朝6時に起床。今日は角川製作・東宝配給のSF時代劇大作『戦国自衛隊1549』の撮影取材のため、静岡の陸上自衛隊東富士演習場に向かう。
東宝本社前から現地へと赴くチャーターバスに、電波・新聞媒体と雑誌媒体が別れて搭乗。やはりというか雑誌媒体は『ニュータイプ』『ビデオ&DVDでーた』や『ガンダムエース』といった、角川傘下の雑誌記者らがズラリ。フリーランスの映画ライターはオレを含め数人しかいない。出版社縛りも厳しそうなのに、なんで呼ばれたんだろワシは?
11時に到着して、早々に撮影現場を見学。
撮られているのはシーン74、織田勢に捕らえられた自衛隊第三特別中隊が天母城へと連行される場面。ドラマ展開のなかで重要な部分ではないが、数の多い軍勢と自衛隊特殊車両、そして馬を大型クレーンとフィックスの2カメ体勢で押さえる大がかりなショットだ。それだけに行軍のタイミングや城門をまたぐクレーンがスムーズに作動しなかったりで、何度もリテイクが重ねられる。
いやぁ、それにしても雑兵と自衛隊員、城門と近代兵器の入り交じった風景に頭がクラクラする。昔『さくや妖怪伝』の取材で行った松竹京都撮影所で、スタジオ間をスクーターで往来する侍姿の俳優にすごいSFテイストを感じたが、やはりそこはこの『戦国自衛隊』が源泉になっているのだろう。

天母城・二重櫓と馬防柵の間に鎮座する87式偵察警戒車、
そして96式装輪装甲車。センス・オブ・ワンダーですなぁ
同行したテリーがやたらと辺りをキョロキョロするので、鈴木京香でも探しているのかと思ったら、「いや、61式戦車のレプリカがないのかなぁと」とのこと。今回は全面協力だし、ありゃもう型落ちと告げると、
「でも、あれは角川映画の縁起モノだから登場させないと」
などと、珍しく気の利いたことをポロリ。
ようやくシーン74が撮了し、美術担当の清水剛氏と、続いて手塚昌明監督を囲みインタビュー。
旧版の感想を尋ねたとき、監督の開口一番は、
「千葉(真一)さんのアクションが素晴らしかったですよね」
おお、噂どおりのシネフィル! 笑みを絶やさず、濃く熱い話をくださる好人物で、聞いてるこっちも顔がほころんでしまう。ちなみに手塚監督、ゴジラシリーズでシネマスコープが続いたが、『戦国〜』はヴィスタサイズ(1:1.85)の作品となる。
それから昼食を頂きにバスへと戻り、しばし一服して再び撮影を見学。シーン74のリバースショットを撮っており、天候がことのほか快晴だったため、鈴木京香の紫外線対策班が忙しく日傘をあちこち移動させていた。そういえば手塚監督、今回はヒロインのウェットなトレーニング姿は撮らないのだろうか?
時間はかなり押し、15時に予定されていたミニ会見が始まったのは16時半。それを終えて会場を後にする際、ロビーで原作の福井晴敏氏と挨拶を交わし、確認したかったことを本人より直接聞き出す。架空戦記のマスターピースである前作と半村良へのリスペクトや、原作のテキスト化の話。それとガンダム近辺の動向など、まだ公言できぬネタばかりなので、詳細はいずれ。
すべてのスケジュールを消化し、東宝本社前に到着したのは20時を回った頃。帰京後に駆けつける予定だった『オペラ座の怪人』には結局間に合わず。そのまま夕食を食べて22時に帰着。ちょうど実家の父親より電話が入り、今日のロケ取材のことに話題が及ぶと、
「角川映画だと? 春樹はまだ懲りずに映画製作か!」
などと爆弾を投下するので、現在の角川体勢と春樹の現状を具に説明、夜は深々と更けていく。