カンボジア
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ユネスコ・世界寺子屋運動
 UNESCO(国際連合教育科学文化機関)は、第二次世界大戦終結後の1946年11月19日に誕生した。名称の中に”教育”という言葉が入っていることからわかるように、UNESCOは設立当初から”教育”に重点を置いている。
 一口に”教育”といってもその範囲は広い。人権教育、初等教育、識字教育、生涯教育など様々な概念が提唱され、それに関する行動計画が策定されていった。1983年、ユネスコの第二次中期計画(1984-89)のなかではじめて提示された「万人のための教育(Education for All)」という概念によって、これまでの”教育”概念の流れが統合され、1990年の「国際識字年」を迎えるに至った。
 (社)日本ユネスコ協会連盟(以下、日ユ協連)は、「国際識字年」を前にした1989年、「ユネスコ・世界寺子屋運動」をスタートさせ、文字の読み書きができない人々のために教育の機会をつくる活動を行っている。

 カンボジアのシェムリアップには日ユ協連の事務所があり、いくつかのプロジェクトを実施している。私たちはその中の一つ、チョンクニア・コミューンを訪ねた。
水上の雑貨屋さん。買いに来る人も舟で来る。
水上の雑貨屋さん
水陸両用車ばりの風景。車の奥に見える舟から何かを買い付けているのかも。
水陸両用車
 チョンクニア・コミューンは東南アジア最大の湖であるトンレサップ湖に接しており、コミューンの中には7つの村があって、1,101世帯、5,811人が住んでいる。トンレサップ湖の面積は、雨季では乾季の5倍にもなるため、湖岸線は季節とともに大きく移動する。そのため多くの住民が舟の上で生活をし、年に10回程度、エンジンボートにひいてもらって引越しをする。高床式住居に住んでいる人たちはどうするかというと、こちらは家を丸ごとトラックに乗せて引越しをする。一人あたりの一日の収入が1ドル以下と言われるこの村では、この引越し代だけで貯めたお金がすべて消えていく人もいると言う。
チョンクニアの寺子屋。よく見ると水上にあることがわかる。
水上寺子屋
 このような環境であるから、寺子屋もまた水の上に浮かんでいる。
 元々「寺子屋」とは、江戸時代の庶民が「読み書き算盤」を学んでいた場のことを指す言葉である。だが、この寺子屋では、読み書き算盤だけでなく、音楽や縫製、栽培技術等も学ぶことが出来る。いずれも収入向上につながる技術である。

音楽隊
カゴ編
 カンボジアに行かれたことのある人はご存知だと思うが、カンボジアでは音楽隊の出番は結構多い。本来は祝い事などで演奏するのかもしれないが、観光客相手のレストランなどではよく生演奏を聴かせてくれる。
 レース編は比較的若い女性が、カゴ編はどちらかというと年配の女性がされていた。カゴの材料となるのはホテイアオイの茎であるが、これは花が食用となる上、水を浄化する力が強いらしい。一方、繁殖力が極めて強く、放置すればあっという間に水面を多い尽くしてしまうようで、国際自然保護連合(IUCN)の「種の保存委員会」(SSC)が2001年に発表した、「世界の外来侵入種ワースト100」にも選ばれている。うまくコントロールしつつ、収入向上につなげてほしい。