客(A)と客(B)との会話-NO.6(2006.2.15-価値観)
ある酒場での定年退職らしい80歳代の男性と30歳代のサラリーマン風の男性の会話
(A) やー しばらく お元気ですか?
(B) 相変わらずです。
(A) ところで この前あなたと"天皇"のことに付いてお話しましたよね。あの日
(2月6日)家に帰って新聞を読み返していますと タイミングが良いと言いますか
産経新聞の朝刊ですが 都知事の石原慎太郎さんの"日本よ"と言うコラムで
日本国民統合の象徴たる天皇が 何故に象徴たり得るかと言うことが論ぜられて
いたのですよ。
(B) へぇー 正にグッドタイミングでしたね。
(A) そうなんです。ところがじっくりと読んだんですが 正直なところ余りよく分かりません
でした。と言うのが高邁な論旨で わたしのような凡人にはそれを全て理解するだけ
の感性はありませんでした。
(B) 有識者の論旨というのは なかなか分かり難いですよね。我々凡人にも分かるよう
に話が出来るのが有識者だと思うんですがね。
(A) その通り わたしの理解不足かも知れませんが 石原さんは"神道"を一応宗教と
認めながら 一方"神道"は宗教を超えるものだと言っています。
つまり わたしの理解では 全ての日本人には先天的に備わっている(疑問の
余地の無い)価値観だということです。それを体現しているのが"天皇"であり
従って"天皇"は日本人の象徴だと言うことでしょうね。
(B) そうなると"神道"に由来する 天皇或いは天皇制を云々するのは 戦前に言われ
た非国民(非日本人)と言うことになりますか。正に右翼的思考のように思われますが・・
(A) そんな感じですね。まあ石原さんは信教・言論の自由と言うことは認めていますから
そんな風には言わないでしょうが・・わたしなんか自分は日本人としては不適格なの
かなあと思ったりします。
(B) ご同様です。
(A) しかし 石原さんが言うように日本人の全ての人が その風土への畏敬によって
長い間に育まれた独特の価値観(石原さんはそれを"神道"と言っていますが)と
言うものを持っているのでしょうか?そこの所がもう一つわたしには分からないんですが・・
(B) そうですね。抽象的な表現で言われても なかなか分かり難いですね。
価値観というと 何を一番価値あるものと考えているかということですね。
(A) そうですよね。言論・信教・思想の自由が保証されている自由社会で 個人がどう
いう価値観を持つかは それこそ全く自由ですよね。今の世の中見ていますと
一番価値ある物は"お金"だと言う人が多いのではないでしょうか。つまり物質的な
豊かさが一番だと・・石原さんは恐らくそういう今の世を憂えて 日本人の有るべき
価値観を取り戻せと言っているのだと思います。
(B) そういう事でしょうね。
(A) 分からないのは 日本人の有るべき価値観が 何故"神道"なのかという事です。
そんな事も分からないのかと言われればそれまでですが・・
(B) そうですね。石原さんには日本人の有るべき価値観を我々凡人・小中学生の子供
でも分かるような言葉で・・つまり日常生きて行く上で これだけは人間(日本人)
としての誇りとして失わないようにしようというものを示して頂きたいものですね。
(A) その通り。石原さんの論理から推測すると・・それは結局 畏敬の存在・自然を愛し
人を愛するという事になるのではと思いますが・・
その根源が"神道"・それに由来する"天皇"なんだと言われているのでしょうね。
(B) そういう事でしょうね。それも大切な意見として聞くべきものだと思いますが
わたしが思うのは 日本の風土・・つまり過去から現在に至る日本の風土だけに
こだわらなくてもいいのではないだろうか・・むしろ将来に向かって 人間社会は
どういう風土を造って行くのがいいのかという視点から考える事も必要なのでは
ないかなどと思うんですが・・
(A) いやぁ あなたなかなかいい事を言いますね。
わたしもそう思うんですよ。自分の国・自分の民族・自分の宗教と言った自分達の
持つ風土にこだわって 他の国・他の民族・他の宗教と言った歴史ある他の風土と
仲良く融合しようとしない為に 世界のあちこちで争いも起きていますからね。
じゃあどうしろと言うのだと言われても わたしなんかに返答は出来ませんが
石原さんはじめ識者の方々に分かり易い言葉で そう言う事を語って頂きたいもの
ですね。
(B) 今日も大変有り難うございました。今日はお先に失礼します。
(A) わたしも これ一杯飲んだら帰ります。では・・また