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| 《セカンドアルバム“エルマ”のジャズ誌レヴューから》 |
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宇根 裕子 sometime
5,6年振り?もっと経っていただろうか。久々に合った彼女は以前と変わらない笑顔と穏やかでハッピーな空気とともに現れた。歳もとってないし、同じ髪型(笑)洋服の色も・・・。 私は何か”こだわり”を持った女性が好きである。彼女のピアノもそうだ。信念というか、作曲の才能にもよる表現力はとても魅力的だ。彼女のプレイを聴くことの無かったこの数年間を私は偶発的なものと感じていたのだが、そうではなく、出産、子育てという日々を送って活動は休んでいたのだった。そして、その間に作曲したオリジナルばかりの新作が愛児の名前でもある、この「エルマ(恵琉馬)」だ。 高田さんとはもう長いつきあいのサックスのアンディは、私の古い友人でもあるが、オーストラリア人で、先住民族”アボリジニの”伝統楽器などもマスターしたマルチなプレーヤーだ。ジャズの枠を超えてワールドミュージックの部分でも活躍する彼は、人間的にも”ナイスガイ“であり前向きでとっても優しい。高田さんとは音楽の方向性も人間性も良く似ていると思う。今回の作品でもアンディの存在感は大きい。そして安ヵ川くん、立飛くんと、池長さんという、今まさにジャズ界では引っぱりだこの彼らリズム隊のサポートは力強く、高田さんの世界を広げ続ける。これからきっとエルマくんの成長とともに、どんどん曲が生まれて、すぐに次の作品もできちゃうんだろうな・・・。 (Swing Journal 2004・1月号:「Disk union[JAZZ吉祥寺赤道直下!]」) |
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[壮大な自然の風景を想起させる独自の世界] 後藤 誠 デビュー作「a song for someone」に続く、7年ぶりに(*注:5年)発表された高田の新作は、日本で15年以上のキャリアを誇る豪州出身のサックス奏者をフィーチャー、全曲彼女の自作曲で構成されている。その作曲にはジャズだけでなく、クラシックや現代音楽の要素も取り入れられており、アコースティックなコンテンポラリー・ジャズというべきものだが、親しみやすいメロディにはヒーリング〜インストゥルメンタル・ポップスといった趣も含まれる。力強いピアノとソプラノ・サックスの共同作業、それを支えるリズム・セクションの献身的なサポートを得て、彼女独自の音世界が雄大に構成されて行くという構成。音楽に対する真摯な姿勢がよく出た作品だ。 (JAZZ LIFE 2003・11月号:「disc review」 p.110) |
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高木 信哉
高田ひろ子の7年ぶりの(*注:5年)2枚目。全8曲は高田のオリジナルだ。感性が共有可能なアンディ・ベヴァンの参加により、内に秘めた情熱が耳と心に訴えかけてくる深遠な音世界を作り出した。アンディは、オーストラリア生まれで、すでに日本で15年以上の活動歴がある。中でも美しいメロディを持った標題曲は、高田の愛児の名前から名付けられており、高田の哀愁溢れるピアノに、アンディのエモーションが微妙なコントラストを生んでいる。永遠に繁がるような透明なビートと一音の大切さ。高田とアンディは、音の表情を楽しんでいる。 (Swing Jounal 2003・11月号:「New Release Complete REVIEW」 p.166) |
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山本 隆
高田ひろ子の新作。前作は97年ドイツ録音の(*注:ドイツのレーベルよりリリース、録音は日本)のa song for someoneというもので、アンディ・ベヴァンをフィーチャーした作品。当時90年代の名盤を選ぼうというユニオンの企画の中で、ボクはこれを推薦盤として挙げた。あれから4年か5年。そういえば高田さんはどうしているかな、と考えていたところにこのCDのプロデューサーの富谷氏より「今度高田ひろ子録音するから」と聞かされた。楽しみにしてカレンダーをめくる事、7枚か8枚。オーストラリア出身のソプラノサックス奏者アンディを今回も起用。本来なら前作がカルテットなら今回はピアノトリオでもよかったはずだけど、高田さんは、このアンディとのカルテットに拘る。やり残していた彼女の仕事がここで一気に爆発している。特に10分を越す3曲目で大爆発。曲はすべて彼女のオリジナル。高田さんの曲を聴いていて思うのは、どんな曲でも「あ、このフレーズ、このメロディは高田さん独特のものだな」という部分があることで、ボクにとってはそれが心地よい。ベースは安ヵ川大樹。ドラムスは曲により池長一美、岩瀬立飛が入れ替わる。エルマは愛児の名前からとったらしい。 (Swing Jounal 2003・11月号:「disk UNION “JAZZ吉祥寺赤道直下!”」 p.236) |
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[鬼才女性ピアニストが放つ音楽的な機知と想像力に満ちた快作] 青木 和富 高田ひろ子に鬼才の言葉は相応しくないと思うが、彼女の並外れたピアノの表現力を耳にし、他のピアニストと比べてしまうと、まさに鬼才と呼びたくなってしまう。出産の為にこの第2作は、大分年月が離れてしまったが、その演奏、音楽の質の高さは、相変わらずで、こうした才能が広く知れ渡っていないのはとても残念だ。サックスを交えたカルテットの演奏で、全曲高田のオリジナル。タイトル曲は、愛児の名で、そんな印象のとても優しいいい曲いい演奏だが、カルテットにした理由にもなっているこれらの作曲世界は、優しさだけでは片付かない音楽的な機知と想像力に満ちていて、どれも楽しく味わい深い。がっしりと、そして繊細なピアノ表現と、複雑だが滑らかな語り口を持った独特の音楽は、やはり鬼才と呼ぶべきか。ピアノ・ファンに推薦! (ADLIB 2003・11月号:「JAZZ FUSION」 p.43) |
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[ヨーロピアン・テイストながら個性的 高田ひろ子の独自のジャズ] 市川 正二 ピアニスト、高田ひろ子のセカンド作『エルマ』が10月22日に発売される。といっても最初のアルバム『ア・ソング・フォー・サムワン』はドイツのマイナー・レーベルから発売されたものなので、これが事実上、日本でのデビュー作ということになる。59年6月7日、大阪生まれの高田は大阪芸大でクラシック・ピアノを学んだのち81年に上京、ジャズ・ピアニストの高瀬アキに師事するとともに、現代音楽に関しては平尾はるなと松平頼暁に師事した。その後95年に自身のカルテットを結成。98年に前述のデビュー作を発売した。5年ぶりとなるこの第2作は、メンバーは若干違うものの、やはりオーストラリア出身のソプラノ・サックス奏者アンディ・ベヴァンを加えたカルテットによるもの。ベースは安ヵ川大樹、ドラムスは曲によって池長一美と岩瀬立飛が交代で参加している。録音は今年の4月東京。このアルバムに関して高田は自身のホームページにこんなふうに記していた。「行き違いがあって、危うく幻の録音になりかけたのですが、ようやくリリースすることになりそうです。今回の録音では苦しみもたくさんありましたが、得るものもたくさんありました。一番の感動はメンバーの音楽に対する愛でした。自分の音や音楽に潔癖で、誠実で、しかもそれらはナルシシズムなどというけちなものではなく、音楽を“慈しんでいる”と痛切に感じました。2003・07・13」略歴からもわかるように、高田ひろ子の演奏するジャズは、いわゆるビバップを基調とするアメリカン・テイストとは少し違っている。むしろ、クラシックや現代音楽の要素を加味したヨーロピアン・テイスト。そこに日本人としてのアイデンティティを注入した独自の音楽といっていい。曲はすべてオリジナル。タイトル曲の「エルマ」は99年に生まれた息子の恵琉馬にちなんだものだとか。3拍子からスタートして(*注3/4+3/8)次々と変拍子が登場する「ラウンド・アンド・ラウンド」、ブラームスのピアノ曲ににているところがあるので「ラプソディ」と名付けられたという3曲目、さりげないアフリカン・フレイヴァーが魅力的な「黒い森」など、どの曲も個性的だ。この人、ピアニストとしてはもちろん、同時にコンポーザーとしても強烈な個性の持ち主である。 (stereo 2003・11月号:「MUSIC and FACES」 p.185) |
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青木 和富
これはピアノ・ファンに素晴らしい贈り物である。出産のため活動が中断していた高田ひろ子の数年振の第2弾と言うことになるが、しかし、こうした才能が、普段あまり話題にならないのはどうしたことだろう。素晴らしいピアノの技巧の持ち主である以上に、音楽的な主張が明確かつ魅力的で、これほどの実力者は滅多にいるものではない。ホーンを加えたカルテット演奏だが、彼女の作曲家としての魅力を発揮するには当然のことだ。その豊潤な音のつながり、スリリングでがっしりとした構成。すでに特異な才能である。 (CDジャーナル 2003・11月号:「New Disc 今月の注目盤」 p.78) |