2005年6月9日(木)
己が遅筆を機械のせいに




 仕事をしていたら、ある瞬間キーボードが全く反応しなくなった。打圧が強いので消耗品と割り切って使っているが、購入してそれほど間がなく、しかもパンタグラフ式はタッチ感バツグンなので、なんとかトラブルを回避しようと四苦八苦。結局解決に難渋し、押し入れにいれてある古いのを入れ替えて使う。

 夜に一段落ついたさい、ソフトインストールをやり直したら、何事もなかったように再び作動。ホッとしたものの、やはり便利に慣れると能率が悪くなるというか…などと、とりあえずは自分の遅筆を機械のせいにするのである。





2005年6月8日(水)
なんとなく覚えてるのは……




 締め切りをブッチし、とある試写に出ねばならなかったのだが、母校の教学事務局に早急に送らねばならぬ証明書申請の封書を失し、それを探している合間に間にあわなかったというオチ。

 しょうがないので、大人しく秘宝のもうひとつあるインタビュー原稿と、フィギュア王のレギュラー原稿に着手。





2005年6月7日(火)
だって相馬光子なんだもん




 今日は渋谷の某スタジオにて『ジョゼと虎と魚たち』『メゾン・ド・ヒミコ』の脚本家・渡辺あやさんにインタビュー。

 島根県在住の彼女に、我が実家が隣県であることを伝えると、

「あ、このまえ遊びに行きましたよ!」

 と、グッとローカルな話に。近影スチールと作風から察するに物静かな女史と思いきや、意外とハキハキして聡明なお姉さんでした。

 終了後、帰り支度をしていると、傍らでお人形さんみたいな美女が、壁に貼られた進行表らしきものを凝視している。よく確認するまでもなく、それが誰かはすぐに判明。

 ゲッ、柴咲コウだ!!

 一瞬、即座に身構えてファイティングポーズをとった、そんな自分が悲しかったです。けどナマで見るコウちゃんの美しいこと! 日頃「人殺しフェイス」とか「交尾した後でオスを食らうカマキリ女」とか好き勝手にイメージ置いてる自分に、すさまじい嫌悪感が襲ってきたというか、それくらいのインパクトが……。






2005年6月6日(月)
もはや日記の体なし




 昨日のキューブリック本が直接の原因ではないのだが、肩こりが再発してコンディション最悪。それでもチャンピオンほか、秘宝のインタビュー原稿などをあげる。


 他の事柄は思い出せないが、冷蔵庫を開けると奥のほうに飲みかけのトマトジュースのパックが放置してあって、四角かったはずのパックが六本木ヒルズのような円筒形になっており、ちょっと戦慄走った日ではなかったかと。





2005年6月5日(
巨人の足跡




 午前中、やたらにデカい巨大荷物が輸送されてきた。何かと思えばスタンリー・キューブリックの豪華本“ The Stanley Kubrick Archives ”。オールカラー554ページ、重量6キロ。ページめくるのもちょっとした運動で、肩こり再発ですよマジで。

 ただキュー太郎マニアには一生モンのお宝というか、『ロリータ』のカラースチールとかボツになった『アーリアン・ペーパーズ』や『ナポレオン』の衣装フィッティングスチールやら『2001年』の幻エイリアンやら、もうお蔵出しの極み!

 膨大なテキスト&図版写真の圧倒的情報量もさることながら、キューブリックのプライベートフォトも未公開のがいっぱい載っててご満悦。オレみたく、あの哲学者みたいな風貌にジュンとくる人は、何を迷うことがあろうって感じ。


 大きさ厚さに併せて値段も相応ゆえ、さっそく原稿のネタにして元をとる。というか、『ニューズウィーク日本版』6月1日号に掲載された書評「キューブリックに魅せられて」が記事としては最悪だったので、とりあえずオレがフォローしとこうって余計な義務感もあり。






2005年6月4日(土)
え、何をしたっけ?




 なんか立て込んでて間が開き、もはや記憶の一片すらない1日ですが……。

 お、そういや『ディープ・ブルー』をTSUTAYAでDVDレンタルしてきて観ましてね。試写に行き損ねたあげく、前売り買ってて結局ムダにした巡り合わせの悪い作品だけど、日頃クビが飛んだり、高速道路を逆走して高級車がボコボコになる映画ばかりフォローしてるんで、たまにはこういうので心の浄化を……と思ったら、もっと気持ちささくれ立ってしまいました。『グレート・ハンティング』みたいな悪趣味演出のオンパレードじゃねぇか!





2005年6月3日(金)
梅雨も近いしなぁ




 原稿手付かずのモノ多く、さらには雨に濡れると体が溶ける体質なので……という稚拙な責任逃れ通用せず、観念して試写。アスミックエース試写室にて『メゾン・ド・ヒミコ』。

 ゲイ専用老人ホームを舞台にした犬童一心(『ジョゼと虎と魚たち』)の最新作。ゲイの父親(こいつがホームの創始者)に捨てられ、すっかり厭世に染まったヒネ顔の柴咲コウが、人生酸いも甘いも咬み分けたゲイ達とのふれあいで距離感を縮めていく……ああもう、いかにも形から入りましたの映画なんだけど、ブッすいコウちゃんのコスプレ七変化と、田中泯にゲイのテイストを嗅ぎだした嗅覚の鋭さに負けた。しかも『ジョゼ〜』の池脇千鶴の先例があるんで、柴咲コウのエロシーンが入るたび、ひょっとしたらと……ああ、すいませんコウちゃん、そのカマで殺さないで!!


 帰りに平田弘史『それがし乞食にあらず』を購入して電車の中で読むと、中身は『平田弘史傑作選』と重複する作品が多くて買い損チック。今頃になって『血だるま剣法』に感銘を受けたテリーに譲渡する。

 ところで『血だるま剣法』といえば、竹熊健太郎先生んとこの平田邸訪問記……じゃなく、もしやと思い【血だるま剣法 シスの復讐】でググってみたところ、幸いなことに該当無し。いや、これはいずれ何件か引っ掛かってくるだろうけど、今は秘密。





2005年6月2日(木)
おやじ学ラン率のAV並みに高い映画




 試写が終わってしまったけど、レビュー記事作成のため観る必要があったので、サンプルビデオで『魁!! クロマティ高校 THE★MOVIE』を観る。

 クロ高の実写化を『地獄甲子園』の山口雄大でってところ、地の利があるというかそんなもの無いというか。池上遼一タッチの絵で大仰なワリにミニマル&バストアップ構成で腰が重い原作のポイントは外すも、メインキャストは27歳の須賀貴匡を筆頭に(こいつが演じる神山が怖いほどソックリ)、他は30〜40歳の高校生がゴロゴロという、秩序もへったくれもない世界観は原作と拮抗している。


 実のところ、これを観たくらいしか記すことなく……おめぇ仕事しろよって感じですね、ハイ。





2005年6月1日(水)
『スリー・キングス』の監督に訊く




 海外の映画人にインタビューするとき、ネタに困ったり相手が心を開かない場合、仕方なく尋ねる質問がある。

ところで新しい『スター・ウォーズ』観た?

 誰でもこの話題には大なり小なり感心を示すし、話題が「どのエピソードが好きか?」に拡大すりゃ、選択次第でそいつの人間性が分かる。ちなみにボブ・サップは『ジェダイの復讐』で、ブラッド・アンダーソンは『新たなる希望』。さもありなんだ。


 んで本日、その懐刀をブスっとやっちゃおうかと思ったのが、『ハッカビーズ』の監督デヴィッド・O・ラッセルのインタビュー取材。

 前作『スリー・キングス』のルックがCNNニュース報道のキャメラスタイルならば、今回はヌーベル・ヴァーグでしょと聞くと、それほど意識していないとキッパリ。執拗に出てくるジェシカ・ラングのポートレイトが何を象徴するのかと聞いたら、チョイスの可笑しさをスッ飛ばしてマジメな演出論を呈されるし。アワワ。こういう手合いは上述の質問を投げかげると、絶対『THX−1138』とか言ってきそうな気がする、冗談ぬきで。


 取材終了後、歩いて京橋に移動。映画美学校第一試写室にて『ナチュラル・シティ』を観る。

『ユリョン』のミン・ビョンチョン監督が手がけたコリアン・サイバーパンク。『エイリアン』『ブレードランナー』『イノセンス』と、ビジュアルやガジェットに至るまで様々なSF意匠を取り入れて意欲的なのは結構。けどそこは韓国映画、5周遅れで走っているランナーというか、咀嚼が足らず具材の形骸が如実なのは山崎貴の『ジュブナイル』や『リターナー』に近い感じ。もったいぶって感傷的な演出を施してるワリに、ストーリーが散漫でよくわからねぇし。


 帰りに『ナチュラル・シティ』のプレスを車中で読んでいたら、プロダクションノートにおけるアスペクト比の解説がおかしい(というか意味不明な)のに気づく。スーパー35の画角が1:2.35だとか、根本的に分かってない感じ。たぶん本国のテキストに依拠するもんなんだろうが、こういうの直接指摘したほうがいいのかなぁ。







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