=ドリー =テリー



2003年2月28日(金) 夜10時半だぜ、現在の就寝時間




 朝の6時に起床。以前にも書いたが、毎日1〜2時間ずつ睡眠サイクルがずれているので、今はこんなに早起き。たぶん一週間後には昼の1時とかに寝て夜の7時くらいに起きる生活になっているかと。アホか、んなんで仕事が出来るワケないだろ。

 午前中から午後3時までは原稿をつぶし、その後UIPに向かい『ネメシス/S.T.X』のカラーデュープと本プレを受け取りに行く。それから「利久庵」で遅めの昼食をとる。銀座の出版社に勤めていた女の子が耳打ちしてくれた蕎麦の名店。見た目そうめんのような細麺だけど、かなりコシが強くて喉越しがいい。大きめにブツ切った鶏肉に、黄身を乗せてアクセントにした親子丼もなかなか。構成ラフと格闘しながらナメコそばを食べる。

 空腹を満たした後、SPEにスティーブン・セガールの『奪還-DAKKAN-』観に行くか、そのまま帰って仕事の続きをするかで思案。ちょうどテリーから連絡が入り、どうするべきか意見をあおぐと、

こんなご時世、もし今ミサイルでも落ちてきてごらんよ。あんた人生最後の映画がセガールになるんだぜ。だから仕事しろ

 ということで、検討の余地なくSPEへ行く。しかし国立がんセンターあたりまで来て歩が止まる。ああ、世の中には病魔と必至に闘っている人がいるのに、オレときたらセガールの映画を観るべきか否か、そんなことを真剣に悩んでいる。自分の矮小さが悲しいので少し泣いたかも。

 結局悩んだあげく、逆方向へきびすを返し、新橋のワーナー試写室で『ブラック・ダイヤモンド』を観る。ジョエル・シルバー製作&ジェット・リー主演の『ロミオ・マスト・ダイ』コンビによる、ラップ&マーシャルアーツのお手盛りアクション。試写を観る行動そのものに変更なし。
 オープニングのタイトルクレジットから冒頭の見せ場である強奪シーンまでがまんま『スピード』。まぁ監督のコヴィアクはもともと『スピード』の撮影監督だからして、カメラモーションまでもがヤン・デ・ボンそっくりなのはしょうがない。けど全編で一番面白いのはエンドクレジット、しかも本編と全然関係ないコメディパートという、まるで『ライアー・ライアー』を観て、一番笑えたのはジム・キャリーのオフショットだった…みたいに救いようのないソレ。いったいどう突っ込んでいいんだ? でも『電撃-DENGEKI-』だって同じだったしなぁ。
 終了後、ロビーでレオの関さん「尾崎さんスイマセン。プリント遅いのばっかりで」と平謝り。無理もないや、次は『ドリームキャッチャー』だもんなぁ。だから今キングの原作をフォローしてるんだけど。

 帰りに秘宝編集部の松崎君よりTEL。『ボイス』の監督インタビューの依頼。『ボイス』といえばあのブッスい女の子を思い出すが、
「あんな顔ですが、あいつ俳優一家のいいとこの娘らしいですよ」
 と松崎君。わしらは誘拐をたくらむ悪党か。






2003年2月27日(木) 亜希子をクサす男に生きる資格なし




 いろんな人に心配かけたけど、なんとか生きてます。ただ多少気分は良くなったが、痰が絡んで気管がゴロゴロいう違和感がツラいところ。
 それでも会社組織にいるワケじゃないので、いつまでも床に臥せっているワケにはならず。資料収集と試写のために都心へと移動。

 3時半からイカジカ第1試写室で『シティ・オブ・ゴッド』試写。

 決まり! オレの本年度ベスト1だ。もちろん『チャーリーズ・エンジェル フルスロットル』が出るまでの暫定だが。

 リオデジャネイロのスラム街で繰り広げられるブラジルボーイ版『仁義なき戦い』。錯綜する時軸を見事な環構成でつなげ、それでいて息継ぎの全くない疾走感が『グッドフェローズ』を初めて観たときのソレにそっくり。凶悪なバイオレンスの腐臭が目にしみるけど、病を押して行った甲斐はあったぜ。

 その後、あおい書店に向かい「ドリームキャッチャー」3・4巻と「魔界転生」上下巻(角川文庫版)を購入。映画絡みで再読しておこうと。オレの父親が風太郎マニアなので、実家に連絡して幾冊か送ってもらうかとも思ったが、たかだか文庫本だし、それにオヤジの持っているのは年季が入っている。なんたって「忍法魔界転生」なんだよな。
「ドリームキャッチャー」には久々に引き込まれてしまった。やっぱ怪物が出てこそのキングだよ

 小一時間ほどで買い物を済ませてイマジカに戻り、7時より第2試写室で『TAXi3』の試写。アヴァンタイトルに大物ゲストが出演しているが、これは秘密。imdbで検索なんかしちゃダメだぞ。そこしか見どころないんだから
 プログラムピクチャーの余裕と開き直り。ギャグが自家中毒ぎみでベタを通り越し、かなりシュールになってる嫌いも。それに『1』がポルシェ、『2』がランエボなら、それにふさわしいカスタムカーと対決してほしかったね。
 しかしイマジカクラスの音響だと、サウンドデザインが実に巧妙に作り込んであることがわかる。

 昼間と夜の気温差が体にこたえたか、帰りの電車の中ではグッタリ。帰ったら暖房ガンガンにしてすぐに就寝。







2003年2月26日(水)
『クイズ・そっちのほうがスゲェ〜!!』



 相変わらずドリー、風邪治らず寝込む日々。おかしいな、●●と何とかは風邪ひかないっていうのに

 今日は昼から打ち合わせ数件。まずは新宿で某出版社の編集氏と。昨日の日記に書いた企画本のレビュー記事についての打ち合わせ。何せ初対面の編集さん相手に、初めての雑誌以外のメディア仕事という事で緊張しまくるが、とりあえず話はまとまる。これでオレ様ちゃんもようやく単行本デビューだ!! って、自分の書く分量なんてホンのちょっぴりなんだけどね。

 新宿での打ち合わせ終了後、今度は神保町へ。秘宝編集部にて松崎氏と来月号に掲載する記事の打ち合わせ。と言いつつ、実際の打ち合わせは実質20分ほどで、残り一時間強は最近すっかり年食って健康に不安があるだの、ドリーの面食い趣味は何とかならんかだの、完全に四方山話に終始。今月号の秘宝で彼が担当した『東京イエローページ』の記事の事に触れ、いかに当時の竹中が凄い存在だったかで盛り上がるが、その当時、松崎氏がまだ中学生だったと聞き、軽い衝撃を受ける。いや、まぁ確かに彼は20代後半だから逆算すりゃそうなるんだろうが、その当時すでにハタチ越えてたオレ様って、そう考えるともういいトシなんだよな。何か現実の無情さみたいな物を感じて、ちょっと涙ぐんじゃった。

 その後は2人とも大好きな車の話になり、なんでヨーロッパの小型車は乗ってて気持ちがいいのかとか、70〜80年代の無茶なF1マシン及びドライバーの話で盛り上がる。一体どこが打ち合わせなんだよ、コレ。結局、いつか車絡みで何か特集組みたいねって結論に達して編集部をあとにする。

 帰宅後、所用のためもう一度外出するが、その際にドリーに伝える事があったので電話したのだが、携帯の操作を誤り、なぜか昼間打ち合わせした編集氏に繋がってしまう。思わずパニクって切ってしまい、慌てて謝りの電話を入れ直すが、おかげで一晩中凹みまくりなオレ様ちゃんでした。なんで自分、こういうところのツメが甘いんだろ?




2003年2月25日(火) お説教人生



 ああらドリー、風邪で本格的に寝こんじまったよ。ということで、今日は久々にオレ。

 とにかくここ最近、ヨコのつながりで思いもかけない仕事が舞い込んでくる。昨日のドリー日記のTV出演のオファーも、付き合いのある某ライター経由の推薦だし、現在オレがやってる(っていうか入稿済みだけど)仕事も、やはり知り合いの編集さんからの依頼。立て続けに仕事が入ってすっかり舞い上がってるオレ様ちゃんですが、そんな姿を見たドリーから、

実力も営業力もないヤツが、ちょっと仕事が入ったくらいで舞い上がってるんじゃねぇ!!

 とキッツイ一言。もちろんいつものパターンで寺内貫太郎ライクな大喧嘩を繰り広げていたところ、今度は某出版社より仕事依頼の電話。なにやら現在企画中の某映画監督ムック本で作品レビューを書くことに。しかしここまでいろんな話が短期に集中すると、どうも何かの陰謀でも働いてるんじゃないかって気がするな? それとも俺、もうすぐ死んじゃうのか?

 そんな一件でドリーと打ち合わせしようと思ったら、仕事場で熱にうなされながらも、矢田亜希子目当てで『僕の生きる道』なんか見てやんの。先輩の威厳どこへやら。というかキモイ。先週はコンビニで「Ray」を買おうとしてたしよ。こういう男にいつも「人生とは」とか「男の生き方」について滔々と説教されてんだよ。困るよな。
 それにぶっちゃけ、オレ矢田亜希子って全然興味ねぇし。しかもそのことでまた説教されるという、もうウンザリなんだよキーッ!!




2003年2月24日(月) 風邪




 外を見ると窓には雪……。

 どおりで寒く、向かうべき試写にも出かけられず、終えるべき原稿も滞るってワケだ。
 いちばん困ったのは、風邪がぶり返したこと。せっかくインフルエンザも完治したのに、オレって見た目と違って体弱いなぁ。というか、ここ20年、大病など患ったことないのに、せこい風邪にはガンガンかかる。

 とかなんとか言いながら、夕方の試写『サラマンダー』に向かうか、同時刻の試写『GUN CRAZY Episode3&4』に行くかを風呂につかりながら思案。いや待て待て原稿が優先だろ。でも“サラマンダーの肉”なる怪しげなブツは気になるし(さすが東和)、片やナマ中根かすみやナマ加藤夏希は拝みたいし。ちなみに『Episode4』のヒロイン原史奈、オレと誕生日が一緒(5月22日)なんだよな……Zzzzz。

 あああああっと湯船から飛び起きて時計を見ると、どっちに行こうとかそういう選択も既に必要ない時間になっている。風呂場で寝過ごすかフツー。
 しょうがないので、熱湯を浴びて冷えた体を暖めなおし、メールを確認。
 おお、なんとガチンコ兄弟にTV出演の依頼が来ている。といってもCSだが。これに関してはまだ決まったら告知しますんで。
 気を取り直して、東映に『魔界転生』平山秀幸監督のインタビュー依頼。担当の孤嶋さんが快くオッケーしてくれる。後はこちらから日程を知らせる手ハズでOKっと。

 もろもろ詰まってきた仕事を片付けつつ、今日の目玉番組『マイケル・ジャクソンの真実』を少し視聴。マイコーはマイコーなりに苦労が絶えんのやなぁと。で、『マイケルの反論』はどこが放映してくれるんだ? 
 そういや昔、オレの後輩が、
スコセッシの凄さを知るには『レイジング・ブル』とか観るまでもない。『BAD』を観ればいい
 と言い放ち、『キャプテンEO』と『BAD』の比較を滔々と語り、いかにコッポラがダンス演出に向いていないかを力説してたっけ。もう『キャプテンEO』を観る機会ってないのだろうか。






2003年2月23日( 疲れてんだよ、マジで




 肩こりからくる歯痛か、左下アゴのあたりがキリキリ痛む。頭痛も併発。ノーシン服用するが、どうも効きが悪い。心なしか顔も膨らんでるしな。いや、これはもともとか。

 頭部が他人のモノのように重いが、午後から公私いろいろ保留にしていることを片付けてしまう。そういえば久々に直筆で手紙を書いたが、普段こうやってキーボードをペン代わりにしていると、思いっきり字がヘタクソになっているではないか。最近の兄ちゃん姉ちゃんの悪筆を憂いていたが、何のことはない、自分も相当ひどいものに。

 オレらの学生時代って、男の悪筆率が高く、女の子は総じて字がキレイって感があったけど、今はむしろ美しい字を書くヤツを見つけるのに骨が折れる。この現象って何に依拠するんだ? 先に挙げたように、筆記の機会が少なくなっていることと因果関係にあるのか? でも授業や講義でノートは取るだろ。

 でもどんなに悪筆だろうと、手紙は直筆で受け取ったほうが嬉しいよな。
 メールはその利便性ゆえ、筆無精からもそれなりに挨拶を引き出せるという点はいいが、逆にくだらないことを書いてくるヤツいるからなぁ。語彙も貧困だしよ。靖国神社の遊就館とか行って、戦地の兵士が内地の両親宛に送った手紙とか読んでごらん。18、9歳の若者が立派なセンテンス綴ってるもん。例えが極端だけどさ。

 腹が減ってもいまいちメシ食う気力もなし、まさに疲労ピークに来た感あり。トホホ……。




2003年2月22日(土) ダメ人間を模索する日



 今日はもう頭を使う仕事はしない。外にも出ない。メシは食う。ということで、夕方までひたすら寝る。トイレと水分補給で起きる以外は動かない。
 
 目が覚めたのは夕方どころが夜の7時。それでも寝ながら以下のものを観たり聴いたりでダラダラ。




 メガフォースに森高。頭が働かないので説明はしないが、たぶん無意識の中で自らのアイデンティティを模索してたんだろうなぁ。どうもここんとこ足場がグラついてたし。





2003年2月21日(金) 明日は寝る、ひたすら寝るぞ



 だんだん1日3本とか消化するのが苦痛になってきた。本当は映画に愛なんて微塵もなく、ポーズでシネフィル気取ってたメッキが剥がれてきたのだろう。

 というワケで、ヘラルド試写室にて『WATARIDORI』。成人トトことジャック・ペラン総監督による、渡り鳥の移動を追った労作ドキュメンタリー。
 この作品、ちょっとしたビジュアルショックが用意されている。飛んでる鳥を併走撮影でカメラがピッタリ追ってるのだ。それもズームではなく、かなりの接写。なのに鳥は撮影クルーを警戒することなく優雅に羽ばたいてる。
 ただね、その視覚ビックリで観客が引っ張れるのは最初の30分が限度。後は鳥の生態や習性なんて種類が違おうと大きな差はないし、生存競争の厳しさを紋切り型構成で語ってるんで、1時間39分はハッキリ言って冗長。
 ちなみにオレの前にやまもと寛斎先生がドッカと座り、身を乗り出して食い入るように観ていたのが印象的。鳥類が好きなのかしら? 昨日『青の炎』で寛斎の熱演(ということにしといて)を観ているんで、いつ鈴木杏のように殴られるかと内心ヒヤヒヤしてましたが。

 そのままメディアボックスに移動して『プール』。恐怖のストーカー女が前途洋々の競泳選手を地獄の淵に立たせる学園サスペンス。
 ああ、この「ギャオーっと鳴くからギャオス」のような試合放棄っぽい邦題。ほとんど犯罪だと思ったら、観終わると「そりゃプールしかないわな」と同情したくなる。一番の看板ネームがダン・ヘダヤなので、バジェット嗅覚の鋭い人はどれだけ金をかけてないかが分かるでしょう。
 こういうティーンホラーに「ドラマがどうの」とか「恐怖演出が云々」とか言って“くたびれるヤツ”呼ばわりされるのはゴメンだが、要するに「浮気心は大敵」というご教訓映画なワケで、
「んなもん、セフレでキープしときゃカド立たないし、オレ的には成立しない話だ」
 でやりすごす…うーん、いちおう少年誌に関わってる手前、モラルのない言動は慎まねばと思うんだが。

 その後は有楽町駅のそば屋さんで軽く夕食をすませ。有楽町朝日ホールで『アバウト・シュミット』。
『ハイスクール白書』のアレクサンダー・ペインの新作だが、オーバーアクトで一本調子の権化みたいなニコルソンに、ここまでしなやかで計算された演技ができるとは思わなかった。特に最後、抑圧された感情が堰を切ったように表出するシーンは、久々に役者の力を信じるのもアリかと思ったね。「非受賞者に」なんて余計な配慮がアカデミー賞協会員に働かなきゃ、4度目のオスカーは確実だろう。

 帰りに銀座のキムラヤで夕食ともおやつともつかないパンを買って帰る。





2003年2月20日(木) 遂に入手、のび太マニア垂涎の品!!




 今日も試写攻勢が続く。というか、観ておけるときに観つぶしておかないと、来月はスケジュールが圧迫されて試写どころじゃなくなるからだ。

 というワケで、今日は朝から有楽町へ。東宝試写室にて『青の炎』。
 東宝は『模倣犯』も『13階段』も片腹痛い出来にしてしまったが、同ジャンル作の映画化として、こいつは悪くない。ジャニヲタやハロプロヲタ商売にしてはちょっぴりグレードが高いかも。蜷川は冒頭部こそ映像ブラフをかますが、次第に演出家としての力量を主軸に据え、役者のアンサンブルでじっくりと見せてくれる。特に秋吉久美子や中村梅雀らワキの見事な決め打ち。二宮と鈴木杏の兄妹係に近親相姦スメルが漂うのは『王女メディア』あたりの舞台アプローチが無意識に表出した感あり。エンディングにR・ウォーターズ持ってくるのはあざといか。しかし映画の中に出てくるネットサイトって、どうして映画の中に出てくる活字媒体やTV番組のように、ああも疑似臭がプンプンするのだろう。

 続いて軽く昼食をすませ、1時からよみうりホールにて『デアデビル』完成披露。
 おいおい、エレクトラいきなり●×△しちゃうのかよ。アクション・コレオグラファーがユエン弟だけど、ライブとCGのチェンジングポイントをごまかすためか、画面輝度が低すぎてイマイチ何やってるのかよくわからない。素晴らしいのはコリン・ファレル演じるブルズアイ。あの“男前”と“アホ”の境界線にある極太マユ毛が、いつかはこういう変態アクトの壁を突き破るんだろうなと予見させてましたが、とうとうやってしまいましたね。

 さらにその足で銀座へ移動し、ヘラルド試写室で『少女の髪どめ』。ヘラルドの公開リストでは原題表記『バラン』のままだったが、東宝の『大怪獣バラン』と混同されるのを避けたんだろうか。マジディは『運津靴と赤い金魚』のコント演出に泣かされた贔屓監督なので、とりあえず観ておこうと。ストーカー男の一途な思い込みと行き過ぎた善意の映画……うーん、変な概要だがそうとしか言えない。昔コンビニでバイトしていたとき、酒販の兄ちゃんがちょうどこんなキャラで、思わぬ既視感にとらわれる。

 終わってセブンイレブンに寄り、2月15日付のテリー日記で紹介した「コミックテイストフィギュア ドラえもん」を買う。いやぁ、ついに引き当てたぜ“未来ののび太、会社丸焼け記念”!! 



 ああ、嬉しさのあまり男泣き! 
 









2003年2月19日(水)
役者がイニシアティブを握るスピ映画だしな




 朝、チャンピオンの原稿をあげ、五反田へ向かい試写。
 イカジカ第1試写室にて『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』。スピルバーグ、記念すべき長編劇場映画20本目の監督作(もちろん『激突!』は除く)。それなのにどうだろう、この盛り上がりの無さは。3月21日公開なら既に社内試写や完成披露があってもいい頃だぞ。
 んで観たんだが、影の薄さに反比例して、スピルバーグを語るうえでは重要度の高い作品だと思う。ディカプリオとウォーケンの関係性はそのままスピルバーグのパーソナルな部分に置換できるし、劇中の007引用にしても『インディ』シリーズの経緯を知る者であれば因果関係は推して知るべしだ。テクニカル面だと、例えばフランク(ディカプリオ)側のドラマはルックを差し込みライティングとソフトフォーカスの+暖色トーンで固め、カール(ハンクス)側は『プライベート・ライアン』や『マイノリティ・リポート』を彷彿とさせるハンドヘルト+寒色トーンで統一するといった、そういう実験的アプローチも指摘できる。
 けど、敢えてこれを撮ることへのインプレッションが全然感じられず、しかも今さらスピに「よく出来てます」レベルの作品を撮られても処置に困る。「アシスタント・プロデューザー監督代行説」は微妙。スクリーンから匂い立つディレクションは完全にスピルバーグのそれだし。
 それとジョン・ウィリアムズの音楽がやたら『ハリー・ポッターと秘密の部屋』に酷似しているのが気になったぞ。もっとも制作時期が同じ頃だし、しょうがないか。

 音楽といえば、ジェリー・ゴールドスミスの来日が中止になったそうじゃないか。公演は別のコンポーザーを立てて実施するらしいが、あくまでジェリーがタクトを振る、そのパフォーマンスに酔いたい身としては、もはや今回のコンサートにはもう価値を見いだせない。
 イマジカを後にして秋葉原に寄り、公言が憚られるブツを買ったその足でお茶の水まで歩き、秘宝編集部へ。ちょうどKSSの丸山さんが打ち合わせで来訪していたので挨拶し、その後大矢氏、小笠原君、丸山さんとでビッグKの話題。その後、田野辺さん大内さんと『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』の話題と、それをどう秘宝でフォローしようかの企画打ち合わせ。終わって帰ったら深夜1時。そのままベッドに倒れて寝る。






2003年2月18日(火)
果たしてハリウッドはポランスキーを赦すのか?



 ああ、扁桃腺炎、下痢とともにオレの3大季節病のひとつ“鼻の頭のおでき”が降臨してきたよ。これがもう痛いの痛くないのって。

 そんな鼻を冷やしながら早朝デスクワーク。ところが今週中にキャッチが必要だとチャンピオン編集部から要請があり、原稿中途投げでSPE試写室に飛び『アイ・スパイ』の試写。うーん、ファムケのキン蹴りファムケのエロパンツ姿…じゃなくて、絡み芸がドツボにハマり、すっかり日本での求心力を失ったエディ・マーフィにとって、オーウェン・ウィルソンは格好の吊し上げ相棒。でも後半部の展開がフィリピンの国歌みたいにダラダラしてて、とても90分フィニッシュとは思えぬ体感速度だ。
 だが不覚! エンドクレジットの初っ端で脳幹がジンジンきた。だって『ヒル・ストリート・ブルース』のベティ・トーマスが堂々監督クレジットされてるんだぜ。初監督作『プライベート・パーツ』のときはまさかあのルーシーとは知らず、この期に及んで目からぬるい水をピューピュー。ヒルスト役者ではレンコ役のチャールズ・ハイドが監督業に進出しているし、マニア歴20年、今日まで生きてておめでとうオレ。

 そのまま築地から銀座有楽町へ移動、夕刻4時より試写取りこぼした『戦場のピアニスト』を日劇1にて。平日なのにほぼ満席状態というのは、アミューズさん、大バクチで金星を獲ましたな。
 あたしゃフィアー・メーカーとしてのポランスキーに操を立ててるんで、残酷絵図主体の評価に逃げ打つけど、ワンショット・フィックスで捉えたマンハント描写は、明らかにスピルバーグの『シンドラーのリスト』を意識したうえ差異を出そうと苦慮してらっしゃる。もっともスピは局外者・フィルム越しの映像レトリック。ポラは体験者・史実性と説話性の濃いディテールで勝ち逃げの感あり。まぁアチラさんも『シンドラー』は素直に認めてんだから、ランズマンの『ショア』みたいな異文脈を比較対象にするよりよっぽど健全ってもんよ。

 とはいえ傑作が与える独特の疲労感と充足感は覚えたので、今日は帰ろう…と思ったが、きびすを返して六本木のギャガへ直行。夜8時より『トーク・トゥ・ハー』。
 ちくしょう、また魂のコッチ側に来やがった。キャラ造形とエピソード収束の巧さ、油断してるとロー・ブローのように飛んでくるエロネタ。ネガティブ・ファクトが微塵もない。情趣に富み、テーマに重い社会性があるように見えてモラル欠落しまくり。アルモドヴァル、余裕綽々のディレクションだ。

 しかし、オレ的にあれやこれやを褒めても、ガチンコ兄弟的にはテリーが、
オレの人生に関係のない作品
 で却下しちゃうもんな。だから年末になると、
やっぱり今年は『チャーリーズ・エンジェル/フルスロットル』の年だったね!!
 ってことになるワケよ。いいなぁ、傍らにいて皿を回したり急須をくわえたりしない男はラクでさ。






2003年2月17日(月)
ギャラも高騰しているし、ここらで打ち止めね。



 今日はUIP試写室で『ネメシス/S.T.X』。「スター・トレック」シリーズ第10作目にして、ネクスト・ジェネレーション・クルーでの最終作(の予定)。なのに何だこのスタトレのカケラもないタイトルは!

 配給会社が十年一日のごとく掲げる「トレッキーじゃなくても楽しめる」はもちろんウソ。トレッキーじゃなきゃニコリともできないシーンが満載だ。だいたい●●●●●とエンタープライズが共同戦線を張る展開なんて、その感動をファン以外の人間と分かち合えるかっつーの。
 ピカードとそのクローン、そしてデータとその試作機との葛藤が対構造になっていて、彫りの深い物語になっている。展開にダレ場はなく、艦隊戦も惜しみなく見せてくれるし、TNGシリーズ映画版としては一番完成度が高いと思う(好きなのは『ジェネレーションズ』だけど)。
 やっぱり監督がベアードというのが勝因だろう。『エグゼクティブ・デシジョン』『追跡者』と、過去の監督作すべてがゴールドスミスとのコラボレーション。スコアと演出・編集のかけ合いがピッタンコで、気持ちのいい職人技の応酬だ。最後はちょっとしんみりするけど。
 特別ゲストでブライアン・シンガー監督がエンタープライズ乗組員として顔を出してるが(もちろんP・スチュアート絡み)、かろうじてワンシーンのみ確認。

 その足で五反田へ移動し、KSS試写室で『3on3』。ラッパ我リヤの初主演映画だが、監督が『血を吸う宇宙』の佐々木浩久だし、ロクでもない内容になってんだろうなぁと期待パンパン。緊急で入り込んだ試写なので「たぶん」と思ったが、案の定、山田マンやQらメンバー揃っての観賞となる。
 しかしこれ、狙いと思ってみれば腹も立たんが、そのバカ展開が稚拙な演技と相まったりすると、かえってイタさが激増する。ラッパーとしてPVを追うのか、あるいはそのパーソナリティを変態監督の作家性に委ねるのか、どっちかに腹くくれや。
 けど相変わらず黒沢清がムダに使われてて、持って行き場を誤ったその“師匠愛”に涙。

 終了後、KSSの丸山さんのご配慮で佐々木監督と顔合わせ。世間的には『発狂する唇』『血を吸う宇宙』とはいえ、オレにとっちゃ緒川たまきの美乳が眩しい『ナチュラル・ウーマン』が取っかかりの人なので、ちょっとテレくさい。冒頭のカーペンター愛をキチンと受け止めたと監督に言う。我リヤのファンにどれだけ訴求力があるか疑問だが。




2003年2月16日() Gloomy Sunday



 部屋の片付けも、なんとか足場が確保できるまでにこぎつけた。後はビデオ整理に併せ、仕事絡みでサンプルビデオ『謀議』(4月4日発売)を視聴。1942年、ナチがユダヤ人虐殺を決定したヴァンセー会議の始終を『12人の怒れる男』ばりに淡々と描いたTVMだ。
“退去”という言葉の定義、そして等親をどこから区切って“ユダの血”とするかの詳細検討から、やがて核心に至るまでの展開はかなり寒々しい。劇中にスコアが全く流れず、完全な劇映画を標榜しながらも見る側に「面白い・つまらない」を計らせない足元の不安定な作品だ。
 そんな内容だからして、演技だけで視聴者を引っ張れる芸達者(心持ちゲルマンづら)が集められている。ハイドリヒなんかケネス・ブラナーだぜ。でもプレス資料に載ってるキャッチが、
あの『ハリー・ポッターと秘密の部屋』の名優!」。
 セールス戦略として分からなくはないけど、故深作欣二監督を、
あの『宇宙からのメッセージ』の巨匠!!
 って言ってるような……別に間違っちゃいないか。

 おりしも「ナチ・ドイツと言語」(宮田光雄著・岩波新書)を読んでいるところにきて、このダーケントなテレフィーチャーだ。片づけが終わったら試写を取りこぼした『戦場のピアニスト』に行くつもりだったが、思いっきり追い打ちをかけるようで興が乗らず、断念。
 民族統一、ホロコースト、プロパガンダ、アウトバーン、アークや聖杯の奪取……。千年帝国の所業についてあれこれ考える日曜日。身近に彷彿とさせる国もいることだし。





2003年2月15日(土) まぁ週末ですんで。


 前日に徹夜したのと、ドリーから現在の生活態度について説教食らったおかげか、一度床に就いて目が覚めたのが午後4時!! すっかり最近夜型の生活が身に付いてしまい、ここからどう脱却するかが今後の課題だなぁ。

 仕方がないので、空もすっかり暗くなってから、オフのドリー共に久米川方面へと散策がてらブラブラする。

 途中で寄ったセブン・イレブンで珍品を発見。
 今度のドラえもん映画公開のタイアップ企画として、エポック社からドラえもんのトレーディング・フィギュアがセブレブ専売で登場したのだが、そのラインナップに原作第1話の、
火事で燃えた会社の残骸の中、花火袋を持って呆然と佇む未来ののび太
 という、ある意味マニア垂涎のアイテムが!!

 当然、我孫子先生を神の如く崇め奉るドリーが放っておくワケがなく、即購入したのだが、残念な事にお目当てのアイテムは出ず。とはいうものの代わりに出たのが、
ネズミで発狂し、地球はかいばくだんを振り回すドラえもん
 という、これもまた一考の余地あるアイテムだったので、いちおう納得。それにしても、昨年登場したロッテの「きれいなジャイアンフィギュア」入りチョコといい、ここ最近の食玩ブームに当て込んでレア物がどんどん登場するのはいいが、果たして採算が取れてるんだろうか?

 その後買い物を済ませて帰宅。帰り道、ドリーの小中学校時代の恋愛話をさんざん聞かされる。
 小学生のとき、憧れていたウルトラ美少女に取り巻きのブスがいて、全然接近できなかった話とか、その鉄壁をくぐり抜け、やっといい具合になったと思ったら、そのコが間もなく転校しちゃった後日談。そして恋愛の橋渡しに一役買ったものの、失敗して友人がホモに走ってしまった話など、愉快な話に事欠かないよこの男は。
 でも一番ギャグなのは、ドリー本人の失恋話。お姉ちゃんの優しい気持ちを踏みにじり、ボンクラな男の友情を選んだために待っていた結末は、いつ聞いても腹がよじれるほど笑える。機会があればぜひドリーから聞くといい。でもその件がなけりゃ今の彼はいなかったかもしれず、一生涯笑えるネタも手に入れたんだから、選択は正しかったと思うよ。しょせん俺には他人事だが。


 帰宅後は遅めの晩飯をとり、TVで『愛のエプロン』と『ブラックワイドショー』『ストラトス・フォー』をザッピングしながら視聴。
 
 今日の『ブラックワイドショー』は特別企画(北朝鮮ウォッチャーによる裏話対談)のためか、いつもの律動体操は無し。オマケにラジャ・ライオンVSムルアカネタもないのでちと低調気味。救いは喜び組のダンスと謎のキャラクター、パトちゃんのプロモーション・ビデオくらいか? 
 仕方がないのでそのあと立て続けにやってた『コロッセオ』の特番を見る。多団体共催のJr.タッグトーナメントだが、さすがにこのクラスのレスラーは動きがいい。特に贔屓のMIKAMI&KUDO組(DDT)の良さを再確認。それにしてもチョコボール向井、すっかりプロレスラーの肉体になっちゃってたけど、おまえAV男優的にその腹筋ってOKなのか?

 久々にプロレスを堪能した後、午前4時過ぎに就寝。いつもの慣例で朝6時頃には起きれるとタカをくくってたのだが、目が覚めたのが午前11時過ぎ!! おかげで『アバレンジャー』も『明日のナージャ』も『ギャラクシーエンジェル』も見逃しちまった!! ビデオも録画してねぇ!!





2003年2月14日(金) やられたぜ『8 Mile』



 朝、まるで恒例と言わんばかりに宅急便に叩き起こされる。秘宝編集部から原稿依頼で『デュエリスト―決闘者―』のサンプルDVDが届いたのだ。言わずと知れたサー・リドリー・スコット監督の初メジャー長編作。そうか国内版リリースされるのかと、半睡半醒で納得。
 同時にもろもろ郵便も届く。安達瑶先生から著書である書き下ろし官能サスペンス『ざ・れいぷ』(祥伝社刊)を謹呈いただく。読後、改めてお礼させていただきますんで。

 試写に出かける直前に、チャンピオン編集の望月氏と電話で打ち合わせ。『スター・トレック/ネメシス』をカラー、『魔界転生』を活版で俺オンリーというドタバタ進行。平山監督インタビューの件、改めて東映に相談しとかないとなぁ。

 ということで、午後はUIP試写室で『8 Mile』。

 エミネムの半バイオムービー。いやぁ、久々に魂のコッチ側に来たね。オレの今年のベスト5指に食い込む傑作だ。エミネムのパフォーマンスもいいが、やっぱりカーティス・ハンソンの演出力が随所でモノを言っている。ハンドヘルトの全編ラフショット固めだが、そのくせ構図にムダ打ちがない。しかも最後のワンシーンだけかっちりフィックスというクールなエンド。クライマックスのラップ・バトルは前半の心的抑制がパラストになり、その破壊力は絶大だ。
 しかし今回は音楽系の媒体にも試写状バラまいたんだろうね。普段見ないような顔ぶれで試写室は満員。しかし途中入場する連中の気が知れないぞ。主人公の心底を知らずして、この物語のクライマックスに立ち入ることが出来るのか?

 帰りに秘宝編集部に立ち寄り、大著『ゾンビ映画大事典』の校了に立ち会う。執筆には関わってないけど、編集担当・松崎君が自らゾンビ化して頑張った本なので、前身の『ゾンビ手帖』を持っている人もそうでない人も買ってあげてください。あと『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』スピルバーグのキモ入り助監S・M・ゲッゼン監督説の真偽を田野辺さんとあれこれ議論するが、肝心の映画は来週に観るのでイマイチ核心に迫れない。

 それとすいません。2002年1月27日付の日記で、
「“The Man Who Killed Don Quixote”が完成していれば、テリー・ギリアム初のシネマスコープ作品になったのに」
 なんて書いていますが、『ラスベガスをやっつけろ!』がギリアム初のシネマスコープ作品です。その存在、フィルモグラフィから見事に抜け落ちてました。別に印刷物じゃないんだから、そこの記述だけ黙って修正すりゃよかったんだけど、既にそういう認識を抱かれてる人へ誤解を解く意味もありまして。ゴメンです。




2003年2月13日(木) なるほど、オスカー最有力ねぇ。



 朝起きて、遅れに遅れたフィギュア王の原稿を一気に片づける。『二つの塔』の、誰も言わない問題点に少し触れたが…。それを終えると週チャン用のキャッチ。今回はジェット・リーの新作『ブラック・ダイアモンド』。でも資料らしい資料がなく、肝心のストーリーに関し、こちらが持っている以上の情報に乏しい。しょうがないので他をあたって探りを入れる。

 午後からイマジカ第1試写室で『シカゴ』。
 もっかオスカーに一番近いと下馬評の高い作品。ミュージカルは作品劣化が及ばない強みがあるし、完成された舞台版をフィルム生成するワケだから、足したり引いたりの面倒なく傑作が組み上がる。もっとも『ムーラン・ルージュ』みたいな変異種モンスターが登場した後じゃ、いまさら正統派は…なんて思ったら、終了後の場内反応は良し。シンクロカット等の編集がかなり巧技で「映画だもんね」をバッチリ主張。ジョン・C・ライリーの歌声が聴けるだけでも儲けモンな作品だけど、オスカーは微妙だなぁ。ミラマックス得意のロビー活動が吉と出るか凶と出るか。

 試写室でめずらしく岡田斗司夫師匠とバッタリ。うわ痩せたなぁ。本当にダイエットの成果が見た目に出ている。以前お会いしたときは巨漢のままだったので、インパクト絶大。その驚きを端的に伝え、簡単に挨拶。
 イマジカを後にして、ヘラルドの『WATRIDORI』かギャガの『トーク・トゥ・ハー』に向かおうと思ったが、時間の余裕がなく断念。18時ジャスト開始の試写は移動に困る。
 仕方がないので仕事が終わった友人Mを呼び出し、新宿でメシを食う。待ち合わせの間さくらやに寄り、ポイントがDVD1枚分ほど溜まっていたので安価でクロサワの『影武者』を購入。DVDボックスはさすがに息切れ。というか予算切れ。トホホ…。




2003年2月12日(水) それにしてもよぉ



 オスカーノミニー、朝からムカつくぜまったく。
『ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔』作品賞はオッケーでも、ピーター・ジャクソンに手柄はやれないってか。ハナから賑やかし扱いだろ。ポランスキー復権をドラマチックに飾る腹づもりなら泣いてもやるが、スコセッシの同情&功労受賞なんか見たくねぇよコラ軽部! てめぇ『ダンス・ウィズ・ウルブス』に肩入れしたクチだろ。今さら「スコセッシにオスカーを」みたいなツラしてんじゃねぇぞ! ああ、コシあんみたいな空気が流れてら。

『千と千尋』は当確なんじゃないの? 対抗馬がやる気のないビデオ屋の棚みたいな顔ぶれだし、とりわけアーティフィシャルな匂いがするのはやっぱミヤザキサンだし。ただ、権威主義って現役作家にとっちゃ毒にしかならないしなぁ。それと報道関係、未だに“ジャパニメーション”とか言う?

「そうやってすぐ毒づくのは、体を動かしていないからだよ」
とテリーくんに指摘され、また律動体操のレクチャーを受けさせられる。オレをいったいどうしようというのだコイツは? いや、というより既にこれは日記なのか?




2003年2月11日() テリー、律動体操をする



 朝、早々に宅急便に叩き起こされる。
 かなり前に注文していた『バンド・オブ・ブラザース』のDVD−BOX2が到着したのだ。けどまだBOX−1を全部観ていないので、しばらくはラックの肥やし状態。うぇー、今日は祝日だけど、体の感覚が日曜日モードで、どうもキレが悪い。
 午後より残り原稿と、ペンディング状態だった企画書を練り上げる。あとはイラストレーターの使い方をテリーに手ほどきしなければならなかったのだが、逆に彼から北朝鮮名物・律動体操のレクチャーを受けてしまう。相変わらず形から入る男は流行りモノに目がない。というか最近アイツ、
健康のためには体操がいいと首領様も言ってらっしゃる
 とか気持ちの悪いことのたまうんで、少し接し方を変えないとなぁ。

 仕事を後回しにビデオの整理をしていると、テレ東の深夜番組『マルガリータ』が昨夜ダビング時に入っていたらしく、それに見入ってしまう。
 この番組にはダメ人間を当てるコーナーがあって 今回は「追っかけたアイドルが不幸な引退をしてしまうカメラ小僧」というのが出ていたが、アイドル追っかけやグッズに総計300万円を費やしてきた彼のプロフィール・フリップに感動してしまった。

●最近嬉しかったこと=コンサートであややと目が合った
●最終目標=あややとセックスすること

 どうだろう、このぶっちゃけぶり。アイドルマニアって、とどのつまりこれが願望なんだろうけど、ここまで正面切ってキッパリ言われると神々しくさえあるなぁ。まぁガチンコ兄弟も、
「大変だ、本上まなみが結婚したぞ」
「んなワケないだろ。オレんとこに彼女から報告メールも届いてないのに」
 とかいっちゃう妄言大将のユニットですんで、人のこと神々しいとか言ってられないが。
 あとテリーが大昔にエアチェックしていた『ジパング通信』が見つかり、オレが大好きだったコーナー「おばさんレビュー」をまとめ見する。素人のおばさん3人が新作ビデオ紹介をするのだが、例えばライザ・ミネリの『キャバレー』をレビューするとき、

「そういえばきのう『キャバレー』っていう映画見ちゃった」
「まぁ、田中さんったらハレンチねぇ。子供の教育に悪いんじゃないの?」
「ううん、そういうのじゃないのよ。歌って踊って綺麗な映画で、ぜんぜんエッチじゃないの」
「うちの旦那もそういうとこ行くのかしら?」
「そうね、大変よねぇ」

 一時が万事この調子で、決め文句は「お宅も大変よねぇ」。レビューも何もあったもんじゃないけど、オレの批評スタイルってこれに影響されてるのかも。
 後は「週刊TV広辞苑」とか、松原千明が秘書をやっていた頃の「探偵!ナイトスクープ」とか発見したが、ビデオ整理は現実逃避の最たるものなので、いいかげん仕事にもどる。





2003年2月10日(月) ああ、ヴィッキー様!



 あー、昨夜から鼻の奥がムズがゆくてたまらん。
 こうなると鼻の穴から指を入れて脳幹あたりをグリグリ掻きむしりたい衝動に駆られるが、駆られるだけ。
 まぁ、昔からそういう奇病は映画でも観れば治まったので、試写に出かける。というわけでソニーピクチャーズで『クローサー』。某C誌編集部と打ち合わせを終えたテリーもノコノコ来てやがった。

 上映前に宣伝さんが、
「『アイ・スパイ』は隣の試写室ですんで、お間違えないよう」
 とアナウンスしたとき、
「しまったぁ!!」とかいいながらテリーと出て行けば、少しは場も和むかと思ったが、もちろん思うだけ。

 うーん『クローサー』いい映画だったよ。試写室を出てそっと目をつぶれば、頭に浮かぶヴィッキーのホットパンツ姿、ヴィッキーのソードバトル姿、ヴィッキーのウサギ飛び、スー・チー様の美脚、ヴィッキーの泥まみれ姿、スー・チー様のヒラメ顔、心持ちカレン・モク、問題あるか?
 けどお色気とアクション一気で畳みかけるのかと思えば、これが随所ズイショでやたら湿っぽい話になる。でもヴィッキーのホットパンツ、スー・チー様の以下略
 エッチなお姉さんがスクリーンで飛んだり蹴ったり即・傑作のテリーくんに感想を求めたら、
「爆笑問題のさ、太田のリアクションに誰も突っ込まない番組とか出来ないかな?」
 そんなこと聞いてねぇよ。



 帰りに新宿さくらやでファックス用インクカートリッジを買い、久しぶりにザッパが聴きたくなったので、CDショップで「ジャズ・フロム・ヘル」を購入。これの第1曲目「Night School」がメチャメチャ好きでねぇ。というか、ザッパ節を前衛的にサンプリングした曲が並ぶなか「唯一、旋律主義で取っつきやすい」という単純な理由もあるんだけど。出だしの打ち込みからピアノフレーズが入る瞬間の気持ちよさは、ヴァンゲリスの『炎のランナー』のオープニング・タイトルに比肩するのう。
 
 家に帰って久々にアップルのトレーラーサイトを網羅したら、『ウィラード』リメイク版がいつの間にやらアップされていた。ウィラード役がクリスピン・グローバーというのはあまりにもタイプキャストというか、それ以外に適役なしというか…。





2003年2月9日() ああ、メグ・ティリー様!



 京都・東寺に「みなみ会館」という名画座がある。
 大学時代、貴重な時間の大半を捧げた劇場だが、階下はパチンコ屋になっていて、昼間のプログラムと夜のレイトショーの間をつぶす場合、こちらもよくお世話になった。けど運が悪けりゃ途中でオケラになり、肝心の映画も観られずに帰ることもしばしば。いや、むしろそのケースのほうが多かったような気がする。
 そりゃ稀有だけど逆もある。今日が最後という上映作品のときに打ったら、確変で連チャンが止まらなくなり、そのまま没頭して閉店まで計6万の粘り勝ち。帰りに伏見の焼肉屋でガンガン上肉を食らう、会計2万のぜいたくを堪能した思い出が懐かしい。

 なんでみなみ会館の話をしたかというと、あのときの状況を完全再現した夢を見てしまったからだ。しかもパチンコに没頭して観ることの出来なかった映画が『スター・ウォーズ エピソード3』という、ワケわからんが喪失感の大きいオチまでついて。

 そんな悪夢に起こされたのが、なんと昼の2時。11時間も寝たことに驚く。放心状態のまま外出し、ツタヤで『アマデウス ディレクターズカット』DVDと新潮文庫の『写真版 東京大空襲の記録』、そして『ワイルド7愛蔵版5巻を購入。前著は実家に一冊置いてあるのだが、上京して土地勘を慣らしたところで、もう一度読み直したくなったのだ。

 家に帰ってとりあえず『アマデウス』を再生。うん、スペシャル・エディションLDよりも色合いのバランスが良好、音も抜けが良く、以前に出ていたDVDさえも比較にならない。なにより片面二層収録になったのが嬉しい。
 メイキング・ドキュメンタリーはLD版も素晴らしかったが、こちらも悪くない。トム・ハルスがジョン・トラヴォルタみたい風体になっていて驚き。
 コンスタンツェは最初メグ・ティリーが演じる予定だったのは有名だが、メイキングに彼女のテスト撮影スチールが挿入されていて、ちょっと涙。近所の子とサッカーに興じて靱帯を切断という、メグを日本で5番目くらいに愛する男としては笑えない降板エピソード。やはり彼女のコンスタンツェを観たかったよ。ディレクターズカット版が世に出た後は、特にその思いが強い。変態かオレ?

 いかん、まだ仕事が残っていたと奮起して机に向かうが、結局そのまま突っ伏し状態。しかし、みなみ会館下のパチンコ店で大勝ちしたとき、いったいオレは何の映画を観るつもりだったんだろう……。ああ、意識が遠のく…。




2003年2月8日(土) カリカリ梅



 しかし徹夜ができなくなってしまったなぁ。
 高校のときなんか一睡もしないで学校に行っても全然平気だったのに、今はどんなに仕事が押しても、寝ないと絶対に体が動かない。

 仕事が深夜に及ぶと、最近の眠気覚ましはもっぱらコンビニの100円コーナーで売ってるカリカリ梅。特にファミマに置いてある無着色のヤツ(写真右)。
 コーヒーは胃をやられるし、無水カフェインも同様なうえ、常用していると効きが悪くなる。瞬間的なもので持続力はないが、少しは頭がシャキッとするね。でも塩分糖分を気にしろよって。タバコも酒もやらないし、血圧も標準値だからと安心してたらそこが危ない。

 いや、でも本当に昔は元気だったよ。中学のとき修学旅行が九州だったんだけど、帰りの夜行列車で寝ずにしゃべりあかしたあげく、朝に到着したその足で『悪霊島』を観に行ったもんな。あのときから篠田正浩クソつまんなかったけど、居眠りせずに最後までつき合ったもん。ちなみに主題歌の『レット・イット・ビー』はオレが唯一、歌詞カードを見ずにフルコーラス歌えるビートルズナンバー。この頃に叩き込んだんだよ。

 現時点でまだ2件原稿を残しているが、月曜までのメドがついたので睡眠不足のツケを払う。ひたすら寝て起きて少し部屋を片付け、夜中にビデオ録画しておいた今日のNスぺ『ギリシャ正教・秘められた聖地アトス』を見て、その直後にオンタイムで『愛のエプロン』を見る。真鍋かをり、肩幅があるから大柄に見えるけど、意外と背が低いんだな。いや隣にいる小池栄子がデカいのか





2003年2月7日(金) 芸のない日



 ああ、今日も仕事に一日を費やす生活だ。

 別に多忙というワケではなく、月末・月初めは締め切りが集中するだけの話。さらに付け加えれば、オレの遅筆が深刻な原因。だからこの場を借りて編集各誌に詫びる。デッドラインでの入稿、本当にすいません。

 今や仕事部屋は足の踏み場もない状態で、とりあえず落ち着いたら部屋の片付けに入ろう……なんてことを毎月この時期には考えますが、片づいたためしがない。資料や本や紙クズ類が散乱し、悪い意味で物書きの仕事場になっている。

 というワケで仕事がまだ載っているので、今日はこれにて。誰に対しての挨拶だか知らんが。



2003年2月6日(木)
テリーよ、おまえ今年はコッポラが
『ゴッドファーザーPARTII』を撮った年齢とタメじゃん。



 夜中の3時にフロに入り。そのまま外出できるように状態にして仕事を続ける。原稿が上がった時点でイマジカ試写『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』に向かうためだ。
 しかし、そういう状況下でオレさま、原稿が無事アップしたためしがない。ここで家を出なければ五反田まではタイムアウトという時間を机の前でやり過ごし、「まあいいや」と開き直り。じゃあフリーになった時間を有効に使えたのかと言えば、ああ……。

 それでも別件で幾つかディテールに触れる必要があり、今日観たよという「エルマガジン」編集部の須波ちゃんに詳細を確認。
家族の絆、報われるイノセンス。やっぱりスピルバーグ映画でした
 という所感から、話はさんざ婉曲し『ブラック・レイン』に。北野劇場で初日を観た後、ロケ地ツアーをやった思い出を述懐するが、心斎橋筋ソニープラザ前に陸橋がかかっていたことを知って彼女、驚く。うーん、オレが『ヒポクラテスたち』を観たとき、四条河原町に歩道橋があったことにビックリするのと同じか。

 仕事も進んでるんだか進んでいなんだか曖昧な状況で深夜になり、外の冷えた空気を吸うのと、宅急便を出しにコンビニに行く。
 帰ってテレビをつけたら「探偵!ナイトスクープ」を放送していた。こっちではハトヤが提供。関西で15年を過ごしたオレには、これと「鶴瓶・上岡パペポTV」を見てこそのフライデーナイトだったのだ。喪失感が胸を締めつける。

 ナイトスクープといえば、実は10年前にテリーが堂々出演しているのだ。まだ彼がセ●ムに勤務していたとき、キリンプラザ前で待ち合わせをしていたところを越前屋表太につかまり、インタビューされたのである。ちなみに
「あなたの“こだわり”を教えてください」
という質問に、テリーは、
パンツは毎日履き替える
 と回答。ちなみに何故キリンプラザで待ち合わせしていたのかは、彼の名誉のため口外できない。パンツを毎日履き替えるくせに、下半身にだらしがなかったなぁお前。




2003年2月5日(水) わかぎえふは大丈夫なの?



 早朝、家でシコシコと原稿書いたりウェブ徘徊していたら、つけっぱなしのTVで
中島らも、大麻とマジックマッシュルーム所持で逮捕
の速報が流れる。
 さっそくその足でネットを見回すと、たいがいの掲示板で、
「中島“らも”って、なら他の逮捕者は?」
 の大合唱。さすがVOWの定番ネタ。けどまさか本人がこういう形で披露してくれるとは、誰が想像しただろう。
 それにしても今回の逮捕劇、「らもさんらしいや」とか言われちゃって、本人に何らマイナスイメージの付かないのが笑える。もともとジャンキー傾向大だし、ドラッグ体験記を本にまとめたりしてるくらいだから、むしろ今回の逮捕「遅い!」という印象さえある。たぶん今回の顛末も『今夜、すべてのバーで』みたいに半ドキュメント小説としてまとめられるんだろうな。そうなったら是非ともドラマ化。もちろん主役は柴田恭平と浅野ゆう子、脚本は柏原寛治……ああ……。

 夕刻は、今後の活動に関してドリーとシビアな話(もちろん半分、理不尽な説教を受ける)。
 うーん、持ち駒が少ないし、もうちょっと仕事をこなせるようにならなければ……なんて思ってた矢先、某出版社の編集氏から電話。うわ、舞台がかなりメジャー! まだ正式決定じゃないけど、そこから面白い仕事の話が舞い込んできた。プロライターとしてまだ取り組んでないジャンルだが、かってはそっちも精力的にやっていたこともあり、OKを出す。出来る出来ない懸念するより、まずは行動。本田宗一郎も言ってるじゃないの。
「どんな無茶な依頼でも、引き受ければ悩みに悩んだすえに何とかなるものだ」
 って。あ、いや松下幸之助だったっけか?

 あ、言っておくけどエロじゃないよ。

 その後、すっかりいい気分で近所のコンビニに行ったところ、とつぜん大友克洋の『愛の街角2丁目3番地』に出てくるようなオカマさんが現れ、よりによってオレに接近するやいなや、
アタシ、すぐ近くでお店やってるんだけど、遊びに来ない?
 と周知の目も関係なしに誘われる。そんなにオレ、その方面の人たちを惹きつけるオーラを放ってるのか?



2003年2月4日(火) ブエナ試写室で観た大蔵怪談


 レビューのキャッチを早急に用意せねばならず、急ぎ足で六本木に直行。ブエナビスタ試写室で『ボイス』を観る。宣伝のYさんいわく、
ブエナでホラーというのは詐欺っぽい気もするけど、権利をなぜかウチが持っていたので
 という韓国美少女ホラー。これのパブ絡みでスポーツ各紙に「試写室に霊が出没!?」という記事が載ったのを憶えている人は多いだろう。

 冒頭から中盤にかけては、貞子の亜種っぽくてイヤンな感じがしたけど、すごいよコレ。クライマックスがまんま新東宝大蔵怪談モノ。ゴースト云々の恐ろしさより、男にはもっと怖いドロドロ展開が待ち受けてんだぜ。『呪怨』のように無秩序な恐怖に慣れてると、この教訓みたいなオチは逆に新鮮。ショック描写はそれこそ『リング』の影響大で新鮮味はないが、キャラ設定と惹起の関係性が周到で、秩序的ならソレはソレなりの落とし前をつけている。
 でもオープニングの「ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ」ロゴリールがハングルになっているのが笑えたが。

 その後は引き続き アルモドバルの新作『トーク・トゥ・ハー』を観るつもりで新宿に移動するも、残り原稿が気になり紀伊国屋で資料を探して家路に就く。途中、友人Mと合流して渡し物を預け、メガネ屋さんでパッド修理をしてお茶しての帰宅。帰ったら留守電に原稿催促がごっそり入っていて大焦りというオチ。




2003年2月3日(月) 焼き鳥



 地球を宇宙から遠く眺めると、紛争地帯はイルミネーションの如く輝いているそうだ。出典は忘れたし真偽は知らんが、そんなエピソードがコロンビア号の事故にダブる。すさまじい死の現場なのに、緩やかに弧を描いて落ちていくフラグメントはなんという美しさに満ちてるのだろう。
ライトスタッフ』に近しい描写があったっけ。フレンドシップ7再突入シーンと、火を囲んで踊るネイティブ・アメリカンのクロスカット。舞う火の粉と炎に包まれた機体とが交錯する、あの瞬間を思い出したよ。

 まぁ、コロンビア号ならずとも、オレのケツも仕事が押して火がついてる。しかも現実逃避というタネ火は脳内に引火し、あろうことか外に出て焼鳥屋巡りなんぞしてしまう。
 以前にも書いたが、この界隈には関西でいうところの“たこ焼き屋&イカ焼き屋”的感覚で焼鳥屋が存在している。そこを片っ端からあたって焼き鳥を買いあさる。帰宅部高校生でもそんな呑気なことはしない。でもオレはやるンだよ!!
 久米川にある店で、肉間にニンニクを挟んだ塩串がおいしかったことを特記。しかし炭酸の抜けたドクター・ペッパーのマズさというのは、ここにわざわざ書いてでも皆に訴えなきゃいけないことなのだろうか。

 さすがに良心の呵責に耐えかね、家に戻って仕事。原稿用サンプルビデオで『ザ・ハンガー/プレミアム』を視聴。
 リドリー&トニー・スコットが手がけたケーブルTVシリーズのセカンド・シーズン。その第一話から第三話を収録したビデオだが、シーズン通しでナビゲーターを担当するデビッド・ボウイが出演し、トニー・スコット自らが監督する第一話『聖域』が白眉。このコンビはもちろん『ハンガー』を彷彿とさせる取り合わせだが、ストーリーに関連性はない。ただ含むテーマにそこはかと共通性はあり、画面の密度が劇場用映画に引けを取らない。トニー君ならではの映像意匠を出し惜しみなく見せてくれる。




2003年2月2日(
本日の議題。
「広末涼子をどうやってモーニング娘。さくら組に加入させるか」



 いろんな懸案と仕事が交錯する状況で、重い腰を動かそうとしないダメ人間テリーに説教。だが馬耳東風、ナイジェリアにでも飛ばしたろかと真剣に思う。

 というか、オレにも責任があるよ。自主映画撮ってたとき、テリーにパンツ一枚でコート羽織らせ、
これで裏の女子高に乱入してこい
 とか、
あそこにいるお姉さん呼んで、オレの映画に出演させろ
 なんて理不尽なことばっかり言ったからなぁ。積もり積もったオレへの不信感、そりゃ相当なもんだろう。でも良薬は口に苦し。今までの体育会系的要求こそがオレの真の優しさだと理解するのは、たぶん人生終わりの瞬間じゃないかと。「青い鳥は、みんなの心の中にいる」みたいな。

 そんなオレの猛省にあぐらをかき、テリーさんはワケのわからないことを口走る。

テリー「そういや最近、広末涼子聞かないなぁ」
ドリー「堤の映画に出るんだろ?」
テリー「分裂したモーニング娘。に加入させたらどうでしょ? かわりになっち脱退させてさ」
ドリー「う〜ん、得るモノも大きいが失うモノも大きいぞ

 一事が万事これだ。バカで調子はずれをウリにしていても、心の底からバカになってどうするんだオレとチミ。
 結局テリーと「広末涼子をどうやってモーニング娘。さくら組に加入させるか」ってな話に終始し、スケジュールに大きな穴を開ける。
 
 こんなに愉快でスケールが小さく、しかも「チンコ兄弟」で検索かけても一番でヒットする僕たちですが、今年もよろしくお願いします。

やばいよ原稿マジで。




2003年2月1日(土)
真実を求めて裏日本へ!(一部不適切な言語の使用)



 原稿が集中するいちばん難儀な時期。とりあえず出来るモノからということで、Lマガさんとチャンピオンさんのをつぶしていく。

 そんな状況だからこそ、新文芸座のプログラムがオレを誘惑する。今週の特集は「江戸川乱歩映画劇場」で、今日がまたよりによって『黒蜥蜴』と『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』の2本立て。かぁー、成人式と通夜を一緒に迎えるようなラインナップだ
『恐怖奇形人間』は追っかけまくったなぁ。新世界公楽、トビタ東映、みなみ会館、京極弥生座etc、劇場が変わると客層も変わる。京都のレイトはサブカル系兄ちゃん姉ちゃんが狙いで来てるから、クライマックスの、
お母さぁぁぁぁあああん!
 なんかもう爆笑の渦。これが新世界になると、人生終わったようなオヤジが大半。デウス・エクス・マキナの如く登場する明智小五郎にも別に驚きもしない。禁煙の灯りが煙って見えないし、前方ではゴザ敷いて寝てるし。オレも流儀だと思って「それが映画を観る姿勢か!」というような謎の格好で観てたもん。
 というか、観ようと思えばブートだけどビデオが手元にあるんであって。でも小池朝雄の人間椅子とか、そのテの変態空気はみんなで共有するもんでしょ

 そんなこんなで悶々としていると、ビクターが修理したDVDプレイヤーを持ってくる。やはりピックアップ部の不良だったそうで、部品交換。さっそく設置し、テリーが借りていた『オースティン・パワーズ ゴールドメンバー』のDVDを横取りして視聴。試写→公開が引っ越し時期に重なったので、まだ観ていなかったのだ。幸いオープニングは情報を完全遮断していたので、メチャメチャ笑わしてもらったよ。

 見終わって気分転換になったかと思いきや、完全に煮詰まったので、少し外気に触れる意味合いも兼ねて買い物に出かける。先日買った『BGM』でYMO熱がくすぶっていたのか、『浮気なぼくら』CDを衝動買い。嬉しいのは『浮気なぼくら インストゥルメンタル』(写真右)とカップリングになっていること。しかし30すぎたら音を開拓しようという意欲が減退し、保守的になってきたなと思うね。自分で言うかって気もするが、中学時代から耳が肥えてたもん。その反動もあるだろう。
 同時に『ロード・オブ・ザ・リング/公式メイキングブック』(角川書店)を買って帰る。

 そのまま仕事を続けていると、スペースシャトル・コロンビア号消息不明の緊急ニュース。陰鬱な気分になる。







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