● コラム ●
『市職員給与支払い訴訟』控訴審・第1回口頭弁論を傍聴
この控訴審は久喜市が、3月29日のさいたま地方裁判所の判決を不服とし、東京高等裁判所に控訴したものです。第1審の地裁判決は「吉羽土地区画整理組合への職員派遣は公益法人等派遣法に違反している。久喜市は市長田中暄二と組合に対し、1,462万円を請求せよ」という内容でした。
私は、これまでこの裁判を度々傍聴して来ましたので、引き続いて7月26日(水)に霞ヶ関の東京高等裁判所で開かれた第1回の口頭弁論を傍聴しました。
久喜市は控訴趣意書の他に、7月25日(裁判前日)に準備書面を提出しました。7月27日付毎日新聞埼玉版によれば、準備書面は「請求権は市議会の『権利の放棄』の議決により消滅した」と棄却を求めるという内容です。(「口頭弁論」とは言っても、実際は書面による主張のやり取りなので、その具体的な内容までは傍聴者には分かりません。)
久喜市は、「一審の判決内容に不服であり従う意思は無い」とのことで控訴しながら、一方で裁判所に棄却を求めるというのは、矛盾した態度です。久喜市の意思は、争うのか・争いたくないのか、曖昧で分かりません。貴重な税金で裁判を行うのですから、あいまいな態度は問題です。
裁判長は市の委託した弁護士に対し、控訴審を続ける意思があるのか確認しました。また、住民側弁護士に対し、さいたま地裁判決は「形式違法」としたもので、「実質違法」と言っている訳ではない。実質違法性をどう証明するか、と争点を整理しました。
今後の裁判では、8月末に公開予定の市議会会議録により6月議会において議案「権利の放棄」でどのような質疑がなされたか、その内容。これまでの吉羽区画整理組合に対する久喜市の「専門的な技術援助」の内容などが問題になりそうです。
次回裁判は9月27日(水)午前10時半から行われます。
なお、久喜市ではこの裁判に毎回5〜6名の幹部職員が出席(傍聴)しており、今回も訴訟委託をした弁護士の他、総務部長、建設部長、庶務課長、庶務課主幹(訴訟担当)、都市整備課課長補佐(吉羽区画整理担当)の5名が出席していました。
私はこれまで、さいたま地裁でこの裁判を傍聴するついでに、岩槻市(現さいたま市)や埼玉県の行政訴訟も傍聴しましたが、久喜市のように大勢の幹部職員が出席していることはありませんでした。職員の出張旅費や日当、人件費なども馬鹿にはなりません。財政難の折ですから、裁判出席は必要最低限に抑えるべきと考えます。
ちなみに、さいたま地裁の裁判は15回行われ、久喜市の費やした費用は弁護士費用約215万円、職員の運賃・人件費等が約160万円となります。2審は霞ヶ関の東京高裁で行われますので、職員の運賃・人件費はさらにかさみます。
(人件費は要した時間と平均賃金で計算。出席者は職階の高いメンバーなので試算より高額になると思われる)
久喜市が「判決に不服」と控訴しつつ、一方で議会に対し1,462万円の請求権の放棄を求め、議会の議決を持って裁判の棄却を求めるという矛盾したこの控訴審は、財政難の折貴重な税金を使ってまでやる必要があるのか、疑問に思いました。
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