=ドリー =テリー


2002年9月29日() 絶不調な日というか…



 居を移してから諸々の心労が蓄積したせいか、久々にスランプが襲ってきた。現在イヤでも机に向かわねばならない状況なのに。こういうときは執筆以外の方向で仕事を進めていくのも手段。というワケで、たまっていた映像資料や活字資料をつぶしていく。

 まずは『ゴジラ×メカゴジラ』の脚本を熟読。『大怪獣総攻撃』がカンフル剤になったようで、怪獣のキャラクターにおもねらず、少なくとも作品として質を高めていこうとする意欲が活字間から感じる事ができる。ストーリーは直線型で捻りに乏しいが、メカゴジラの必然性にそれなりの配慮がなされているし、登場人物個々のオブセッションが取り払われていく「人間ドラマ」としても特徴的だ。巨大生物が自然災害として頻発生するというバックグラウンドを持ちながら、敢えてゴジラとメカゴジラの一騎討ちに焦点を置くスリムさも好感触。『ハム太郎』経由の集客で、ゴジラに過剰な興行価値を負わせることがなくなったのが、こういう“よろしい傾向”に拍車をかけたのかもしれない。しかし前にも述べたけど、今年のお正月映画、なんか暗いなぁ。
 
 そして、先日神様の啓示によって購入した『ハリー・ポッターと秘密の部屋』を読む。しかも手元には既に『アズカバンの囚人』まであり、こうなりゃ毒食らわばで10月刊行の『炎のゴブレット』も予約済み。仕事とはいえ自己嫌悪だなぁ、こういう済し崩し的迎合って。

 おまけに読みはじめてしばらくすると、部屋のブレーカーが落ちて停電になって真っ暗。しかも落ちたままブレーカーが上がらず、やむなく東京電力に来てもらう。どうやらガス湯沸器の絶縁不良が原因らしいが、おかげで風呂に入れないでやんの。


 



2002年9月27日(金)
『トリック』に始まり『トリック』に終わる




 今日は有楽町、東宝本社にて『トリック』の堤幸彦監督インタビュー。
 オレが昔造形大のメディアラボに勤務していたころ、映像学科生たちのブランド・ディレクターは岩井俊二だったが、今はこの人。秋元康哲学が浸透している良い意味での“業界人”なので、回答がサービス精神旺盛、興に乗って話が進む。『ムー一族』の久世光彦や『ワン・フロム・ザ・ハート』リスペクトにはちょっと泣かされたし。デジタル24p撮影の話を深く掘り下げたが、依頼誌の性質上カットかなぁ。

 インタビュー終了後、宣伝部に顔を出し『ゴジラ×メカゴジラ』担当氏に挨拶。手塚監督インタビューの予定など軽く耳打ち。外に出たら携帯電話が落ちていたので、拾って警察に届ける。CooのストラップがついてたF502iに覚えのある人、有楽町交番まで。
 その後、中野に赴きワールドフォトプレスに顔を出す。フィギュア王編集部みんな久々の再会。帰り際にちょうど額田編集長が出先から帰ってきたので、挨拶と同時に『ウオッチアゴーゴー』の編集部員を紹介してもらう。額田さん、今度は“看板”の雑誌を発刊するとのこと。一瞬、業界誌かと思うが、社内デカデカと貼られた告知ポスターはアドボード・エンターテンメントを標榜してるし。なんだよそれ?

 テリーとオレが中野に出向けば、もちろんブロードウェイを素通りするワケもなく。まんだらけやトリオを徘徊し、国分寺経由で帰宅。締め切り原稿が詰まっているが、前日の睡眠不足を解消するために寝る。テリー、急きょ依頼の『トリック2』原稿のためにビデオ漬け、なんとも『トリック』づくしな一日。あ、『タモリ倶楽部』と『C/Wラブ』見逃した! うえ〜ん国分様ぁ〜。


 



2002年9月25日(水) 悲壮



 深作欣二が骨癌をカミングアウトした。
 会見を見たが、やはり面変わりが痛々しい。ドクターストップに目をつぶって撮影に臨むという『バトルロワイアル2』。「活動屋は撮影所で往生」の轍を踏む映画作家の壮烈な生きざま。削いだ我が身を創作に肉付けしていくような執念。ただただ、来年はその結晶と対峙できることを願うのみ。

 大学時代、京都文化博物館の日本映画講座でナマイキな質問をぶつけたこともあるが、数年経て『バトルロワイアル』のインタビュー時にその非礼を詫びると、「人間、妙なところで縁があるもんだなぁ」と豪快に笑い飛ばしてくれた。事後、テリーと東映会館の中華料理店で「エネルギッシュな爺さん、少しパワーを分けてもらわんと」と話をしたものだが、あの時、既に癌が体を蝕んでいたのと思うと、複雑な感慨にとらわれる。

『実録・共産党』はやっぱり夢と終わるだろうが、「反体制の精神なくして作家なんかやってられねぇ」の魂は『バトロワ2』に引き継がれるだろう。

 それでも、やっぱ辛ぇや。


 



2002年9月24日(火) 奥菜って●●らしいっスよ


 今日は試写2連発。まずは銀座でロバート・アルトマンのオスカー脚本賞受賞作『ゴスフォード・パーク』(UIP配給)。
 
 アルトマンお得意の群像劇。クセ者揃った役者のアンサンブルが絶妙。けど話が平坦でタルいうえに主要人物がやたら多く、それらの関係を把握するだけでひと苦労。しかもサスペンスというワリに事件発生までのフリが長く、発生後の展開が淡泊にサッサと進行しちゃうから、完全にドラマにノり損ねちゃったよ。日頃カンフーとかカーチェイスとかチンポとかオッパイとか出てくる映画ばっかり観てると、こういう時に頭が回らなくなるんだよなぁ。
 
 ちなみに普段から「メイドさん萌え〜〜〜!!」とかヌカしてるアニオタ系なお兄さんがたは、この作品見といた方がいいですよ。メイドが普段考えてるような生やさしい世界じゃねぇって事が身に染みてよくわかります。
 
 終了後、新宿に移動して知人M氏と合流。夕食を食べながら、こちらの物書きとしての姿勢についてのレクチャーを受けてたはずが、いつのまにか話題は「めざましテレビ」の“お天気千佳ちゃん”が日々増して厚化粧になっていく疑問から、さらには田舎のエロ事情へと移り変わり、いかに知り合いにバレずに地元の風俗に通うかだの、東京のインディーズAV相場を知ったら、田舎のビデオ屋じゃ買えないだの話題で盛り上がる。インディーズビデオ評論家のドリー&歌舞伎町ビデオ屋事情通のM氏相手じゃ致し方のないところか? こういう時にエロメディア事情に疎い自分の薄さを実感するなぁ……。
 

 帰宅するM氏を見送った後、テアトル新宿へと移動。『呪怨』(テアトル東京+ザナドゥー配給)の完成披露試写。
 
 恥ずかしい話、オリジナルを観てないんで比較は出来ないんだけど、“呪いの連鎖”のパズル構成が技巧に余り、得体の知れない「恐怖」のパワーに欠けてる感がある。この点、ビデオ版1・2ともにチェック済みのドリーに訊いても、
「オリジナルは不明瞭ゆえの不安感や怖れが、ビンビンに張り詰めていたんだけどなぁ」
 って言うし。もとより「家にこもり独りで味わう恐怖」が、映画の巨大スクリーンに場を移した時点で齟齬なきにしもあらず。まぁキャストが美少女揃いなんでポイントは高いんですけどね。奥菜恵がオッケーなのは今さらだが、ドリーがイチオシの上原美佐がオレ様のハート鷲掴み。あと津田寛治、おまえ最近仕事しすぎ。
 
 帰宅後、プロ野球ニュースでジャイアンツの優勝報道を見るが、パスボールで阪神にサヨナラ負けして、六甲おろしが鳴り響く中の胴上げなんて余りにもマヌケすぎ。やはり●×で購う優勝にはそれなりの結末が待ってるわけですな。


 


2002年9月23日(月) 
こんな事してるうちにもゴマキは娘。を去っていく……


 まるでドリーの日記に呼応するが如く、昼過ぎのテレ東で『犬神家の一族』が!! こういうのを西手新九郎って言うんですか唐沢先生!! 当然の如く最後まで観て、市川崑の至芸を堪能させていただくが、映画終了後に突如として袴姿の上川隆也が登場。何事かと思えば、テレ東の横溝正史生誕百年記念ドラマで金田一でやるということで、その番宣として『犬神家』を流したらしい。どうでもいいけど上川金田一ってアリなのか? どうも物心ついたときから石坂金田一に馴れてる自分らにとって、どうも他の金田一(古谷一行を除く)は全部パチモンくさくて。特に鶴太郎&トヨエツ。今の役者で金田一を演じるなら、矢部浩之あたりが適任じゃないかと思うんだが……大阪弁の問題はあるが。
(間違っても窪塚なんかにゃ無理!!)

 その後は散歩がてら近所をブラブラ。裏手にあるにも関わらず、今まで一度も行かなかった『ハローマック』に寄ってみると、何と今日で閉店とのこと。閉店セールで店内はあらかた売り尽くされて、殆どめぼしい物は残ってなかったが、それでも以前から欲しかった仮面ライダーのラジコンバイクでお馴染みのタイヨーが最近リリースした自転車RC【両津勘吉】が何と3980円で叩き売りしてるじゃないですかあんた!!手元に五千円も持ってりゃ確実に即買いだったんだけど、現実は……俺、こういう機会って確実に毎回逃すよな。

 帰宅後、G+でプロレスリング・ノア武道館大会を生中継でやってるんで、もちろん見る。見入る。あんまり見入ったお陰で『東京フレンドパーク』のモーニング娘。特番も『貧乏脱出作戦』の最終回スペシャル(どうやら9/7のドリー日記の“みのもんたロケ”はこれらしい)も見逃すくらい見入る。
 メインとセミのタイトル戦も満足度の高い試合だったが、なんと言っても一番面白かったのがセミ前のJr.タッグ。先日の新日本プロレス武道館大会でIWGPJr.タッグを奪取した菊地・金丸組からベルトを取り戻すべく、新日のサムライ・成瀬組が乗り込んでタイトルに挑戦したんだが、とにかく新日勢に対する凄まじいまでのブーイングの嵐!! サムライ&成瀬は勿論のこと、セコンドのライガー&田中稔にもブーイング、試合後に乱入してきた邪道&外道にもブーイング、挙げ句の果ては選手権宣言しに来ただけの木村健悟にまでブーイングの嵐!! 現役時代も逆ヤジ将軍(主に「カンペーちゃ〜ん!!」)だったキムケン、引退してからもこういう扱い受けるとは思わなかったろうに。

 その後、ノア武道館関係のニュースをネットで探っていると、全女の松永元社長死去の報を知る。幾度もの倒産危機(実際に倒産したことも1〜2度)を乗り越え、日本独特の女子プロレス文化を育んできた偉人であり、プロレス界に残る数少ないモノホンの香具師でもあっただけに、非常に残念というか何というか……今年に入ってから、全女はエースの豊田真奈美が離脱するわ、長年二人三脚でやってきたフジテレビとの関係が解消されるわ、小人プロレスのエースだったリトル・フランキーは亡くなるわとその衰退ぶりが目につく全女だったが、ある意味象徴だった松永氏の死が、その傾向に更なる拍車をかけるような気がする今日この頃。まぁ、オレ的にはガイア・ジャパン(っていうか広田さくら)さえ残ってくれりゃそれでOKなんスけどね。

 


2002年9月21日() 今日は神様が……



 とつぜん枕元に立ち、
「おまえはこれから本屋さんに行って『ハリー・ポッターと秘密の部屋』を買ってきなさい。でないと脳を溶かすぞ!
 と脅すもんだから、仕方なく近くのTSUTAYAに行って『秘密の部屋』を購入。いまさら『ハリー・ポッター』を買うのって、ある種の羞恥プレーみたいなもんで。奥付を見ると第335刷、ハハァ溜息。
 一緒に『プレミア』11月号なんかも購入。「メイキング・オブ『犬神家の一族』」を読もうと思ったので。このビハインド記事の白眉は、あの20世紀フォックスの大ボス・古澤利夫氏に証言をとっていること。やっぱり角川映画、影の立役者だったんだなぁ。大野雄二もアレ、崑組の音楽シフトのやりづらさについてサラリとふれてるし。

 夜、ヒストリー・チャンネルでやっと『ブラックホーク・ダウンの真実』の再放送に巡り合う。観るつもりが、裏番の「NNNドキュメント02」にも気をとられちゃった。今日は京都造形芸大の市川猿之助の歌舞伎履修について。おお、我が懐かしのキャンパス。伝統芸能を体得することで「表現とは?」を今一度考えるという明確なテーマ。歌舞伎の持つ普遍性と魅力にのめり込む学生や、自らの創作とのリンクを模索する学生。「動き」の原点に立ち返ろうとするストリートダンサー。経年淘汰されて現代に息吹く表現、古典がなぜ古典たりえるのかという真摯な考えが、ソマリ族のヴァイオレントな姿とザッピングしながら脳裏をよぎりました、チャンチャン。


 



2002年9月21日(土) 崑・キューブリック



 やれ『ロッカーの花子さん』だ『東京女事務所』だの、変態因子を活性化させるTV番組を観たよと吹聴しては嬉々とするここ数日。まぁもとよりそういうキャラなんだけど、今日はちょっとアイデンティティを再確認させるプログラムに浴するメ〜ン。

 まずは市川崑自身が手掛ける『黒い十人の女』のテレビドラマ・リメイク。10人のロングコート女たちがズラッと揃いぶみは、やはりスコープ画面でこそのキービジュアル。お得意のサイドライティングにハイ・コンも、襖に着物の袖を挟む“お約束”も、西武ライオンズ優勝のニュース速報で興ざめだ。というより、今これをリメイクする意義は何よ? 深作健太が欣二を傀儡にしたように、市川崑の背後にいる正太郎君は誰なのよ? モダニズムの巨匠だとか、言葉を費やせば費やすほど陳腐になるなぁ。
 観賞後にテリーと話すが、「市川崑に深田恭子という取り合わせが変。たけしの映画といい、女優になりたいのかフカキョン」と言うので、「もともと女優じゃん」と返したら「アイドルだよ」と。それ以上会話成立せず。

 深夜、NHK−BSで『ドキュメンタリー スタンリー・キューブリック』を視聴。これはDVD−BOXの特典ディスクとしてソフト化されているが、全3回のシリーズとして構成されたオリジナルのままのオンエアなので、作品の分岐点に沿った割りが気持ちいい。特に『バリー・リンドン』の興行的失敗からコマーシャリズムに与した『シャイニング』へと至る第2部→第3部は、クレジットの締めがちょっとゾクゾクするね。『ゴッドファーザー』エピック・テレビジョン版の次回予告くらいに。

 キューブリックに関してはもう、いまさら何を語ろうかってくらい大尊敬する作家だが、オレが惚れ込んでいた最大の要因は「ジャンルに貴賎なし」の製作意識があったことと、あの哲学者のようなルックスだったりする。見た目からプンプン漂うカリスマ性。キューブリックを俳優として使いたいなんてヤツ、いなかったのだろうか?


 


2002年9月20日(金) 国分様モード



 宅配便のノックで叩き起こされた本日。洋泉社から「映画秘宝」最新号届く。『OUT』脚本を担当した鄭義信インタビューの掲載号なのだが、ゲッ! オレの名前が誤植だ。こういうのが一番こたえるなぁ。

 今日予定のあった堤幸彦のインタビューは先方体調不良により後日に。堤監督の聞きどころをアレコレ考えていたが、オレどちらかというと『トリック』より、小池栄子と野波麻帆がマンションでケンカファイトする『2LDK』のほうが気になって仕方がない。

 起床後は『マイノリティ・リポート』絡みの原稿の下案と、企画書のいくつか。そんなこんなしているうちに『ロッカーの花子さん』の今週分再放送が始まり、視聴モードに。このドラマ、友人から吹石一恵の魅力を懇々と諭されて見始めたのだが、いつの間にやら習慣になってしまった。ともさかりえが文句無しのベストキャスティングだが、オレとしてはセミロングのボブがカツラみたいな国分佐智子が高ポイントなのさ…などといっていたら、その晩の日テレ『C/Wラブ』も国分佐智子だったりして、微妙に国分様モードな一日。


 



2002年9月19日(木) ハリソン、笑え!



 日比谷で12月公開のお正月作品『K−19』(日本へラルド映画配給)試写。

 原潜K−219メルトダウン事件ならルトガー・ハウアーの『敵対水域』があるが、やはりバジェットと技術力、キャスト層にその差が出る。ミミ・レダーに水をあけられたキャサリン・ビグローだが、アクションに逃げず、アップ→アップの役者主体なリバース・ショットで腰すえた演出しているのが印象的。まぁソコはソレ「オレをかっこよく撮れ!」というハリソンの指示だったかも知れんが。兼プロデューサーだしね。けどハリソン、恐ろしく老けが進行した気がするが、おまえホントにそれで『インディ4』できるのか? 原子炉修理にイケメンばかり駆り出されるのは、被ばく前→後を強調するためかと。
 あと編集にサウンドデザイン、久々のウォルター・マーチ仕事が秀逸だ。

 しかし『K−19』、話が暗いよ。『マイノリティ・リポート』は銀残し&ハイキーの始終ダークビジュアルだし、『ハリー・ポッターと秘密の部屋』もホグワーツ破壊工作篇。なんかドンヨリしてるぞ、今年の正月映画。


 



2002年9月18日(水)
なんかこう書くと多忙だな、俺



 前日はインタビューのテープ起こしやら個人的な問題やらで、眠ったのが朝の6時過ぎだったけど、いろいろ予定があるため午前10時前には起床。ドリーを叩き起こして有楽町へと向かう。

 まずは東宝試写室にて『トリック−劇場版−』試写。堤幸彦監督のインタビューが控えているドリーに引っ張られての観賞だが、正直に言うとTVシリーズ全然見てないんで、こんなオレでも楽しめるのか不安になったんですが…楽しめましたですよハイ。
 話自体はムチャな展開が多いけど、随所随所で小ネタがピシッと決まるんで退屈しない。貧乳&巨根はもとより、ここんとこウザい存在になりつつあった竹中直人が、ひさびさに東京イエローページテイスト全開なキャラを怪演してるし、生瀬勝久が槍魔栗三助時代を彷彿とさせる暴走演技の連打でツボを直撃。個人的には阿部ちゃんの●●ネタ(詳細はネタバレになるので割愛)だよ。あのシーンで『ブギーナイツ』を越えたと俺は確信したね。遅まきながらTVシリーズ、ドリーからビデオ借りてチェックしとこう。

 試写終了後、「映画秘宝」誌の編集さんと待ち合わせ。来月発売号の記事についてメシ食いながら打ち合わせなのだが、今回扱う作品を、秘宝的にどうまとめるかで三人揃って頭を抱える。さんざん話題がアッチ行ったりコッチ行ったりしたすえ、何とか記事の方向性がまとまると、あとは雑談モードでいろいろ。今度の東京ファンタやら、アニメ声優やらの話題で盛り上がったすえ、最後は雑誌企画に関するレクチャーを受けてお開き。別れぎわ、なぜか編集氏と今度のフェアレディZのデザインについて意気投合する。やっぱり男ならZやね。あとブルース・リー。
 編集さんと別れてから、ドリーの希望で秋葉原へ。It’sでフライング発売されている『コヤニスカッティ』のDVDを購入するためだが、あいにく入荷遅れ。仕方なく『スターシップ・トゥルーパーズ』の2枚組DVDなど購入してたが、ちょうど姉妹店Saleの大阪店長が上京しており、「出張のついでに寄ってくれたのかと思った」と我々の東京移住に驚く。

 DVDを購入後、帰宅のため新宿へ移動。ドリーが晩飯は変わった物を食いたいというので、思ひ出横町の「つるかめ食堂」に連れていって名物のソイ丼を食わせる。食後、感想を聞いてみると「ただのカレー丼やんけ!!」と一刀両断。

 その後、せっかく西新宿にいるんだからということで、これ当然の如くビデオマーケットへ。ここでドリーが運良く『コヤニスカッティ』を発見、ようやく購入。

 家路への道すがら、ドリーと今後の活動について話をする。こちらが以前から考えてる企画の件について話すと、面白い企画だし、自分で色々手配して進めてみろとのアドバイスを貰う。実現するには何かと面倒な事が多いが、やってみたいテーマだし、ある程度軌道に乗ればいくらでも面白くなりそうなんで、時間をかけて少しづつ形にしていこうと思う。自分のことだから、空中分解する確率高いけどね。




2002年9月17日(火) 久しぶりに帰ってみれば……



 実家→東京へと帰る途中に大阪に立ち寄り、お世話になっていた配給会社さん各所に顔を出す。しかし越して1ヶ月半経つか経たぬかなので、
「ドリーさん、まだ引っ越ししてなかったの?」
 
なんて言われる始末。情けねぇなぁオレ様。

 しかしわずかの不在にも異変あり。梅田は角田町にある「揚子江ラーメン」の斜向いに、あの「一風堂」が開店していたのには驚いた。高田馬場「えぞ菊」の近隣に店を出した「天下一品」を思い出さずにはおれない、仁義なきラーメンバトル。一風堂は長堀店に開店したばかりの頃、テリーと食べに行ったことがあるが、そのときは今ほどその名を意識しておらず、特に味に感動したワケでもなかった。やはり名前に味覚が操作されてしまうのか。

 そういや実家近くに「カレーの王様」が進出していたのにも驚いたなぁ。西日本にはフランチャイズ店鋪がわずか4件しかないが、よりによって中国・四国で唯一、なぜ我が郷里に?


 



2002年9月16日() 恥ずかしい過去



 日記に大きな穴が開いたけど、これは連休中、オレが実家に帰省していたのと、テリーが特記することのない怠惰な日常を送っていたことによるもの。ごめんね、巡回コースに加えてくれてる方々。


 帰京前日まで、親父にせっつかれて私物の整理をしていたのだが、中学や高校時代の自分なんて、もはや他人同然。それゆえ客観的に顧みる足跡の恥ずかしいこと! 設定資料を100枚くらい描いといて本編わずか3ページというマンガを筆頭に、東條英機の写真をアイドルブロマイドのように挟んでいた生徒手帳や、『バラエティ』から切り取った渡辺典子スクラップ集(昔はファンだったのだ)など、赤面アイテムが出てくる出てくる。

 いちばん笑ったのが、ラブレター代筆の下書き。
 実はコレ、中学のときに2人の男子同級生から依頼されて書いたもので、オレの苦労も空しく、2人とも見事にフラれてしまった懐かしい逸品。そりゃ当然、「オレの女になるかい」とか「君の人生にオレという人間が介入(原文ママ)できた喜び」など、あまりにもセンスなきラブラブセンテンスに、“所詮ヒトごと”感が絶妙に入り交じった文面。
 ならばなぜ依頼を受けたのか? いや、家に遊びに来いよと言われ、そこでふるまわれた上握りや丸ごとのイチゴショートケーキ等、中学生にしてはムリのある歓待攻勢を疑うべきだったんだよ。でも、腹に入っちゃったものはしょうがないワケで。

 しかし、このエピソード最大の問題は、フラれた2人がホモ関係に至ってしまったことにある。当時、彼らの交換日記が延々と綴られている『伝説巨神イデオン』のノートを目にした時の衝撃は、『ミュージック・ボックス』のラスト、オルゴールから出てきた父の写真をみたときのジェシカ・ラングのソレに近い。

 それにしても、今どうしてんだろうなぁ、矢●と池■。


 



2002年9月12日(木) 何がアタったのか、


 朝からすさまじい腹痛が襲ってきて4回連続トイレへ直行、ウンウン言ってましたよ。たまらず腹痛薬を買いに行き、服用したらこれが見事に快。普段クスリを常用していないせいもあるが、体の作りが単純だよオレ。
 その足でSPE試写室で『プロフェシー』試写。ソニーピクチャーズは試写案内の移行をいち早く手続きしてくれたのに、挨拶はいちばん遅れる形になって恐縮。『モスマンの黙示』は国書のを昔読んだが、映画は昨日の『スパイダー・パニック!』と同じく、『サイン』とどこかハモっている感じが。あと身を乗り出すくらい見事な描写力のスペクタキュラーが最後に用意されてるんだけど、これがネタの核心に触れるので具体的に言えない。
 試写後は秋葉原へ行き、テリーがIt`sで『バタリアン』の北米版DVDを買おうとするが、あいにく品切れで予約注文。オレを煽られて『ブレイド2』を買う。その後は前回食べられなかった「じゃんがららあめん」で昼食だか夕食だかわからない食事をとる。その後、フライングで依頼された仕事でテリーは『容疑者』の試写に行かねばならず、その場で別れる。帰宅してから、文字稿チェックや原稿の草案などなど。

 ちょっと私事で懸念される諸々があって、ここ2、3日気分が冴えないなぁ。まぁ、人生そういうケースもあるさということで。


 


2002年9月11日(水) あの事件から1年……



 この日は原稿を進めては仮眠、進めては仮眠の非効率な仕事に終止。ポルコ・ロッソじゃないけど「睡眠不足はいい仕事の敵」を痛感。

 夜はワーナーで『スパイダー・パニック!』試写。クモ映画観て米同時多発テロ追悼をしようという「映画秘宝」誌の読者招待企画に招かれたのだが、まぁ批評を要する類いの作品でなし、純粋に楽しむ。60年代モンスター・パニック物を今の視覚効果技術で再現するのは「拙い技術をどう表現でカバーするのか」というオリジナルのジレンマを取り払うことで。でもいくらCGで生物的にリアルな描写をしたところで、しょせんクモはクモだしなぁ。観てもらえれば納得すると思うが、展開的に『サイン』がダブってしまう。

 帰ってオムニバス映画『セプテンバー11』を観るつもりが気持ちがシフトせず、マフマルバフのパートで挫折。睡眠不足を解消するために早々に寝る。


 


2002年9月10日(火) 
なんで“The Mothman Prophecies”じゃダメなん?


 今日はソニー・ピクチャーズで『プロフェシー』の試写…の予定が、もろもろの都合で時間に間に合わずキャンセル。けど取りあえず出かけちゃったもんだから、次の予定までポッカリと時間が空いてしまい、仕方なく渋谷周辺を探索。
 まずは久々に「すみや」でサントラCDを見て回る。欲しいサントラはあったんだけど、金がないので泣く泣く店を出る。いや、パラマウントの90周年記念ベストとか欲しかったんだが、このCD、1曲目が『プライベート・ライアン』で、最後の曲が『フォレスト・ガンプ』ってのは狙いすぎ。

 その後、いつの間にやら移転してた(しかも9月一杯で移転のため閉店)「Sale」に寄ってから、某所にて某映画の試写。
 いや、この作品がスゴいのは前から知ってたけど、輪をかけてスゴかったのが吹き替え版のキャスト。そこまでアニメちゃんに擦り寄ってどうすんの?

 ちょうど試写室にドリーの担当編集氏が来ていたこともあり、試写の後は三人で夕食。焼肉を突っつきながら、現在のマンガ界の状況についてレクチャーを受ける。いろいろ面白い話を聞くことが出来たが、そのほとんどがヤバ過ぎてここに書けないのがヒジョーに残念。あと自由表現規制に関する諸々の話は、物書きのはしくれとしてかなり考えさせられる内容でしたな。

 なんやかんやで話がはずんだおかげで、帰宅したのが午前1時過ぎ。テレビをつけるとちょうど『ラーゼフォン』の最終回を放映中。この番組、変にエヴァモドキの難解アニメじゃなきゃ、今ごろオレ的な“萌えツボ押さえまくり作品”になってたんだけどなぁ。デフォルトヒロインの声が久川綾で、しかもお姉さん系キャラだし。そういや編集氏との会話で、人気声優の人間性やセールススマイルについても話題がはずんだなぁ。これもここでは書けないが。





2002年9月7日(土) お嬢さん、トミノアニメですよ



 朝方まで仕事をしていたため、起床はちょうど正午。今日は編集者と打ち合せする手筈だったが先方と連絡がとれず、とりあえず『タイタンの戦い』と、人に言えないDVDを買うために新宿へと出る。
 DVDショップでは『タイタンの戦い』がなかなか見つからず、ちょいと困る。同時期にリリースされたWHVタイトルの『エクソシスト2』や『インナースペース』は腐るほどあるのだが。そうして幾件もショップを物色していると他のタイトルに目移りして、『タイタン』購入の優先順位が微妙に下がってくる。

 同行したテリーが「中村屋でインドカリーが食いたい」とのことで、新宿中村屋へ行き、夕食をすませて帰る。
 西武新宿線に向かう途中、歌舞伎町で軽い人垣に遮られたので「何?」と見るや、みのもんたがロケ撮影中。たぶん『貧乏脱出』の収録じゃないのかなぁ。仕事柄タレントには免疫があるが、さすがにみのは“超絶みのオーラ”をビンビン放ちまくっていて、それに煽られ笑いがこみあげてくる。それにしても黒すぎだよ、みの。

 帰ってから、ビデオに予約録画していた富野由悠季の新作『OVERMAN キングゲイナー』第1話を観る。
 相変わらず“いちげんさんお断り”なトミノ・ダイアログの応酬に面喰らうが、いきなり核心に入ってくる展開は気持ちがいい。異世界モノって映画にせよテレビドラマにせよ、観客に世界設定を知ってもらわねばならないから、最初はどうしても説明的な演出やセリフが入ってぎこちなさを感じる。例えば我々が日常会話で、炊飯器や歯ブラシを何の目的で使用するとか、性能をいちいち解説したりしないワケで。このもどかしい手続きをどう処理するかがクリエイターの手腕だけど、受け手を見下さないミエ切りに徹するのもひとつのテ。押井の『攻殻機動隊』なんてその良例だし。
 そういう意味合いにおいて、リドリー・スコットが『ブレードランナー』のボイスオーバーを全編カットし『最終版』を作った意図もよくわかる。けど加藤幹郎あたりが指摘しているとおり、あのボイスオーバーはフィルム・ノワールの定型として不可欠要素であり、それを外したことでジャンル破綻を来しているのだが。

 そんなこと言ってると『ブレードランナー』が突発的に観たくなり、LDを引っぱり出す。『最終版』しかDVDが出てない現状を憂いつつね。

 あ、DVDって、結局『タイタンの戦い』買ってくるの忘れた!



 



2002年9月5日(木) 
あ、あの怪しげなラジオ屋がゲーマーズになってる!!


 今日はドリーと一緒に、銀座UIP試写室にてロバート・アルトマンの新作『ゴスフォード・パーク』の試写。ちょうどその後には、未見だった『ズーランダー』の最終試写もあるんでついでに…と思ってたら、急遽ドリーが六本木のブエナ・ビスタ試写室で9デイズを観ねばならぬとのこと。仕方なく『ゴスフォード〜』は後日にまわし、こちらだけ『ズーランダー』の試写に向かうことに。今までホールや劇場での試写は何度も一人で行った経験があるが、試写室に一人で…となると、意外にも今回が初めて。オレ様、ちょっとドキドキ。

 試写の時間は3時半だったが、早めに銀座に着いたため、時間つぶしも兼ね日産ギャラリーへ。目的はもちろん、フルモデルチェンジしたフェアレディZ
 さっそく実車を拝見したが、無茶苦茶カッコ良すぎ。雑誌等で見たときには車体のケツの部分が長すぎて締まりのない印象があったが、現物は全然そんなことを感じさせないボリューム。全体的に歴代Zのデザイン上の特徴を上手くまとめ、スポーツカーらしい獰猛性や躍動感が感じられるのはさすがだ。がぜん欲しくなったけど、300万なんて金、どこ振ったって出てきませんよハイ。あとカタログが異様に豪華なんだけど、冷やかしで来た客にホイホイ配っていいもんなんか?>日産。これも業績アップのなせる技なんでしょうか、ゴーン社長。

 時間が近づいてきたんでUIPへ。当然の事ながら受付で記帳を済ませたらすんなり試写室へ。オレ様、小心者すぎ。
『ズーランダー』
はほぼ予想通りの面白さ。「バカも極めりゃ感動を呼ぶ」という、最近じゃチャウ・シンチー物の常套パターンをここでも堪能できるとは思いませんでしたね。個人的にはベン・スティラーとオーウェン・ウィルソンの“THE DAWN OF MAN”ごっこがツボ。ベンとオーウェンのダンス合戦に登場するあの人に至っては、まさしくバカを極めてなんとやら。ところでベッカムのカミさんってどこ出てた? こんな事なら『スパイス・ザ・ムービー』とか真面目に観ときゃよかった(ウソ)。

 試写終了後、せっかく銀座まで来たこともあり、ちと足を延ばして秋葉原へ。有楽町から山手線でアキバに着いたところでドリーから連絡があり、アチラも試写が終わってこちらの方へと向かってるとのこと。駅前のエロビルで待ち合わせして、さあこれからアキバ巡って“じゃんがららあめん”で晩メシでも…と思ったところでドリーの親友M氏より電話。仕事が終わって今新宿にいるとの事で、アキバ巡りを断念して新宿で晩飯食うことに。ちょっと残念だったが、秋葉原デパートで万世の「ボリューム万かつサンド」をゲットしたんで良しとする。サラリーマン時代、出張で上京したときは必ずこれ買って帰りの新幹線で食ってたんだよなぁ。

 新宿でM氏と合流後、ドリーのリクエストでビデオマーケットを冷やかしつつ、歌舞伎町の中華FFの店で晩飯。不味くはないけど値段の割には量が少ないのと、味に中華独特の癖があるのがちと辛い。せめてもう少しボリュームがあればなぁ…。
 食後は新宿近辺のビデオ屋を冷やかしつつ、三人で西武線に乗って帰途につく。すっかりお疲れモードのドリーを尻目に、M氏と車中ずっと話してたのだが、突然M氏が、
「俺は今からアイドルとしてデビューする!!」
 とか言い出すもんだから、仕方なくドリーを叩き起こして3人で今後の売り出し方について討議を重ねるハメに。はたして35歳の中年アイドルのデビューは可能なんだろうか? って無理ですな、どう考えても。





2002年9月1日() と学会研究報告例会


 唐沢俊一氏のお招きにより、【と学会】の研究報告例会に参加する。う〜ん、噂に聞きしトンデモ学究者の集い。人間というものはこんなにスキの多いものなのかと感心するくらい、奇書珍著、怪しい物品が次々と報告されていく。けどひたすらに笑ってばかりもいられない。次回の例会では、我々も発表せねばならないのだ。
 例会終了後の1、5次会の席上で、唐沢師匠より会員の皆さんに紹介の労をとっていただいた。その後、ジャングルでのトークライブ以来ひさびさの鶴岡法斎氏や、イラストレーターの開田裕治氏と奥さんのあやさんに初お目見えの挨拶。さすがのオイラも「コロッサス」や「衝撃波Q」をはじめとし、開田アートと密接な青春時代を送ったクチなので、邂逅はちょっとめまいぎみ。画伯とは恐れ多くも画材の話や、関西系の芸大・美大は石膏デッサンが鉛筆なので、木炭の関東系とは併願が難しい受験話だのを肴に歓談する。
「CGアートに移行してから、動きを出すブレとかがレタッチできるようになったけど、あれはやっぱりウソっぽい感じがするよね」
 
とは画伯の弁。お土産にサイン入りの新作同人誌『特撮が来た4』をいただき、平身低頭。

 2次会では恐縮ぎみに大飯喰らいの本性を露呈しつつ、立川談之助師匠とプロレス話。途中テリーは開田あやさんにつかまり、ソルボンヌK子姐ゆずりの“超絶なじりワザ”で懇々と説教。「ホモ疑惑があるんなら、それをウリにするのよ!」とありがたいアドバイスを頂戴したそうな、いやはや。


 




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