カンボジア
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プレイクロッチ村 水質調査
プレイクロッチ村へ向かう
高床式民家
 シェムリアップ市内のホテルからマイクロバスに揺られること4-50分。赤茶けた未舗装路の先にプレイクロッチ村はある。訪問の目的は、水質調査。支援にあたっての「視点」を養う、というのが今回のカンボジア研修全体の主旨である。
 
 カンボジアの民家はどこも高床式である。同行したガイドの話によれば、周達観の「真臘風土記(しんろうふどき)」に書かれている13世紀末のクメール民族も高床式住居に住んでいたという。高床式住居は洪水やネズミ対策になり、また階下を牛舎や台所として使用することができ、室内の風通しも良い。
 私たちが聞き取り調査を行ったのは上の写真のお宅である。トタン屋根に板張りの壁、家にあがる階段は一部コンクリート製であり、村内では中流の家庭か、どちらかと言えば裕福なほうではないかと思われた。
 調査は、一人が周辺を歩測・目測して図面を書き起こし、もう一人が簡易検査キットで水質検査をし、残る一人が聞き取りするという形で行った。
プレイクロッチ村水質調査エリア見取り図

パックテストによる水質検査結果 及び 日本の水質基準
測定項目 測定試料 水道法 環境
基本法
浅井戸
(ろ過前
浅井戸
(ろ過後)
深井戸 水道水質基準 水質管理目標設定項目 生活環境項目(水道3級)
pH - <5.0 8.0-8.5 5.5-6.0 5.8-8.6    
溶存Fe mg/L 0.1-0.3 <0.05 1-2 <0.3    
全硬度 mg/L 20-50 0-10 <300 10-100  
COD mg/L 50-100 13±     <3
亜硝酸態窒素 mg/L 0.006
-0.015
0.06
-0.15
<0.006   <0.05  
備考   水頭位置約 -2m
(井戸深約5m)
  井戸深約30m
10年前から1年前まで使用
     

 調査対象となったのは夫婦二人暮しの家庭(見取り図中の”高床式住宅1”)で、ロム・ヒックさん(妻、35歳)から聞き取りを行った。

(1)水場は家の裏手にある三軒共有の浅井戸(地表下2mくらいが水頭、水深3m)
(2)浅井戸の水はそのままでは飲めず、水浴びしたらベトベトする。
(3)濾過器はNGOによる無償提供。運賃1万リエルのみ負担した。
(4)1年前までは歩いて数分のところにある深井戸(聞き取りによると井戸深30m)へ水汲みに行っていた。
(5)水汲みは夫婦二人暮らしなので、お互いに汲む。子供がいれば子供の仕事。
(6)一日に3回から4回/食事とシャワーに使う。
(7)水汲みの容器は20リットルぐらいの丸いプラスティック製オイル缶
(8)一日に20リットル缶3・4杯の水汲み
(9)水は水瓶に溜めておく(上澄みを使う?)。今は濾過器を通している。
(10)トイレの場所は決まっていない。家の周りですると言っていたので、多分裏手の林の中だろう。
隣三軒共同の浅井戸
浅井戸 外観 浅井戸 内部
浅井戸の茶色く濁った水をろ過すると透明になる。
ろ過器
聞き取り風景。右下に写っているのが深井戸のポンプ。ポンプには
”UNICEF VN6"の文字が・・・・・・
深井戸のそばで聞き取り
 水質検査結果からは、まずCODの高さが目についた。亜硝酸態窒素濃度はそれほど高いわけではないので、し尿の影響はさほどないのかもしれない。むしろ、「浅井戸の水はベトベトする」という彼らのコメントを聞く限りでは、油等の生活廃水による汚染ではないかと推測される。
 また、pHの低さも尋常ではない。これだけ酸性の地下水が胚胎しているとすれば、作物の生育にもかなりの悪影響を及ぼしているはずである。

 パックテストによる5項目の検査だけでも、いくつかの水質に関する問題点が浮かび上がったが、これらの中には、健康に深刻な被害を及ぼす農薬や重金属等の項目は含まれていない。本格的な調査と対策が急がれる。