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| 2003/8/5〜 大正時代の扇風機の修理 芝浦製作所No.3 扇風機修理の質問について |
2003.8.5
大正時代の扇風機の修理(芝浦製作所SEW No.3)
しばらくぶりに扇風機の修理をしました。今回は写真のような芝浦製作所(SEW)の比較的初期のもので、羽のカバーがとても簡単なものです。銘板はその時代よって付いている位置が違ってきますがこれは正面についています。風量調節の数字の位置も違います。(2カ所訂正致しました。碍盤の配線写真<文字入り>と碍盤に付いているコイルの抵抗値に関して)
オークションで手に入れたときの状態です。電源コードが交換され、モーターコイルからのコードも切断されて接続できそうにありません。また、この時代のものはモーターの前側面から配線コードが出ているので、裏を開けても配線ができません!私にはこれ以上分解はできないので、モーターコイルからどうやって配線を引き出すかが問題でした。
汚いと家の中には持ち込めないので、まずは分解して塗料を剥がして綺麗にすることにしました。右の写真が綺麗にしたところです。
黒色に塗装をしてお化粧が完成!。電気のコードとプラグも新品に交換します。

ここからが大変だったところです。モーターコイルが切断されていることと、このモデルはモーター前面から配線コードが引き出されているため、モーターの裏側のコイルから配線コードを引き出す以外に方法はありません。そこで、あちこちのコイルチェック(絶縁被覆を少し剥がしてテスターで抵抗値などをチェックしたり、コイルの巻き方から推し量るなど)をして写真のような位置からコードを引き出せばオリジナルの状態の直流抵抗値やコイルの位置とほぼ一致することがわかりました。モータコイルの直流抵抗値は黄〜白(230〜240Ω前後)、白〜赤(230〜240Ω前後)、黄〜赤(45Ω前後)。碍盤のコイルとの接続は写真のようになります。EとBにはAC100Vを加えます。碍盤に付いているコイルの直流抵抗値はC(赤)との間で約 1・・・5Ω 2・・・12.0Ω 3・・・15.0Ω 4・・・20.0Ωでした。ここまで見つけるのにとても長い時間がかかりました。その後動作テスト(回転方向、ムーズに回転するか?、速度調節はできるか?、漏電はしていないか?など)をしてから、注油、グリス詰め、などして組み立てました。そして最後に磨き込んで修理完了です。思っていたよりも静かにそして元気に動いています。風の強さも1〜4でそれなりに変化しています。

2003.7.26
芝浦製作所(SEW)扇風機の修理に関しての参考になれば・・・
ここ1ヶ月ほどの間に扇風機の修理に関する質問がいくつかありましたので、私のわかる範囲(モータに関しても素人ですから詳しいことは分かりません)で説明したいと思います。
以下のような質問がありました。
(1)スイッチを入れるとブーンと言う音がしますが回らない。
(2)モータコイルの配線が切れてしまいどこに繋げていいのかわからなくなりました。
(3)扇風機の風量が調整できない。
基本的にはこの3つです。
(1)についてはいくつか原因が考えられます。
A)軸受け部分や区部振り部分の摩擦が大きくなり回らなくなる。
B)速度調節部分の接点の接触不良(接点の腐食などにより抵抗値が増えてしまった)により正常な電流が流れないため。
C)何かの原因で位相が正常にずれないので回転磁界が弱く回転トルクが発生しない」。
(モーターコイルの断線も考えられます。のでテスターで導通をチェックしてください。)
Aについては単純な故障ですから軸受け部分を掃除して油をさすなどして対応できます。
Bについては接点を磨けばすぐ対処できます。
Cは少し難しく、正常な位相がずれない原因を見つけなければなりません。まず考えられるのは位相をずらすために使われていると思われる、速度調節を兼ねたコイル(底の蓋を開けて碍盤についている)が断線していないか確認してください。C点と1〜4までの直流抵抗はだいたい1・・・7.4Ω 2・・・10.6Ω 3・・・13.5Ω 4・・・18.2Ωくらいでしょうか。これが正常でもスムーズに回らない時があります。スイッチを「1」にしておいて手で少し回してまわりはじめ、「3〜4」にすると止まってしまう場合は推測ですが十分な位相のずれが起きていないものと考えられます?。その時には「1」に接続されているモーターからのコードを「2」につなげてみてください。これで正常に回り始めることがあります。もし、これで回るようになったなら、碍盤についているコイルから出ている線(1〜4)を1を除いて2〜4を1つずつ下の番号の所へ接続し直し、3と4を短絡させるとすべてのスイッチで回るようになります。ただし、3と4スピードは同じです。これは、部品を交換しないで直した場合で、コイルを追加(「1」とCの間のインダクタンスを増やす)したり抵抗またはコイル(3〜4を短絡する代わりに)を入れるなどすれば、もっとしっかり直せると思います?・・・・(やってみないとわかりませんが)。
(2)については写真を見て参考にしてください。
芝浦製作所の大正時代のもので羽のカバーがもっとも簡単なものは、モーターコイルからの配線コードはモーターの前部分下から出ていますので、分解が困難で同じ所からコードを配線するのは簡単にはできないと思います(次回挑戦したいと思います)。少し新しいものでカバーがちょっとしっかりしたものは、裏側から配線を引き出していますのでコードの交換は容易にできます。モーターからのコードは写真のように下の部分から出ています。見つけにくい時にはルーペなどでよく見ると繋げてあった部分が見つかります。そこにしっかりと接続してください。短くなって配線できない場合は、そこから巻いてあるコイルで接続できそうな上に出ている部分(テスターで直流抵抗値をはかり0〜数Ωのところ)の絶縁皮膜を剥がして、そこに配線すればどうにか動きます。配線を間違えるとモーターが回らなかったり反対方向に回転します。配線したコードに無駄な力がかからないように糸(墨壺用のものなど)でしっかり固定してください。縛っておかないとすぐコードが切れてしまいます。
(3)については1〜4の順番で回転が遅くなります。つまり「1」が一番早く回転します。何故かというと、一番はじめ回り始めるときに最大のトルクを必要とするからだと思います。そのため1番が最大のトルクが発生するように配線されています。そして、1〜4までの風の強さの変化はあまり大きくありません。
<参考>
扇風機を回した状態での碍盤の端子間(Cと端子1、2、3、4)の電圧(芝浦製作所昭和3年製造 実測値)
「スイッチ4」の時 1・・・52.8V 2・・・49.5V 3・・・43.8V 4・・・25.3V
「スイッチ1」の時 1・・・41.0V 2・・・37.8V 3・・・33.2V 4・・・19.8V
昔の扇風機は誘導モーターですから、ブラシや整流子が無いので摩耗するところがあまりありません。また、負荷がかかりすぎてモーターが止まってもすぐコイルが焼き切れることも少ないと思われます。そのため根気よく修理すれば動くようになるものが多いように思います。しかし、修理は故障箇所やその時の「運」もありますから、うまく修理できるものとできないものがあるます。私は直らなくても、元々と思っていつも修理をはじめます。
修理をなさる方に幸運あれ!ではまた・・・


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