☆いわき「シャンティハウス」2001年5月26日  コンサート報告☆!
 今年二月、自由が丘「アンクルトム」でのライヴがこのトリオのデビュー。
 それぞれをよく知っているMusician同志で、「よいに違いない!」と想像していても、新しい組み合わせは、いつも期待と不安の両方がある。相性に加えてやってみないと解らないバランスがあるからだ。が、想像通り、いえいえ、それ以上にとても良いトリオだった。
 そして今回、シャンティハウスで、このトリオとして二度目のライヴ。これまた、とても素晴らしいライヴになった。(因に、津村さんは数回、いわきで演奏しているが、シャンティハウスは初登場。安ヵ川君はなんでもオーナーの山田さんと「兄弟の契りを交わした」といわれる(?なんのこっちゃ?)常連だ。私は2度目。一度目はVocalの清水翠さんBassの加瀬達さんと。)知名度が高いトリオでもなんでもないが、山田さんのご尽力あって、たくさんの方々が聴きに来て下さった。皆さんの静かで暖かい期待を感じた。私はあの瞬間が好きだ。既にお気に入りのよい曲をステージの流れをイメージして組んである、さてこれから三人で音楽を作って行くぞ、飛んで行く音を受け止めてくれるたくさんの耳は準備完了。何が起こるかわくわくする。(後で聞いたのだが、いわきのジャズファンは耳がとても肥えていて手厳しいそうだ・・・!どこに出しても恥ずかしくないトリオだけれども、後で聞いて良かった・・・。)山田さんの、暖かくそして的を得たそれぞれの紹介からライヴは始まった。
 経験的に一度目より二度目が少しこなれて、その分、新鮮さと緊張感を失ったようなライヴになることがある。でもこのトリオは全くそうではなかった。緊張とリラックス、興奮と冷静さがすべて同時にあったような気がする。聴き手の皆さんも感じて下さったと思う。エネルギーが聞く側もやる側も高まったような気がした。充実感と共に温かい気持ちで終えた。なんでこんなに素晴らしいのだろうと思う。山田さんや、PAをいつも文字通り“ボランティア”でやって下さっている、“やっさん”も言ってくれたが、個性の違う三人が誰をも殺さず三人が生かし会う良いバランスだと・・。確かにそう。演る側の私の言い方では、それぞれ、自分の言葉を持っていて、心を開いて、また人の言葉も聴き、目標として見ている所は同じ、というような感じかしら。それぞれの技量に対する信頼関係がしっかりとベースにあるので、とても強く、しなやかだ。それはどういう事かというと、それぞれが何を言っているかが届いてくるし、よくわかるということ、そしてそれぞれの音を他の二人がしっかり受け止めてくれるという絶対的な安心感があるということ。結果、瞬間瞬間で1:2、2:1の関係が、くるくると螺旋状に変化し、落ち着くべき所に落ち着き終わる。理想的で自然な即興演奏=jazz!、という気がした。
 そもそもギターとピアノは組み合わせとして難しい。和音やリズムが出せる楽器どうしだからだ。時にぶつかる。相性によっては具合悪くぶつかる。或いはお互いに何もできなくなる。でもなぜか、津村さんとは音がぶつかって居心地悪くなることはない。津村さんが耳と感覚の鋭い人なので回避してくださっているからか、時にぶつかっても無意味でなかったりするんだから。やはり一音たりとも意志のない音は弾かないぞ!という津村さんの気合の入った、真摯な音楽のやり方故でしょうか。
 安ヵ川君はベースという楽器が難しく不自由な楽器だと全く感じさせない。ますます超人化してきている。安ヵ川君の素晴らしいのは、楽器を操る技術はもちろんのこと、初めて一緒に演奏した時からそうだが、こちらが何も演奏中に音で説明(言い訳であったりもするが)する必要がない。私は全く自由に飛び回れるのだ。
 演奏中は実に色んなことが連続的に起きている。楽譜を再現するクラシックだってそうだ。当然即興演奏のジャズは隠し技、飛び道具、落とし穴など現れて油断できない訳だ〜それはあくまで意図的でなく、あら、という感じで現れた物でなくてはならない!というのが私の好み〜。そしてそれをどう受けるか、それが問題だ。沿う、支える、見て見ぬ振りをする(気がつかないのとはまた違うよ)、受けて立つ、逆襲する、ほったらかすなどいろいろやり方があるけれど、そのバランスがいい音楽になるかどうかを大きく左右する。このトリオは何ともそこの所が良いのだ。よい耳とセンスと瞬発力、それに“愛!”ですかねえ、やっぱり。とにかく、柔軟で優しいもの。(なんだか子育てにもそのまま通じるなあ・・・。)で、出来上がった音楽は暖かい。(やっぱり同じだ!)
 でも、音楽に於いて、こんな風に言葉にできることなんて、一つの瑣末なことでしかないのかもしれない。言葉にできない事を音楽にしているのだから。言葉なんかよりもっとあからさまで単純な、そして逆に、飾ることのできない本質的で深い自己表現やコミュニケイションなわけで、これはまさにその場で空気を介して感じていただくしかないのだ。
 と言う訳で、このトリオは傑作だ、と思うのだけれども!!
 またどこかで演奏できるといいなあ。
高田ひろ子
2001.06.14

このページでは、高田ひろ子からのメッセージを不定期(目標月1回)に掲載しています。

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