はぁ〜とにキュンなはなし
橋本市長、日赤へ協力中止「公金外、不適切だ」
両陛下、火葬・葬礼簡略化をご希望・・・宮内庁検討
日本先進国から脱落?・・・経団連の研究機関予測

率直に言うとガッカリ・・・キーンさん、復興で苦言

枝野氏、東電国有化反対なら「経団連で出資を」
「東電、値上げを権利と勘違い」・・・経産相批判
東電料金値上げの理由開示を・・・都が緊急要望書

東電の経営体質はお山の大将・・・菅前首相が批判
漁民が海賊兼業では近所が迷惑である

産経抄(12月7日付)

九電は認識が不十分・・・枝野経産相、改めて批判

暴言退治と言葉狩りの区別
東電賠償請求書に経産相「あぜん」、改善要求へ

79歳女性 市へ1億円寄付「子供支援に・・・」
苦難に耐えた世代に手を合わせたい

的中した予言(22)

被災地首長「立派なこと言うが泥かぶらない」

的中した予言(10)
復興期の精神

評論家・屋山太郎 公約通り公務員給与2割削減を
自然にさからわず、歴史へよりそって
再びロックンローラーのシャウト

つましくしないと日本はもたない

「フクシマ50勇士」世界が原発作業員を称賛
「老境」

韓国、日本を“反面教師”に「力なき正義、国家間に通用せず」
9・24は「国家屈辱記念日」
「宣告に奮起」・・・わたしの医見
普天間問題 鳩山首相の責任
歌人 竹山広さん

芸術家 佐藤勝彦の詩(2)

芸術家 佐藤勝彦の詩
日本国がぶっこわれていく?

中西輝政氏の『なぜ国家は衰亡するのか』(PHP新書)
敗戦をめぐる記憶

『逝きし世の面影』(渡辺京二/葦書房ほか)
農民兵士の絶筆

『世紀の遺書』

恐れるな、ただ死ねばよい

80過ぎたら生き仏
昭和天皇の「発言」に私は失望した

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橋本市長、日赤へ協力中止「公金外、不適切だ」
[Wednesday,May23,2012]

大阪市が、日本赤十字社(本社・東京)から委託されている活動資金募集業務について、「8月以降、取りやめる」と日赤側に通知したことが分かった。
橋下徹市長が「資金集めに市役所が協力すべきでない」と指示したため。災害救援や献血など公共性の高い事業を実施する日赤の資金集めを、自治体側が拒否するのは異例。日赤側は「資金が十分集まらない可能性もある」と懸念している。
日赤はほとんどの市町村に地方組織の事務を委託している。大阪市でも1952年以降、助役・副市長が日赤の地区本部長、各区長が地区長などの委嘱を受けてきたが、7月末で一斉に辞任するという。
資金募集は5月の赤十字運動月間を中心に行われ、地域住民でつくる赤十字奉仕団が集めた資金を各区役所で集約。大阪市全体では毎年2億6000万円〜2億8000万円を集めて日赤側に送っている。
しかし、市の不正経理を追及してきた市民グループ「見張り番」(松浦米子代表)が今年3月、橋下市長との面談で、▽過去の市長選で助役出身候補を支援した自治会組織「市地域振興会(地振)」の役員が赤十字奉仕団の役員を兼務▽日赤の地区事業費が地区長を務める区長の口座に振り込まれ、一部が地振の事業に使われている――などを指摘。その上で、「市職員が事務を担当するのはおかしい」と批判した。
橋下市長はこれを受け、「公金でない現金を公務員が扱うことは不適切だ」と見直しを指示していた。

(2012年5月22日  読売新聞)

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両陛下、火葬・葬礼簡略化をご希望・・・宮内庁検討
[Thursday,April26,2012]

宮内庁の羽毛田信吾長官は26日の定例記者会見で、天皇、皇后両陛下が自らの葬儀や陵(天皇、皇后が埋葬される墓)について、できるだけ簡略、簡素化するよう望まれていることを明らかにした。
葬法は火葬を望まれているという。こうした意向を受け、同庁は、両陛下の合葬も視野に入れ、陵の規模や葬送のあり方について今後約1年をかけ、検討を行う。
羽毛田長官によると、両陛下は、昭和天皇と香淳皇后のそれぞれの陵(東京都八王子市)が、大正天皇陵、貞明皇后陵と異なり、少し離れ、平行に設けられていないことなどから、陵の用地に余裕がなくなっているのではないかと思われていた。
そうした観点から、自らの陵について「規模を含めできるだけ簡素なものが望ましい」との考えを示されてきたという。さらに、陵だけでなく、葬儀全体を「極力、国民生活への影響の少ないものとするように」との意向も示された。
また、現在は火葬が一般的になっており、歴史的にも天皇、皇后の火葬が長く行われていた時代もあることから、火葬が望ましいと話されたという。天皇、皇后については、江戸末期から昭和天皇まで土葬が続いていた。

(2012年4月26日  読売新聞)

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日本、先進国から脱落?・・・経団連の研究機関予測
[Tuesday,April17,2012]

経団連の研究機関、21世紀政策研究所(森田富治郎所長)は16日、2050年までの日本と世界50か国・地域の長期経済予測を発表した。
四つのシナリオに基づいて日本経済の成長率や規模を試算したが、少子高齢化の本格化で日本は30年代以降にマイナス成長に転じ、効果的な成長戦略を実施しなければ先進国から脱落しかねないとの見通しを示した。
同研究所がまとめた「グローバルJAPAN 2050年シミュレーションと総合戦略」で、日本の人口や貯蓄・投資の動向、生産性の変化を予測して試算した。
日本の生産性が他の先進国並みを維持する「基準シナリオ」では30年代からマイナス成長となり、41年〜50年の国内総生産(GDP)成長率は平均マイナス0・47%となる。現在世界3位のGDPは4位と、中国と米国の約6分の1の規模となる。1人あたりGDPは世界18位で韓国(14位)に抜かれる。
女性の就業率が北欧並みに高まる「労働力改善シナリオ」でも41年〜50年のGDP成長率はマイナス0・46%となり、31年〜40年は0・17%のマイナス成長になる。
一方、政府債務の膨張が成長を妨げる「悲観シナリオ」では2010年代にマイナス成長に転じ、41年〜50年はマイナス1・32%に落ち込む。GDPの規模は世界9位で、中国、米国の約8分の1に縮む。また、生産性が90年〜2010年代と同水準にとどまる「失われた20年が続くシナリオ」では、41年〜50年は0・86%のマイナス成長となる。

(4月16日  読売新聞)

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率直に言うとガッカリ・・・キーンさん、復興で苦言
[Saturday,March10,2012]

 「率直に言うと、がっかりしています」――。日本国籍を取得した日本文化研究者のドナルド・キーンさん(89)は、8日の記者会見で「鬼怒」の雅号通り、震災後の日本の状況にあえて苦言を呈した。
「日本人は力を合わせて東北の人を助けると思っていました」。会見で終始朗らかなキーンさんだったが、震災の話になると表情が引き締まった。そして、「東京は(電気が)明るい。必要のない看板がたくさんある。東京だけではない。忘れているんじゃないか。まだやるべきことは、いっぱいあると思います」と語った。
「わたしは今まで、ある意味、日本のお客さんだった」と振り返ったキーンさんは、国籍取得を機に日本の現状に意見を言うことも考えている。「もしいいことができるとすれば、私のためでなく、日本人のためだと思います」と話した。

(3月9日  読売新聞)

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枝野氏、東電国有化反対なら「経団連で出資を」
[Thursday,February16,2012]

枝野経済産業相は14日の閣議後記者会見で、東京電力の実質国有化をめぐって経団連の米倉弘昌会長から異論が出ていることについて、「経団連で金を集めて、民間で出資して(資金を)補ってもらえればそんなありがたい話はない」と皮肉った。
米倉会長は13日の記者会見で、「国有化というのはとんでもない勘違いをしている。国有化してきちんとした経営を行った企業は見たことがない」と枝野氏を批判していた。
枝野氏はまた、「民間会社は、基本的には一つは競争のあること、もう一つは失敗したらつぶれること」と定義した上で、東電について「実態として純粋な民間会社ではない」と指摘し、国有化に抵抗する東電首脳陣を批判した。

(2月15日  読売新聞)

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「東電、値上げを権利と勘違い」・・・経産相批判
[Friday,February02,2012]

古川経済財政相は31日、内閣府に東京電力の西沢俊夫社長を呼び、工場やオフィスなどの電気料金の平均17%値上げについて「景気への影響を危惧している」と伝えた。西沢社長は、政府が検討中の家庭向け料金の算定基準見直しを企業向けにも反映し、値上げ幅を圧縮する意向を示したが、4月からの値上げは予定通り行う考えだ。産業界からも批判の声が出ており、東電の今後の経営を巡る論議にも影響しそうだ。

 ◆対談
古川経財相は、昨年末に西沢社長が値上げ方針を発表した際、「値上げは(電力会社の)権利」と述べたことについても説明を求めた。西沢社長は「至らないところがあった」と謝罪した上で、「(経営)状況を説明し、顧客に(使用時間帯で単価が変わるなど)いくつかの料金メニューを提示して理解を得たい」と述べた。
今回の値上げ対象は料金が自由化された部門で、政府に指示する権限はない。古川経財相も値上げ幅抑制などの要請はしなかった。
一方、東電は今秋をめどに家庭向けの料金も値上げしたい考えで、これには政府の認可が必要だ。政府は東電のコスト削減を徹底させ、電気料金をなるべく抑えようと、原価を厳しく見積もる新たな算定基準を検討している。西沢社長はこれを企業向けにも適用して値上げ幅を圧縮する方針だが、4月からの17%値上げは「現時点で変えるつもりはない」と強調した。

 ◆打撃
値上げは企業のコスト増に直結する。ホンダの池史彦・取締役専務執行役員は31日の決算発表記者会見で「我々だって原材料が上がっても、いきなり車を1〜2割値上げしない」と不満をあらわにした。富士通の山本正已社長も「グループ全体として10億円弱の影響が出る」と強調した。
SMBC日興証券の試算では、平均17%値上げされると、2012年度の上場企業の経常利益の合計が、値上げしなかった場合に比べ1・5%減る。電気を大量に使う業界は特に危機感が強く、「鉄鋼業界全体のコストが年200億円増える。電炉業界は赤字になる」(日本鉄鋼連盟の林田英治会長)との悲鳴が上がる。
中小企業はさらに深刻で、中小企業が加盟する大田工業連合会(東京都大田区)の舟久保利明会長は「中小は電気代の値上げを製品に転嫁できるかどうかわからない。廃業するところも出るかもしれない」と不安を口にする。

 ◆影響
枝野経済産業相は31日の記者会見で、「(値上げの)根拠となる情報などの開示、誠実な交渉については必要があれば指示をしたい」と説明した。東電と政府の原子力損害賠償支援機構が3月に共同で策定する総合特別事業計画の認可に際しては、「東電の体質も評価する」と指摘。「『値上げは権利』と勘違いする感覚は電力の安定供給主体として適切ではない」と批判した。

(2012年2月1日  読売新聞)

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東電料金値上げの理由開示を・・・都が緊急要望書
[Saturday,January28,2012]

 東京都は26日、東京電力と経済産業省、政府の原子力損害賠償支援機構に対し、東電が打ち出した企業向けの電気料金値上げの理由を情報開示するよう求める緊急の要望書を提出した。
都は、保有するビル売却などで約100億円のコストを削減できると主張し、「十分な根拠が示されていない」としてコスト削減の中身などを示すよう求めた。

(2012年1月27日  読売新聞)

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東電の経営体質はお山の大将・・・菅前首相が批判
[Saturday,Decemmber24,2011]

菅前首相は22日、民主党政策調査会の会合で講演し、電力会社の発電部門と送電部門を切り離す「発送電分離」について、「発電・送電・配電全部が一体型というのは根本から変えるべきだ」と述べ、必要性を強調した。
原子力発電所事故の対応などで対立した東京電力については、経営体質を「お山の大将」と批判した。電気の周波数が東日本と西日本で50ヘルツと60ヘルツに分かれていることに関し、「首都圏を握る東電が、西からの攻勢を断固止めるのが目的かなと思った」と皮肉る一幕もあった。

(年12月22日  読売新聞)

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漁民が海賊兼業では近所迷惑である
[Saturday,Decemmber17,2011]

中国人と日本人が喧嘩をした。警官が来ると、中国人が言った。「喧嘩の発端は日本人が殴り返してきたことです」。早坂隆さん『続・世界の日本人ジョーク集』(中公ラクレ)の一編である◆日本人に設定することもない。どこの国の人が喧嘩の相手を務めても、ジョークは成り立つだろう。中国という国にはどうも、自分のほうから最初に繰り出した一撃は棚に上げ、被害者のふりをしたがるところがある◆韓国の排他的経済水域で違法に操業していた中国漁船の船長が韓国の海洋警察官を殺傷した。中国政府は謝罪もしていない◆「(中国漁民への)人道的な待遇を希望する」――中国外務省の参事官が韓国政府に注文を付けた記者会見の言葉を聞いて、中国漁船のほうが被害者かしら…と錯覚した人もいたはずである。近所で悪さをした子供は、親が頭を下げて回る姿を見て自分の行いを反省し、素行を改める。範を示すべき「親」たる政府がこのていたらくでは、「子」たる漁民は武装をさらに調えて、凶悪化するばかりだろう◆漁民が海賊兼業では文明国の名が泣く。泣くのは勝手だが、近所迷惑である。

(12月16日  読売新聞「編集手帳」)

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産経抄(12月7日付)
[Tuesday,Decemmber13,2011]

明日、開戦70年を迎えるあの戦争に国民を導いた要因の一つに政治家、軍人ら指導者の定見のなさがある。北方に国の活路を求める「北進」から突然「南進」へと方向転換する。米国の出方を見誤り、独、伊との三国同盟を結ぶ。それらが重なり悲惨な結果を招いたのだ。▲そんな政治家の定見のなさを今に受け継いでいるとしか思えないのが鳩山由紀夫氏である。首相時代、沖縄の米軍飛行場の移転先を「最低でも県外」と実行不可能な方針をふりかいて、混乱に陥れた。日米関係にも重大な亀裂を生じさせたのだった。▲それでもこのときは「学べば学ぶほど(米海兵隊の)抑止力が分かった」と殊勝に反省した。自民党政権時代の辺野古移設で米側と正式に合意、その上で退陣する。「宇宙人」の異名をとるこの人でも、学習効果はあるのだと思ったものだ。▲ところが、それから1年半の先日、講演での発言には驚いた。移設先について「辺野古以外の所を探す努力を続ける必要がある」のだそうだ。まるで「北進」から「南進」に転換し、もう一度「北進」に戻るようなものだ。日米関係悪化にも反省のカケラも見せなかったらしい。▲「宇宙人」の定見のなさや二枚舌には慣れている。しかし今は移設問題が重要な段階にさしかかっているときである。それなのに元首相が自ら決めた政府方針を覆すような発言で足を引っ張る。こんな政治がまかり通るようでは、日本は相当に危うい。▲今、鳩山氏がやるべきは、政治の世界から身を引くことだ。日米関係を修復しつつ沖縄県民に理解を求める困難な仕事をやり抜くには、混乱を招いた張本人が真に反省している姿を見せるしかない。それが世の常だ。

(12月7日<水>産経新聞)

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九電は認識が不十分・・・枝野経産相、改めて批判
[Monday,November21,2011]

枝野経済産業相は19日、九州電力の「やらせメール」問題について「九州電力は第三者委員会の出した結論・報告を受け止めるのが当然だ」との見解を示した。
そのうえで九電に対し「自らの不祥事について『自身では十分に検証できない』という認識が十分でない」と改めて批判した。東アジア首脳会議後、現地で記者団に語った。
第三者委が9月にまとめた報告書は、古川康・佐賀県知事の発言がやらせメール問題の発端だったと認定したが、九電は最終報告書に盛り込まなかった。

(年11月19日  読売新聞)

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暴言退治と言葉狩りの区別
[Friday,October21,2011]

戦時中、劇作家長田秀雄の戯曲『飢渇(きかつ)』が上演された。事前に台本を警視庁に提出したところ、以下のセリフが問題になった。〈奥さん、どうか一度だけ、接吻(せっぷん)させて下さい〉。「接吻」はけしからんと、その2文字が墨で消されて返ってきた◆検閲済みの台本で稽古をしたとき、俳優はグッと言葉に詰まり、「とても、これは言えません」と、演出家に泣きついたという。随筆家、車谷弘さんの『銀座の柳』(中公文庫)にある◆言葉は文脈のなかで生きている。一語を抜き出して「けしからん」と非難しても意味がない◆野党には“バカ”を問題視する向きもあるようだが、これを失言とみなすのはいささか気の毒だろう。「私の高校の同級生のように、逃げなかったバカなやつがいる」。津波の被害に触れて、平野達男復興相がそう発言したという。じかに聴いたわけではないが、どうして逃げてくれなかったんだ、ばかやろう…という気持ちならば、分かる◆向田邦子さんがある対談で語ったことがある。〈もし「バカ」が差別用語になったら、放送作家をやめるわ〉。暴言退治と言葉狩りの区別を忘れまい。

(10月20日付読売新聞「編集手帳」)

好きな言葉のひとつ『世の中で恐ろしいもの三つ「借金、バカ、雨漏り」』は?(引用者補記)

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東電賠償請求書に経産相「あぜん」、改善要求へ
[Thursday,September22,2011]

枝野経済産業相は20日、東京電力福島第一原子力発電所事故の賠償請求手続きについて、「分厚い書類でひんしゅくをかっている。私もあぜんとした。東電を厳しく指導したい」と述べ、東電に請求方法の改善を求める考えを示した。福島復興の要望で経産省を訪れた東北経済連合会の高橋宏明会長との会談で述べた。
東電は今月、被害者向けに請求書類一式を発送し、社員による説明会も始めた。ただ、東電の賠償請求書は60ページで、記入方法を説明した「補償金ご請求のご案内」は156ページに及ぶ。過去の給与明細やホテルの領収書などの添付も必要で、請求書以外にも「同意書」などの必要書類が複数ある。専門用語も多く、高齢者などから戸惑いや不満の声があがっている。

(9月20日 読売新聞)

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79歳女性 市へ1億円寄付「子供支援に・・・」
[Thursday,September8,2011]

埼玉県蕨市の無職佐野千恵子さん(79)が6日、「子どもたちのために役立てて欲しい」と、約30年間働いてこつこつとためた1億円を市に寄付した。市は佐野さんの名前を冠した基金を創設し、使い道を検討する。
佐野さんは群馬県生まれで、約40年前に同市に転居した。夫の房二さん(80)と共働きしながら蓄えた貯金を、これまでも児童のために寄付したことがある。
学校にも図書が満足にない小学生時代に、同級生の母親が本を次々と学校に貸し出してくれた思い出が寄付を思い立った原点にある。「本の物語にふれた時の感動を今でも忘れられない」と佐野さん。少しの援助が子どもたちに大きな力を与えることを知ったという。

(9月7日 読売新聞)

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苦難に耐えた世代に手を合わせたい
[Tuesday,August16,2011]

一升瓶の中の玄米を棒でザクザクと搗(つ)く。戦時中や終戦直後の映像に見る苦労を体験してみた。この単調な作業を何時間続けて、配給米を白米にしたのだろう◆拝んで分けてもらった屑(くず)イモを詰めたという、リュックと風呂敷包みも抱えてみた。合わせて5貫(約19キロ)。主婦の買い出し体験記から再現したそうだ。担げることは担げるが、遠方まで持ち帰る自信はない◆靖国神社に近い東京・九段の「昭和館」で、〈戦後復興までの道のり/配給制度と人々の暮らし〉と題した特別展を開催中だ。順路の最後に、必需品が手に入らぬ状況の大変さを、わずかながら身をもって味わえる◆昭和26年に電力会社が貼り出したポスターもあった。週に2〜3日の計画停電を行う、との告知である。見る人の多くが〈戦中・戦後〉の展示物の一つ一つを〈災中・災後〉と引き比べることだろう。今回の大震災をも凌(しの)ぐ苦境を、日本人は乗り越えてきたのだ――そう思うと勇気づけられる◆あすは終戦の日。神社や寺に赴き、〈この災厄も必ず乗り越えてみせます〉と胸の中で誓いつつ、苦難に耐えた世代に手を合わせたい。

(8月14日付  読売新聞編集手帳)

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的中した予言(22)
[Sunday,August14,2011]

(11)私は若いころ、賭博師と呼ばれていた。いまでは銀行家と呼ばれている。しかし、わたしは、いつも同じことをしてきただけだ。(サー・アーネスト・カッセル)[評 西嶋周二(「東京都市大学教授)]

(12)最高のCEOと呼ばれる人々は、会社経営が好きで、財界人円卓会議やオーガスタナショナルでゴルフをすることを望まないものです(ウォーレン・バフェット)[評 神谷秀樹(ロバート・ミタニLLC創業者)]

(13)「一」を立てると対立は終わらない(鈴木大拙)[評 岡村美穂子(元鈴木大拙秘書)]

(14)日本という素晴らしい国が、東洋において最も重要な国になると問題なく予言できる(ペリー提督)[評 蓑原俊洋(神戸大学教授)]

(15)今、(まっとうな、とか、ちゃんとした)言葉がない。誰も使わない(阿久悠)[評 鴨下信一(演出家)]

(16)正道を踏み国を以て斃るるの精神無くば、外国交際は全かる可からず(西郷隆盛)[評 山内昌之(東京大学教授)]

(17)未来は到来するまでは、誰にも分からない。ただ今日起きていることを注意深く観察すれば必ず未来への予兆がある(ピータ・F・ドラッカー)[評 野田一夫(多摩大学名誉教授)]

(18)日本は江戸時代のような姿になるのがいい(下村治)[評 中西寛(京都大学教授)]

(19)驢馬は旅に出ても、馬になって戻るわけではない(山本夏彦)[評 徳岡孝夫(ジャーナリスト)]

(20)国家というものが、最後のところで信じられなくてね(城山三郎)[評 井上紀子(城山三郎次女)]

(21)真面目ナル技術者ノ技能ヲ最高度ニ発揮セシムベキ自由闊達ニシテ愉快ナル理想工場ノ建設(盛田昭夫[評 石川好(作家)]

(22)政治を軽視する人間は、軽蔑に値する政治しかもつことができない(トマス・マン)[評 村田晃嗣(同志社大学教授)]

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被災地首長「立派なこと言うが泥かぶらない」
[Tuesday,August2,2011]

民主党の安住淳国会対策委員長は30日のテレビ東京の番組で、東日本大震災の復旧・復興で被災地自治体の首長から国政への不満が出ていることについて、「首長は増税しないのだから(批判されにくい)。国からお金をもらって自分は言いたいことを言って、出来なかったら国のせいにする。自分たちは立派なことを言うが泥はかぶらない。この仕組みは何とかしなければいけない」と批判した。
安住氏は、衆院宮城5区選出で、同番組では、「(被災者には)持って行き場のないストレスがある」と述べ、被災地の不満に理解も示した。首長への批判発言は、米国の州知事と日本の知事の課税権の違いを説明する中で飛び出したもので、復旧・復興を巡って政府・民主党の取り組みに対する批判が収まらないことに、いら立ちが募ったものとみられる。松本龍前復興相が岩手、宮城両県知事に「知恵を出さないやつは助けない」などと発言し辞任。安住氏の発言は、被災地から反発を呼ぶ可能性もある。

(7月31日  読売新聞)

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的中した予言(10)
[Monday,August1,2011]

(1)日本はなくなり、無機的な、からっぽな、ニュートラルな、抜け目がない経済大国が残るのであろう(三島由紀夫)[評 持丸博(「愛の会」初代学生長]

(2)「日本人は働き過ぎ」は怠惰なる欧米人の嫉視による宣伝である。かれらの謀略の臭いさえする(松本清張)[評 佐野眞一(ノンフィクション作家)]

(3)インダストリィは汚職する国家では興らない(司馬遼太郎)[評 養老孟司(解剖学者)]

(4)やってみもせんで、何がわかる(本田宗一郎)[評 伊丹敬之(東京理科大学教授)]

(5)人間の邪悪な心を変えるより、プルトニュームの性質を変えるほうがやさしい(アインシュタイン)[評 中原英臣(新渡戸文化短期大学学長)]

(6)日清戦争にはおれは大反対だったよ。なぜかって、兄弟喧嘩だもの、犬も喰わないじゃないか。(勝海舟)[評 半藤一利(昭和史家・作家)]

(7)日本といふのは、竹馬に乗った漢文口調、/いや舌ッ足らずの英国さ(中原中也)[評 水無田気流(詩人)]

(8)戦前の日中関係が一言にしていえば「強い日本・弱い支那」であったとすれば、今日のそれは明らかに「強い中国・弱い日本」の方向にむかっている(若泉敬)[評 谷内正太郎(早稲田大学教授・前外務次官)]

(9)僕は英語を覚えるためにアメリカに行くわけじゃない。野球をやりに行くんです(野茂英雄)[評 二宮清純(ジャーナリスト)]

(10)アメリカが助けに来てくれる保證はどこにもない(福田恆存)[評 佐藤松男(現代文化會議代表)]

(文芸春秋、2010年8月号より)

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復興期の精神
[Thurday,June16,2011]

日本のリスクは、日本人である。「被害者に失礼だ」「現場は必死に頑張っているのだ」と、まなじりを決する方々が多く出てくるだろう。そういう方々こそが、日本のリスクなのである。
そのような方々は、普段は日本の社会インフラを一生懸命支えてくださっている方々に違いない。しかし、その背後には、現場の頑張りに寄り掛かり、現場を称賛する世論を作り出して批判を逸らそうとする、情報分析能力と決断能力のない高給取りたちがいる。決断するのが仕事のはずの人たちが、会議をするだけで決断せず責任を取らない。「プランB」を作れないから、都合の悪い情報は握りつぶす。これが日本リスクである。
無理あるシステムを現場が頑張って維持することが、無能な幹部を温存する。その見返りに幹部は現場がやり易いようにそれなりの「配慮」をしているのだろう。当人たちにとっては最適の状態が、大きな圧力が外部からかかった時、破綻し、国民全体にリスクが降りかかる。
日本にそれなりに優秀な専門家がいないではない。しかし専門家の独立した判断を「デマ」と退ける強い力が、政府、企業、財団といった「業界」に属する人々から盛大にかかってくる。匿名の脅しが横行する。それに屈し、先走って意を汲んで判断を曲げる弱い個人が、大多数である。結局は、その程度の専門家は、「優秀」とは言えないのである。日本人の忍耐力と秩序は素晴らしい、既存の組織を巧みに運用して、壊れたインフラの代替や被災地への物資供給が進んでいる、といった「大本営発表」を政府が行い、メディアは率先して従う。人々が信じたいことを伝えるのが日本の大メディアであり、りスクを増幅する。
確かにBBC、CNN、ニューヨーク・タイムズなど、英語圏の主要メディアでは、日本人の集団としての忍耐強さに、賛辞を贈る論調もある。しかしこれはサッカーで例えれば、試合開始冒頭からいきなり5点・10点と取られていき、監督が役に立たないことは皆が知っており、捨て身の防御で退場者を出した、という状態である。それにも拘わらず試合終了間際になって態勢を立て直して何点か取り返している。試合はすでに負けているのになおあきらめない意思の力に称賛を贈っているのである。それで喜んでいてはいけない。国家、経済単位としてに日本への信頼性に大きく傷がついたことは間違いない。負け試合の終わりのころの得点を英語でconsolation goalという。「慰めのゴール」。的確な表現の残酷さに、日本の言論人は耐えられない。それが日本のリスクである。日本のリスクが日本人であるとすれば、この日本人を変えていくしか、難局を乗り越える道はない。
まず、東京に寄り集まって、本社にしがみついていないと出世できない会社や組織はつぶれてしまえばいい。始終顔を突き合わせて、同質化圧力をかけ合っているから、良い知恵が出ないのだ。個人と企業が自らの知恵と労力を絞って全国各地に、世界各国に資産と活動の拠点を分散しておけば、東京に電気が来ない、放射性物質が来る、となても困ることはない。
大企業はこれを機会に、海外拠点への機能移転を進めるだろう。それでいいのである。各国のグローバル企業ならとっくにどこでもやっていることだ。国内の雇用を守って競争に敗れるのでなく、海外に出て日本企業を動かしていける日本人を飛躍的に増やすことだ。そのために私も大学で尽力していく。
寄りかかる「お上」が頼りなく、拠りどころと信じていた所属する「業界」が不可抗力に晒されて崩壊・雲消霧散しかねないと気付いた時に、日本人はやっと「自らの心」という内なるリスクを知るのではないか。それ以外に日本が立ち直る道はない。
筆者は3月11日から、エジプトのカイロで調査を調査を行っているところだった。BBC,アル・ジャジーラ、NHKを通じて、地震・津波の発生と原発事故の進展を確認してきた。日本政府・東電が不確かな希望的観測に基づく「最善のシナリオ」を示し続け、NHKが異議を唱えずにそれを報じ、次から次へと現実によって覆されていったことで、日本の政府と国家とメディアの信頼性は、劇的に低下した。今や日本政府が「もしこの情報が正しければ」という断りを付して論じられる始末である。日本の技術が素晴らしい、などという評価は吹き飛んだと思い知るべきである。「日本=危険」という深く刻み込まれた印象は、科学技術、農産物、観光、不動産、証券取引等々今後あらゆるところでつきまとってくる。
3月24日の段階では、東京の職場では研究活動に多大な制約が出ている。私としては、カイロに暫定的に研究室機能を移転する手を打ち、エジプトから中東政治分析を継続している。中東は極めて重要な変化の過程にある。ここから目を離し、取り残されることは、研究者個人としても、そして国家としても、致命的な打撃である。
少なくとも私に関する限り、震災による研究事業の阻害・停滞は最小限で済んだ。1月以来、ウェブ媒体を通じて、中東分析レポートを頻繁に発信してきているが、このレポートの精度は、時差がなく現場に近いことで、むしろ上がると思う。
各自がいまそこにいる場所で、保身と組織防衛に労力を費やすのを止め、業界の官僚的しがらみから自らを解き放ち、「亡命暫定政権」を立ち上げればいい。そこから日本の復興は始まる。

(文芸春秋5月特別号 池内恵<東京大学教授>)

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評論家・屋山太郎 公約通り公務員給与2割削減を
[Friday,June3,2011]

≪財源なしでもやれる公約実現≫

 菅直人首相は福島第1原発の事故に紛れて、いたずらに政権を長引かせている。菅政権の使命は、2009年衆院選で打ち出したマニフェスト(政権公約)を実行することだった。国民も、民主党の「天下り根絶」と社会政策を充実させるための諸公約に期待した。ところが、現実には天下りは野放し状態である。社会政策は、子ども手当にしろ高速道路の無料化にしろ財源の裏打ちが全くないことが判明した。東日本大震災の復興費調達の大義名分の下、公約取り下げが相次いでいるが、財源なしでもやれる大きな政策がある。
それは、「公務員給与の2割削減」である。片山善博総務相は、「11年から13年まで公務員給与を1割削減する方針」を国家公務員の2つの組合に申し入れ、連合系組合の了承を引き出した。1割削減の次にもう1割削減が続けば、公約実現ということになるが、公務員給与の問題は実は給与削減だけで終わる話ではない。公務員制度の抜本改革に結び付けなければ、官僚の宿弊は解消できない。
東京電力への経済産業省官僚の天下りが奇っ怪な監督官庁と業界の癒着を生み出し、国家の信用を失墜させた。原子力ムラの癒着体質は他の天下り問題と同根だと知るべきだ。給与削減も公務員制度の改革も天下りと同一線上の問題として捉えなければならない。
民主党は、給与削減を盛り込んだ給与法改正とともに、(1)人事院に代わる公務員庁の設置(2)労働協約締結権の付与(3)内閣人事局の設置−など国家公務員法にかかわる一連の改正案を国会に提出する予定である。しかし、これらの改正はいずれも、抜本的な公務員制度改正に結び付くものではない。

≪制度の抜本改正につなげよ≫

公務員賃金は1948年以来、「スト権、労働協約締結権を禁止する代わりに、人事院が賃金を決定する」方式で定められてきた。人事院は、従業員50人以上の民間企業7千事業所の賃金を調査し、その平均額を「人事院勧告」(人勧)として発表、政府はそれを受けて毎年、国家公務員の賃金を決める。俗に“民間準拠”といわれるやり方だ。優良企業を賃金の基礎とするから、国家公務員の給与が全民間労働者の平均よりはるかに高く設定されるのは当然だ。
一方、地方公務員は、県も市町村も自治体ごとに設けられた人事委員会が、地場企業を調査して平均賃金を出す仕組みになっているが、これを実施している自治体はほとんどない。国家公務員の人勧に準じて横並びで給与を決めている。東京と鳥取では生活費や賃金に差が出るのは当たり前で、片山総務相は鳥取県知事時代、県の給与を切り下げたことがあるが、こんなケースはごくまれである。
むしろ、裏で特殊手当などを付けるから、地方公務員の方が国家公務員よりも高額給与になっているのが実態だ。給与に準じて年金も上がるから、年金額は地方公務員が最高で、国家公務員よりも月に2万円ほど多い。民間は常にその下だから、日本はまさに公務員天国なのである。その天国を担保しているのが人勧制度なのだ。

したがって、1割削減とともに人勧制度を廃止し、国は省ごと、地方は自治体ごとに当事者と賃金交渉をして決めるべきなのだ。現に全先進国が当事者と組合との交渉で賃金を決めている。かつて総評(後の連合)はスト権を寄こせという「スト権スト」を打ち、全国の列車を8日間も止めたことがある。いま連合はなぜスト権を寄こせと言わないのか。人勧制度により高賃金、公務員天国が保障されているからにほかならない。

≪名前変えた「人勧」はペテン≫

給与の1割削減には応じるが、人勧制度をいじってほしくない。この連合の思惑に応じ、民主党は人事院を廃止し、「公務員庁を設置」する詐術を編み出した。公務員庁が民間準拠の賃金を発表すれば、従来の人勧制度が名前を変えて、そのまま存続するわけだ。
世間の常識では、こういうのをペテンという。1割削減で浮くカネは3千億円弱にすぎない。未曽有の国難だから、この3千億円を寄付はするものの、改革には全く手を付けない、ということだ。
自民党政権の末期、公務員制度改革は、(イ)年金をもらうまで定年を延長する(ロ)その代わり、幹部に限って、人事評価を行う「内閣人事局」を設置し、昇給、降格、給与の査定を行う−ことになっていた。この改革を主導したのは、安倍晋三首相と渡辺喜美行革担当相(現「みんなの党」代表)である。関連法案は次の福田康夫首相の時に成立したが、後継の麻生太郎政権にかけて骨抜きにされた。怒った渡辺氏は党を出た。
脱官僚、天下り根絶を叫ぶ民主党政権になれば、改革は進むと期待した。が、公務員制度の改革を嫌う連合と人事院制度の存続を願う官僚が結託、実質は全く変えず3千億円の目くらましで国民を騙そうという。これが民主党政治の実態か。党内にはなお天下り根絶や人勧制度の廃止を叫ぶ勢力が残っているが、民主党ではもはや改革を実現する力はないだろう。(ややま たろう)

6月1日産経MSN「正論))

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自然にさからわず、歴史によりそって
[Monday,April16,2011]

被災地では、瓦礫がとりのぞけられています。仮設住宅をたてることも、いそがれているようです。いずれは、本格的な復興事業もはじまるでしょう。
このさい、人があつまりすむ場所立地は、もういちど考えなおしたほうがいい。津波のおしよせやすいところは、さけられないものでしょうか。海岸ぞいはひかえて、山手の、できれば高台になっているところへ、うつしたいものです。
もちろん、いままでより立派な防波堤ももうけて、海のそばでくらしつづける手はあります。こんどの津波をもおしかえする堤防ができれば、既存の集落立地でもかまわないでしょう。
しかし、そういうばかでかいものをこしらえることに、私はためらいをおぼえます。自然へいどみのりこえようとするかまえも、ほどほどにしたほうがいい。あらぶる波から身をかわすことも、考えなければならにのではないでしょうか。
海にそって、巨大なダムをほうふつとさせる堤が、えんえんとつづいていく。あまり見たくない光景です。自然をかいならそうとする。そんな人間の思いあがりを見せつけられてようで、たじろぎます。それに、見てくれだって悪いでしょうしね。
山手の高台にうつりすむのは、たいへんかもしれません。これまでのくらしをかえるわけですから、しりごみをする人は多いでしょう。土地の利権にからむややこしいあれこれも、たちはだかってくると思います。
私に移住を強制する権利はありません。また、その立場いるわけでもない。ただ、自然にはさからわない生き方もあると、そう念じるのみです。
復興にあたっては、傷ついた心のてあてもいるでしょう。なくなった人々、失われた街への想いをよせる、そのよすがとなる目じるしもほしい。いずれは、慰霊碑のようなものも、検討されるはずです。
建築家や彫刻家はここぞとばかりに腕をふるうかもしれません。とんがった造形のモニュメントだって、提案されるでしょう。
そういうものをたてるなとは、言いません。しかし、人が心のよりどころとするには、お寺や神社のほうがいい。ながい歴史のなかで、われわれはそのたたずまいになじんできました。すなおに頭をたれ、手をあわせる気持ちも、わきやすいのではないでしょうか。
アーティストたちがひねりだす造形にも、私は人類の増長ぶりを感じると思います。こんな時にも、お前はデザインで勝負をしたいのか。そう彼らをなじりたくなるに、ちがいありません。災害時の慰霊にさいしては、伝統的な形にたよりたいものです。
まあ、今の憲法は、宗教と行政があゆみよることをいましめています。どこかの宗教がたてる寺を、公的な資金でささえるわけにはいかないでしょう。その意味では、抽象的なモニュメントのほうが、手をさしのべやすいわけです。
だからこそ、寺や神社、とりわけ寺にはがんばってほしい。被災者たちの心がよりそえる施設を、自力でもうけてもらいたいものです。親鸞の七百五十回忌をいとなむゆとりがあるのなら、本願寺にはできるでしょう。草葉の陰にいる親鸞も、自分へのいわいごとより、そちらをよろこぶのではないでしょうか。
なにも、浄土真宗にかぎったことではありません。また、心のよりどころとなるのは、寺の外形だけでもないでしょう。お坊さんたちの力が、仏教そのものが、これからはもとめられるかもしれないのです。
いわゆる仏事で、檀家にささえてもらう。じり貧となっているそんな状態からぬけだす糸口に、今回の震災はなるはずです。でも、被災地でがんばるお坊さんたちは、既成教団からうとんじられるんでしょうね。はねっかえりの、おっちょこちょいとして。そして、本願寺では、にぎにぎしく親鸞がたたえれるのかなあ。
やはり、慰霊の形を考えるのは、建築家たちになってしまうかもしれませんね。

(井上章一(国際日本文化研究センタ教授)「自然にさからわず、歴史によりそって」文芸春秋五月特別号より(注)太字化は引用者による)

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再びロックンローラーのシャウト!
[Saturday,April123,2011]

・・・・「東日本大震災!!」2万人以上の人が亡くなり行方不明!!ライフラインは止り、列車も道路も家も老人ホームも学校も全てが「TSUNAMI」にのみこまれ、そして「原発事故」。日本の危機が始まった!
政府はどう対処したか?防災服を着て右往左往しているだけ!
(A)決死の消防士に「放水しないと処分する」!?
(B)民主主義を守るため地方選挙は絶対に行う!?
(C)水や野サイは乳児以外は大丈夫!?
(D)計画停電にゴキョウ力を!?ナイターもロックンロールも少しお休み!?
(E)チェルノブイリ。スリーマイル島。原子力発電所と核のキケン性を政府も官リョウもほとんど自覚していなかった!「ベクレル」!「Bq]はフランスの物理学者の名にちなむ放射線の量を表す単位。放射線の人体へのエイキョウを表す単位は「シーベルト Sv」。放射性セシウム137、100ベクレルは1.3マイクロシーベルト。こんな専門用語は科学者以外政府で知ってる人間なんかいなかったろう!「ヒロシマ」「ナガサキ」を一体何だと思ってるんだ!?
(F)素人集団!イイカゲンにしろ!政治家は給料の50%を寄付しろ!「ハトヤマ」は10億円寄付しろ!イチロー、ダルビッシュも行動した!AMURONAMIEも行動した。SON正義もユニクロもビートたけしも所ジョージも行動した!久米ヒロシもも行動した!「KANKOKU」も「中国」も「TAIWAN」も「アメリカ」も「ロシア」も世界中が行動した!政治家サン、スグに被災地にキューエン物資を持って行け!!人間として!
ロックンローラの「HIRO」はスグに小名浜、気仙沼、仙台に、トラックで物資を届けた!!
俺も「ハチ公前」「OSAKA」「徳島」で「パワー トゥ ザ ピープル」を歌いながら「HELP!基金」を集めている!!
「今Rockがヤレルコト!言葉よりアクション!!」
ロックンロール!

(内田裕也(ロックンローラー)「再びロックンローラのシャウト!」文芸春秋五月特別号より(注)太字化は引用者による)

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つましくしないと日本はもたない
[Wednesday,April13,2011]

東京都知事選で4選を確実にした石原慎太郎氏は10日夜、都内の事務所で「4選して何をやるかと言ったら、同じ事をやるしかない。プラスアルファで災害対策だ。東京は日本のダイナモ。東京が止まれば日本も止まる。日本はこれから大変だ。我欲を抑えて、自分の生活をつましくしないと日本がもたない。日本人全体がスクラムを組みながら肩を組んでやろう」と述べた。

(4月10日 読売新聞)

「パチンコ我慢、自販機なくても」石原氏持論

東京都知事選で4選を確実にした石原慎太郎氏は10日夜、都内の事務所で報道各社のインタビューに応じ、東京電力福島第一原子力発電所の事故による電力不足について、「パチンコと自動販売機で合わせて1000万キロ・ワット近い電力が消費されている国は日本以外にない。こういう生活様式は改めたほうがいい。(節電のために)国は政令を出せばいい。パチンコする人は我慢なさい、自販機がなくても生きていける」などと持論を展開した。

(4月10日 読売新聞)

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「フクシマ50勇士」世界が原発作業員を称賛
[Wednesday,March23,2011]

海外のメディアからは、福島第一原発の危機回避にあたる作業員らの行動をたたえる報道が相次いでいる。

◇米ニューヨーク・タイムズ紙が15日、原発にとどまって危機回避の作業を続けた東京電力の社員ら50人を「最後の砦(とりで)」として取りあげた後、メディアは「フクシマ50」という名称を使い始めた。英スカイニュース(電子版)は、日本人の少女がネットの簡易投稿サイト「ツイッター」に「お父さん原発行っちゃったよ。母さんがあんなに泣いたの初めて聞いた。お父さん、生きて戻ってきて」と書き込んだ内容を紹介した。(ニューヨーク 吉形祐司)
◇中国では「福島50勇士」などと呼ばれている。国内のインターネット上では、「日本の勇士に敬意を表する。現代の人類の英雄だ」などと称賛の声が多く寄せられている
中国紙「中国青年報」は21日、「福島決死隊、現代日本の武士」と題して紹介。「原発で管理に当たる『決死隊』は、日本ばかりではなく世界も救うという重大な任務を担い、最高の称賛を受けている」とたたえた。(北京 関泰晴)
◇21日付の韓国中央日報は、外部からの送電線をつなげる作業に、東京電力のほか東芝や日立製作所の社員が危険を顧みずにあたっていることに焦点をあて、「希望の電力つないだ」と報じた。(ソウル 門間順平)

(3月22日  読売新聞)

⇒(関連)
東京電力福島第一原子力発電所の事故をめぐり、福島県の佐藤雄平知事は22日午前の県災害対策本部会議で、東電から清水正孝社長による謝罪訪問の申し入れがあったが、断ったことを明らかにした。
佐藤知事は「おわびに伺いたいと面会の申し入れがあったが、県民の不安、怒り、憤りは極限に達している。おわびを受ける状況にないので断った」と説明した。その上で、東電側に「社長以下、死力を尽くして一刻も早く事態の収拾にあたるべきだ」と伝えたことを明かした。

(3月22日 読売新聞)

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「老境」
[Friday,January7,2011]

「・・・そうだ。老境は自然にくるのだね。それも若い時壮年の時代を通じて、ものの本質を見極めつつ本当に生きぬいたものが、いつか入ってゐる境地だと思ふ。心敬とか俊成とか世阿弥や芭蕉のやうに懸命にその時々を生きつづけたものに来るんだね。誰にでも来ると1いふものではないよ。・・」

(桜楓社 角川源義 福田甲子著「飯田蛇笏 人と作品」より)

尚、飯田蛇笏は「昭和16年6月に次男病没、同年11月に母、ガンで死亡、翌17年1月に父死亡、昭和19年12月長男レイテ島にて戦死、昭和21年5月三男外蒙古にて戦病死、他に生後15日で、女児を亡くす」時を持っている。(補注 引用者)

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韓国日本を“反面教師”に「力なき正義、国家間に通用せず」
[Wednesday,September29,2010]

韓国各紙は25日、中国人船長の釈放について「“パワーチャイナ”が現実になる」(朝鮮日報)、「“17日間の領土戦争”日本、中国に白旗」(中央日報)などの見出しを掲げ、日本外交の敗北を大々的に報じ、中国に対する強い警戒感をあらわにした。韓国政府や外交専門家らは、日本の“屈服外交”を反面教師として、今後の外交政策に生かそうと注視している。

各紙は、日本が中国の圧力に屈した決め手として、ハイテク機器などの製造に欠かせないレアアース(希土類)の対日輸出措置を指摘。中央日報は、韓国が昨年2600トンのレアアースをすべて中国から輸入した事実を挙げ、「中国が輸出を制限する“資源武器化”戦略を取り、産業界も尻に火がついた」とし、今回の事態は「他人事ではない」と強調した。

また、韓国は東シナ海にある離於島(中国名・蘇岩礁)をめぐり中国側と争っている。このため、衝突事件を踏まえ「あらかじめ段階的な対応策を準備するよう韓国の外交官たちに注文したい」(中央日報)との論調が多い。

朝鮮日報も「強大国が資源を武器に経済報復に出るときだ」と題する社説で、「中国は国際社会で大国としての責任と役割には関心がなく、自国の利益だけに執着し影響力拡大にだけにこだわっている」と非難。「こうした中国に、もまれて生きなければならない未来を、韓国ももっと切実に考えるべき時だ」と警鐘を鳴らしている。

東亜日報は「中国の強硬圧迫に降伏した日本」と題する社説で、「大国主義と中華思想が強い中国が、経済力と外交力を背景に国際舞台で発言力を強めつつある現実は、われわれにもっと緊張しろという信号を送っている」と指摘。「国家間に力のない正義が通用することはほとんどない」と警告している。

韓国の外交専門家は「韓国は今回、日本の対応を注視していた。独島(日本名・竹島)をめぐる領有権問題などに今後、応用できるからだ」としている。

(9月25日 産経ニュース)

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9・24は「国家屈辱記念日」
[Monday,September27,2010]

那覇地検が今回、中国人船長を処分保留にした理由について、「わが国、国民への影響や、今後の日中関係を考慮した」と指摘しているように、この措置は、決して法に基づいた司法上の判断ではなく、むしろ中国に対する「政治的配慮」の結果であることは明らかである。

中国の温家宝首相が21日に日本の対応を批判して船長の釈放を強く要求、「さらなる対抗措置をとる」と脅しをかけた直後に行われた決定であり、中国政府の圧力に屈した結果であることに疑う余地はない。

そしてこのことは、中国側から見れば、単なる一地検の問題ではなく、日本国家全体が中国にひれ伏して降参したことになるのである。

菅直人首相が24日(日本時間)、訪問先のニューヨークでこの件に関して、「今はいろんな人がいろんな努力をしている。もう少し、それを見守る」と述べたことも看過できない。

同じ日に処分保留が決まっているのだから、菅首相の言う「いろんな人が努力している」ことの結果と理解できなくもない。もしそうだとすれば、結局、日本政府が那覇地検に何らかの圧力をかけて「処分保留・釈放」の決定を促したことにもなる。

つまり日本政府は、法治国家としての誇りも原則も捨てて、日本の領土保全をないがしろにしてまで、中国にひざまずいて降参したといえるわけである。

平成22(2010)年9月24日という日は、日本にとって戦後最悪の「国家屈辱記念日」になるだろう。

今回の決定は、日中関係と日本の安全保障に多大な禍根を残す。国家の領土保全と主権にかかわる問題で日本政府があっさりと降参してしまった以上、中国共産党政権はもはや日本を独立国家として、対等な交渉相手とはみなさないはずだ。

圧力をかければ折れてくるような相手だから、何かことがある度に中国は圧力をかけてこよう。日本政府には自らの領土を守り抜く覚悟がまったくないことが分かってしまったので、これからは「領土問題」を提起して日本を圧迫してくるに違いない。

そして、東シナ海における中国海軍の活動がますますエスカレートし、日本の海の安全は日増しに脅かされていくのだ。

今回の「非合法的」政治決定は、日本の中国への属国化に道を開いた売国行為以外の何ものでもない。

(9月25日 産経MSNより)

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「宣告に奮起」・・・わたしの医見
[Tuesday,Aug17,2010]

先日、「すかたん」医師の受診を打ち切ることにした。「すかたん」とは、見当違いのことをしでかした人を、ののしる言葉だ。

 人生の本舞台はこれからと張り切り、その医師に「あと10年は元気で生きたい」と申し出たところ、「それは無理。長くても5年が限度」と言った。死の宣告を受けたのは、齢(よわい)80にして初めてのことだ。希望も予定も断ち切られた感じで、目標を見失った。

 しかし、これではならじと心機一転、見返してやろうという意気込みがわいてきた。これからの10年が面白い。どちらが勝つか、綱引きのスタートだ。決して負けられない。

(7月25日 読売新聞 「わたしの医見」 愛知県 男性80)

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普天間問題 鳩山首相の責任
[Friday,may28,2010]

 ◇政府案発表と同時に辞任せよ

 本来その地位の人物に備わるべき威厳と、現実とのアンバランスがこれほど拡大した例があっただろうか。「最低でも県外」の公約実現に「命懸けで」「職を賭す」はずの鳩山由紀夫首相が、「やっぱり県内」にひょいと乗り移って、「沖縄の理解を得たい」という。もはや国民の代表を名乗る資格はない。

 首相が米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先を「名護市辺野古付近」と通告した23日の政府・沖縄会談は、この問題の複雑さと相いれないほどあっけなかった。

 ◇伝わってこない葛藤や高潔さ

 仲井真弘多知事に促されてぎこちなく腰を下ろした首相は、用意した文書を淡々と読み始めた。取ってつけたような「昨今の朝鮮半島情勢」、お決まりの「断腸の思い」。首相の所作から、リーダーならではの深い葛藤(かっとう)や、自らの不手際を恥じる高潔さは伝わってこなかった。首相にとって沖縄への思いとは、スーツから、かりゆしウエアに着替える程度のことだったのではないか、とすら思った。

 96年2月の日米首脳会談で普天間の返還を初めて提起した橋本龍太郎元首相(06年7月死去)は、クリントン大統領の顔を見るまで言い出す決心がつかなかったという。晩年にインタビューした時、橋本氏は「ノーと言わせたら、一発で終わる。だから本当に迷いに迷った」と振り返った。橋本氏の回想には政治指導者が乾坤一擲(けんこんいってき)の勝負に出る時の緊迫感があった。それに比べて、鳩山首相はどうか。

 移設候補に挙がった鹿児島県・徳之島の3町長に滝野欣弥官房副長官が電話を入れたのは4月20日だ。理由を問われた首相は「滝野さんに聞いてください」と人ごとのように語った。最もデリケートな交渉事を、仮に滝野氏が独断で進めていたなら更迭に値する。しかし、滝野氏がとがめられた形跡はない。真実は、首相がひきょうであるか、無責任であるかのどちらかだ。

 万策尽きて辺野古回帰案が新聞をにぎわし始めると、首相は「あの海を埋め立てるなんてたまったものじゃない」と否定した。結果はどうか。吹けば飛ぶようなトップの発言を連日聞かされる国民こそたまったものではない。

 首相はたびたび「そのような思いで」と語る。動機を強調するレトリックだ。私はここに鳩山氏の特異な精神構造が潜んでいるように思う。

 善意から出発した取り組みならば、結果を伴わなくとも免責されるという身勝手な思考だ。失敗しても自らを正当化する。動機が善であるとの過度の思い込みが、一方的に国民の忍耐に甘える姿勢を生み出しているのではないか。

 ◇判断力の欠落は政治家として罪

 マックス・ウェーバーの「職業としての政治」には「政治とは、情熱と判断力の二つを駆使しながら、堅い板に力をこめてじわっじわっと穴をくり貫(ぬ)いていく作業である」という有名な一文がある。

 首相に欠けているのは判断力だ。ウェーバーは、判断力について「物事と人間に対して距離を置いて見ること」と定義し、距離感を失うことは政治家として「大罪の一つ」と説いている。首相は間違いなく大罪を犯した。

 沖縄の過重な基地負担を思って、首相の挑戦を擁護する見方もあるだろう。しかし、ことは主権国家同士の交渉だ。約束を積み上げて妥協を引き出すセオリーに反して、過去の政府間合意を平気で白紙に戻すような政権は、外交の世界で相手にされない。

 8カ月間にわたる迷走は、普天間移設にかかわるすべての当事者を傷つけた。沖縄の期待感をあおったつけは、琉球の歴史にまでさかのぼって沖縄と本土との溝を広げた。日米関係の不毛な停滞は、得べかりし国益を損ねた。

 今さら辺野古への移設を求めても、鳩山氏が最終責任者でいる限り、政治的には不可能に近い。そうなれば、06年の日米合意にパッケージで盛り込まれている嘉手納以南の基地返還も遠のき、普天間の危険性は固定化される。首相が全国知事会との会合を27日に設定したのもおかしい。一番先にやるべきなのに、土壇場で負担軽減の協力を求めるセンスが理解できない。

 問題はすべて場当たり的な首相の食言に起因する。民主党は、自民党政権での首相のたらい回しを批判してきたのだから、本来なら衆院を解散し、改めて政権を選択してもらう局面だろう。ただ、もはや首相に解散権を行使する権威はない。首相に残されている道は、政府案の発表とともに引責辞任することだ。

 結果責任を負えば、政治道徳が芯まで腐るのを、いくらかでも食い止められる。

(毎日新聞「記者の目」古賀攻(政治部))

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歌人 竹山広さん
[Saturday,April2,2010]

〈踏めりしは死体のいづこなりしやとこよひ高熱のこころ凍るを〉。死体を踏んで歩いた、その感触が足裏に残る。あれは腕であったか、顔であったか…◆歌人の竹山広さんは25歳のとき、結核で入院していた長崎市内の病院で被爆した。安否の知れぬ兄を捜し、地獄絵図のなかをさまよったときの記憶だろう◆〈面倒なことだが孫よ人間はベッドでひとりひとり死ぬのだ〉。歌の背後に、ベッドで死ねなかった無数の人々がいる。告発も、あらわな怒りもないだけに、悲しみはいっそう深く染みとおる。竹山さんが90歳で死去した◆どの歌も、声に出して読んでみたい流れる調べのなかに、しんとした静けさがある。たとえば、〈わが傘を持ち去りし者に十倍の罰を空想しつつ濡(ぬ)れてきぬ〉、あるいは〈ヨン様がゐぬチャンネルに切り替ふる心のせまき老人われは〉といった、諧謔(かいぎゃ)に富む歌の場合もそうである◆サクラの季節に逝った人に、その花を詠んだ歌があった。〈さくらよりさくらに歩みつつおもふ悔恨ふかくひとは滅びむ〉。人間の愚かさが行き着く果てを見届けた人だけが持ち合わせる静けさだろう。

(4月2日付  読売新聞編集手帳から 標題は引用者による)

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芸術家 佐藤勝彦の詩(2)
[Thursday,January14,2010]

死人に出会うと、ホッと自分をとりもどすことができる。ハハーン、ああなるんや自分も・・・・・・なんや、へんてつも
ないことや。そう思うたら、人生が楽になってきた。ホイホイ、なんや。ホイホイ仕事いしとうなってきた。
ほいほい、なんや、体軽うなってきた。生きとるうちにやらしてもらお。

(紀野一義著“「般若心経」を読む”より孫引き)

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芸術家 佐藤勝彦の詩
[Sunday,January2,2010]

生きとるちゅうことは
すばらしいこっちゃのう
苦があろうと
非があろうと
今こうして
体うごいて
呼吸させてもろうとる
この今があるちゅうこと
やっぱし
どえらいこっちゃ

(紀野一義著“「般若心経」を読む”より孫引き)

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日本国がぶっこわれていく?
[Monday,September7,2009]

・・・・・政策抜きで「政権交代」を連呼するだけのどぶ板選挙戦術が成功する国とは、政治文化が恐ろしいほど貧しい国ということでもある。・・・・この選挙、思い返せば返すほどその中味のなさに唖然としてしまう。・・・世界一の財政赤字大国(800兆円に及ぶ長期債務)なのに、それに加えるに補正予算で14兆円ものバラまきをやったばかりの自民党が、民主党のマニフェストを「バラまきばかり」と批判するのもおかしな話で、思わず、笑ってしまった。
だが、笑えないのは国民で、GDPの170%超という世界の財政史上類例がないほどの規模に達してしまったこの長期債務をいったいどうするつもりなのか。この将来の日本にとって最大の難問に、今回の選挙で、両陣営のどちらからも一回も真剣な議論が聞こえてこなっかった。・・・・・800兆円も長期債務を抱えていると、金利が1%動くだけで、8兆円もの支払い増がたちまち生じるからだ。・・長期債務問題がどれだけ大きな話かすぐに分かるだろう。それ抜きでいい話をどんなにならべても民主党の政策などすべてが画餅に帰すおそれがある。
責任政治とはそういう重大問題から眼をそらしたり、問題の先送りをしないことなのだ。
小泉は「自民党をぶっこわす」と宣言して、・・・・その一方で、選挙民には、選挙の当座もっともらしいことを並べ立て、あとはテレビを通じてのプロパガンダを繰り返して、選挙民をたぶらかしてしまえば、ランドスライド的大勝を博することが可能ということを05年の小泉郵政選挙は示した。
今回は、すこし違う形ではあるが、国民はまたもや両党派が作った、本質とはずれた争点にたぶらかされて、今の日本が本当に置かれている危機的な状況とは別のところに視点を誘導されている。・・・・・・・
今、最大の心配は、自民党の、「ぶっこわれ過程」にまきこまれる形で、「日本国のぶっこわれ過程」がはじまってしまったのではないかということだ。
この民主党のランドスライド的大勝利とそれがもたらすもの(民主党の甘い未来予測と大衆にばらまいた甘言の数々)が「日本のぶっこわれ過程」をポイント・オブ・ノーリターンまで押し進めてしまうのではないか、という恐れだ。
民主党を含む日本の野党には、口先だけでもっともらしいことをならべたてた経験はあっても、責任政党として国政を現実に取り仕切った経験がない。・・・・新政権はその無経験さを自戒する気持ちで、これからの一歩一歩を薄氷を踏む思いで歩いていかないと、日本国を本当に破滅させてしまうだろう。

(週刊文春9月10日号 総選挙特大号 立花隆「自民党の“破滅”より)

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中西輝政氏の『なぜ国家は衰亡するのか』(PHP新書)
[Sunday,August30,2009]

中西輝政氏の『なぜ国家は衰亡するのか』(PHP新書)に「大英帝国衰退の光景」という項目がある。20世紀初頭の英国の姿を当時の新聞などからよみがえらせている。その「光景」は10以上に及ぶが、どれもこれも興味深いものばかりだ。

 ▼例えばこの時代の若者は海外勤務を嫌うのに、海外旅行は大ブームになった。インテリは古典を離れて、軽薄で現代風の芸術に染まる。博覧会やスポーツの試合などのイベントに血眼となった。健康への異常な関心が高まり、美食への過度の傾斜や温泉ブームも起きていた。

 ▼中西氏は現代日本への警告として、その「光景」を取り上げている。むろんひとつひとつは決して悪いことではない。ただ人々の生活が極めて内向きになり、関心が「国」や「社会」より身の回りに寄せられている。その点で不気味なほど今の日本と似ていると言える。

 ▼今に始まったことではなく、戦後日本に流れ続けている「光景」かもしれない。だが、今回の選挙戦を見ていて、そのことを確認せざるをえない。今回もまた「身の回り」については論じられても、安全保障など国のあり方はほとんど語られていないのだ。

 ▼「それだけ日本は平和だということだ」と皮肉る見方もある。しかし今、世界のあちこちでテロや紛争が起き、その火の粉はいつ日本に降りかかるかわからない。何よりも日本海の向こうの北朝鮮は、着々と核開発を進めている。とても皮肉だけでは済まされない情勢だ。

 ▼少なくとも、北の軍事的脅威に対抗するための集団的自衛権については、各党がこの選挙できちんと考えを示すべきだった。それを避けるような政党に政権を担う権利はない。投票日まであと1日、そのことをもう一度考えてみたい。

(【産経抄】8月29日)

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敗戦をめぐる記憶
[Sunday,August9,2009]

毎年、8月が近づくと、新聞の投書欄に、<戦争の記憶を大事にしよう>といった投書が多くなります。・・・ぼくの最大の奇妙な体験は敗戦です。・・・教師は「嘘を教えてごめん」なんて言わない。ラジオ(NHK)、新聞も無言。文字通り、悪夢のような夏休みでした。
それだけではない。新聞は「嘘をついてどうも。ここはひとつ」なんて言わない。晩秋になってから、占領軍総司令部によれば・・・といった書き方で、日本軍がいかに嘘をついていたかを地図入りでのせはじめた。コソクでしょう。
<もし・・・したら>なんて言い方は意味がないとよく言われますが、太平洋戦争は昭和18年(1943年)5月以後、勝つ目安がなくなっていたのですね。・・・ここで日本がギブアップしてしまえば、3月10日の下町大空襲はなく、ぼくの家も焼けなかった。5月25日の山手大空襲もなかった。
ここらの<読み>が甘いですね。鈴木貫太郎首相は、7月28日に、わざわざ戦争継続を表明しています。中一のぼくでさえ、、大丈夫かよ、とひやひやした。とたんに、8月6日、広島に原爆投下、8月9日、長崎に原爆投下と、こうなります。むろんソ連は8月8日に日本に宣戦布告して行動を開始します。
2月から8月の敗戦までの間には、6月の沖縄での悲劇(集団自決)が入ります。
原爆とソ連参戦で、政府は思い腰を上げ、8月10日の午前2時半に御前会議を終了し、ポツダム宣言受諾を決定します。<国体護持>を条件に。
どう見ても、2月から8月までの半年は無意味だった。結果論ではなく、その時代を生きた少年として、はっきり言えます。
8月15日、敗戦。8月18日、内務省は占領軍向き<性的慰安施設>設置を指令。8月27日、大森海岸に「小町園」が開業します。一般人の灯火管制解除は8月20日。
一般人に灯火をつけさせる前に、<性的慰安施設>を準備する。これが日本政府の姿です。

(週刊文春8月13日・20日号、小林信彦「本音を申せば」より抜粋)

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『逝きし世の面影』(渡辺京二/葦書房ほか)
[Monday,February9,2009]

一度は読みたい名著というとどうも目が海外に向いてしまいがちだ。ブローデルの『地中海』やウォーラーステインの『近代世界システム』等はたしかに名著だが、日本、しかも、近世・近代以降の日本に関する名著はとなると、なかなか定番はない。
最近、筆者に強いインパクトを与えたという意味で、こゝでは渡辺京二の『逝きし世の面影』を掲げてみたい。ここ十〜二十年はいわゆる江戸ブームだが、渡辺ほど、外国人の目を通すことによってこの時代のユニークさを明確に浮き彫りにした著者はいない。江戸文明というユニークな文明の「扼殺と葬送」の上に日本の近代が成立したのだと渡辺が述べる時、筆者は不可避であったとはいえ明治以来の近代化・産業化が何だったかという思いに沈まざるをえない。
しかし、今や、近代産業資本主義は終わりつつある。これからの世界が、そして、日本がどこに向っていくのかを予測することは難しい。しかし、少なくとも部分的なには、日本的なるもの、江戸的なるものへの回帰が必要だということだけは筆者にはっきりしているように思える。滅びた江戸文明をもう一度、思い起こすべき時なのだろう。

(文藝春秋12月号、「死ぬまでに絶対読みたい本」から榊原 英資(早稲田大学教授)より)

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農民兵士の絶筆
[Tuesday,January13,2009]

こんな絶筆を残した農民兵士もいる。
<グンイドノハヤクアゴヲ
ツケテクダサイ、ミンナト一ッシ
ョウニゴハンヲタベラレル
ヨウニシテ下サイ
グンイドノフネハイツ
クルデス
ゴハンガタベタイナ
タンヲトッテ下サイ
ダン(まま)ヲトッテ下サイ
クチノナカノチヲフイテ下サイ
モウネリ(まま)タクナイ
ヒトリデ小便マリマス デ
ベンキヲカシテ下サイ
スマナイカ角ザトウヲ一ツ二ツモラッテクレナイカネ>(『戦没農民兵士の手紙』岩手県農村文化懇談会編 岩波新書より)
負傷した兵士の、軍医への訴えである。岩手県和賀郡藤根村出身の衛生兵が戦地から持ち帰ったもので、筆者はわかっていない。
場所は中国大陸なのか、‘中華興記製瓷有限公司’という文字のある用箋に書かれている。
力を込めて書いたと思われる、くっきりとした大きな字、重傷を負いながらも懸命に生きようとする意志が、一文字一文字に刻まれているようだ。

(文藝春秋新年特別号 梯 久美子「昭和の遺書」より)

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『世紀の遺書』
[Saturday,Dcember6,2008]

わたしは「わが人生の名著」として、『世紀の遺書』を挙げたい。本書は去る第二次世界大戦後、東京裁判で戦争犯罪(戦犯)人と判決され死刑に処せられたり、獄中死した人々の中の七百一人の遺書が編集されている。初版は昭和二十八(1953)年十二月一日で、東京新宿の白菊遺族会から出版された。私が所持するのは同二十九(1954)年の第四版である。
私は、戦犯者のいる東京巣鴨拘置所へ、当時臨済宗大本山京都妙心寺の管長だった古川大航老師の戦犯者慰問講演に随行したり、あるいは私個人で慰問講演に赴いた。アメリカ軍憲兵MPの臨席で、恐怖と緊張のなか十五分間の制約時間内で話をした思い出はいまもはっきりと胸奥に残っている。
上掲の『世紀の遺書』は、用紙類はもとより衣服の上にも墨書されてあるのが、写真で紹介されてある。いずれも祖国日本を思い、家族に心を馳せているので、読む度に胸に迫ってくる。
いま、この書をあらためて紹介するのは、第二次世界大戦も風化しつつあり、日本人で戦争を記憶する者も、日に日に減少しつつあるからだ。しかし戦争の悲劇を忘れてはならない。
最後に刑死者の一人上野千里さん(栃木県出身元海軍々医中佐)の遺書の部分を同書から左に紹介する。
 醜い世の中に思わず立ちあぐんでも
/見てごらんほらあんなに青い空を
/人の世の苦しみに泣いたおかげで
/人の世の悲しみにも心から笑える
/打たれ踏まれ/唇をかんだお影で
/生まれて来たことの尊さがしみじみわかる

(文藝春秋12月号、「死ぬまでに絶対読みたい本」から松原泰道(臨済宗龍源寺前住職))

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恐れるな、ただ死ねばよい
[Sunday,July13,2008]

・・・・
石原 先生でも死ぬのは嫌ですか。
松原 ええ、もちろん。
先ほど話にでた仙高ウん(江戸末期に、九州博多の聖福寺にいた名僧)は、死に際に弟子たちから「何か最後にお言葉を」と言われて、「死にとうない」と言ったそうです。「冗談は困ります。本当のことを言ってください」と弟子がたずねたら、「ほんまに、ほんまに」と言ったという話があります。(笑)だから別に改まったことをする必要はないんですよ。南禅寺の柴山全慶老師や、円覚寺の朝比奈宗源師といった名僧、高僧といわれる人たちも、普通にありのままに死んでいったらいいと言っておられます。苦しかったら叫んでいいし、悲しかったら泣いたらいい。それが死にお任せすることだと。
石原 それはよくわかります。
松原 やはり江戸時代末期に、曹洞宗の物外という気性の荒い坊さんがいました。九州中津の奥平という殿様が、その物外に参禅していたのですが、いよいよ臨終というとき、「花は根に帰ると聞けば我もまた生まれぬ先の里に帰らん」というちょっとひねった辞世を詠んだ。ところが物外は褒めるどころか「死ぬ間際に余計なことうをゴタゴタ言うな」と一喝したそうです。するとそれまで苦しんでいた殿様がにっこり笑って息を引き取ったといいます。最期に何かいい言葉を残して逝こうなんていう執着があると、素直に死んでいけません。
石原 死ぬ間際に気取る必要はないということですね。つまり自分の死を自分で作ったりするな、と。
・・・・

(文藝春秋1月号 松原泰道/石原慎太郎対談 百歳の名僧に問う「恐れるな、ただ死ねばよい」より)

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80過ぎたら生き仏
[Thursday,November8,2007]

『実用介護事典』(講談社)には、老いにまつわることわざをたくさん載せたが、介護現場で作られたことわざや格言も取り上げている。
子どもにかかわる人たちの間には「7歳までは神のうち」というコトバがあるそうだ。子どもは、7歳までは神様みたいなものだ、しかったり抑え付けたりしないで育てようという意味だ。子どもは人間とは違った、神様や天使がいるような別の価値観の世界にいるんだという意味もあるのだろう。いいコトバである。
高齢者にかかわる私たちもこんなコトバが欲しい。じゃあ作ろうじゃないか。まず「7歳までは」は「80過ぎたら」にしよう。「神」の代わりに「仏」ではどうか。でも「80過ぎたら仏様」ではもうこの世からいなくなっているみたいではないか。
そこでできたのが「80過ぎたら生き仏」というコトバだ。事典には「80歳を過ぎたような高齢者は生き仏のようなものだから、いまさら教育したり適応させようとせず、あるがままでいいじゃないか、という意味をこめたもの」という説明をつけた。
「個性の煮つまり」というコトバもある。高齢者の特徴を表現したものだ。まじめな人はますますまじめになるし、頑固な人はますます頑固になる。
「受容より相性」は、苦手な高齢者を無理して受け入れようとするよりも、相性のいい人と交代するほうが互いに幸せだ、というもの。介護という分野はこれまでに経験したことのない世界だ。だからコトバも新しい表現を求めているのだ。

(11月6日  読売新聞 三好 春樹「介護の心」)

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昭和天皇の「発言に」私は失望した
[Thursday,May3,2007]

・・(前略)・・・・
7月20日の夕刊各紙の一面をかざった昭和天皇の「靖国A級戦犯合祀」に対する「不快感」スクープ記事を目にして私は驚き失望した。この記事を目にして失望した人は、私の他にもたくさんいたかもしれないが、私の失望は、それらの人の失望よりも、もっと微妙で複雑なものだ。その前に一つ注意しておきたい。
それはこのメモに残された昭和天皇の言葉を、どこまで信用すべきかという問題だ。・・(中略)・・昭和天皇は「記憶の人」として知られた。同じように強い記憶力を持った人に民俗学者の柳田国男がいた。・・(中略)・・が、その最晩年、かなり混濁した記憶の人となってしまったことは、フランス文学者のの桑原武夫らが書き残している。87歳の昭和天皇の「記憶」はどのような状態だったのだろう。一つ言えることは、たとえ混濁した記憶の人となって、過去の様々な出来事を忘れてしまったとしても、いや、なればこそ、自分の執着を持つことに対しての記憶は、よけい強力ななものになって行ったはずだ。・・(中略)・・昭和天皇はA級戦犯の人たちにそのような強い執着を持ち続けていたのだろう。だとしても、このメモに書き残された昭和天皇の発言には、記憶の修正がある。その修正を私は見逃すことができない。
昭和天皇は言った。「或る時に、A級が合祀され」、「私(は)、あれ以来参拝していない、それが私の心だ」、と。
東条英機をはじめとするA級戦犯が靖国神社に合祀されたのは昭和53年10月のことである。そして翌54年4月19日に新聞各紙が一斉に報道し、一般に明らかになった。以来、ということなら、その昭和53年あるいは54年「以来参拝していない」ことになるはずだ。実際それはそうだが、昭和天皇は、それ以前から靖国神社への参拝(御親拝)を行っていない。昭和天皇が最後に靖国神社を訪れたのは昭和50年11月21日。振り返って見ると、この日付けには微妙な意味、というか昭和天皇の作戦が透かし見える。・・(中略)・・なぜ、この時に、昭和天皇は6年振りで靖国神社を訪れたのだろうか。今回のメモが明らかになったあとで、振り返ると、私には、それが、駆け込み参拝であったように思える。
要人の靖国神社参拝を、「靖国問題」としてややこしくしたのは、周知のように、昭和50年8月15日の三木武夫首相(当時)の靖国神社参拝だった。・・(中略)・・その時から靖国神社はこの前の戦争との関連でのみ語られる事になる。カンの良い昭和天皇はその事を察知していた。だから駆け込みのように、同年の11月に最後の靖国参拝をすませ、「以来参拝していない」。それが彼の「心だ」。確認しておきたいのは、これが、A級戦犯たちの合祀以前の出来事だということだ。この段階で昭和天皇は、靖国神社を媒介に、自らと、この前の戦争との関係と、さらに言えば自身の戦争責任の距離を取ろうとした。何という人間らしい行いなのだろう。・・(中略)・・参拝を取りやめた3年後、A級戦犯の合祀を知って、昭和天皇は、これでいよいよ自分は太平洋戦争の被害者であると思ったことだろう。そしてそのことに記憶を執着させただろう。
だからこそ、その10年後、あのような言葉を口にしてしまったのだろう。
しかし、A級戦犯と言われる彼らは、天皇の名のもとに、日本を戦争へと導き、あのような結果を招いてしまったのだ。そういう臣下たちを昭和天皇は突き放した。このメモの出現を機に今こそ改めて昭和天皇の戦争責任が問われるべきだ。

(文芸春秋 2006年9月号 坪内祐三「人声天語「昭和天皇の「発言」に私は失望した」より)

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