| おとうさんの介護日誌(8) 今日はクリスマスイブ 昨日作っておいたクリスマスカードと小さな 卓上用ツリーとサンタの置物を持って病室を訪れる。 かあさんにそれを見せながら「かあさん クリスマスだよ」と耳元で 囁く。かあさんは大きくうなずきながら聞いていた。毎年カードを作って あげていた事を思い出しただろうか? クリスマスと言っても 日本人 ましてや私のような無宗教な人間には 無縁のことだが 地元の祭りや お正月 誕生日などと同じような 日常 のイベントの一つだろう。 人はみな 毎年めぐり来る そういうイベントに 生きている自分を確か めているんだろう。生きている事の 楽しさ 苦しさ 喜びや悲しみを含め て その日に 自分をリチャージして 新たな生への意欲を燃やして行くの だろう。 かあさんも リチャージして また生への炎を燃やしてくれ。 そう心で叫びながら ナースセンターにクリスマスケーキを届けて 病院を 後にした。 |
12月26日 火曜日 雨 今日は 品川区役所の介護認定の係員の人が病院に来られた。状況の 聴取が1時間ばかりあり 担当の医師の意見書が付けられて 認定審査 が行はれ 2.3週間後に決定通知が送られるらしい。 かあさんは 係員から「今 病院にいるということは分かりますか?」 と質問され それにはうなずいていたが「住所・生年月日は言えますか?」 という質問には未だ答えられなかった。 介護認定の結果によって 在宅介護が可能になればと期待はするものの 今の状態で果たしてそれが可能かどうかは分からない。長い入院生活から 家へ連れて帰ってやりたいという思いは強い。 かあさん 頑張ってねと 心の中で話しかける。60年夫婦で一緒にいた んだから 言葉はなくても目と目を見あわせるだけで通じ合うことが出来る だろう。どっちかが召されるまで 一緒にいよう。それが定めなら 定めの ままに生きてゆこう。 そんなことを思いながら病院を後にした。 |
病室のかあさん ![]() |