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前の来日が確か2000年。こちらからスイスに行ったのが3年前。 久しぶりに会うバンツはあまり変わりなく、相変わらず穏やか。始めてあった時は生まれつきの細かくカールした髪が爆発していたが、その後、手入れのめんどうさや、出入国時の審査官の態度の差により短く品行方正的にカットしている。もともと彼は知的な人なので風貌がおとなしくなると優等生丸出しになる。 騒がしく汚い日本へ良く来てくれましたと迎えた。 彼はうちに滞在するので、私は英語の事が心配でならなかったが、彼の驚異的な洞察力と忍耐力と思いやりを以って、なんとか言いたいことは伝わり、もしかして私はスイス訛りでなければ英語を聞き取れないんじゃないかなと思うほど、彼の英語に馴染んでいて、なんとかコミュニケーションは成立。(英語については又後ほどくわしく・・) 無事、1週間余りを楽しく過ごすことが出来た。 最も6本のライブ中4本を一緒に演奏したドラムスの池長氏が英語に堪能なので、かなり助かった。まだ私は頭の中で一生懸命、日本語を英語にする作業をしているので、時々英語で話すのが非常に疲れてしまうことがある。そんな時英語が話せる人がいると、簡単に頼ってしまう。 不思議なくらいかさだかくないバンツ・・・。誰かがうちに滞在すると、何かと気を使い疲れたりすることもあるが、彼の場合は楽なのが不思議だ。私達が彼のうちに滞在させてもらう時、バンツは、居心地のよい空間ときれいなシーツ類を用意し、おいしいクロワッサンを朝買って来てくれたり、近所の農家の特製チーズやサラミを調達してくれたり、特別美しい場所に連れて行ってくれたりと、心を尽くしてくれるが、無理は決してしない。したくないことをしたり、欲しくないものを食べたり、普段の自分の暮らしを変えてまでもてなしても、それで疲れて早く帰って欲しいなどと思うようなばかげたことはしたくないという、究極の配慮がある。私もそういう彼の態度に感謝し、楽に楽しく滞在させてもらう。これこそホスピタリティと思う。 私も彼を見習って、おいしいものを作ったり、ゆっくり出来るように気遣ったりはするが、無理はしないようにしている。バンツは寛ぐのも上手い。ゆったりリラックスしているが、だらだらと根が生えたようには過ごさない。もしベースが弾きたくなったら、すっと弾きに行く。無理しないのでこちらも楽。最低の礼儀をわきまえ、その上で好きにしている。我が家に、スイスのバンツ宅に滞在したときのような落ち着きが生まれる。まさにバンツが、彼と共にスイスのムードを運んで来たようだった。 バンツは“心を開いている”のだ。自分が心開くことで、相手も心を開き人間関係がスムーズにしかも濃密に進む。とても、合理的で気持ちよいと思う。つまり互いに余計な遠慮がなく話が早い。人間は誰しも、面倒くさくなくてしかも安心できる他人との関係を最も望むはずだ。不安に苛まれるのはいやだ。さびしいのも嫌いだ。しかし自分のペースは守りたい。これは皆共通していると思う。それを達成するにはどうする?・・・心を開くしかない。 |
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高田ひろ子 2007.11.23 |