■第7回■ 8Mile


(C)2003 Universal Studios. All Rights Reserved

 かっての輝きを失い、今やすっかり寂れた都市と化したデトロイト。その郊外にある貧民街“8マイル・ロード”に住む白人青年、B・ラビットことジミー(エミネム)は、メジャーデビューを目指し夜な夜なラップバトルに挑む実力あるラッパーだったが、プレッシャーに弱く、未来の見えぬ日々に悶々としていた。そんなある日、バイト先で知り合ったモデル志望のアレックス(ブリタニー・マーフィー)と恋に落ちたことから、彼の心の中に変化が訪れていく…。

 今や世界最高の“ラップ・モンスター”と化したエミネムの初主演映画。彼の半自伝とも言えるサクセス・ストーリーを監督したのは、『L.A.コンフィデンシャル』のカーティス・ハンソン。エミネムの爆発的人気を受け全米で大ヒットを記録しただけでなく、ビルボード誌チャートで12週連続No.1を記録した主題歌『ルーズ・ユアセルフ』がアカデミー賞最優秀主題歌賞を受賞。共演は2度目のハンソン作品出演となるキム・ベイシンガー他。




■監督■
カーティス・ハンソン
■製作■
ブライアン・グレイザー
■脚本■
スコット・シルヴァー
■撮影■
ロドリゴ・プリエト


■出演■
エミネム
キム・ベイシンガー
メキー・ファイファー
ブリタニー・マーフィー
エヴァン・ジョーンズ




UIP配給
アメリカ/110min
2003年2月24日(土) 日比谷スカラ座1他にて公開

公式サイト=http://www.uipjapan.com/8mile


  


 エミネムの初主演作ということで、いわゆる“アイドル・ムーヴィー”の凡庸な一本と化してるかと思いきや、蓋を開けたら『L.A.コンフィデンシャル』以降のC・ハンソン作品に共通する“うらぶれた男達のほろ苦い成功ドラマ”の意匠をきっちりと受け継いだ作品になっていてビックリ! っていうかストーリーラインがまんま『L.A.』そのものだったりするのはご愛敬。ちょっとビターなハッピーエンドまでそのまんまなので、あの映画にハマった人なら文句なしにお薦め!!
 個人的には演技も悪くないエミネムの芸達者ぶりにも舌を巻いたが、いきなり騎乗位でユッサユッサ揺られるケツのドアップで登場する、我らがキム・ベイシンガーの怪演ぶりに度肝を抜かれたね。相変わらずクドイ顔だけど、いい感じの熟女になったよなぁ。

  


 いやぁ、ヒップホップで対決映画を成立させてしまったことにも驚くが、土台は「おまえの母ちゃんデベソ」的罵り合いで、呆れるほど児戯なのもビックリ。ただラッパーの映画における位置付けとして「ジョエル・シルバーが片手間にプロデュースするアクション」の選択肢しかない暗闇に、明るい光を射したんじゃないかしら。カーティス・ハンソンだもんなぁ。
 監督的には、毎度カッチリした画面構成をとってるのに、珍しく手持ちのラフショットで全編貫いてるのも特徴。ジミーの不安心理とラップバトルの臨場性を兼ねた演出戦略、古典派職人らしいというか。ヒップホップという音楽文化が遺物になっても、映画としての劣化がない作品。そういう意味では『L.A.コンフィデンシャル』と同じだ。


注・本レビューはあくまでドリー、テリーの個人的嗜好に基づくものです。
どのような嗜好かは、当ウェブでみっちり学習してくださいね。



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