“ソロコンサート at ばんまい” のご報告
 中学以来、途絶えずに、それぞれと連絡を取り続けていてくれた橋本エミを中心に、中学の同級生と先生が“恵琉馬クラブ”を立ちあげて、このコンサートのためにいろいろと面倒を見てくれました。お陰で、とてもよいコンサートになりました。  中学、高校の同級生や恵琉馬クラブのみんなの友人関係、私が大人になってから出会った人達など、縁のある人達が聴きに来てくれたので、とても温かく迎えられその分プレッシャーも感じ、くつろいだ雰囲気だけれどもピーンと皆の集中力を感じられる、理想的なコンサートでした。
 私は常々、ある集中力(或いは聴くエネルギー)を聴き手に求める演奏をして来ています。表面的な興奮を提供するだけなんていう事を音楽を通じてしたくないのです。(余談☆欄外) 音楽はもっと原始的な、核心の所をクスクスッ、ムズムズッと動かすことができる“力”があると信じています。また、音楽家はその責任を負っていると思います。だけど、それは前回にも書いたように、聴き手が心(というか体というか)を開いて、集中力を持って聴いてくれることで初めて成り立つのです。当然、また、演奏者も同じ状態でないと話は始まりませんが。そこで、エネルギーの循環の輪が生まれます。それは何もたいそうな事ではありません。好きな人の話を聞くようなもの。聞こうとしない“閉じるエネルギー”よりも遥かに小さいと思う。(余談☆☆欄外) 楽しめる物は楽しまないと。それになんせエネルギーは循環して大きくなって戻ってくるのだから。たったそうするだけで、聴き手は幸せになり演奏者は充実感を得る、そして聴き手はよい演奏者を育てそしてよい音楽を得る。これもまた、なんと美しい循環!
 ばんまいでのコンサートはそういう良いコンサートだったと思います。皆さんとても良い聴き手でありました。どうもありがとう!! 演奏後、たくさんの方々が書いて下さったアンケートをにやにやと読みました。循環の輪が存在していたようです。良かった良かった!

ソロの楽しさと難しさ;
普段、ソロでピアノを弾く機会は少なくない。けれど全て一人で50人のお客さんの前で演奏すると言うのは、初めての事。テーマを丁寧に弾き、続いて浮かんでくるメロディーを拾いあげると言うやり方が私の信条なので、特別な仕掛けは用意せず、私の大好きな良い曲のみ吟味して選び、コンサートに臨んだ。一人で弾く事の良いところはやっぱり“好き勝手”にできること。イントロダクションから思いつくままにリズムが決まり、テンポが決まり、イメージが具体化して一曲になって行く。そして好きに終える。でもイメージは私の中にあるものだけ。良くも悪くも、内なる世界だけをじっと見つめることになる。そこからピュンピュンと外に飛び出して行くものがあれば問題ないのだけど、そのエネルギーを音に与えられない時がある。その時はとても苦しい。対して、誰かと演奏するときはイメージが貧困で情けないときでも、相手の出す音に触発され何かしら生み出てくることがあるし、何と言っても同じ風に乗っているように感じるとき、イメージは自乗され、それはそれは素晴らしい物になる! それと一人で演奏する時、どうしようも無いのは指十本しかないこと。どうしても外の楽器とやりたいし、そうでないとできない曲がある。自分のカルテットの為に作った曲や、クラシックのほとんどの曲がそうだ。もっともピアノソロ用にアレンジする事は可能。でも原曲を簡略化しただけなら意味がないので、やらない。そうするとソロではやりたくてもできない曲が出てくるわけ。ううーんカルテットでやりたーい!と思うわけです。

余談☆:笑えない笑い話、その一:
自由が丘の某ライブハウスにて。お客さんに「高田さん、もっとガーッと行ってくださいよー!」などと言われたことがある。精神的高血圧、または、慢性興奮状態依存症と呼ばれている。(ウソ)。静的エネルギーの存在など彼らにはあり得ないかのよう。与えられた刺激に皮膚がピリピリするのだけが喜びのよう。きっとお仕事で疲れきっているのだろう、音に集中力を注ぐなどということは端から考えられないよう。でも実は逆だ! そういう勘違いをしている方は非常に多い。私「もうガーッッて行ってるんですけど(・・演奏中で言えず)」・・・かんべんしてよう。


余談☆☆:笑えない笑い話、その二:
同じライブハウスで。その日はbassの安ヶ川氏とduo.回りのお客さんが演奏に集中している中、私達の真横で演奏に負けないように大きな声で話続けている女性二人。あまりにも邪魔なのでウエイトレスの女の子に、お話ししたいならステージから離れた席に移ってくださいと言ってもらったところ、その二人「私達は大丈夫」,私と安ヶ川氏「・・・・・・・・・・・・唖・然」かんべんしてよう。
高田ひろ子
2000.08.30

このページでは、高田ひろ子からのメッセージを不定期(目標月1回)に掲載しています。

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