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ずいぶん時間が経ってしまいましたが・・
彼の両親は、2人とも学校の先生だが、料理はお父さんの役割だった。 一度お宅へ伺った時、お父さんはデザートのアップルパイまで作ってくれた。そういうお家に育っているから―ヨーロッパではぜんぜん珍しくないし、家事は女の仕事などと言う男の人は、結婚できないらしいよ― バンツも基本的に出来ることは自分でやろうという姿勢だ。 たとえば、りんごが食べたくなれば、台所からナイフを持ってきて、勝手に剥いて食べる。 で恵琉馬にも食べる?と一切れ剥いてくれる。スイスの彼の家でも、在るものは何でも好きに食べればいい「Help yourself」と言ってくれる。なんて楽!日本では、相手のことを思いやってりんごを剥くのがおもてなしかも知れないが、そんなに欲しくない時に黙って剥かれても、困るし、欲しいのに剥いてくれない時、もてなそうとしている人に催促もし難い。もてなす立場では、いつ剥こうか気が気でなくて疲れてしまう。結構ですなどと断られても、遠慮なのか本心なのか、いつも迷わなければならない。迷ったあげく結局剥いても、食べられずに黄色くなって行くりんご・・なんて悲しい。 そんな訳で、私はもてなす時ももてなされる時も、いる・いらないを聞き、言うようにしている。 おー、一つ思い出した。食べ終わると、フォークとナイフをお皿の右側に並べて置くが、これは「もう結構です」の意。まだお代わりがほしい場合、閉じずに開いておく。面白いのが、たくさん欲しい時は、がばっと、少し欲しい時は細く開く・・とは、バンツに教えてもらった。スイス式なのかな?少なくとも、Bene(バンツの友人の凄腕スイス人調律師)は、そうしていた。これも変な遠慮を回避できて、とてもわかりやすく、好ましい。 今回も彼にドレッシングを作ってもらった。前にも書いたが、スイスのサラダは驚くほどおいしい。野菜もおいしいが、(ルッコラに似た「ヌースリ」という野菜は忘れられない味だ。いわゆるベビーリーフの類だが、日本では見たことがない)ドレッシングが、酸味が利いていて油っこくなくて、抜群においしいのだ。 レストランでは、皆、残ったドレッシングをパン(どのレストランでもテーブルに必ずパンの入ったバスケットが置いてある。もちろんただ)に、どっぷりと染み込ませて食べている。・・・さすが、そんなおいしいサラダを食べなれたバンツのドレッシングは、抜群。うちにあるいつもの材料で作っているとは思えないほど本当においしい。 バンツに会って以来、私もドレッシングは自分で作る。最初はなかなかうまく出来なかったが、今は結構いける。買っていたなんで嘘みたいだ。考えてみれば当たり前だ。基本的にたかが「酢と油と塩」で作るものなのだ。化学調味料も無用だ。作ってみよう。 *バンツのドレッシングのレシピは;ビネガー(アップル、又は白のバルサミコ。レモン汁を混ぜるとおいしい)大さじ2、マスタード小さじ1/2、塩小さじ1/3〜1/2、コショウ少々をフォークなどで良く混ぜる。バージンオリーブオイルを酢とほぼ同量加え、乳化するまで良く混ぜる。※但し、量は好みで加減してね。 たったこれだけ。良く見るレシピと違うのは油の量が少ないことだけ。油は酢と同量で十分。マスタードは隠し味として必要。辛味ではなく風味なのだ。あと重要なのはお酢の香り・味と、塩加減。塩が足りないのはいただけない。私は砂糖を少量入れる。「砂糖=旨み」なのだそうだ。酸味を和らげる役目もある。 そして、「かける」のではなく、食べる直前によく和える。 |
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高田ひろ子 2008.02.05 |