がんばったファミコンソフトたち
ハードの限界を超え、ファミコンとは思えないくらい
がんばっていたソフトを紹介!


★月風魔伝(コナミ 1987年)
 当時、アーケードで流行っていた「源平討魔伝」の影響を受けてか、見た目は、実に「源平」によく似た和風
アクションゲーム。ところが、遊んでみると世界観はしっかりしており、オリジナリティは随所に見られる。
特に圧巻は、3Dダンジョンに登場する敵とラスボスのデカさ。チラつくけど。音楽も純和風でかっこよく、
ゲームの雰囲気を盛り上げてる。
 当時、このゲームで遊んだ友人が全員、文句なく「面白かった」と口にしていた数少ないゲームである。

★忍者龍剣伝(テクモ 1988年)
 ファミコン史の中では、比較的メジャーなアクションゲーム。まず、特筆すべきはファミコンとは思えない
ビジュアルシーンのかっこよさ!各ステージごとに映画のように展開する様は、今見てもほれぼれする。
ゲームシーンにおいては、キャラクターが小さいものの、操作性も良く、キャラの動きも実にかっこいい。
 他に注目してほしいのは音質の良さ。このゲームのドラム音は非常にキレイに出されている。
ファミコンソフトでは、おそらくこのゲームよりきれいなドラム音はないだろう。
とにかく、何もかも「カッコイイ」ゲームである。

★グラディウスU(コナミ  1988年)
 アーケードゲームで人気のあった横スクロールシューティングゲームの移植。
当時、「ファミコンでの発売は容量的に無理」と言われていただけに、移植決定のニュースは我々を大いに
驚かせた。そして、発売された時には完成度の高さにまた驚かされた。
 何に驚いたってまず、「横スクロールしながら縦にもスクロールさせる」要するに、斜めにスクロールさせるのを
再現していた点。ファミコンではできないと言われていたが、コナミはそれをやってのけた!
さらに、パワーアップ時に音声を使っている点(スピーダッ! ミッソー! など)、フェニックス・クリスタルコア・
モアイなど、ほぼ完全に動くボスキャラたち・・・。不可能を可能にしたコナミの技術力に脱帽してしまう。
 唯一残念なのは、音楽が一部を除いて、ファミコンオリジナルになってしまった点。他にも、ゲーム中に
FCオリジナルの要素が多々含まれたものの、「グラディウスU」の世界はファミコンで見事に再現されたのだ。
 この作品は、間違いなくコナミの会心の1作といえるだろう。

★アフターバーナーU(サン電子 1989年)
セガの人気アーケードゲームの移植作。セガのゲームがファミコンに発売決定!  ということで、当時の
ファミコン誌やゲームファンはいろんな意味で大いに沸いたが、発売された完成品を見て多くの人は言った。
 「全然ちがう・・・」「似ても似つかない・・・」「無理がある・・・」
その評価はあまりにも低いものだった。では、本当にそんなレベルの低いものだったのか?
 答えは、否!
 実はファミコンで見事なまでに、「アフターバーナー」を再現しているのである!
もちろん、グラフィックでは遠く及ばないが、360度のローリング、マークV版より優れた操作性、さらには、
夜間ステージで自機の色が青白く変化したり、着陸して補給を行なうシーンでは、隠れキャラのバイクと車を
登場させる芸コマぶり!また、音楽と音声もファミコンの音源とは思えぬほどしっかり再現されているのである。
確かにファミコンでは無理があったろうが、それでも全23ステージほぼ完全に移植したサン電子のスタッフの
気合が感じることのできる1本だ。10年前、もっとゲームを見る目がある評論家がいたら、この作品はもっと
高い評価を得ていただろう・・・。

☆ハイウェイ スター(スクウェア 1987年)
 1986年、アーケードで登場した「アウトラン」(セガ)はそれまでのレースゲームの常識を覆す作品だった。
順位を競うものではなく、時間内にひたすら走る「ドライブゲーム」という分野を開拓し、カーレースゲームにおいて
「スピード感」というものが重要であるという認識を植え付けた。当時のファミコンでも様々なレースゲームが出て
いたが、「スピード感」の表現というのは機能上の問題から実に乏しかった。
 そんな中、登場したのがこの作品である。内容は「アウトラン」のようなレースゲームなのだが、まず注目すべき
は、アーケードの「アウトラン」にはかなわないまでも、「スピード感」をファミコン上で見事に表現している点である。
おそらく、ファミコンでこれ以上速いレースゲームは出ていないだろう。ややグラフィックが貧弱であるが、それでも
ドライブゲームとしては良くできていると思われる。その証拠に、アメリカでは続編が発売されたほどであった。
(日本では残念ながら未発売。)またこの作品では、なぜか自機をスポーツカーとF1カーから選ぶことができ、
一粒で2つのゲームが楽しめるようになっていた。とはいえ、コースはどちらでも一緒なんだけど。
 ちなみに、この作品が「ファミコン3Dシステム」(覚えてる人いるかなあ・・?)の第1弾ソフトであった。

☆コズミック・イプシロン(アスミック 1989年)
 SF3Dシューティングゲームなのだが、あまりヒットしなかった作品なので知ってる人は少ないだろう。
確かに派手さはなかったのだが、このゲーム、何がすごいかというと実はスクロールする背景なのである。
 ファミコンの3Dゲームでは、手っ取り早く3Dを表現するために地上の背景を市松模様にしているものが
ほとんどであった。どういうことかというと、例えば、白と黒の一本線を交互に奥から手前にスクロールさせてみる。
すると3次元で動いているような感じになるのである。ところが、この作品では市松模様を廃し、地上の背景を
描いているのである。ステージ1で「3・2・1」の文字が奥から手前に流れてくるところなどは非常に迫力ある
表現がされている。 ただ残念なことに、キャラクターが小さすぎてその迫力が半減してしまっているのだが・・・。
 今でこそ当然のことだが、ファミコンでこれをやるのは大変なことだったはず。そういった意味では非常に
がんばった作品といえるだろう。
 この作品は、「3Dシステム」の最後の対応ソフトとなった。

☆バトルトード(メサイヤ 1991年)
 この作品、実は製作しているのは任天堂ファンにはお馴染みのレア社なのである。「スーパードンキーコング」
(SFC)や「バンジョーとカズーイの大冒険」(N64)を作った会社といえば、その実力がわかる人も多いのでは
ないだろうか? 「ハードを徹底的に研究してゲームを作る」という職人気質な会社なので、この作品も
ファミコンとは思えない演出が目立つ。 
 ゲーム内容は至ってシンプルなアクションゲーム。基本的に主人公のカエルを操作して、迫る敵をパンチで
なぎ倒して進む、言ってしまえば「ダブルドラゴン」とか「ファイナルファイト」系列のゲームである。
 では、なにがすごいかと言えば前述した通り、演出がすごいのだ。ファミコンで回転・拡大・縮小、さらに擬似では
あるが、多重スクロールまで実現している。ゲームの面白さとは関係ないが、そんな所に注意してみると「ファミコン
でよくぞここまで!」と思えてくるものである。他にも、ゲーム上では、日本人にはとても思いつかないようなアイディ
アがあちこちに散りばめられており(例えばステージ1のボス戦)、洋ゲーファンならずとも、ぜひチェックしていただ
きたい作品である。