母親の葬儀も無事終わり、いったん東京に戻って仕事を片づける。
その最初が『マイノリティ・リポート』来日記者会見。頻繁な来日で半ば日本のタレントと化すトム・クルーズはともかく、やはり目玉は16年ぶりの訪日となるスティーブン・スピルバーグだ。
今まで黒澤の葬儀や『A.I.』プロモーションと、たびたび来日を匂わせておいての肩すかし。「本当は日本に何らシンパシーを感じてないのでは?」という声もあったが、ようやく重い腰をあげさせたのですな。さすがフォックス、さすが古澤ボス!! 厳しい媒体チェックのなか「なんでドリーなのよ」という声も聞こえるが、地道にアウトライン張ってんのよ。
『未知との遭遇』以来、長年追い続けていた監督だけに、是が非でも同じ空気を吸わねばと勇んで向かう俺たち。が、会場でクロ姐、戸田なっち、軽部という3巨匠を目の当たりにして気が重くなり、胃がキューキュー悲鳴をあげる。
こういう前哨もよそにスピ&トム登場!! うわ、ずいぶん頭頂部が寂しくなったなぁと、感激の生スピ遭遇のファースト・インプレッションがそれ。
フォト攻勢の間もなく質疑応答に移るが、当然ながら事前交渉されている媒体があり、俺のようなペイペイは当てられようはずもない。ならばせめて身のある質問をしてくれりゃ浮かばれもするが、デブ軽部や謎の山形放送アナウンサーの口から出るのは、それを訊いて誰がトクをするのかわからない、思わず殺意を覚えるスペシャル愚問!!
「生きて動くスピを現場で見た」という以外、生産性のカケラもない会見だったけど、それでも長年の思いは果たせたかな……と、そんな感慨に耽っていた当夜、東京国際映画祭のオープニング上映ではスピが大勢のオーディエンスにサインをしたとの報が。チクショ〜! マスコミよりも一般人のほうが近道だったとは因果な。
こんなことなら母親の葬儀もそこそこ、急いで帰らなきゃよかったよ。