おとうさんの介護日誌(9)
元日には 達ちゃん・恵美さん・健人くん達と目黒不動尊へ初詣に行って かあさんの快復をみんなで祈った。帰りに快復祈願のお守りと かあさんへの みんなからの年賀状を持って病院に行く。 かあさんは健人の顔を見て大変嬉しそうだった。初めて病院でのお正月を迎 え かあさんはどんな気持ちだろうか?行く年・来る年 今のかあさんには恐 らく何の感慨も無いことだろう。 わたしにとっては この一年 そしてこれからの一年・・何とも深い憂愁を 感ぜざるを得ない。 年が明けてから 在宅介護に備えて ナースから少しずつ介護について教わっ ている。身体の向きを変えたり 流動食の注入など少しずつ教えて貰っている。 未だ予定は立っていないけれど 少しずつ準備するよう病院の方からアドバイス を頂いた。在宅介護といっても どんな事になるのか見当もつかないけれど かあさんの側にずっと居てやれるようになるだけで よしとしなければ・・・ 今日は朝からの雨で 殊の外冷たい。氷雨に濡れながら 今年一年を祈念しつ つ病院を後にした。 |
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1月18日 木曜日 晴れ かあさんは小康状態を保ったまま 新しい年を迎えた。 昨日は腹部への注入食の実習をナースの指導で 実習を受けた。チューブに 入った水(ゼリー状)と流動食のチューブだが 注入にはかなり力が要る。 在宅医療になれば これが私の仕事になる 口から食べれば 味も分かるだろうが チューブ食では食べ物を味わえる すべも無い。可哀想だと思うが どうする術もない。 かあさんが口に入れる物といえば 時々冷蔵庫で出来た氷のかけらを 口に 含ませてやる位のことだけである。 近頃 時々 小さな声で「帰る・・」とつぶやく。きっと家に帰ろうと思う のだろう。「いろいろ準備があるから もう少し辛抱するんだよ」と耳元で言っ てやると 素直にうなずいているけれど 切なく悲しい。 いずれ帰る日もあると思うので そろそろ準備をしなくてはと思う。せめて車 椅子に乗れるようにならなければ 家に帰ることも覚束ないだろうと思う。 ずっと寝たきりのせいだろう・・やたらと背中が痒いと訴える。背中から 腰にかけて 手でさすってやる・・それが今日この頃の 私の日課である。
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