ある日の 客Aと客Bの会話-NO.1仕事 (2006.1.22)

   何をしている人か分かりませんが 80才代の男性(A)と30才前後の男性(B)との会話を

   聞くともなく聞いておりました。

(A) お勤めですか?

(B) はい 商事会社で働いています。かれこれ10年近くになりますかね。

(A) ふーん ところで あなたは何のために働いているのですか?

(B) 何の為って・・働かないと食べて行けないでしょう。

(A) いや ごもっとも わたしなんかこの歳ですから ついそのことを忘れていました。

      でも あなた 食べて行くためだけですか?

(B) ふーん 何のためなんて普段あんまり考えてないですね。もちろん働く

      ということには いろんな意味があるとは思いますが そんなことを 

      いちいち考えてないですね。

(A) いや ごもっとも 誰でもそうですよね。わたしはね この歳になって働か

      なくなってから しきりと 今まで働いてきたことは何だったんだろうと 

      よく考えるようになりました。閑なんですよね。

(B) 何か答えがでましたか?

(A) はい 答えになるかどうか分かりませんが わたしなりに意味を付けてみました。

      人間って  生まれてから生きている限り自分の家族や 学校の先生や 

      間接的には生活のすべての面で数知れない人々の支えで生きているんですよね。

      至極当たり前のことなんだけれど 裏返せば 

      だから自分が仕事をするということは 家族はじめ沢山の誰かの支えになるように 

      働いているんですよね。つまりは働くー仕事をするということは 自分が支えられて

     きたことえの お返しですよね。そう思うようになりました。支えになるような仕事

     をしたのかと言われれば自信はありませんがね。

(B) うーん それは分かりますがね。

   育ててくれた親には別に扶養代を払っている訳ではありませんから 

      支えられたという実感は ありますが 社会人になってからは食べるものから

      生活上のいろいろの物は ちゃんとお金を払っている訳ですから 

      支えられているという実感は余り無いですよね。

(A) それ そこなんですよね。わたしもね自分が働いている時はあまりそんな実感

      はありませんでしたがね。働くのを止めてから うーん そうだったんだなと思える

      ようになりました。つまり 自分の仕事―働きが人の支えになるから 

      それに応じた報酬としてお金を頂く…払う方は自分の支えになるから 

      それに応じたお金を払う…経済行為というのは そういうことなんだと…

      当たり前すぎて なんだそんなことかと笑われそうですが わたしには新鮮な

     答えのように思われましたね。

(B) まあ そう言えばそうですが それで 結局何を言いたいというこですか?

(A) いや 別に言いたいことがあるわではありません。ただ そう思って世の中

      見てみると 人の支えにならない仕事をしてしかも不相応なお金を貰って

      いるという経済行為が 世の中いっぱいありますよね。

(B) そうですね。そういう事件が沢山ありますよね。そう言われれば 

      私の仕事なんかも人の支えになってるのか 自信はありませんね。

(A) いや お互いこれからも頑張って生きて行きましょう。

   少し酔ってきたようですので お先に帰ります。なにしろ ばあさんの

      目を盗んで抜け出してきたもんですから…

(B) はあ・・・ ではお気を付けて…

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