なんか血祭さんちの庭から出てきたらしいよ(もちろんセル付き)。
ネタがないんで、コンビニでバイトしてた頃の話。
夜中の2時過ぎに松葉杖をついた女性がトイレを借りにきた。まぁ、トイレを仮に来る客なんていつもの事なんで、ちゃんと用を足せるのかな?と思いつつ、そのままトイレを貸して自分は事務所で休憩をとっていたのよ。
しばらくすると、いつのまにかトイレから出てきた女性が呼ぶ声が。女性の言うことには、トイレで大事にしていた水晶ネックレスの玉をなくしたらしく、
女性「すいません、トイレで水晶玉をなくしたんですけど…」
自分「そうですか。で、どういう状況でなくしたんですか?」
女性「それが…トイレの中に○○(聞き取り不能)って文字が出てきたんで、読んでたら消えたんです」
自分「へ?」
女性「中国の○○(名前失念)って術、ご存じですか?手品みたいなもんですが、○○さんと○○さんと○○さんと…(以下しばらく人名続く)が術を使って、私の水晶を盗んでいったんです!!」
自分「はぁ?」
女性「ちゃんと盗んだ時の状況を書き留めといていただけますか。○○と○○と○○と…」
仕方なく名前を適当にレシートの裏に書き留めていたが、あまりにも大量の名前を出すもんだから、つい「そこまで言うんだったら、一旦警察に届けを出してはどうですか?」というと、
女性「いや、警察は今、休みなので……(意味不明)」
と、どうも警察には行きたくなさそうなご様子。
その後ちょっと落ち着いたのか、急に女性は買い物を始め、レジにいくつか商品を持ってきた。言ってる事はアレでも、ちゃんと買い物をする意志があるならお客さんとして扱わないといけないんで、持ってきた商品をスキャンしてると、
女性「すいませんが領収書をいただけませんか?」
現在、フツーのチェーン系コンビニなら、たいがい領収書といえばレジから印刷するタイプのもので、法律的にも全く問題なく、従来の手書き領収書を常備してるところはほとんど皆無。当然、自分も普通に出力して渡したんだけど……
女性「こんな領収書、税務署が受け取ってくれないので手書きでお願いします」
もちろん手書きの領収書など置いてないし、(繰り返し言うが)レジ出力の領収書も法的には全く問題がない。その旨を何度も伝えても、女性は何故か「税務署が受け取ってくれない」「手書きの領収書じゃないと駄目だ」の一点張り。何を言ってもまるで聞いちゃくれず、「(バイト先チェーンの)本社に直接電話するから、本社の電話番号と住所を教えろ」と言い出したり、あまりに人の言う事を無視して喋り続けるので、勢いこちらの声が大きくなると「恫喝してるんですか?」とまで言い出す始末。そらあんたが聞いてくれないからだろ!!
そのうち、一向に引かない女性は店内に居座り、先程買った食い物を食べさせてくれと言い出すが、店内で食事されても困るので、やめるようにお願いしても、既に女性は聞く耳持たず、強引に食事をとろうとする始末。仕方がないので買い物袋を引っ張って防ごうとしたら、袋の持ち手の部分が破けてしまい、使い物にならなくなってしまった。ところが袋を取り替えようとすると、
女性「何するんですか、いま私に暴行を働きましたね。これはれっきとした暴行です、器物破損です、袋を奪い取ろうとしたから窃盗です!! 警察に言いますよ!!」
あんた、さっき警察は休みだから連絡してもムダだって言ったじゃないの。それでもそんな事すら忘れて、女性は「警察を呼べ」の一点張りなので、仕方なく警察を呼ぶ事にする。まぁ、ここで呼ぶモン呼んで状況はっきりさせといた方がいいだろうしね。
110番通報後しばらくして、二人組の警官がやって来た。女性は早速これまでの事説明し始めたんだが、
警官「まず、何があったか説明してもらえますか」
女性「この店に来て、トイレに入ってたら、水晶が盗まれたんです」
警官「盗まれた。と言いますと?」
女性「トイレに入っていたら、何者かが入ってきて、水晶を盗んでいったんです」
警官「入ってきたって、誰がですか?」
女性「多分、アマノさん(=自分)だと思います」
警官「アマノさん、一緒にトイレに入ったんですか?」
自分「そんな事するワケないでしょ」
女性「いや、多分アマノさんが手品のような物を使い、かまいたちみたいに私のネックレスを切って盗んだんだと思います。アマノさんはこちらが領収書をくれと言ってもくれず(アンタが受け取らなかっただけじゃねぇか!!)、更には私に暴力まで振るってきたんです!! 私は暴行と窃盗でアマノさんを訴えます!!」
万事がこの調子。さすがに警官もどう扱っていいか困り果て、詳しい内容を署の方で聞こうと持ちかけるが、
女性「あなた方、本当に日本語わかります?(ちなみに領収書の件で揉めた時、自分も同じ事言われた)あなた方、本当に警察ですか? 警察の方呼んで下さい」
とまで言い出す始末。全然警察が自分の言い分を聞いてくれないとみるや、外の公衆電話で自ら110番通報しだすが、当然、警察側も現地に警官まで派遣してるので、まともに相手にされるワケもない。
そうこうしてる内に、こちらが呼んだバイト先のオーナーも駆けつけてきたんだが、むろん女性の言い分は自分や警官に話した内容と全く一緒。
その後も警官やオーナーの説得は続き、被害に遭ったのならまず警察に行って話をしましょうと言い続けてるんだが、女性の方はそれを拒否し、そのくせ「私はアマノさんを訴えます」の一点張り。警察行かないと被害届も出せないっての。
結局その女性は、何言っても埒があかないと判断したのか、「これは証拠として保管して下さい」と買い物袋(中には生物とかもあるのに)を渡し、警察に名前を言う事もなく去ってしまった。被害者(と一方的に主張する女性)が一切素性を名乗らない以上、事件として調べる訳にもいかないので、最終的には警官やオーナーに自分が慰められてこの件はお開きという事になってしまった。ちなみに証拠物件は結局取りに来る事はなかった……と、思う。
いや、コンビニの店員やってて、季節の変わり目とかにおかしい人がくるなんて事はよくあったけど、さすがに警察沙汰にまでなったのはこの時が初めてだったな。ゼネプロ時代に“この手の人々”相手に楽しんでた岡田斗司夫師匠の気持ち、ちょっと理解できたような気はする。