小人宇宙人がストッキングと花束を奪う

チェンニーナ事件

1954年11月1日/イタリア/アレッツォ州チェンニーナ
Cennina Arezzo Italia

笑い顔の小人達

イタリアの小さな町チェンニーナに住む農婦、ローザ・ロッティ・ネイ・ダイネリ(Rosa Lotti nei Dainelli/40)は、教会へ行くために朝早く家を出た。時刻は6時30分だった。

彼女の住むラ・コリーナ(La Collina)農場は、チェンニーナとカパンノレ(Capannole/原文ではCapannolcとある)の間の孤立した地域にある。

彼女は4児の母で、農場での作業が忙しいためめったに町に行くことはなかったが、その日は月曜だがカトリックの祭日で、聖母マリアの祭壇への参拝の行列が予定されていた。

彼女は新しい服を着て、とっておきの靴を汚さぬよう裸足になり、片手に靴とストッキング、もう片手には祭壇に供えるカーネーションの花束を持って町までの小道を歩いていた。

 

彼女は低い薮を通り抜けた場所に行き着いた。ここはたびたび通る勝手知ったる場所で、これまで変わったことがあったことはなく、しばしば夜にも通ったことがあった。

小さな空き地の中央にさしかかった時、前方の松(糸杉という資料もあり)の近くに彼女の好奇心と驚きを刺激する奇妙な物体を発見した。

それは二つの円錐を合わせたような紡錘型をした物体で、高さは2mを超し、中央の膨らんだ部分は1mほどだった。物体は革で覆われているようなツルツルの表面で、磨かれた金属のように輝いていた。

紡錘型の中心部に丸みのあるガラス窓が二つと小さなドアがあり、開いたドアからは内部にある背中合わせになった小さな座席が見て取れた。

 

好奇心からもっと近づこうとしたところ、突然物体の背後から身長1mばかりの小人が二人現れた。彼女は短い時間であったがじっくりと観察をした。

彼らは星のように輝く小さなボタンのついた灰色の全身服をぴったりと身にまとい、腰までのマント、頭にはヘルメットをかぶっていた。顔つきや体つきは普通の人間と変わりがなかった。

二人は満面の笑みを浮かべて彼女に近寄ると、身振り手振りを交えて親しげに話しかけて来たが、話す内容は彼女に理解ができなかった。発音は中国語に似ていたという。

彼らは「'liu.1 lai,' 'loi,' 'lau.* 'loi,' 'lai,' 'liu,' " 3(原文ママ)」と言い続けた。

彼らは本当に陽気で、笑って、明らかに彼女とコミュニケーションを取ろうとしており、目には知性が感じられた。

彼らの鼻は普通の形で、口は男性のもののよう、しかし上唇は中央付近がわずかにカールしているために笑っていなくても歯が見えるようになっていた。

歯は我々と同じような歯だったが、幅広く、強く、しかしやすりで削ったかのように短く、ウサギのようにいくぶん突き出ていた。

耳は(ヘルメットの)2枚の革の円盤で隠されていて、額にはベルトあった。

 

そのうち、小人の一人が彼女の手からカーネーションの花束とストッキングの片方を奪い取ったため、彼女は恐れを感じた。

彼女がおどおどと抗議したところ、年長に見えた方が5本ばかりを残して花のいくつかを彼女に返した。

彼らは珍しそうに花の構造を調べながら笑い、物体のドアの中に放り込んだ。

彼らは2〜3歩下がって物体の中から新聞紙のような白い(茶色という資料もある)ものに包まれたような丸いものを二つ取り出した。(もちろんそれは新聞紙ではない)

 

彼女は、彼らがこちらに向き直ったのを機に、小人達に背を向け、町の方に駆け出した。

100mほど走った後に振り返ると、もう全てが消え失せていた。走っているうちに恐怖がつのってきて、町に着いた時は恐怖と疲労でしばらくは口もきけなかった。

 

彼女の報告を聞いて憲兵隊が現場に駆けつけたが、物体も小人も姿を消していた。しかし物体のあった場所には大きな穴があいていた。

その穴は、ちょうど付近で狩りをしていたAmbra(地名)の憲兵のZulimo Botarelli警部によっても確認された。

その後、彼女が物体を発見した午前6時半頃、同じ林のあたりから飛び去る葉巻型の光る物体を見たという石工の証言を得た。他にも怪物体の目撃者はおり、信頼性の高い事件と言われている。

 

当日、豚の世話で外にいた少年二人が小人に話しかけられるローザを見たという新たな証言があり、調査中である…と引用元には書いてあったが、どの時点での話であるかはわからない。

 

資料としたセルジオ・コンティ氏が引用したイタリアの報道。どのようなメディアはわからないが、おそらく新聞だと思われる。

  • 1954年11月2日、5日付、La Nazione Indiana
  • 1954年11月2日付、La Nazione Sera
  • 1954年11月2日、3日、5日付、II Giorno del Mattino
  • 1955年3月2日付、II Giorno del Mattino
  • 1962年6月17日付、La Settimana Incom

チェンニーナの地図


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詳細な場所は特定できていない。

ニコニコした怪人がわりと友好的に話しかけてきた上、どうでもいいような物を奪って去って行くという、まことに荒唐無稽な事件である。寝ぼけて幻でも見たんじゃないかと一笑に付してしまいそうだが、現場の穴、複数の人のUFOの目撃証言があるため、そうとばかりも言っていられない。もっともその証言が誤認や嘘でない確かなものであればだが。

現場の穴というのはロケットを噴射したような穴なのだろうか。大きな穴というのだから、言葉からはUFOの着陸脚痕とは違うようにイメージされる。

 

イラストが証言に正確であれば、怪物体の中に小人達が入ったとするとかなり中は狭いんじゃないだろうか。実はUFOはまた別にあり、あれは何かの作業機械なのかもしれない。もしあれがUFOなんだとすると、ずいぶん窮屈な姿勢で乗っていなければならなさそうだ。

 

この事件に限らず感じるのは、UFOの搭乗者達は自分達の行動を秘密にしたいのか、公にしたいのかわからない。地球人の価値観を超越しているために我々に理解できないだけなのかもしれないが、地球人にはできるだけ当たらず触らず、多少は見つかってもいいけれど、あまり大っぴらなところに出て行きたくはないという煮え切らない態度が感じられて歯がゆい。

 

イラストとともに有名な事件ではあるが、例えばダイネリ夫人や現場に残された穴の写真、石工の発言などの詳細な資料を自分はまだ見聞きしたことがない。

当時この事件を図1の有名なイラスト付きで伝えたのが"LA DOMENICA DEL CORRIERE"(ラ・ドメニカ・デル・コリエーレ)というイタリアの新聞の1954年11月14日版だ。絵はウォルター・モリーニ(Walter Molini(Molino?))という人が描いた。

この新聞はゴシップ記事中心の大衆新聞のようで、人魚やヘビのような体の猫の話など、怪しげなオカルト話も結構載っていたそうだ。

事件翌日には他の新聞(?)でも報道がされているようなので、単に大衆新聞の捏造記事というわけでもなさそうだ。

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証言をもとに描かれたイラスト

図1:証言をもとに描かれたイラスト(クリックで拡大します)

参考資料(敬称略)

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