おとうさんの介護日誌(7)

              12月12日 曜日 晴れ    (7-1)         toppage2.gif (3193 バイト)b2_201.gif (2541 バイト)b2_215.gif (2587 バイト)

 今日はかあさんの誕生日・・昨日用意した 10本のバラ(造花―生花の枯れる

のはいやだったので)と 毎年作っているバースデーカードを持って来た。

かあさんに カードと花を見せて“かあさん 今日は誕生日だよ”と話しかけると

かあさんは 少し微笑んでうなずいた。

駅前で買ったケーキを ナースセンターに届けて“かあさん 看護師さん達に

ケーキを届けてきたよ“と話してやる。

 “夕方に 宏一郎も来るよ かあさん 次の誕生日までまた頑張ろうね”と

耳元で話してやる。

個人の意思に関係なく 時間は正確に過ぎて行き その時間の長さで年齢が計られる。

自分の意思に関係なく その時間の長さは自然にか 故意にか突然に絶たれる。

避けようもない人の運命である。生命の神秘を 人間のみならずあらゆる存在の

神秘を感ずる。何かの意思を感じるが それはあくまでも空想の

世界である。ともかくも 今日かあさんはなんとか誕生日を迎えることが出来た。

素直に喜ぼう。

 どんな状態であっても かあさん生きてゆこう。

 

1216日 土曜日 晴れ後曇り    (7-2)

 ここのところ かあさんはちょっと元気が無い。話しかけると

目を開けてうなずくけれど 心なしか もう一つ元気が無いような気がする。

私の思い過ごしかも知れないが・・ベッドでの生活が 思えばもう半年に

もなる。かなり疲れていることだろう。

何とかしてやりたい。何とかならないのか。私は心の中でそう叫ぶ。

病院への行き帰りに 街を歩いていて私と同年輩の老夫婦を見かける

時 ぐっと寂しさが込み上げてくる。そういう時間が私にはもう戻って来な

いのだろうか・・つい弱気になってしまう。

 かあさん 生きてくれ・・そう心の中で叫びながら病院を後にした。

 

1217日 日曜日 曇り後晴れ    (7-3)

 今日は かあさんの美人姉妹と千重子さんが見舞いに来て下さった。

かあさんも その為か今日はやや元気が戻ったようだった。

 フィギャースケートの世界大会で前日トップだった 浅田真央ちゃん

が 残念ながら韓国の同じ16歳の ヨナさんに逆転され 銀メタル

だった話をしてやると じっと聞いていた。“真央ちゃんって知ってる”

と聞くとうなずいていた。記憶があるのかどうか定かではないが うな

ずく様子からは 記憶があるのかなとも思う。

 もうすぐX‘マスだよ と耳元で囁く。健人達とケーキを食べた昨年

X‘マスのこと X’マスカードを作ってあげたことなど 記憶が

有るだろうか・・

 ともかくも今年もX‘マスカードだけは作って持ってこよう。