入学金・授業料問題 Q & A 3

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Q3 今までに入学金や授業料について下された判決はありますか。またその内容は受験生側に有利なものとなっていますか。


A 判決は私たちが知る限りではつぎの三つがあります。

(1)関西大学事件(S38.8.5 大阪簡裁判決)

入学金等学費計58,100円につき大学に対し返還を求めた初めての事件。親自身が原告になっている

被告大学は文部省の認可を受けた法的根拠を有する学則があって、本件のような納付金は如何なる事情があっても返還しない学則になっていて、受験生も勿論、親においても十分知悉し、得心のうえ納金したもので、納付金の返還請求権があったとしても、これを放棄したとして請求を棄却

(2)上智大学事件(S46.4.21東京地裁判決)

「すべり止めのため」上智大学を受験し、入学金・授業料等に約20万円を支払ったが、入学式前の3月22日に入学辞退通知をして、その返還を求めた事件

 本判決は入学試験の合格発表の時期、入学手続の期限は各大学において新学期までに必要な諸準備をなすのに必要な日数を考慮し、可及的にその欲する学生数を確保するため各大学のそれぞれの事情に応じて自ら適当とする時点に定めることができ、新入生の場合は在学生と異なり入学式後遅滞なく教育を開始できる準備等のため2年次以降に共通する費目についても、納入時期について在学生と異なる取扱いをすることは当然許されるところであり、一部学生がいわゆる「すべり止め」として入学金等を納入してもそれはその者自身の利益こう量においてなされた選択である等の理由で原告の請求を棄却

(3)某大医学部事件(H8.2.16大阪地裁岸和田支部判決、控訴(大阪高等裁判所)・上告(最高裁判所)も棄却

入学時納入金(入学金・授業料・施設費・教育充実費)として1065万円を納入した。しかし、他医大の補欠合格となったため、入学式2日前の4月7日に入学辞退し、入学金を除く985万円の返還を求めた事件

 本判決は原告の@不返還の合意は存在しないA不返還の合意は強迫によりなされたもので取消すB暴利行為により公序良俗違反、の主張をいずれも認めず、原告の請求を棄却。

 判決は大学側の財政的事情、欠員補充の困難さを重視している。但し、4月6日という遅い時期に入学辞退した事件であり、補欠合格により補充可能な時期での入学辞退の事件ではない。

  このように、かつての入試についての判決は受験生側に有利なものとなっていません。しかし、消費者契約法という大きな消費者にとっての力が加わった本年度の入試については勿論、それ以前の入試についても、裁判官の判断はこれらの判断とは異なるものとなるよう、社会的な世論をつくりあげることが大切だと考えています。

来年度からの入試にあたっては、後述のとおり、授業料等については、原則として入学辞退者から受領すべきでないとの文部科学省の指導に従って、多くの大学が授業料等の納付時期を国公立後期発表日以降にするとの扱いをするとの動きがあることも、私たちにとって大きな力となります。