2002/02/25 くつがえされた生物学の定説

Webmasterが高校1年のときの担任は理科が専門科目であった
大学卒業後すぐに教師にならず、しばらくは日の丸電気に勤務していたという当時として異色の経歴の持ち主であった
民間企業にしばらく居たせいかどうかは分かりかねるが、他の教師にありがちだった空虚な権威主義に毒されることなく、いい先生でいてくれたのはありがたいことだった
2年、3年の担任が人格、能力ともに最低にランクされるような人物だっただけに、1年のときの担任の記憶はいまでも強く残っている

その教師が話してくれたことで非常に印象に残っていることがあった
それは両生類、爬虫類と哺乳類の分類の方法についてで、前2者には毒を持つものがいるが、哺乳類に毒を持つものはいない、との話だった
なるほどと思った、毒蛙や毒蛇は良く知られているし、オーストラリア地域に生息する哺乳類と両生類の中間に位置するとされているカモノハシも足のトゲに毒がある
翻って哺乳類はどうかというと、毒を持つ猫や猿は存在しない
動物図鑑を見ても毒を持つ哺乳類に関する記載もなく、哺乳類には毒を持つ種類がいないことが分かり、毒の有無から生物を分類する方法を学んだのは大きな収穫であった

モノの分類、というのは実は難しいという事実は意外に知られていない
無知な人物とそういった話をすると、たいてい最後にはニヤリと笑って「分かるだろ」「常識で考えればいいよね」などという物事の本質から逃げ出したような発言を恥とも思わずするから恐れ入る
Webmasterの職場にはそういった傾向の人物が多く生息するのは困ったことであるが、権威に弱いWebmasterだ、今年度一杯はおとなしくしていよう

さて、先日の出張中のことだ、Webmasterの職場のアルバイト嬢が新しい携帯電話を購入したと喜んでいた
なんでも新型の折り畳み式で、筐体背面にも液晶画面が配置され、折り畳んだ状態でも電界強度やメールの着信が確認できる優れモノだそうだ
現物を早速見せて貰ったところ、買ったばかりにしては筐体全体に無数の小傷がついている、どうしたものかと持ち主に聞いたWebmasterは仰天した
そしてその携帯電話を放り投げてしまったのだ
なんとアルバイト嬢が飼っている犬のルイスくん(仮名)が、がりがりかじって傷がついたという信じられない事実だった
大事な携帯電話をほうり出されてWebmasterに呪いの言葉を吐き続けるアルバイト嬢になど構っていられない、犬の唾液に含まれる毒を早急に除去しなければWebmasterの生命に危険が及ぶ
大急ぎで洗面所に走り石鹸を使って入念に手を洗い、その後アルコールを浸したコットンで入念に手を拭いた
しかしそれでも感染への恐怖は消えそうにない
Webmasterは犬唾液毒からのウイルス感染防止のsecond choiceとして、飲用に適したかたちのアルコール製剤を体内に大量投与し、内と外から消毒をすることを考えた
経口投与用のアルコール製剤は主に麦や米あるいはブドウを主原料としており、体内の消毒目的のみならず、うつの際の症状軽減に非常に大きな効果を持つことで知られている
その素晴らしい効能のため、お上から高額な税金を課せられることで知られている経口投与用アルコール製剤であるが、金額を自分の生命には代えられない
急ぎ販売店(最近ではコンビニエンスストアでもアルコール製剤を販売しており緊急時の入手に非常に心強い)に出向き、麦芽を原料にした発泡系製剤(最近はアルミ製容器に封入されており、ハンドリング性は抜群だ)を始めとして、米を原料とした純日本式の製剤(このところ西洋での評価が上がっているらしい)、そしてブドウを原料にした製剤(その際は白色系をchoice)等を購入し、宿に戻ってきた
Webmasterは非常に経口投与用アルコール製剤が苦手だ
粉薬をオブラートで包まないと飲めなかったのはかなり昔の話で、今は粉薬でも難なく飲めるが、経口投与用アルコール製剤だけは未だに大きな困難である
しかし今は自分の生命がかかっているだけに好き嫌いは二の次だ、必死に製剤を経口服薬していくWebmaster、なんとか処方の分量を飲み干し、明日に備えて就寝した
翌日目が覚めたWebmaster、頭が重く強い吐き気がある、めまいと全身の強い倦怠感も認められ、非常に具合が悪かった
仕事こそなんとか終わらせることが出来たが、その日は悔しさで一杯だった
あれだけ念入りに石鹸とアルコールで手指を消毒した上、大量の経口投与用アルコール製剤を摂取したにもかかわらず犬の唾液毒で苦しむはめになってしまった
犬の唾液毒があまりにも強力だったのだろうか、一生懸命の対応が無駄になってしまい本当に悔しかった

それにしても高校1年の担任が話していた哺乳類には毒がない、という話は事実と異なっていることが今回の出来事が証明されたが、担任の誤謬の原因はなぜだろうか?
しばらく考えてはみたものの、これといった答えにはたどりつけなかった
納得するには少々無理があり、原因の可能性としては非常に低いのだが、担任の専門科目が物理だったため生物の知識力に若干の問題があったのが原因だろうか
まだその答えは出ていないのだが、その後毒を持つ哺乳類に関する同様の例を発見し、ますます答えが見えなくなってしまった
それはWebmaster自身に関することで自分でも少々驚いたのだが、Webmasterもよく口から大量の毒を吐くことで知られている
自分を生物学的に分類すると、哺乳類に間違いはないはずだ
さらに疑問は広がってきたのだが、まだ結論は出ていない
生物学における定説がこのようにいとも簡単にくつがえされることには驚いたが、世の中まだまだわからないことだらけだ

いつでも新鮮な好奇心や探究心を持ってものごとに接していきたい、常々そう考えているWebmasterであるが、たまには挫折もする
今回の犬唾液事件の様に、最善の手を打ったにもかかわらず良い結果が得られなかったことは大きな挫折であった
挫折からでも何かを学びとり、次の前進に生かしていければ挫折もまた、収穫だ
しかし久しぶりの挫折はWebmasterを落ち込ませるには十分だった

自分の対応が完全に失敗に終わった悔しさに耐え切れず、その日はつい、呑めない酒を呑んでしまった
なんだか少し、苦かった




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