=ドリー =テリー



2002年12月31日(火)
サー・リドリー・スコットと今年一年


『エイリアン』野郎に爵位かよ。
 J・キャメロンが『タイタニック』でオスカー監督になったときの違和感に近いな。『エイリアン2』野郎がアカデミー賞、もし15年前のオレにオレが会いに行って、この話をしたら「おまえバカか」って大笑いされるのがオチ。
 でもねカズオくん、デビッド・リンチやピーター・ジャクソンもオスカー候補になる日が来るんだよ。というか、浪人時代のオレにタメ口きかれるオレも悲惨だぜ。15年前のオレ、もう少し人当たりのいい性格になれよ。それとバイト先で口説いたホステスのお姉ちゃんな、あれタチの悪いコブついてるから、こじれる前に手ぇ引ぃとけよ(半分実話)。

 そんなキャメロンの『ターミネーター』がお気に入りだったお母様が亡くなり、年末年始は実家に帰らず、初めて実家以外で正月を過ごす。やはり郷里と自分を繋ぐものは家族だったのねを実感する。オザキのくせに何を遠い目をしてやがんだって感じだが、不幸というかド不幸というか、年明けに出稿の仕事が山と積まれている。明治神宮に詣って人混みで死んでこようかと思ったが、同じ死ぬなら原稿に揉まれて最期を遂げよう。いや死なないんだけど。ヤボか説明? このパターンばっか。

 というわけで、日本人としてのアイデンティティを肌で感じようと思い、やはりここは大掃除だぁ! …とまぁ、結果かたづけは深夜までかかり、そのまま執筆に移行。買い込んだ飲み物を大量に仕事部屋に持ち込み、戦闘に備える。おお『七人の侍』の菊千代みたい。最期の決戦に備えて刀を小山に何本も刺しておくあのシーン。「一本の刀じゃ五人と斬れん!」みたいな。けどね、こういう固い気構えをすればするほど、腰砕けもソッコーなのさ。まぁ人生なにごとも形から入る人なので、勝負は見えておる。おお、『七人の侍』の勘兵(以下略)

 しかし体調が狂うね。どこもクソ面白くないカウントダウン番組ばっかでさ。も少しオレらが喜ぶような企画立てろよ。『ロマンポルシェの2003年・全裸でおめでとう』とかさ。


 いやぁ、こういうマーベラスな面白ライフを送っているオレも、2003年はキューブリックが『博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止め、水爆を愛するようになったか?』を撮った年齢とタメになる。馬鹿テリーの側頭部にチョップ喰らわしてばかりもいられないのだ。てなワケで、みなさん今年もお世話になりました。深作だいじょうぶかなぁ?




2002年12月30日(月) フィル・アルデン・ロビンソン


 昼、飢えと陽気で目が覚める。
 熊かオレはと自分に問いながら、ウェブのアップをちょこちょこと。これで年内、日記以外のアップは終了。その後はテリーと打ち合わせをして、各配給会社から預かったカラーポジを秘宝編集部に受け渡しに行く。
来年もこき使うんで、よろしくお願いします」という編集部の挨拶を受けて神保町を後にし、所用のあるテリーと秋葉原で別れ、オレは残って電気店で捜し物をする。しかし発売日を10日も間違え、仕方なく『トータル・フィアーズ』のDVDを購入して帰る。

 『トータル〜』はなにより、フィル・アルデン・ロビンソン監督のコメンタリーが聞きたかったのだ。なぜ『スニーカーズ』からハリウッド商業映画を離れ、ドキュメンタリー作家としてボスニアを渡り歩いたのか。そのへんの経緯と心境に少しでも触れてないかと思ってね。フィルは『トータル・フィアーズ』を撮る前に『バンド・オブ・ブラザース』の第1話で既に監督復帰しているのだが、これ、本当はスピルバーグが担当するはずだった。スピルバーグが腎臓摘出手術を受けために演出が不可能になり、そのピンチヒッターとしてフィルが登板したという次第。実質、フィルの現場復帰はスピルバーグが促したようなもの。しかもブランクは微塵もなし。核投下後のパニック・ディレクションは控えめに言っても『存在の耐えられない軽さ』のプラハ侵攻を彷彿とさせるベストバウトだと思う。

 とりあえず今晩中にL誌とF誌の原稿にメドをつけ、明日の大掃除に備える、ただの資料置き場と化している居間をミーティングルームとして機能させねば。そしてお正月期間は、恐らく仕事仕事のつまらない日記になることを予告しておいて。




2002年12月29日() ひょっとして、ホームシックなのか?


 いかん、短時間の睡眠に体が慣れてしまった。どんなに眠いと思っても、ものの2、3時間で目が醒める。「なら起きて活動する時間が増えるじゃないか」って? 冗談じゃない、この半睡半醒のボヤボヤ感が、普通に起きてるときよりも日常生活の効率を悪くする。

 外仕事で雑然となった部屋の片付けを始めるが、やはりこういうのは日頃からマメに整理しておかないと、それ自体が一日がかりの労働になる。という戒めを感じたことで妙な手応えがあったのか、手を休めて『利家とまつ』の総集編の終わり頃をしばし見る。たぶんケツに『武蔵』の予告くらいやるだろうと。そこでモリコーネのテーマ曲くらい聴けるだろうと。ところが気がついてみたら、MX−TVの変なハワイアン番組に気を取られ、本来の目的をコロリと忘れてしまう。これをたぶんU局マジックというのね。

 ああ、しかしU局というのは、どうしてこう観る者の心を悲しい気持ちにさせるのだろう。サンテレビとかKBS京都とか、ヒマにあかして昼間に見てたら、夕方にはすっかり気持ちがブルー。京都で大学生活を送った者なら誰もが経験する『田淵岩夫の得ダネ!テレビ』地獄にもズッポリ落ちたし。
 そりゃ、当時はビデオになってなかったゴダールの『メイド・イン・USA』や、オーソン・ウェルズの『宇宙戦争』ラジオ放送事件を映画化した『アメリカを震撼させた夜』とかをフェイント放送したりと、少しは満たしてくれたこともあったさ。けど、けどね。

『ガキの使い』のハイテンション芸人ベストテンを見ていたら、心のスイッチが切れてしまったので、ベッドにもぐる。




2002年12月28日(土)
ジョージ・ロイ・ヒルを悼んで


 暮れも押しせまると、帳尻を合わせるように逝く著名人が多い。
 忘れられないのが16年前のタルコフスキーの訃報。ちょうど大晦日の大掃除、自分の部屋の窓ガラスを拭きながら新聞を読んでいたら「タルコフスキー死去」の文字が目に入り、体が固まってしまった。ちなみにその翌年、大阪読売テレビは『CINEMAだいすき!』でタルコフスキーの追悼特集を行なったが、TVで初めて『鏡』と、オリジナル全長版&ワイドスクリーンの『惑星ソラリス』を放送したのだ。両方とも当時はまだビデオリリースされてなかったので(『ソラリス』は短縮版のみ)、そりゃ重宝というか、ウハウハだったさ!!
 
 イヤちょっと待てよ。こういう書き出しじゃ、レアブツが観れるから死を歓迎しているように思われる。心ない野郎なのは自覚してるが、偉大な監督の訃報は悲しいに決まってら。でも「これで『スローターハウス5』のDVDがリリースされる」という期待が全く頭をよぎらなかったかのか……と言われりゃ、それも正直そのアレだ。ともかく追悼だよエイ!とばかり、グールドの『バッハ/コールドベルグ変奏曲』のCDを引っ張り出し、しばし聴き入る。でも時は無情だ。今聴くと『スローターハウス5』じゃなくてハンニバル・レクターの顔しか思い浮かばない

 午後からはまた昨日のつづき。赤坂に行って東北新社を訪問。その後は赤坂見附の駅で、日刊スポーツ映画大賞の授賞式に参加していたアスミック・エースのTさんと待ち合わせ取材。話がなぜか『バーバー』のDVDソフトに移行し、カラー版収録の快挙を讃えると、

「あれ本当は映画がヒットしたんで、劇場公開も考えたの。けどジョエルとイーサンが“カラー版の劇場公開は絶対ダメ”ってんで出来なかったんだよなぁ。でもビデオならOKだってことで、DVD特典にしたのが経緯」

 だそうな。他にも試写プリント、ロールごとにモノクロームのバラツキが出たことなど、サマツな話を引っ張り出しては歓談する。
 
 Tさんと別れて遅めの昼食をとっていると、携帯にTEL。某君からタラ公の『キル・ビル』に関する情報をGET。しかしこれはちょっと公表できない。いったいどんなモノが完成するのか? というより、ちゃんとした映画として公開できんのかよ? 

 夜、帰ってみるとサンプルテープやら試写状やら、山のような郵便物が届いていた。なにより今年は喪中ハガキを差し出したので、年賀状の代わりにメールや手紙でメッセージをくださる方が多い。心遣いが素直に嬉しいので寝る。というか、ここ4日でトータル6時間も寝てないんだ。「人間は毎日3時間しか睡眠がとれなきゃ、それに順応した体になる」と言われるけど、半端な睡眠は完テツよりも疲労を引きずるからなぁ。





2002年12月27日(金)
おまえら、今日からDo As Infinityだ!



 エイベックス系アーティストってそんな感じだよな。昨日まで何やってたか、海のモノとも山のモノとも分からないお姉ちゃん連れてきて、マーケティングデータとボイトレ駆使して偶像崇拝をデッチ上げる。でも相手が伴ちゃんなら悪くないね。これが堂珍とか連れてこられて「おまえらは今日からケミストリーだ」とか言われることを思えば。ああ、やっぱブレインデッドだわオレ。

 朝9時半には家を出て、聖路加タワーのソニー・ピクチャーズ(SPE)へ。そう、もちろん昨日の続き。
 帰る途中の道で、奇遇にも在阪時代にSPE関西支社でお世話になったOさんとバッタリ会う。オレが東京に引っ越すちょっと前、別の広告会社に移勤なされたのだが、まさかお互い築地で再会するとは思いも寄らなかった。聞けば本社に戻ってソニーアジアのプロジェクトに配属されたとのこと。オレもこっちに越してきた旨を話し、また大阪のときみたくメシでも食いに行きましょうと約束。
 
 次の移動まで時間的余裕があったので、築地場外市場をブラブラ歩く。この前も月島に行ったときにここを通ったが、やはり日曜日の閑散としたときと違い、また年末ということもあって山のような人だかりだ。場外市場といえば……でふと思い立ち、東宝東和関西のW氏に教示いただいた「いのうえ」にてラーメンを食べる。スープは薄目で派手じゃないけど、舌触りのいい縮れ面にインパクトあり。
 ギャガやら松竹やらを渡り歩き、渋谷へ移動。アートポートに行く。ここの宣伝マネージャーのF氏は『ゾンビ』に惚れてこの業界に入った筋金入りのDAWNフリーク。アメリカ留学時、ロメロにも会いに行ったそうな。ということで、F氏が買い付けたホラーの話に終始。ウシシ、いいのがあったよ。

 シネカノンを最期に渋谷を後にし、秘宝編集部に立ち寄る。洋泉社も今日が仕事おさめ(もちろん秘宝編集部はこの限りでない)。ポジ受け取りに来ていたカメラマンのワイルドマグナム江木さんと、プロ・ライセンス取得の難条件やメリットについて雑談。
 そんなこんなで深夜1時前に帰宅。3日ぶりにTVをつけたら『マルコヴィッチの穴』を放送していた。ああ、年の瀬モードにふさわしい映画。けど睡魔には勝てず、寝る。





2002年12月26日(木)
うわ、曜日感覚が欠落しとるわ



 結局昨夜はほとんど眠れず、仕方がないので原稿に着手。2つほどレビューを順調に片付けたけど、夜なべ仕事は必ずバグが出るので一日寝かせることに。
 ほどなく朝が来て少しベッドに横になり、1時間仮眠を取るか取らないかで起床。有楽町に出て昨日の配給会社周りの続き。しかし相手の時間とこちらの時間とのすりあわせに難航し、どうやり繰りしても夜までに6件くらいまでが限度だ。小笠原君がこれを降りた理由が身をもって分かった。

 夕方くらいになるとこちらもハイになり、相手が思っていないことをこちらで誘導したりする。寝不足に過労、かなり躁状態。またそれがピークに達したときに限って、行き先がアルバトロスだったりするんだよなぁ。案の定、宣伝チーフの叶井俊太郎氏から『えびボクサー』のセールストークをたっぷりと聞かされる。オバケエビがボクシングを学び、世界チャンプと戦うスポ根ものだ。

「でも、巨大ったって所詮はエビでしょ?」
「そう、エビだから海が恋しくなって逃げたりもするんだけど、そのうち闘争本能に目覚めるんだ」

「『アメリ』を発掘した敏腕パブリシスト」という肩書きを自ら棄てようとする叶井大将に、なんとなく癒された気分だ。

 深夜11時に帰宅。謹呈で届いていた少年チャンピオンとエルマガジンの最新号をパラパラ見る。「胸に比べると尻まわりが貧相やなぁ」と、チャンピオン巻頭グラビアのMEGUMIに非生産的なツッコミを入れつつ、エルマガの松本人志特集に感心する。全国誌レベルでも充分通用するアグレッシブな総力特集。ごめんな、こちとら『えびボクサー』で。もう寝る。




2002年12月25日(水)
日記とぎらせたくない一心でテンパってる。



“秘宝千本ノック”こと、「2003年映画配給会社・隠し球ガイド(仮)」の記事作りのために、昼から夜まで配給会社周り。これ、テリーが安請け合いしたのはいいが、結局宣伝マンに顔が利くということで、回るのは殆んどオレ。年内にあらかた全ての配給会社を制し、片っ端からテキスト化の作業に持っていく…という予定。ハイこれで正月もつぶれた。ゴジハム君とかもらって小躍りしてる場合じゃないっての。

 帰宅したら帰宅したで、昼間行き損ねたところに電話取材。クリスマスなのに終電帰りと、配給会社のお姉さんにマジ怒りモードで愚痴られる。そりゃオレのせいなのか? 

 とにかく疲れた。残りのデスクワークも年内に必要とされる原稿のみに着手。冷えると柔道部時代に痛めた腰が笑い出す。空腹だが食欲はない。横になりたい気はするが眠くはない。仕方がないのでまた鶏肉と大根の煮物を作る。プリンスの『レッツゴー・クレイジー』とか歌いながらね。
 
 ああ、この広い地球のどこか遠い空の下、同時刻に鶏肉と大根の煮物を作りながら、殿下の歌を口ずさんでいるヤツがいるのだろうか。いや、この方はやっていそうな気がする。




2002年12月24日(火) 先行者は出来たけど・・・



 クリスマスイブに仕事をしているとまるで“おかしな人”のように言われますが、「働いてんのが普通だろ!」と編集女史と愚痴を言い合う。そう、今日は各配給会社とのやりとり&原稿の電話、左手に携帯、右手に受話器でヒーコラずくめ。しかも今週中に上げなきゃいけない原稿と、今週中に形を出さなきゃいけないラフ切りとの同時進行。ときおり机でうたた寝をこきながら、電話の呼び出し音でハッと我に返るを繰り返す。これを乗り越えないと正月は来ない。もちろん正月中も仕事。明けたら明けたでまた仕事に追われる。単価が安いから量をこなすしかない。しかし試写を消化して原稿を書いてのバランスにはおのずと限界がある。しかも気がつきゃもうすぐ2003年。手塚先生、アトムは誕生しそうにありません。


…いや、オレが知らないだけ?




2002年12月23日() ジョン・ウー監督から・・・



 いやいや、一時はどうなることかと思った風邪だけど、悪質な咳に移行せず、扁桃腺痛と頭痛、鼻水だけに留まって峠を越えた。熱も下がり、おかげで久しぶりに太陽の下を歩けるようになった。これで週明けから無事仕事に取りかかれる、ありがたい。

 外に出て郵便物を確認すると、ちょっと嬉しい届き物が投函されていた。ジョン・ウー監督からのクリスマス&ニューイヤーカードだ。
 思えば3年前、『M:I−2』のインタビューのとき「ウー監督にそっくりな大阪の神様です」とビリケンさんの置物をプレゼントし、監督に目配せしてナイキのバンダナを頭にしてインタビューに臨み、「おお、ナイキ・ボーイ!!」と監督に思いっきりウケた。
 仕事でインタビューしても絶対サインはもらわない主義だけど、あのときはさすがに抑制が利かず、『狼/男たちの挽歌・最終章』のクライテリオンDVDにサインをいただいた。この映画がいかにオレにとって重要な作品かを拙い英語で力説し、監督も「ありがとう、僕も自分の作品で一番のお気に入りだ」と固く握手をしてくれたのが、まるで昨日のことのように思い出される。
「オレの生涯の宝物だぁ!」と、件のDVDは仕事部屋の書棚に鎮座しているが、その年以来、ウー監督はこうして毎年直筆の宝物を届けてくれる。『ウインドトーカーズ』はオレ的には少し持てあましたけど、「21世紀最大のアクション・マスター」という尊敬の念は微動だにしない。監督、全快の決定打となるプレゼントでしたよ。






2002年12月22日(
そんなにビスコが好きなら、ビスコの王国でも作って
一生ビスコ食って生きろ!!



 おお、子供用かぜシロップあおってガーガー寝たら、少し良くなったではないか!

 おかげで少々食欲も出たので、お気に入りのビスコを食べる。別に滋養がいいからとかそういうのではなく、小学校のときに惚れていた女がビスコ好きだったのだ。『ジャッキー・ブラウン』でロバート・フォースターがデルフォニックのCD買いに行くだろ? パムが好きな曲だからってことで。まぁアレに近い経緯と心境だ。

 しかし、中箱のコピーを見て食べる口が止まる。


 つまりナニだ。2枚入り14パックのを平らげてしまったので、オレの腹の中には2億2千4百万個の乳酸菌がウジャウジャウジャウジャ、どういう状態だよ?
 ヤクルトにパックとかのお徳用サイズが発売されないのは、乳酸菌の過剰摂取を防ぐためだと聞いたことがあるが、じゃピルクルとかの1リットルパックの立場はどうなのよ。あ、でもヤクルトといえば、ミルミルはマジで便秘にいいっスよ。便秘に悩む婦女子と、このサイトとのヒット率を考えると、六甲山の頂から梅田にいる人間に「来年の阪神はやるよ!」と吠えるようなもんではあるが。

 だいぶ感覚が戻ってきたので、リハビリにとM誌の原稿をあげてしまう。早く済ませられるものはやっつけとかないと、来週には身動きが取れない大仕事が待っている。

 仕事の打ち合わせをしていたテリーに「久しぶりに自主映画を撮ろう」と無茶な注文を出される。もう長いこと撮ってないし、最大のネックは社会人であることだろう。それでも忙しい間をぬって撮ってるヤツはいるワケで。そういや師匠の松本俊夫に「今はしがない筆耕で食ってます」と大学の研究室に報告に行ったら、「脚本(ホン)もちゃんと書け、腕が鈍るぞ」と戒められたなぁ昔。けど先生すいません。不肖の教え子は風邪でボケた頭でビスコのこと考えてます





2002年12月21日(土)
今日の日記のタイトルは?
1)ダメ、そこ汚いんだから
2)ワカメ、申告漏れ
3)トム・クルーズの映画の中で一番よかったと思います



 このようなバカを装っておりますが、相変わらず熱は下がらず。連休前に医者にかかればよかったなぁと後悔。
 そんな浮遊状態でメールチェック。関西有数のフリぺ『THE BAG Magazine(バグマガ)』よりガチンコ兄弟の連載依頼を受ける。諸々な柵を断ち切って上京したとはいえ、かっての拠点の応援はしたいし、編集氏の熱意もあって快く承諾。

 しかし晩ご飯を食べても、口の中でモゴモゴ咀嚼するだけで味もへったくれもない。とりあえず治しとかないと。というワケで、高校の頃、看護科の女友達が、

「子供用かぜシロップは即効性があるので、大人でも使えるよ」

 と耳打ちしてくれたのをふと思い出し、近くの薬局で買ってくる。
 さらに風邪を気合いで飛ばすことが出来ず、困っていたオレを見かねたテリーが助言。

「この時期はさ、TVとか年末特番ばっかで体のリズムが狂うんだよね。だから体を正常にするためにTVは観ない方がいいよ

 ……ひょっとして、おまえは天才なのか? その“しょせん人ごと”の無責任感情が発した大胆な療法、病んで正常な判断を失っているオレにはすごい説得力があるぞ。つーか日記書けよ!!




2002年12月20日(金) 今日は題なし 仕事は台無し(ベタ)



 熱は下がらず横ばい状態。長時間乗り付けない乗り物に乗った後のような“揺れ残り感”が吐き気を誘い、今日行くはずだった『黄泉がえり』『戦場のピアニスト』の試写をキャンセル。他の配給会社を回る予定も来週以降に持ち越し。
 それでもお仕事上、幾つか電話連絡をしなければいけない配給会社と宣伝会社があったので、朦朧となりながら仕事部屋に向かう。電話の向こうからも「風邪ですか?」とか言われるくらいなので、相当なんだろうね。

 映画秘宝編集部に電話をすると、田野辺主幹がおむずかりのご様子。首領さま激怒の『007』を観たらしいのだが、クラッシュの傑作「ロンドン・コーリング」の使われ方が相当ヘボかったので、それで全体の印象を損ねたらしい。確かにロンドンだから「ロンドン・コーリング」という安直さには、こっちまでめまいが襲ってくる。作品はプロスナン・ボンドのなかでも一番の傑作なのに。

 電話の最中、ムラウチからDVD『バーバー』と『AKIRA DTS sound edition』が届く。『バーバー』は同時収録のカラーバージョンが観たかったので。実はこれ、国内盤だけの特典なのだ(その代わりメイキングが省かれているけど)。よくやったよアスミック。
 んで観たけど、全体的にセピアトーンに色調統一されていて、モノクロバージョンと比べてもあまり違和感がない。作品の年代を考えると、逆にパルプマガジン調の着色っぽい感じを出すのかと思ったが。

 幾つかのメールへの返答を書き、ウェブの新しいコーナーをアップして、今日はもう寝る。




2002年12月19日(木) まぁそんなワケでして・・・


 うわ、体がダルぅ!! はい、37度6分、とうとう風邪に負けてしまいました。


 医者に行って抗生物質をと思うが、エイズもガンも鼻血も気合いで治すオレ様は、がぁああああっと起きて鶏肉と大根の煮物を作る。調理酒が切れてたので買いにも行ったよ。でもごめん、今日はここまでが限界なんだ。ちょっとだけ眠らせて……あ、ムニャムニャもう食えない。




2002年12月18日(水) ジャック? 知らん!




 いかん、扁桃腺の腫れがブリ返してきた。今日は試写に出ず、いくつかの原稿のラフ切りと下調べに徹する。

 しかし体調不良で頭が働かず、仕方がないので横になりながら、昨日買ったDVD『帰ってきたウルトラマン』を視聴。
 新マンはオレが初めてリアルタイムで接したウルトラマンだ。高度成長期の歪みにあったシリーズなので、戦後日本の問題点にリンクする話が多く、どれも話がひたすら暗い。 そんな中でも、本DVDに収録された第5話『二大怪獣東京を襲撃』と第6話『決戦!怪獣対MAT』の前後編は、オレ的にシリーズエピソード1、2位を争う名編だ。
 首都防衛と怪獣殲滅のために核の使用を断行する上層部と、「たった一人の生命を守れず、何が平和維持なのか」で核使用を拒み、兵士投入戦に出るMATとの軋轢。自らの戦争空襲体験を述懐し、国防という名の戦いには、常に民衆の犠牲が強いられることを暗に説く坂田(岸田森)。いやぁ、子供心にも魂をブリブリ揺さぶられたよ
 薄暮をバックにした闘いの風景や、手前にミニチュアを配したパースペクティブの拡げ方。それらビジュアルも新マンの意匠として印象深い。でもやっぱり最高なのは、冬木透のワンダバだよ。耳にするたびにこめかみがツーンとくるぜ!

 ウルトラDVDシリーズは気合いを入れたレストアが売りで、さすがに今回も画は驚きの一語。16mmの荒い粒状性が気になるが、こりゃ仕方がない。『ウルトラQ』が35mmで撮られていたことが、いかに凄いことだったかを改めて感じる。

 その後、友人と電話。LA批評家協会賞に続き、NY批評家協会賞アニメ部門まで『千と千尋の神隠し』が制してしまった話題。
 これでオスカー受賞も100パーセント確実だろう。日本人の誰もが観ている国民的アニメが、オチュール・ポリシーなアート・アニメーションの側面から激賞されていることに座りの悪さを感じるが、『プリンセス・モノノケ』に続き、これはやはりオリエンタリズムの勝利なのだろうというミもフタもない結論。それまでのミヤザキサンの作品って、無国籍風だけどヨーロッパ寄りのルックだし。

 その後、テリーが差し入れしてくれたCrazy Ken BandのCD『肉体関係』と『青山246深夜族の夜』の2枚を“良薬”と称して聴く。いやぁ、相変わらず狙いバッチリの昭和歌謡テイスト。特にライブの方は、野坂昭如フューチャリングの名曲「マリリン・モンロー・ノー・リターン」が涙を誘う。これなら風邪早く直りそう。




2002年12月17日(火)
さすがにウィノナLOVE”のタトゥはないが




 朝起きて立ち上がろうとすると、うわぁ頭が重い、かなり重い。だが扁桃腺の腫れは少し収まった。早めの服用で症状を抑えられたか、ホッ。
 
 今日は聖路加タワーへ。SPE試写室で『Mr.ディーズ』を観る。フランク・キャプラの『トップ・ハット』のリメイクにして、『パンチドランク・ラブ』が楽しみなアダム・サンドラー主演のコメディ。まぁ『ウエディング・シンガー』程度には笑える。ウィノナ・ライダーがめずらしく普通のヒロイン・アクトに徹していて、そこがオレ的ツボ。
 ノニーといえば例の万引き公判。あの事で彼女をあしざまに悪く言うヤツがいるが、そういうバカチンは“オレさま法廷”で懲役5千年だ! よしんばノニーにそういう事実があったとしても、オレさま法廷においては無罪!! しかもオレと無条件で結婚できるという恩赦までつくのである。
 しかしソニー・ピクチャーズ、こんな映画のためにわざわざ「アニキ」という言葉に登録商標なんか取るなよ。水木一郎や哀川翔の立場はどうなるんだ。

 その足で東宝の試写『青い炎』を観ようと思ったが、テリーが神保町で会おうと言うので、お茶の水駅へ。駅前でカレー店「エチオピア」で遅いお昼を食べ、洋泉社『映画秘宝』編集部へ。次号の打ち合わせと雑談。

 その足でお茶の水駅に戻り、中央線で中野へ、途中で武蔵野ホールへ入ったため、昨日行けなかった中野ブロードウェイへ。トリオで資料を仕入れようと思ったが、思ったものが見あたらず、仕方なくAVICに寄るとDVD帰ってきたウルトラマン』がフライング販売していたので、2巻のみ購入して帰る。ああ、愛しのオレさまオンタイムなウルトラマン。頭痛は既にどこへやら、頭の中はワンダバが渦巻く。




2002年12月16日(月) サイバラの原作ほど毒はないが…




 朝起きると、喉に妙な異物感を覚える。風邪の兆候だろうか。オレの場合、扁桃腺の腫れから頭熱・咳・鼻水とくるので、これはイエローだ。念のために風邪薬を服用しておく。
 体調優れぬまま有楽町へ向かう。車中、友達と仲良く別れた女子高生3人が、列車が動き始めたとたん、さっきまで同行していた子らのクチ汚い悪口を言い出したのにビビる。

 有楽町で遅い昼食をとり、東映で『ぼくんち』試写。『ナースのお仕事』がフィックスするのを恐れた観月ありさエイド。あの麗しき我らが観(カン)ちゃんが、
あたしのマ●コで幾らでも弁償してやるよ!
 なんてセリフを言うってんで、試写室はすごい満員だ。オレも件のセリフ、いつ発せられるのか気にしてばかりいたよ。そんな体たらくにも関わらず、ザナドゥーの宣伝さんに、
「尾崎さん、どうでした?」
 と駆け寄られてしまい、
「カンちゃんのオマ……いや、坂本順治版『泥の河』ですね」
といったら「それイタダキ!」って。違う違う、貧乏は共通項だが、こっちのほうが全然ネガティブじゃん!

 試写終了後は中野に移動。テリーと合流して大勝軒でつけそばを食べ、ワールドフォトプレスへ。
『フィギュア王』コラムページのリニューアルということで、
「なら『ひん曲がり映画星取り表』も、不定期に取り上げてる『映画ガチンコ兄弟のシネマ放談』をメインにしましょうか?」
 と提案したところ、あっさり「じゃあそれで」ということに。そのためのラフ設定と新タイトルの打ち合わせに行ったのだが、結局こちらがタイトル案とラフを描いて送るということで、ものの3分で終了。あとは編集氏と雑談。
 
 ワールドフォトプレスを後にし、オタクの聖地・中野ブロードウェイへと向かおうとするが、途中で中野武蔵野ホールに寄って現在上映中の作品を確認する。今はちょうど「血祭任侠冬景色」と題し、東映プログラムピクチャーの数々を流しているけど、グッドタイミングで『昭和残侠伝・唐獅子仁義』(昭和44年・東映京都)の終映にぶち当たったので、観て帰ることに。
 お約束のシーン数々あれど、オレはやはり志村喬演じる親分が、
「人斬りは若い頃にオレもやったが、あれは寝覚めが悪いぜ」
 で最期を遂げるシーンですよ、やっぱ。あと『唐獅子牡丹』が流れ、花田(高倉健)が殴り込みに行くシーンで、テンポの悪いジャンプカットがあるが、なんかネメッツの『夜のダイヤモンド』みたいでカッコイイわぁ。上映プリントが悪すぎ、ときおり健さんがテレポーテーションで瞬時に消える特撮とかあったけど、そのほうが経年劣化が感じられていいだろうテリーくん。オレが昔大阪の新世界公楽で観た『網走番外地』なんか、丹波哲郎が始終怪光線を発してたんだから

 予告編に触発されたか、『東京流れ者』を口ずさみながら帰る。





2002年12月15日() オブセッションに囚われない休日




 中野ブロードウェイに資料を探しに行く予定が、昼過ぎに目が覚めたので敢えなく断念。そのまま新宿に直行。月島にもんじゃを食べに行こうと約束していた友人の女の子と待ち合わせ、有楽町へ。有楽町から銀座、築地場外市場を通り、月島の西仲商店街へと行く。

 先月行ったときもしみじみ感じたけど、月島もかなり様変わりしたね。12年前、ローリング・ストーンズの初来日ドームを見るために上京し、この地を訪れたときには、大川端リバーシティもリバーポイントタワーだけがドカンと建っていて、瓦葺きの下町景色に異様な影を射し込んでいたもんなぁ。

 5時頃、少し早めの夕食ということで「さかもと」でもんじゃを食べる。日曜日の夕刻なのに、意外と人少なし。まったりと食事をする。

 新宿に戻って女の子と別れ、今日買う予定だった本『宮島義男回想録』を買いに行こうと思い立つものの、紀伊国屋は既に閉店していて入手できず。仕方なく、公言するのも憚られる散財をして電車に乗る。車中で寝くたれてしまうが、なぜか見知らぬおばさんに「着きましたよ」と叩き起こされる。なぜオレがここで降りると分かったんだ?

 帰宅後、原稿にかまけ散乱した部屋の片付けつつ、『鬼が来た!』を観る。これは驚きべき傑作。この感想を記す日記にしょうと思ったまではよかったが、た、体力が……ということで、感想はまたいずれに。




2002年12月14日(土)
そんなにマンガが好きなら、マンガの王国でも作って
一生おもしろおかしく生きろ!!




 ここ一週間の疲れが蓄積したのか、思いっきり爆睡してしまい、起きたのは昼の2時。3日延滞したままのビデオ『鬼が来た!』を観てしまおうと思ったが、細々した用事が邪魔をし、しかも時の流れは速く、あれよという間に夕刻。

 友人M氏とテリーとで所沢で晩ごはん。その後は茶店で雑談。マンガ家それぞれにおける「我々が評価する作品」と「一般的に支持されている作品」とのズレみたいなテーマを延々と。
 作家に対して過去の作品を称揚するのは、「あんたも昔は良いのをを撮ってたのに」の反語的作用があると、『アイズ ワイド シャット』のプログラムで原田眞人が記していたが、同時にそこには「オレは昔からこいつに注目していた」的スノビズムが介在する。メジャーよりマイナーを支持することへのスペリオールな嫌味もね。でも純粋にいるんだよ、大友克洋の最高傑作が『童夢』じゃなく『愛の街角二丁目三番地』だってヤツが。

 家に帰ってメールを見ると、とある差出人のに見覚えのある画像と文が貼り付けられていた。

「あなたの落としたジャイアンは、この
きれいなジャイアンですか?」秘密道具
きこりの泉から現れたこのジャイアン。
ジャイアンファンの間ではすでに伝説です。


 伝説……。なんか最近「きれいなジャイアン」がブームなのか? ところでこの回、アニメ版のほうはもっと強烈だ。きれいなジャイアンを挟んでドラえもんとのび太が「どうする?」とか言ってる後ろで、オリジナルジャイアンをぐいぐい沼底に押し沈ませようとしている、さわやかな笑顔の妖精さんが結構ヤバい。

 アニメ版の『ドラえもん』といえば、81年に「藤子不二雄スペシャル お正月だよドラえもん」で放送した「精霊呼び出し腕輪」がもう一回見たい。もうマジで見たい。雪の精とのび太の淡い恋愛を描いたガオ〜必至の号泣エピソード。悲しい自己犠牲の物語なんだけど、バックに流れる山崎ハコの「」がもうベストチョイス!! ドラえもんの劇中に既成の歌謡曲がかかるなんて、もう前代未聞の演出だった。そのせいか再放送もなく、ビデオ化もされてない幻の名作なんだけど、誰かビデオとか持ってないかしら。ちなみに雪の精の声を演じたのは小山茉美。オレにとって小山ボイスはアラレちゃんでもキシリア・ザビでもない、雪の精なのだ。




2002年12月12日(木) 継続は力なのか、やっぱり



 出稿急ぎのカラー原稿があったので、昨夜から朝にかけて仕事。「目覚ましテレビ」が終わってあたりでモデムの付け替えをする。今日はフレッツADSLモアへの回線工事が行われる日(といっても、アチラ切り替えで別に家には来ない)なのだ。
 仕事をしながら「さぁ、早くなったかな?」と待っているが、アクセスしてもイマイチスピード感に乏しい。116に電話して確認したら、もう切り替えは済んでいるとのこと。再度トライするが、ページ間の移動が少しキビキビする程度で、動画とかのデータ・ダウンロードも「おまえのパワーはそんなもんか?」って感じだ。そこでNTTのサイトに飛び、電話路線情報開示システムにて我が家の線路距離と伝送損失値を確認する。すると、伝送損失が53dbなんてクソ高い値を示しているじゃないの。これじゃ1.5Mも8Mも12Mも変わりゃしない。

 ガックリ感が大きくヤル気を支配し、原稿バッタリ。しかも徹夜仕事がたたり、昼になってモーレツな眠気が襲ってくる。気分転換も兼ねて昼食を食べに行き。書店で『風雲児たち』の新装版1巻と2巻を買う。テリー曰く、
「みなもと太郎は『ホモホモ7』と『あどべんちゃあ』しか認めん」
 らしいが。そういや『あどべんちゃあ』のフケタセンパイヒゲノコウハイって、完全にガチンコ兄弟のリファレンス・キャラだよなぁ。
『風雲児たち』はコミックトム連載時代、理髪店の息子だった友人が定期購読してたのを読んでたが、久しぶりに振り返りたくなったので。しかし夢枕漠じゃないが、なぜこれをNHKは大河ドラマにしないのか。『武蔵』だってどうせ『バカボンド』が追い風だろ? なら最初からマンガを原作にすればいいのだ。三谷幸喜を大河に担ぎ出す姿勢があるのなら、『風雲児たち』を持ってきてもいいはず。どうだろう、3年後に脚本クドカンあたりで。

 夜、仮眠をとったり机に向かったりで時間感覚のマヒしたまま原稿フィニッシュ。返す刀で同人誌『特撮が来た5』に載せるイラストを描く。文字と違い、絵を描くのは商売じゃないのでガス抜きになって楽しいが、やはり腕が落ちたなぁ。長いことSF土人の逆襲フランダースの犬といった、人道的にどうかと思う鬼畜マンガを殴り描きしていたツケが回ったんだろうなぁ。天国の藤子不二雄A先生、ごめんなさい。






あ、違っ!! 藤子・フランソワ…





2002年12月11日(水)
『うる星』や『めぞん』まではフォロワーでしたが…


 今日は昼から映画秘宝編集部へ。前日依頼を受けてた某作品のレビューと宣材写真を持っていく。これで取りあえず今年の秘宝絡みの仕事は残すところビデオのレビュー一本のみ……と思ってたら、編集部の依頼で一本大きな仕事が転がり込んでくる。仕事があるのはありがたいが、年の瀬にやるには結構面倒そうな仕事ではある。まぁ、ドリーの協力を仰げば何とかなりそうだな。

 編集部を出て、しばらく神保町で時間を潰したあと、日比谷の東宝試写室で映画 犬夜叉 鏡の中の夢幻城の試写。正直、TVシリーズも前の劇場版も見てない状態でどこまで楽しめるか半信半疑だったけど、我々ガチンコ兄弟の永遠のアイドル、原田美枝子お姉様が声優初挑戦するとなりゃ、取りあえずチェックしとかないと。
 で実際のところ、99分の上映時間がヒジョーにツラかったです。完全にTV&原作ファン向けの作りで、イチゲンさんには人物設定が掴みづらいし、ならその分ストーリーで見せてくれるかと思えば、展開が散漫で冗長なんでこちらもダメ。そりゃ高橋留美子原作だからキャラは立ちまくってるワケで、そっちは悪くない。あと和田薫の『獣兵衛忍風帖』ライクな(時代設定が近いせいか)音楽は結構燃えるぞ。途中、怪獣(じゃないんだけどね)の出てくるシーンで、もろに師匠スジな旋律が流れるのがご愛敬。

 問題の原田美枝子演じるゲストキャラ、神久夜(かぐや)の演技は……宣伝的な面を考慮したとしても、榊原良子が演じた方が良かったと思います。設定上、陰陽道に関する部分があったから『帝都物語』に出てた原田が選ばれた……とは思うが、そうでもなけりゃあまり納得のいくようなキャスティングじゃないぞ、アレ。
 ちなみに美枝子お姉様の陰にすっかり隠れてるが、TVシリーズからのレギュラーで大神いずみも出演しているとのこと。こちらは美枝子お姉様と違い、わりと声優然とした演技で特に違和感なく聴けたが、巨人の元木なんかの嫁になった奴の事なんかどうでもいいっス、はい。
 帰宅後、ドリーと合流して食事。近所のダイエーで買い物して帰る。夜食として天丼買って帰宅したのだが、それを食べようと思ったら……すまん、これから故郷の星へ帰ることになった。




2002年12月10日(火) デザインしたヤツ、前に出ろ!



 テリーがキティちゃん柄の風呂敷に包んだ、スイカ大の物体を大事そうに抱えている。「独り占めしないで、よこせ」というと「これはヤバイんだ、ヤバイんだよ!」と突然走り出し、50メートルくらい行ったところで大爆発!! なんか「ガキの使い」に出てくる板尾の嫁みたいだが、今朝はこんなぶっそうな夢で目が覚める。何かの前兆だろうか。それにしてもオレの夢の中でこいつ、ホントよく死ぬ

 歩が遅いながらも仕事。オレの場合、働いてると水分摂取量が多くなる。とりわけよく飲むのは六条麦茶。造形大に勤めていた頃、学生から、
「尾崎さん知ってますか。お茶の中で、体にいい成分が何にも入っていないのが麦茶なんですよ」
 と聞かされて以来ずっと愛飲してるが、カゴメの六条麦茶がすごいのは、麦茶独特の渋みが全然ないこと。これはきっと『プロジェクトX』で取り上げられたら、膳場アナも思わず涙のすごい特許があるに違いない。というか今ごろになって『プロジェクトX』ネタを持ってくる自分の安さがイヤ

 もうヤメヤメ! 出来ないときは試写に行く気もせず、予定していた『戦場のピアニスト』『ジェイ&サイレントボブ 帝国への逆襲』をキャンセルし、寝室のベッドに積まれてある未読本の山から『ワイルド7』愛蔵版3巻を取って読み倒す。ところで望月先生、ワイルド7のエンブレムとプロミスのマークって、なんか雰囲気似てないですかい? ホラ。

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2002年12月9日(月) おまえも拉致されとったんかい



 すさまじい冷え込みで目が覚める。外を見ると、ああ、やっぱり雪が思いっきり積もってやんの。ニュースによると、関東における年内の積雪はなんと11年ぶりのことだそうで。雪景色は嫌いじゃないが、足場が悪くなるのだけは勘弁してほしい。

 午後から外出、六本木に行く。昼食は昨日、関西ラーメンに思いを馳せた余韻を受け、天下一品六本木店でこってりを食べる。天一は支店によって味に大きなバラつきがあるので有名だが、ここのはチャーシューが少し厚めでがさつな味がする以外、大きな変化はない。味がいいのはやっぱり京都は北白川の本店で、イマイチなのは大阪の北新地店か。実家の米子店も悪くなかった。でも天一ってたまに猛烈に食べたくなるけど、店を出るときにはどうしていつも「食わなきゃよかった」的後悔が残るのだろう。王将も然り。

 食事を終えて20世紀フォックスへ。ここで某作品の内覧試写。あまりにタイムリーといえばタイムリーな敵役。でも配給会社的には、これを表立ってパブ展開できないところが隔靴掻痒だろうね。実質2名登場している●●●●ー●だが、●●・●●ーに比べると一方があまりにもブッすい女で、すぐその後の役回りがバレてしまうのが難点か。試写終了後、宣伝担当さんに「やっぱりこれをフォックスでやるの、違和感ありありですよ」と言うと「僕も微妙にそう思います」とボソリ。

 映画秘宝編集部で編集作業をしていたテリーが早々に作業を負えたので、二人して秋葉原に直行。saleでフライング入荷した『マイノリティ・リポート』北米版DVDを買い、その足で「キッチン・ジロー」に行き夕食。揚げ物好きのテリーには天国のような店だけど、昼が天一だったオレには少しヘヴィ。
 その後新宿に移動し、マイシティ6階のHMVイーストへ。『ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔』のサントラを買いに来たのだが、革張りの限定版がムダに高いので、ならばと通常版+『ゴジラXメカゴジラ』のサントラを併せて買う。通常盤のジャケ違いは、またよりによってゴラムばっかり残っていて、仕方がないので1枚だけあったガンダルフ・バージョンを買う。けど今日は昨夜の睡眠不足を引きずって体が重く、鑑賞は明日に持ち越し。






2002年12月8日(
おお〜神の恵みよ、ラーメン〜
(by小池さん)


 今日はお出かけの予定だったが、かねて依頼された文書をあげるために家にこもる。その前に昨晩の続き『ロード・オブ・ザ・リング・旅の仲間/スペシャル・エクステンデッド・エディション』DVDディスク2を観賞。
 終わってすぐにファミマに買い物に行ったら、インスタント・ラーメンでこんなのを発見。
 懐かしいなぁ「天天有」。京都は一乗寺の名店、ブランド・インスタントで唯一お店のモノホンを食べたことのあるラーメンだ。この商売始めて間もない頃、奉公人生活の反動で思いっきり夜行性になってしまい、夜中によく食べに行ったよ。チャーシューメン中盛り・メン固めネギ多めがオレの定番で、店に入った瞬間、おばちゃんがいちいち注文言わなくてもオーダー通してくれたっけ。
 さっそく作って食べてみるが、うぇー、似ても似つかぬ麺の食感。いや、それでもスープの甘みだけはかすかに天天有の味がする。今すぐにでも京都に飛んで帰って食べたくなるじゃないか。
 そういえば、天天有のある一乗寺界隈はかなりのラーメン激戦区だったけど、最近はどうなってるんだろう。もうひとつのご贔屓ラーメン屋さん「珍遊」は三条河原町でオールナイト映画を観に行った帰りに多く寄ったが、深夜の淀んだ時間帯でも従業員の動作がキビキビしてたし、愛想がバッグンによかったので、こっちもよく通った。ものすごく美味しかったという記憶はないが、唐揚げの盛りの多さは忘れ難い。
 サラダラーメンがしょっちゅうマスコミに取り上げられていた「北山ラーメンてっちゃん」も常連だった。もっとも家から目の前の場所にあり、窓から店の混雑状況が見て取れたので、ヒマそうな時間に行きおじさんと世間話をするのが楽しみだったりもしたのだが。ここのカレーチャーシューとネギチャーシューは絶品なので、松ヶ崎近辺に行った人は是非(別に観光スポットはないけど)。

 資料探しで中野ブロードウェイまで行っていたテリーより電話。駅まで出向いて夕食を食べる。帰宅後、なんだかあわただしく細事に追われる。しかし妙に冷えるなぁと外を見たら、なんと雪がしんしんと降っているではないか。そりゃもう12月上旬だし降ってもおかしくはないんだけど、年末に積雪するなんて、オレ的には先に挙げた京都・左京区に住んでた頃くらいの現象だ。濃霧に積雪、本当に田舎だよなぁ東村山は。




2002年12月7日(土) 指輪が結ぶ旅の仲間となれ




 いろいろ原稿が一段落ついての週末で、午前中はグッスリ寝まくった。
 階下に郵便を取りに行くと『ジェリー・ゴールドスミス in JAPAN 2003』のチケットが届いていた。先行予約の日をすっかり忘れてしまってたので最前列は逃したが、それでも前回に比べりゃ前方席もいいところ。思い出すなぁ、一昨年の『in JAPAN 2000』は隅田トリニティホール・横浜みなとみらいホールと両日行ったけど、隅田での公演が終わって速攻、日比谷までタクシー飛ばして観た『チャーリーズ・エンジェル』(試写)に印象奪われちゃったっけ。だが今回はそうもいくまい。演目に我がマイ・フェイバリットのゴールドスミス最強スコア『オーメン』の管弦楽合唱があるのだ。いやぁ、しみじみと関東に越してきた利便性を痛感するね。

 L誌の文字稿チェックを行なった後、腰を据えて先日購入した『ロード・オブ・ザ・リング・旅の仲間/スペシャル・エクステンデッド・エディション』DVDを視聴。といっても、エルロンド会議でキリよく終わるディスク1まで。
 しかしこの『ロード・オブ・ザ・リング』の副次媒体展開、じつに攻略的。原作が膨大だから、当然劇場版は食い足りない感じが残る。となると未公開フッテージは購入意欲を煽る最高の付加価値として、DVDは格好の発表媒体だ。家庭での観賞は観る者の自由度が高く、無理な長尺を劇場で強いて評価を下げることもない。
 しかも劇場公開版と特別編集版で2度のリリース展開が可能。おまけに発売の頃には第二部公開を控えており、観客の興味を引っ張ることもできる。「ランニングタイムの制約で泣く泣くカット」なんかじゃない。最初からDVD用にもうひとつの『ロード・オブ・ザ・リング』を用意していたのだ。これだけ周到じゃなきゃ、ニューラインのような会社が4億ドル近い出資の大バクチに出るはずがないじゃないの。
 しかし、30分長いバージョンでも、トム・ボンバディルの登場するシーンはまるまるなかったなぁ。映画化のニュースを聞いたとき「オレならここを切るだろう」って思ったくらいだから、仕方といえば仕方がないけど。





2002年12月6日(金) するとそこへ坂本さんが…



 所用のためいつもより早めに(っても7時過ぎ)に起床。チャリンコで東村山駅まで向かう。さすがに自転車で走るのにはキツイ季節になり、10分も走ってると手がかじかんでしょうがない。
 帰宅後、〆切が迫ってる「映画秘宝」誌の特集記事を仕上げ、編集部にメール。同じ特集の執筆を依頼してるドリーをせかしつつ、神保町の洋泉社へ向かう。
 秘宝編集部で記事に関しての簡単な打ち合わせ。完成までにもう少し必要な資料があり、何とか月曜までに揃えて欲しいとのこと。とりあえず神保町を巡ってある程度資料のメドをつける。

 帰宅後、ドリーと記事に関する打ち合わせ……のはずが、ドリーが勝手に「てめえのクソ部屋は胸が悪くなる」と部屋の掃除を始めて大喧嘩!! でもいつの間にか二人でチークダンス踊ってたりするんだよな。もちろんネタはオールスター野球大会のマチャアキ&順だけど、そんなことしてるからホモとか言われるんだよ!

 その後はドリーが購入した『スター・ウォーズ エピソード2』のDVDを観る。映像特典のR2D2ドキュメンタリーが面白すぎ。言ってしまえば『カメレオンマン』のようなフェイク・ドキュメントなんだが、出演者がスピルバーグにコッポラとムダに豪華!!
 その後、ツタヤでレンタルしてきた坂本龍一ベストを聴きながらまったり。
とりわけTV/CFスコアベストが圧巻で、没になったInternet Explorer4.0用サウンドロゴやら、鹿島建設の社歌まで入ってるという至れり尽くせりの構成。別売りの3枚(ソロ楽曲ベストと映画音楽ベスト)全部揃えると、まさに教授版『キダ・タローのすべて』と言えるようなモノに仕上がっている。個人的に『YOU』のオープニング/エンディングと日本生命CFソング(『きみについて』)が入ってるだけで充分満足。特に後者は教授の曲の中で一番好きなんだよな……あまりに教授くさい旋律がアレですが。

 オタク回帰ということで、今日の日記からアニメ観賞雑感を記そうと思ったのだが、ことごとく見るの忘れてた。せっかく『ピーターパン』に『ハムハムランド』まで地上波放送の大サービスな日だったのに……っていうか仕事で『あたしンち』と『おじゃる丸』見るのも録画するのも忘れてたのが一番ツラい。『おじゃる』なんか当分リピート放送オンリーなのに……。




2002年12月5日(木) 右も左も、みんな埼玉



 すさまじい肩こりで左手が上がらない。職業病といってしまえば簡単だが、たぶん要因のひとつには、横臥したときに半身の重みが肩にかかることが挙げられる。いやそれよりも問題なのは、誘発して症状が現れる頭痛だ。このダブルパンチでイライラも最高潮! なんて言ってもいられず、カラー原稿のラフ切りで翌日に持ち越した『トランスポーター』の紹介記事に着手。その直後、アートポートさんから携帯TEL。『ハードキャッシュ』プログラム原稿の最終チェック。オレの原稿と一緒に秋本鉄次兄ィの原稿も載るとのこと。ゲッ!! オレってダリル・ハンナのこと「旬を過ぎた女優」とか書いちゃったよ。パツキン好きの逆鱗に触れなきゃいいけど。
 立て続けにNTTから電話。フレッツADSLモアに契約変更のお願いをしたので、その工事日時と交換モデムの送付日の相談。12Mか。どんどん高速になるのは嬉しいが、ハードがパワーがついていかなくなってくる。もう少し頑張ってくださいよG4! 

 なんてことを考えていると、ムラウチからDVD『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』『ロード・オブ・ザ・リング・旅の仲間/スペシャル・エクステンデッド・エディション』が送られてくる。
 さっそく『ロード〜』を観てみると、ひぇええ!! 幾つかのシークエンスが増えてるだけかと思いきや、細かいところで全然編集とかが違っている。大は小を兼ねる的な思慮で通常版を買い控えちゃったけど、それは愚かでした。でもこの特別編のオープニング、ビルボが『ホビットの冒険』を上梓し、返す刀で『指輪物語』の序章を書き始めるシーンが挿入されてるけど、原作ファン泣かせだなぁ。

 頃も深夜、突然、これがまたどうしようもなく発作的にチャーハンが食べたくなり、自転車で近所のコンビニまで買いに行く。ところが、そのまま帰ればいいものを「ひょっとしたらこの先、郊外型の本屋さんとかビデオレンタル店とかあるかも」なんて考えが肉体を支配し、そのまま進んでみるのだが……。
 考えが甘かったです。いやもう何にも無し! 進めば進むほど木々が増え家の明かりは少なくなり、聞いたことのない野獣の声が響く。ダメだこりゃと思って早急に引き返し、チャーハン食ってこの日記を書いてフテ寝。やっぱ東京の果てだよ、ここは!!






2002年12月1日() すごいぞクライテリオン!!




 法事から帰ってきてからというもの、生活が完全に朝型。でもやっぱり起き抜けは頭が冴えず、そんな半睡状態で原稿のために『不眠症 ―インソムニア(オリジナル版)―』(2003年1月3日レンタル開始)を視聴。主人公の桎梏とシンクロすりゃ映画の印象もひとしお違うだろと踏んだが、ただもう頭に入らないだけ

 午後より秋葉原に買い物に出かけ、米版『惑星ソラリス』DVD(クライテリオン)と、切通理作氏の大著『特撮黙示録1995-2001』(太田出版)を購入する。その後は新宿に移動し、大阪から仕事で上京している知人の女の子と待ち合わせ。スカラ座でお茶し、カレー屋ガンジーで夕食を食べる。日頃むさ苦しい野郎とばかり顔をつき合わせてるんで、たまには毒抜きをしないとね。
 その彼女と9時頃に別れ、西部新宿から所沢に到着。西友で食料を買い込んで帰ろうとしたら左足の甲に激痛が走り、歩行が難儀になったのでタクシーで帰宅。そして家に着くなり、左足をマッサージしながら『惑星ソラリス』を再生するが……思わず画面に目が釘付けになり、足を揉む手が止まってしまう。


「こ、これは―――!!」


 今度再販されるRUSCICO(ロシアン・シネマ・カウンシル)マスターのIVC版を買おうと思っている人、悪いことは言わん。オレはこのクライテリオン版を迷わず薦める。まるで今年製作されたかのような鮮明さ! 水の質感や緑の瑞々しさ、首都高のシーンで赤坂トンネルの表示すら判然としてしまう、そのあまりの高画質に震えすら覚えたぞ。音声もかってアナログサントラに収録されていた、せせらぎのリアルな音が見事に再現されている。
 冒頭に配してあったケルビン博士の質疑応答テキストや、ミラールームでの幻覚、そしてクリスと母親との対話など、存在すること自体が奇跡に近い未公開フッテージも素晴らしい。リージョンフリーだから国内のDVDプレイヤーでも再生できる。これを観てソダバーグ版『ソラリス』の愚かしさを笑え! 嘆け!! まだ観てないけど。








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