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去年(2003年)の2月、川崎“ぴあにしも”で、デュオ初ライヴ。実は藤本さんは、バリバリのクラシックのパーカッショニスト。一昨年、きゃぴきゃぴまじめのピアニスト横瀬さんが誘ってくれて、オーケストラで初めてピアノを弾いた際(コラムに詳細)、ティンパニーを叩いていたのが、藤本さん。面白がりの横瀬さんは、「ジャズにも詳しい面白い人がいるのよー」と藤本さんに引き合わせてくれました。数日の公演中、お弁当を一緒に食べたりして、場に不似合いなジャズの話などして、楽しんでおりましたが、公演の数日後、偶然にも横浜で私のカルテットのライヴがあり、藤本さんは聴きに来てくれたのでした。とても楽しんでもらえたようで、アンケートに私のオリジナルを、やってみたいと書いてくれていて、それなら、一度リハーサルでも・・という事になったのでした。 クラシックとジャズを隔てる大きな壁は、即興演奏と、ジャズの“ノリ”。ところが藤本さんは、研究されたフレーズに溢れたアドリブで、ノリも申し分なく、楽器を奏でる技術はいうまでもなく、初見でいろんな曲をやってのけたのでした。ライヴハウスで出来るな、と思いましたが、ジャズメンがそう容易に仕事を見つけられないという時代もあって、人前でやるのには時間が掛かってしまうかもと思っていたら、なんと“ぴあにしも”で、一日ぽこんとスケジュールがあいてしまったところがあり、急遽、ライヴをやる事になったのでした。 藤本さんがなんでそんなにジャズが達者かというと、実は高校生あたりから、私の大好きな、パットメセニーなんかを聴きまくっていたそう。その後ジャズドラマーの猪俣猛さんや、ジャズヴァイブ奏者の、浜田均さんと一緒に演奏する機会もあったりそうで、火種はあちらこちらに植え付けられていたのでした。(浜田さんは、偶然、私も大変お世話になったのです。まだろくに弾けないときに、一緒にやろうかと、ライヴに連出して下さり、とても貴重な体験をたくさんさせてもらいました。重ねて偶然にも立飛氏も浜田さんに見出されたのでした。感謝のしようもありません。) このデュオでは、チックコリアのナンバーを良くやります。チックはゲイリーバートン(vib)と、よくやっていて、まねっこの様なのは、不徳ながら、percussiveなチックのナンバーは、やはりこのデュオにおあつらえ向きで、つい選んでしまいます。楽しいんですもの。又私のオリジナルや、スタンダードも演奏しています。このデュオが実現するきっかけを与えてくれた“ぴあにしも”のママは、クラシック出身のジャズ歌手で、藤本さんのスタンダードは、ジャズメンのそれとちょっと違っていて、面白いといいます。 ヴァイブとピアノは、ともに鍵盤楽器だけど打楽器ともいえます。音域もピアノの良く使うあたりの音域で重なっていて、同じ楽器のデュオといえそうなくらい。でももちろん音色は違っていて、ユニゾンなどは、妙に気持ちがいい。(ただしチューニングがずれていればかなりキビシイ。自分でチューニング出来ない楽器同士なので。) オーケストラではティンパニーという重要な役割を果たし、東京芸大の常任講師にこの4月から着任する藤本さんにとって、ジャズの世界は横道かもしれないけど、ジャズはその人、そのものをかなり赤裸々に表現する音楽。両道を表通りで行って欲しいと思います。 その正確でいて柔軟なタイム感と、独特の表現力は、かなりおもしろい。川崎“ぴあにしも”、御茶ノ水”ナル”、戸塚“G−クレフ”などに出演しています。 |
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高田ひろ子 2004.03.15 |