逆に言えば、それだけ身の詰まったのを要求されてるワケで。取り上げたいテーマはあるが、図版の問題もあるのがネック。






2004年9月23日() 肉離れ、再発




 朝、ベッドの上で大きな伸びをしたら、左脇腹に電流が走ったような激痛が走る。5年前に肉離れを起こしたときと同じ患部。すわ再発かと思い、そのときに医者に出してもらったアイシングの湿布薬を貼り付け、安静にする。

 もともと祝日なので仕事絡みの連絡はなく、某氏より頂いた山上たつひこ『喜劇新思想大系 完全版』(フリースタイル刊)をベッドの中で読む。頂いたのは上巻だけなので、下巻は自腹。でもこれ近所の書店には置いてないうえ、3500円とバカにならない額。ほとんど信者のお布施払いだよなぁ。


 というワケでこの日付の日記も、かなり後日に記憶をたどりながらの記述。根が三日坊主なので、行動が制限されたのが幸いというか。





2004年9月22日(水)
だんだんヤワになってきたような




 そろそろ原稿に向かわねばなぁと思い、サンプル版ビデオを手に取る。とりあえず『死霊のえじき 完全版』DVDの本編、そして音声コメンタリーとメイキングドキュメンタリーを視聴。

 以前出ていたのは『最終版』という名のTV放送版で、残酷シーンとスラングを削除しまくった腑抜けバーションだった。今回は米アンカーベイ社スペシャル・エディションのローカライズなので、前回の苦汁を舐めた人にはようやくのリリースである。
 でも東映ビデオから出ていた版もそれなりに画質は良かったし、むしろステレオの分離感は前者のほうが圧倒的に優れていた。テレシネ技術の向上に反比例し、マスターの劣化や所在云々の問題が起因するのは複製芸術の難点だろう。


 しかし、残酷描写に免疫がなくなったのか、久々に見たらえらく正視に耐えない描写のオンパレードに感じたなぁ。そうやって人は歳をとっていくのね。バブのイラスト描いて『スターログ』に掲載されたのも懐かしい思い出。





2004年9月21日(火)
ツカシン、歩調がクローネンバーグだよ




 今日は都内へ出て試写。13時より東宝試写室にて『予言』。

 つのだじろうの『恐怖新聞』をベースにしたJホラーシアター作品。監督は鶴田法男。「うへぇ」とのけぞる秀逸な恐怖描写も多いが、省略表現と演出がギャグすれすれのところも少なくなく、全体的には微妙な出来。まぁ『感染』と同時上映なら入場料の不足なく楽しめるが。だいたいこの映画、一番恐ろしいのが[素で登場する高橋洋]というのはいかがなものだろう。いや、それはそれで正しいのか。


 東宝試写室を出て昼食をとり、15時半にヘラルド映画試写室にて『ヴィタール』。

 ベネチア国際映画祭で喝采を浴びた塚本晋也の新作。人体解剖という材を扱った割にはオール・オーディエンスに設定されてて、それほど生々しい作りにはなっていない。『六月の蛇』同様に完成度は高いが、『鉄男』の頃のサイバーパンクなツカシン節はすっかり鳴りを潜め、そのあたりに思い入れのある向きには臍を噛むような思いも少し。
 本編終了後にセアリズの宣伝担当氏と話をして、ツカシン版『戦慄の絆』という見解が一致。そういやフィルモグラフィの変遷も、なんとなくクローネンバーグの轍を踏んでいるような。


 携帯で打ち合わせ等のやり取りをアチコチ交わし、18時よりメディアボックス試写室で『エヴァンジェリスタ』。

 へザー・グラハム演じる作家の妻が、人為的な悪魔の子を宿すという、思いっきり『ローズマリーの赤ちゃん』狙った作品。もちろんへザー好きのオレは彼女のおヌードを拝みにいったのだけれど、そんなものは全然ないうえに、ラリー・コーエンの『悪魔の赤ちゃん』ほど画的なサービス性もなく、ないないづくしのホラーだったよ。


 帰りに一緒になった高橋ヨシキ君と、持って行き場のない感想を交わしながら別れ、東京駅からJR中央線にて秘宝編集部に。原稿の件で立ち寄るも、田野辺編集長が帰宅後だったので意味無し。編集部の大幅な模様替えを横目に編集部各氏と会話を交わし、つつがなく帰宅。







2004年9月20日() あ〜祝日感の乏しいこと




 朝はかなり早い時間に起床したが、睡眠不足が蓄積しているのか頭痛が止まず、再度ベッドに横になる。昼近くに体を起こしたときには、ようやく重かった頭がスッキリし、思考能力が定かになった次第。


 体調に帳尻を合わせたところで、夕食の誘いを受けた某先生宅へケーキを土産に参じる。まぁ、いろいろ緊張づくしの中、深夜までお邪魔。奥方は意外と料理の出来る人だったんだなぁと感心。






2004年9月19日(
We accept her...one of us,




 昨日の引き続きで部屋の整理。今日は書棚にある書籍を全部引っ張り出し、利用頻度の高いモノを手に取りやすくするための並べ替え。カバーをかけたままの本の中に「購入していたことをすっかり忘れていた」ヤツを見つけたり、ちょっとした発掘作業。おまえそんなことでいいのかという疑問はあるが。


 ところが、こういうことをやると手に取る本を開いては読みふけり、効率悪いことおびただしい。そんな流れで柳下毅一郎氏の『興行師たちの映画史』に没頭するワケで。しかもトッド・ブラウニングの項をすぎたあたりで、思いついたように購入のまま放置していた“ FREAKS ”北米盤DVDを視聴。

 これ、ジュネス企画の悪画質にガッカリした人には勧めたい。けど1993年にMGMUAからリリースされたリマスターLDがそれなりに高画質だったので、輸入盤ハンターには今さら大きな収穫というほどのものでもないが。それでも今回のDVDバージョンは、LDでは暗部に溶け込んでいた影の中の物体の輪郭が明らかになっているところ、ささやかながら向上の跡が見られる。

 それと本バージョンは後付けされたプロローグ部分のメッセージを別フッテージにすることで、オリジナルに近い形での収録となっている。
 さすがにアーヴィン・タルバーグがカットした部分は原盤ネガが見つからず、90分の最長版は望めなかったが、クレオパトラの凄惨な姿で終わる、ハッピー・エンディングパートのないバージョンにも言及されている。オレは恥ずかしいことに、にっかつビデオフィルムズが出したビデオ版が初めての本作観賞。なので後年スペース・ベンゲットでプリントに接したとき、件の短縮版に驚いたクチ。






2004年9月18日(土)
ま、『ディープ・ブルー』もウケてんだし




 世間では3連休ということで、人並みにそれに従い、一日がかりで仕事場の模様替え。ゆえに特記することなし。








2004年9月17日(金) そりゃ意識はしてたけどさ



 なんか最近、かねてより自分を知る人たちから「ヒゲに白いモノが目立ってきましたね」と口々に指摘を受ける。そりゃアンタ、もう『グイン・サーガ』が96巻なんて時代ですから、わたくしも相応に歳行くワケですよ。徹夜もできなくなったし、20代後半の女性にも“女の子”とか言ってしまうし。


 今日は家にこもり、電話で編集部と配給会社をアッチへコッチへと。とりあえず目先の仕事は片づいたので、映像作家の酒徳ごうわく氏から謹呈いただいて日の経つ『頭脳戦隊クビレンジャー VS 頭角戦隊アタマイザー5』DVDを視聴。
 
 本作は5色に塗り分けられたマネキン首がイタいオタクを駆逐する、戦隊ヒーローのカリカチュアとしては悪趣味極まれりショートムービー集。DVDはさらに作品フォーマットから拡大し、再放送枠や劇場版、果てはDVDの特典フォーマットすらも笑い飛ばすコンテンツ構成。しかし、自主制作映画がDVDというところに、隔世の感を覚えますなぁ。そりゃヒゲも白くなるっての。







2004年9月16日(木) 今日も今日とて




 午前中に家を出て都内に向かう。連休を噛むので、とりあえずウイークデイに消化できる試写を消化しておく。


 まずは13時よりUIP試写室にて『コラテラル』。

 トム・クルーズ演じる殺し屋を乗せてしまったせいで暗殺の片棒を担がされる、タクシードライバーの災難を描いたドリームワークス版『KAMIKAZE TAXI』。ナイトシーンばかりなのにえらく画がツヤツヤしてると思ったら、案の定デジタルシネマ。しかも解像度減衰なくシネスコ撮影が出来る Thomson VIPER FilmStream Camera を併用ときた(こいつが商業映画で使われるのは初めて)。もともとマイケル・マンはワイドフレームの手持ちが意匠だし、そういう意味では機動性にも長けてベストな武器なんだろうけど。
 まぁ映画の内容も悪くないが、ワンストーリーを叩いて伸して面積だけ増やした『ヒート』や『ALI』と同じような落とし穴に落ちてる感アリ。


 見終わって宣伝を担当しているキャシディのKさんらと少し話をし、それから松竹試写室へと移動。15時30分より『インストール』。

 綿矢りさの原作は未読だし読む気も起こらないが、上戸ちゃんの

濡れた」とか
オッパイ、さわっていいよ

 なんて“お淫らセリフ”のオンパレードには心ときめきましたよメ〜ン。いや、というかオレのつまんない所感より、そういうことこそキチンと報告しとかなきゃいけない気がして。

 

 軽い夕食をとり、さらに18時よりヘラルド映画試写室で『80デイズ』。

 まぁ、いろいろ疑問のある『80日間世界一周』のリメイクなんだが、何よりエンドクレジットにNGテイクが流れないことに、大きな違和感を覚えるくらいのジャッキー映画ぶりでして。おまけに製作総指揮を兼ねてるもんだから、サモハンやらカレン・モクやらオーウェン・ウィルソンやら、マイ人脈をフル活用しすぎだし。


 帰りに三省堂書店で『風雲児たち・幕末編』(リイド社・刊)の5巻を購入し、車中で読了。







2004年9月15日(水) ウルトラさん




 本日も都内へ出掛け、あっちこっちと試写を観倒す。まずは13時より松竹試写室にて『ULTRAMAN

 我々の世代なら誰もが夢見たであろう、初代マン第一話「ウルトラ作戦第1号」の実質リメイクな劇場版ウルトラマン。
 とはいえ、巧く換骨奪胎させたストーリーは良くも悪くもキッズムービー寄りで、少々ユルい展開や芝居や視覚効果が顔をのぞかせるが、まぁ今どきのガキにべーシックなウルトラストーリーを知ってもらうということで。
 しかし、まさかウルトラマンで板野サーカスが堪能できるとは思わなかったなぁ。そこんとこ東京国際映画祭での上映で、ガイジンなアニメちゃんから喝采を浴びそう。


 試写室を出て隣の郵便局で郵便物を投函し、東宝試写室に移動して『感染』を観る。試写最終日なので大盛況。

 本作は“Jホラーシアター”と銘打たれた、東宝ホラー二本立てレーベルの第一弾(同時上映は『予言』)。院内感染を題材にした侵略系サスペンスで、言わば病院版『遊星からの物体X』ってとこ。でも舞台となるホスピタルのセットアップがあまりに異常すぎるもんだから、起きる事件より登場人物そのものが怖い。だいたい担当医が佐野史郎とかモロ諸岡の病院なんて、そんなのかかりたくねぇよ。

 あ、『ゴジラ ファイナル ウォーズ』の予告編観たよ。キングシーサー男のヤクザ蹴りというかゴリエキックは超衝撃。なんだか「これで最後」というのが、とっても些細なことのように思えてきた。


 見終わってから軽く食事をして、19時より銀座ヤマハホールにて『ターミナル』マスコミ披露試写。
 
 悪評も囁かれたスピルバーグの新作は、コメディを目指したワケでもないのに、気を張ってコメディやって大失敗した『1941』なんかより笑える作品になってた。まぁ本作に関してはいろんなところで書くので流すが、指摘しなけりゃ誰もが見過ごす『 E.T.』カットに思わず目から汁が出ました。ピューと。

 23時過ぎに帰宅し、遅めの夕食。メールの返事を書く。






2004年9月14日(火)
遠いむかし、はるかかなたの銀河系で……




 朝からホテルフォーシーズンズ椿山荘へ。今日は9月23日に待望のDVDがリリースされる『スター・ウォーズ トリロジー』スーパー・プレミアムイベントの取材。

 10時半に受付で資料を受け取り、45分より三部作から見せ場を抜粋したDVDのデモンストレーション映像を披露。ホテルルームにホームTHXサウンドシステムを組んでの視聴だが、なんせルーカスフィルムとTHXの専門クルーが直々にチューニングを施した再生環境だけに、信じられないほどの高画質と高音質が堪能できた。特に宇宙の黒とスターデストロイヤーの白、そして惑星の青いフレアとの絶妙なコントラストには驚いた。これはやはりシステムの高性能に起因するのかと思いきや、DVDソフト自体が見事な美しさでレストアされているのだ。

 昼食をはさんで午後12時半より、ルーカスフィルムのDVDレストレーション担当トム・ワーナー氏による、特典ディスクについてのプレゼンテーション。ならびにTHXテクニカル・ディレクターのリック・ディーン氏を交えた、商品についての質疑応答。オレも、

「DVDの特性を活かし、例えば初公開時のオリジナルバーションを収録しようという動きは全くなかったのか」

 という質問をしたが、

「なかったワケではないが、最高のモノを提供したいというルーカスの意向に従った」

 という回答。まぁ、分かったことではあったのだが。


 その後、スペシャルゲストとして招聘されたCー3PO役のアンソニー・ダニエルズ(写真左)が登場。時に苦笑いするような毒舌を交えながら、自身とSWとの関わりを独壇場で語り倒す。全6部作に出演する数少ないキャストなので、質問はエピソード3のことに集中すると思ったが、トークに時間を費やし質疑応答にそれほど時間が裂かれなかった。これも計算のうちだろうか?


 最後にこのDVDのパブリシティ担当であるメディアボックスのIさんに挨拶をして会場を後にし、自宅に帰ると既に時刻は17時。週チャンの原稿をあげて、それから東京国際映画祭のプレス用IDカード申請書類と写真を撮り送付の準備。メールに入っていた飛び込み仕事依頼の返事を打ち、本日のイベントで頂いた土産をザッと視聴。さらには昨晩に消化しきれなかった『バリー・リンドン』の続きを見て就寝。






2004年9月13日(月)
いかなる手段によってレドモンド・バリーは
改造人間軍団に頭蓋骨病院で戦いを挑んだか



 大暴れしたあとの恒例、部屋の片付けと洗濯、試写状の整理。伸びるに任していたヒゲも整え、市役所やコンビニを渡り歩いては公共料金と電話料金の支払い。残暑キツいぞ厳しいぞホレホレ。


 昼食をとって一度家に帰り、DVDレンタルで2日ばかし延長した『殺人の追憶』を視聴。……ジュノ、おまえ本気で『童夢』やらないか?


 DVD返却と夕食のために再度外出し、夜は少し仕事。週チャンのレビューに目鼻立ちをつける。それからちょっくら調べ物の関係で『バリー・リンドン』をDVDで視聴。
 いつも死体が甦って人を喰うとか、そういう精神衛生上どうかと思うような作品ばっか観てると、あーあ、やっぱりキューブリックもビスコンティ並みに観賞がキツくなってるわ。ささ矯正矯正。







2004年9月12日() DEAD WALKのお楽しみ




 今朝の明け方に帰宅し、結局寝たのは7時くらい。目が覚めたのは15時。

 何をするにも中途半端な時間になってしまったので、こりゃ完全休日だぞいとばかり、未開封のDVD視聴に努める、そうなると腰を据えて見るのはこれしかない。先日入手した“ DAWN OF THE DEAD The Ultimate Edition ”、『ゾンビ』4枚組DVDだ

 本ディスクは先ごろ日本でもリリースされたアメリカ公開版に、139分のエクステンデッド・バージョン、そしてアルジェント編集によるヨーロピアン・バージョンをセットにした、それこそオレを含む数多くのドーンフリークが待ち望んだ究極のビデオグラム。
 公開20周年の1999年くらいにリリースを仄めかしておきながら、結局25周年アニバーサリーに歩を合わせての登場となった。その間、リメイクまで出来てしまって、まぁホロホロ……。

 詳細はまた機を見てコラムででもレビューしようと思うが、写真は同梱されていたコミックブックのダイジェスト版。画が可愛い目なのに描写はゴリー。


 そんなワケで、後は終日コイツとの取っ組み合いに費やして終わり。






2004年9月11日(土)
もう本家待望はいいでしょ




 昼近くに起床し、先週から今週にかけて送られてきたサンプル版ビデオやDVDなどを潰していく。まずは10月の27日にDVDがリリースされる『ナイト・オブ・サ・リビングデッド/死霊創世記』のサンプル版ビデオを視聴。

 しかし『ドーン・オブ・ザ・デッド』の後で改めて本作を見直すと、オリジナルに7割がた忠実な作りが、かえって窮屈な印象を与える。技術の限界、表現の限界で抑えめだったゴア描写に再執刀ってのが、本作リメイクの意義だったろうけど……。
 こうなりゃ、ついでに『死霊のえじき』もリメイクしたらええやん。というか『28日後 ...』がモロそれか。本家ロメロも新作ゾンビ映画を始動させてるらしいが、オレとしては正直、それは伊福部昭に今のゴジラ映画の音楽を望むに等しい行為かと。ロメロはリビングデッドの創造主として祭壇に祀るべき人であっても、もはや映画監督としての資質には劣化が生じていると思うだけに。


 夕方、亀戸でOTCの井戸Pと会い、車で府中まで移動して夕食を共にする。仕事の相談事や企画のための意見出しなど。それから流れ流れてファミレスで午前4時まで喋りまくる。明けの明星がキラキラ輝く頃に帰宅して就寝。






2004年9月10日(金)
20世紀FOXチャンピオン祭り




 朝から都内へ。渋谷シネクイントに行き、11時半より最終日ギリギリで『マインド・ゲーム』を観る。

 やたら周囲の評判がいいので足を運んだんだが、古川タクや久里洋二、田名網敬一や相原信洋あたりの実験アニメ的イリュージョンを、センシブルなダイアログ感覚とデジタルで搦めた、まぁテリーがよく言うところの、

「普段はTVアニメもロクに見ねぇ、映画のステージに上がってるアニメのみ視野に入れてるヤツが気分だけで褒めそうな作品

 で変に納得。それにしても、こんな言語生成に窮するモノ、よく製作GOにこぎ着けたなと思う。


 終了後、紀伊國屋書店の渋谷店で『百鬼園写真帖 内田百間集成24』(ちくま文庫)を購入。久々に個人全集を最終配本まで買い遂げた。まだ5巻までしか読んでないが。


 渋谷から六本木ヒルズ直通バスで六本木へと向かい、15時半よりブエナビスタ試写室にて『ティム・バートンのナイトメアー・ビフォア・クリスマス/デジタル・リマスター版』を観る……これ『喜多郎の十五少女漂流記』みたく、今後タイトルにディム・バートンの名前を冠さなきゃいけないのか?

 ともかく初公開時に観たのは忘れもしない大阪・三番街シネマ。あれから10年、ストップモーションマニアのカルト映画になると思ったら、フィギュア人気から飛び火してクリスマス定番クラシックとして浸透してしまい、今秋デジタルレストア&5、1chでの“お色直し”公開となった。わずか10年そこらでレストアなんて…と思っていたら、プリントから画質向上が顕著に分かるほどのブラッシュアップぶりに驚く。


 六本木から有楽町へ移動し、軽く夕食を腹に詰め込んでから、18時半よりよみうりホールにて『エイリアンVS.プレデター』マスコミ完成披露試写。

 いや、オレはとても楽しんでしまいましたよ。これが『エイリアン5』あるいは『プレデター3』だったりするなら問題もあるだろうけど、“20世紀FOXチャンピオン祭り”として割り切るならツボにハマる。ちゃんとおいしい見せ場も心得てるし、さすがポール・W・S・アンダーソン。エメリッヒ脱落後、唯一“フィルモグラフィにSFしかない男”の開き直りは違う。






2004年9月9日(木) 働き疲れる



 フィギュア王の映画ページのテキストをアップし、とりあえず波は乗り切る。その後、ほぼ夕食と言い切っていい昼食のために外出し、帰りに雄峰堂書店にて『十字路 江戸川乱歩全集 第19巻』(光文社文庫)を購入。


 帰宅して、取材やら某海外TVシリーズの件について、幾つかの宣伝会社と幾度かの電話連絡を交わす。後は溜まっていた資料や試写状の整理。






2004年9月8日(水) 家で働く



 朝からフルに仕事。週チャンの映画レビュー2P、LマガのインタビューPとフィギュア王の映画ページのインタビュー記事、秘宝のDVDレビュー等をアップ。


 その間、郵便にて待望の“ DAWN OF THE DEAD The Ultimate Edition ”を含め数種オーダーしてた輸入DVDが届くが、視聴をグッとこらえる。誘惑に負けることを美徳とするオレには、それこそ究極の我慢だった。(ウソ、本当はちょっと見た)







2004年9月7日(火) 外で働く




 とりあえず今日も大人しく家仕事なんだが、試写経由で人と会わねばならず、午後から都内へ外出。


 まずは新橋へと赴き、15時半よりスペースFS汐留にて『スーパーサイズ・ミー』マスコミ披露試写。

 グローブで一度観たとき、周りはオレよりスーパーサイズなヤツや、ラージコーク&ハンバーガーの匂いをプンプンさせてる“反省とは程遠い連中ばかり”だったんで上手く埋没したけど、今回は映画が終わって場内が明るくなると、明らかに他人からの熱い視線を感じる

「あ〜ご心配なく、こう見えても血圧は標準値だし

 と、自己弁護念波をまき散らしながら会場を後に。


 そのまま五反田へ移動し、18時よりイマジカ第1試写室にて某作品の内覧試写。

 う〜む、皆さんの期待している人は脱ぎ無しで、意外な人がヌードを披露しているとしか言えない。終了後に監督と話をするが、内容は主に撮影時の困難と脚本の改稿について。

 イマジカを出て、幻冬舎のNさんと仕事の打ち合わせ兼で軽く夕食。やはり叩き台がないと話しがうまく固められず、それは宿題のうえ後日にまた会うことに。






2004年9月6日(月) 働く



 夕べは寝室でキューブリック本と津波警報を交互に見ていたところ、知らぬ間に就寝、気が付いたら既に昼といっていい時間に。


 これはマズイですよとばかり仕事場にこもって、秘宝の特集原稿と新作レビュー、そしてLマガのコラム原稿をアップ。後はインタビュー起こして少しまとめる。DVDレビュー用の『ドーン・オブ・ザ・デッド』サンプル版ビデオと、『ヘルボーイ』の原作含む資料数点が到着するが、視聴しているヒマがないので、ブレイク時に後者のみ読み込む。


 夜はどうしようもなく巻き寿司が食べたくなって、近所の小僧寿しに行って太巻きを3本購入。丸ごとかぶりつきながらコーヒーで流し込むという気持ちの悪い食事をしたため、テンションがガタ落ち。





2004年9月5日() 捨てた日



 起床して早速仕事場へ。机に向かって座りパソコンを立ち上げると、なぜか途端に仕事意欲が失せてしまう。「日曜日だから映画のことは忘れろ」という神の啓示だろう。


 そんな逃避をしている状況ではないのだけれど、神様の希求じゃ施しようがねぇなと、気分を変えて外出。駅の雄峰堂書店で『映画監督スタンリー・キューブリック』(晶文社)を購入。あぁ言動に綻びが。


 そんでもって、家に帰って読むんだなこれが。こうなると仕事に戻るの、ますますおっくう。あ〜ハイハイ、ダメ人間ダメ人間。






2004年9月4日(土)
じわじわヤバくなってくる




 ここから数日、仕事のつまらない記述が続くと思う。


 締め切りが圧迫してきたので、とりあえず秘宝の特集原稿をあげてしまう。それから別枠でビデオレビューを依頼された『MAY ―メイ―』VHSサンプル版を視聴。

 内向的で友だちゼロ、『ちびまる子ちゃん』の青木さんをもう少しアダルト変態チックにしたようなゴス女メイが、人間不信&友人代わりだった人形のオブセッションにやられ『魍魎の匣』へと突入するファンタスティック・ホラー。
 まぁ物語は置いといて、メイが惚れる男がダリオ・アルジェント好きの自主映画作家で、そいつの撮った映画が信じられないくらいダメなのが笑える。中川信夫の『地獄』の、どヘタクソな楽団に近いイメージ。





2004年9月3日(金)
若き俊才たちも、ひと皮むけば…




 仕事場の床でうたた寝をしていたら、ファックスが流れる音で起床。週チャンの文字稿が送られてきたので、チェックのうえ返送。その後はウダウダと原稿仕事。


 午後は都内へ。六本木グランドハイアットに向かい、15時半より『ソウ』の監督ジェームズ・ワンと、脚本&主演のリー・ワネルにインタビュー。

 配給のアスミック・エースから個別インタビューの依頼が来たとき「質問したいことが山ほどある」と即座に受けてしまった。それだけこの映画、撮ったヤツらに会いたくなる作品だったワケで。

 インタビュールームに入って2人に挨拶。プロフィールで年齢は知っていたが、実際に会うとかなり若い。
「オレの見立てが間違ってなければ…」と、土産に食玩ゴジラの揃いを持ち出す。すると…

リーわお、すげぇ!! ゴジラだ

 シュート! 食いつきやがった! そこですかさず、

尾崎「2人ともエメリッヒのハリウッド版も観てるよね。あれはどう思ったのよ」

 と問い求めると、これまでハイトーンだったワンもリーも、

ああ、んん……

尾崎「いいよ、もう分かった」

ワン「僕が好きなのはGMK(大怪獣総攻撃)だよ」

 見立てどおり、こいつら相当のオタク


 まぁ、正体が分かれば話に加速がつくのも早く、後はマニアックな質問攻勢。まぁ、それはそれは濃ゆいことアレコレ訊いたんで、後はよろしかったら「フィギュア王」他の誌面で確認してやってくれい。

 帰り際、再びゴジラの話題を振る。

尾崎「そういや今度のゴジラ、最後になるけど知ってる?」

ワン知ってるよ『ファイナルウォーズ』。リューヘイが撮ってるんだろ

 ああ、ますますもってヤヴァいなぁ。でも日本で行きたいところはと聞けば「クラブ」と、そこはきっちりフツーのヤンキーでしたが。


 帰宅後、夜まで軽くインタビューまとめ。


 深夜、幻冬舎のNさんから電話。来週、試写のときに会えないかとの話。以前に話していた仕事の打ち合わせの件。併せて同僚のM女史と、こちらも別件での仕事の協力要請と情報交換。いやはや、今回の●●●アニメはそういう展開で行くのか。






2004年9月2日(木)
それでも、楽しんで観てるオレがいる




 午前中は洗濯に片付け、さらには原稿仕事を渋々と進める。


 午後は遅い時間に外出。六本木のアスミック・エースに寄り、明日のインタビュー仕事のための資料を受け取る。それから大江戸線→半蔵門線伝いで半蔵門へ。東宝東和試写室にて『クライモリ』を観る。

 樹木生い茂るクソ田舎で遭難した男女が奇形人間に狩られる、東宝東和で配給されることがとても正しい70〜80年代ベーシックなホラー。「ハハッ、まんま『サランドラ』だぜ」と思ったら、劇中の男が

『サランドラ』って映画、観たことあるか?

 って台詞吐きやんの。クソッ、予防線張りやがって。


 試写室で一緒になった秘宝編集部・大内軍曹と共に神保町へ。秘宝編集部に立ち寄る。DVDの『続・夕陽のガンマン』と『グッドフェローズ』2枚組が国内版リリースされる話題から、軽く原稿の打ち合わせなど。今月と来月にまたがるレビュー原稿用のビデオをごっそり受け取って帰宅。重い。


 帰宅後、アスミックから受け取った資料を読み、同封されていたビデオに目を通す。
 今回インタビューする監督の、作品の元となった8分間の短編。これを1時間半に拡大したとかではなく、映画の中のワンシークエンスに流用されたという感じ。


 インタビュー用のレジュメを考え、寝る。






2004年9月1日(水) 地獄さんと発火美女




 本日は新宿パークハイアットのホテル・ルームにて、『ヘルボーイ』主演のロン・パールマンセルマ・ブレアにインタビュー。


 まず最初はセルマ・ブレアに話を訊く。

 20代中盤にして女子高校生の役ばかりやったり、トッド・ソロンズの作品やジョン・ウォーターズの新作に出たりと、ちょっとどころか、かなりクセのある女優な印象。顔立ちが女ミック・ジャガーで怖いし……などと警戒していたら、生の本人はとっても綺麗なお姉さんだった。

 とにかくヘルボーイLOVEらしく、インタビュー中は我々が持参したヘルボーイのフィギュアを一心不乱にかまいつつ、

あ、弾を無くしちゃった! どうしよう!?

 と、装填ギミックのある愛銃サマリタンを片手に大慌て。おまえなぁ、人の話を聞けっての!


 30分の間隔を空け、続いてロン・パールマン

「時差ボケと本日最後のインタビューで、かなりクタクタみたいです」と、宣伝のKさんより耳打ちされる。実際、部屋に置き忘れられていたスケジュール表に目をやると、朝から取材予定がビッシリではないか。
 こりゃモチベーションを下げてはいかんぞと、『リディック』のヴィン・ディーゼルのときみたく拍手攻撃を敢行。その甲斐あってか、ロンは丁寧に一礼をして、笑顔で入室してくれた。

 彼は彼で、ウガーとしか言わないバーバリアンな役しかやらない印象もあり、ひょっとしたらファミマで売ってるジャンボフランクみたいな葉巻をくわえ、

「いいから何でも聞きな。なぁに、くだらねぇ質問ならケツから神経引きずり出し、この階から投げ落とすだけだ。心配すんな」

 と、シャレにならない脅し文句でもかけられるかと思ってたが、本人はミネソタ大で修士取得したインテリさんなので、ひとつ質問にかなり長めの、実にロジカルな答えが返ってくる。失礼だが、かなり意外。


 終了後は階下のカフェにて、カメラマン氏らと歓談。話のネタはもっぱら『デビルマソ』。いやはや、いつどこで誰と会っても話題をかっさらうなぁ。









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