■第8回■ ソラリス


(C)2002 TWENTIETH CENTURY FOX

 心理学者のケルヴィン(ジョージ・クルーニー)は、【惑星ソラリス】の探査チームに起きた異常の原因究明のため、単身調査ステーションへと向かう。だがステーション内に残っていたメンバーは多くを語ろうとはせず、地球への帰還をも拒否してしまう。そんな状況にとまどうケルヴィンの前に、死んだはずの妻・レイア(ナターシャ・マケルホーン)が姿を現わす……。

 旧ソ連の代表的SF作家スタニスワフ・レムの傑作文学にして、故アンドレイ・タルコフスキー監督の名作映画が製作ジェームズ・キャメロン、監督スティーヴン・ソダーバーグのアカデミー賞コンビで復活。自らの心の傷を呼び覚まされ、無き妻への愛に苦悩する男をジョージ・クルーニーが熱演する。



■監督・脚本■
スティーヴン・ソダーバーグ
■製作■
ジェームズ・キャメロン
■原作■
スタニスワフ・レム
■音楽■
クリフ・マルティネス

■出演■
ジョージ・クルーニー
ナターシャ・マケルホーン
ジェレミー・デイヴィス
ヴィオラ・デイヴィス




20世紀フォックス配給
アメリカ/99min
2003年6月21日(土)
日比谷映画ほか全国東宝洋画系にてロードショー公開


公式サイト=http://www.foxjapan.com/movies/solaris


  


 製作キャメロンに監督ソダーバーグ、主演クルーニーなんて、KSSフィルム製作で監督が萩庭貞明、主演・竹内力で大島渚の『少年』をリメイクするような暴挙。こういうの見るとアルトマンの『ザ・プレイヤー』思い出すね。ジュリア・ロバーツ&宇宙土方ウィやん主演の劇中劇みたく、ハンパにハリウッドナイズドされた『ソラリス』って、いったい誰のために撮られて誰が喜ぶのだろう?

 おまけにストーリーも「惑星ソラリスで死んだ妻と再会、めでたしめでたし」ときた。『トワイライト・ゾーン』や藤子F先生の短編で同じネタなら、もう少し展開とオチに気配りがあるってもん。あ、でも営業フケて映画館で寝てるようなリーマンにはいいかも。なんせ真ん中の一時間くらい寝てても、ストーリー上なんの不都合もないしな。

  


 恐らくここ数年観た映画の中で、最もオレを不快にさせた作品のひとつ。
 レムの原作の精神にもとるとか、タルコフスキーの『惑星ソラリス』との比較をどうこう言う以前に、安っぽい感傷と気分だけの演出。無用な観念ばかり先走って世界に入り込めない。見る者のリテラシーを要求するタルコフスキー版に比べりゃテキストが易しくなっているのに、催眠効果だけが異様に高い。オリジナル同様、“水”の演出をアウトラインにしていながら、ソラリスが海洋惑星であることを識らせる努力を怠ってるので意味を成さず、そのくせオリジナルのクラシカルな絵作りには妙に義理立てしていて、世界観だけが古色蒼然。ソダーバーグ、『オーシャンズ11』とか、そういう立ち位置の低い仕事をしていると監督生命縮むぞ。


注・本レビューはあくまでドリー、テリーの個人的嗜好に基づくものです。
どのような嗜好かは、当ウェブでみっちり学習してくださいね。



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