
テリー・天野(以下:テリー) ああ、深作が死んじゃったよ!
ドリー・尾崎(以下:ドリー) 『バトル・ロワイアル2』は結局最初の数カットだけだったんだろ、欣ちゃんで撮影できたの。でも一作目以上に話題性は高いし、興行的には旨みタップリだな。
テリー メソメソ泣きながら『仁義の墓場』とか追悼で観てたクセに、こういうとこでは鬼畜な態度を示しますね。ということもありまして、記念すべき第一回は「追悼・深作欣二」ってことで。
ドリー 深作監督の思い出を語ります。
テリー 最初に会ったのは3年前の『バトル・ロワイアル』公開前のインタビューだよね?
ドリー いや、実はオレ10年前に一度会ってる。京都文化博物館の「日本映画講座」ってのがあってさ。それに聴講者として参加したの。んで、質疑応答のときにいきなり監督に無遠慮な質問ぶつけて噛みついたんだ。
テリー どんな失礼なこと言ったの?
ドリー “おまえはもう『神々の深き欲望』で終わったんだよ!!”とか。あ、これは今村昌平に言ったんだっけ。
テリー あんた、いろんなところで巨匠に悪態ついてんのか?
ドリー 悪態じゃなくて、忌憚のない意見だ。あの熊井啓監督にも意見したよ。“実際に起こった事件を映画にすると、後で凄い新事実とか発覚して冷や汗が流れることはないか”ってね。
テリー んで、熊井監督は何て言ったの?
ドリー “たまにはそういうこともあるけど、『帝銀事件・死刑囚』はオレのリサーチが絶対だから、文句言わせねぇぞ”って反対にすごまれた、トホホ…。
テリー 監督なんて一枚も二枚も上手だよ。話を戻して、深作監督には何て噛みついたんだ?
ドリー 『いつかギラギラする日』でさ、アウトロー連中がちょっと他種民族だったりして、そういう人を犯罪者扱いかアンタ!みたいなこと。
テリー いいがかりみたいなもんだな。逆に深作に怒鳴られなかった?
ドリー いや、茨城なまりがキツくて何を言われているのか全然分からなかった。要するに“スーパーで買い物をするときには、リパックの商品に気をつけなさい”みたいなことを言われたと思うんだが…。
テリー はい、ウソウソ。というわけで新作のレビューいきます。
ドリー おい待てよ、これから第2部「深作監督とオレ、そして某女優との蜜月」が始まるのに。
テリー …『レッド・ドラゴン』の話題でも行っておこうか。
ドリー レクター・シリーズ初のシネスコ・ワイドスクリーンだ。
テリー ブレット・ラトナー監督のこだわりだね。『ラッシュアワー』シリーズも『天使のくれた時間』も脈絡なくシネスコでさ。で、それに意味があったの?
ドリー うん、グレアム刑事とクロフォードが海岸で話すシーンがあるんだけど、撮り直しかと思うくらい『刑事グラハム』とソックリ。そこにシネスコの意義がある。
テリー …そう。
ドリー 『刑事グラハム』に比べればまだ原作に忠実なほうだけど、官能的なトラを触るシーンや殺人現場の残酷さなど、『刑事グラハム』を超えるようなイメージがないんだよなぁ。そのくせ中途半端に『サイコ』に目配せしてさ。
テリー ダラハイドがレイフ・ファインズでしょ? ダラハイドって醜い容姿がコンプレックスになったモンスターなのに、ファインズじゃ別に美男子だからいいじゃんって感じするよな。『刑事グラハム』んときは誰だっけ?
ドリー トム・ヌーナン。『ロボコップ2』の悪役やったやつ。
テリー ああ、見た目まんま。というか、今回はFBI連中がエドワード・ノートンとかハーヴェイ・カイテルとか、そっちのほうがヤバいっちゅーねん。
ドリー しょうがねえよ、ホプキンス卿に絡めんなら、そういうピラニア軍団みたいな連中にしないとね。というワケでピラニア軍団ときれいに収まったところで、第2部「深作監督とオレ、そして健太、エヴァネタはそのへんにしとけ」に行きましょうか。
テリー あー残念、新コーナーだとここまでで終わりなのだ。ハッハッハ!!
■今月のヤリ玉!!■レッド・ドラゴン(UIP映画配給) 原作/トマス・ハリス
監督/ブレット・ラトナー
脚色/テッド・タリー
音楽/ダニー・エルフマン出演/アンソニー・ホプキンス エドワード・ノートン
レイフ・ファインズ ハーヴェイ・カイテル 他
(初出誌:ワールドフォトプレス「フィギュア王」2003年2月号)
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