
前回、[画質の悪いDVD愛好会]の布教活動をおこなったせいで、すっかり「そうゆうのばっかし好んで買っている人」だと思われるようになった。いや、それはそれで大変に名誉なことだけど、「尾崎が薦めるということは、相当に画質が悪いのだろう」という先入観を与えてしまうのが難儀。ついこの間も「『チャーリーズ・エンジェル』のDVDソフトはよかったね」というと、「そんなに画質がダメダメなんすか!」と喜々として聞き返す輩もいたりして。つーか、去年公開されたメジャー大作が『人食いアメーバの恐怖2』くらい画質が悪けりゃ、それはそれで別問題だってばよ。
しかしいずれにせよ、あまり進んでメジャータイトルを買う人種でないのは事実。そこで今回はイメージ払拭というか露払いというか、無駄にネタを引っ張っているだけというか、ちょっと毛色の変わったDVDソフトを紹介しよう。
アメリカではDVDメディアの容量やコンテンツの利便性を活用した、いわゆる[DVDマガジン]的なソフトがリリースされている。なかでも面白いのは“SHORT”という、ショートシネマ・ジャーナルのソフト。これは学生映画や実験映画、アカデミー賞やカンヌ映画祭で賞を獲った名作や、最新ビデオクリップなどなど、古今東西のいろんな短編映画をぎっしり収録した不定期シリーズだ。
特筆すべきは第10巻の“SHORT10 CHAOS”。 これには現在『スター・ウォーズ/エピソード2』を撮影中のジョージ・ルーカスが、USCの学生時代に撮った17分間の短編『電子的迷宮/THX-1138 4EB』(1967)が収録されている。『帝国の逆襲』リバイバル公開や「ぴあフィルムフェスティバル」で観た人もいると思うが、本ディスクでは初商業作『THX-1138』の単なる雛型としての紹介ではなく、後のTHXシステムへと繋がるルーカスの「劇場高品位」を垣間見るハイ・クオリティ・フォーマットな実験作として、コッポラのコメントや当人のインタビューを交えての堂々たるビデオグラム化なのだ。
そんな“SHORT”シリーズ、最新版が今年の2月にリリースされたが、目玉はタイトル・デザインの巨匠ソール・バスの仕事を網羅した短編ドキュメンタリー“Saul Bass”と実においしい。日本でもこういう類いのDVDマガジン的ソフトが発売され、定着すればいいのだが。
え、「そのシリーズ、画質が悪いのか」って? イヤ、だからそういう趣旨で紹介したんじゃなくて……。
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▲『電子的迷宮』が収録されている“SHORT10”。少ないルーカス作品をコンプリートしようと思っている諸君、これを忘れるな! |
▲これを執筆した時点では最新シリーズの“SHORT11”。発売元が米ワーナーなので、ワーナー配給作品の予告編も収録。ちなみに本号は『追撃者』、トホホ…。 |
(初出誌:ワールドフォトプレス「フィギュア王」2001年5月号)
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