少女の背後に写り込んだ謎の人物
カンバーランド・スペースマン
1964年5月23日/イギリス/北イングランド カーライルの西8マイルのバーグマーシュ(沼地)
1964年5月23日、消防士のジェームズ・テンプルトン(James Templeton/図1)は、北イングランドはカーライルの自宅から西8マイルにあるバーグマーシュ(Burgh Marsh)と呼ばれる自然公園に、妻と5歳の娘エリザベスを連れて行った。
バーグマーシュには羊と牛がいたが、何かにおびえているように見えたという。二人の初老の女性が3〜400ヤード先の車の中で編み物をしているのを見た。
その日は天気もよくて温かく、アマチュアカメラマンである彼は、芝生に娘を座らせて写真を撮影した。
数日後、現像から上がってきた写真を見て彼は困惑した。続けて3枚撮影した写真の真ん中の1枚にだけ、娘の背後にいたはずのない宇宙飛行士のような人物が写っていたのだ。
一家は他の人には出会わなかったし、他の写真にもこの宇宙飛行士は写っていなかった。
写真は友人、同僚、警察、そして最終的にはフィルムの製造元のコダック社によって徹底的に調べられたが、トリックなどは確認されなかった。コダック社では「この謎が解けた人には一生分のフィルムを提供する」として広告したが、やはり誰もこの謎を解くことはできなかった。そしてこの話は世界中に知られることとなった。
ジムは記者の質問に対し、あの時まったくUFOは見なかったこと、そしてUFOにも興味がないと答えた。しかし、バーグマーシュ付近の漁師が多くのUFOを目撃していることは承知していた。
人々は、近くにあるチャペルクロス原子力発電所と関連があるのではないかと思っていた。この写真もよく見ると右奥に発電所が写っている。
より状態のいい写真もあった。もう一つの写真に比べて縦長になっているのはどちらかが縦横比をいじられてしまったからだろう。
問題の写真の前後に撮られた写真。
MIB現れる
問題の写真が新聞によって世界中に知られることになったところ、彼の家に黒服を着た二人の妙な男達が黒いジャガーに乗って訪ねてきた。彼らは自らを皇后陛下の政府の者と名乗ったが、証明書の呈示は拒否した。そしてジムに写真を撮影した場所に連れて行くように求めた。
バーグマーシュに着くと、彼らは写真が撮られた時の天気やどんな動物がいたかなどを事細かに尋ねてきた。
彼らは写真がジムのいたずらだということを認めさせようとしたが、それを拒否したため、ジムを彼の消防署から5マイルの場所に残して去って行った。
オーストラリアにも現れた謎の宇宙飛行士!?
騒ぎはオーストラリアに飛び火した。
ジムが撮影した写真を見たオーストラリアの新聞社が、同じものが目撃されたのでネガフィルムのコピーを送って欲しいと言ってきたのだ。
オーストラリアのウーメラ(Woomera)はイギリスのブルー・ストリーク・プロジェクト(Blue Streak Project)と呼ばれる大きな宇宙計画のロケット発射場だった。
ジムが写真を写したのと同じ1964年5月23日、ロケットの発射カウントダウン中、白い宇宙服を着た二人の男が発射台を歩き回るのを監視カメラが見つけ、発射が中止されたというのだ。謎の二人は探されたが、とうとう見つかることはなかった。
オーストラリアの技術者はジムの写真を見て「モニターで見た男に似ている」と語った。
この異常な事件は、ジムが写真を撮影した数時間以内に起こっていた。
後にジムは、ブルー・ストリーク・プロジェクトのためのロケットがイングランドのSpadeadamで製造されているということを知った。それは写真を写したバーグマーシュから2〜3マイルの場所だった。
オーストラリアの記者は5月23日に撮影された監視カメラのフィルムを見ようとしたが、ブルー・ストリーク・プロジェクトの間に撮影されたフィルムのうち、それだけが紛失していた。
エリザベスの背後にいた宇宙飛行士は誰なのだろう? 娘の背後に歩いている人がいたとしても、ジムはそのようなものが見えている間は決して写真は撮らないのだという。
オーストラリアの技術者はロケットの発射前に何を見たのだろうか? 彼らは同じ宇宙人を見たのだろうか? ブルー・ストリーク・プロジェクトが二つの事件に共通しているように思える。これはいったい何を意味するのだろうか。
オーストラリアのウーメラにあるロケット発射場
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ウーメラ一帯にはロケット発射場やミサイル発射場などがいくつもあり、謎の宇宙飛行士が現れた発射場までは特定できなかったので参考までに。
40年を経たジムの手紙
以下は2002年に英国のDaily Mail紙に掲載されたジェームズ・テンプルトンの手紙である。
「家族の日帰り旅行のカメラマンとして、コダカラーフィルムを入れたSLRカメラを1964年5月23日にバーグマーシュへ持って行きました。
私は娘の写真を3枚撮り、その真ん中の1枚に宇宙飛行士のような者が写っていたことに衝撃を受けました。
地方紙のカンバーランド・ニュース(Cumberland News)がこれを記事に取り上げ、数時間のうちに世界中に伝わりました。
写真は偽物ではありません。 この写真の背景がなぜこのようになったのか、他の人と同じように困惑しています。
40年にわたり写真は自由に公開され、いろいろな考えや可能性について何千もの手紙を受け取りましたが、ほとんど意味をなしませんでした。
私はこの写真でお金を受け取ったことがないことに注意してください。
私の琴線に触れたのは、写真が世界中に公開された一ヶ月後にオーストラリアのウーメラから届いた手紙だけでした。
私の写真が撮影されている最中にブルー・ストリーク・ロケットのカウントダウンを止めたので、そこの人々は色の良い写真のコピーを見たがっていました。
明らかに二人の似た宇宙飛行士はロケットに近くに現れました。
後日、私はブルー・ストリーク・ロケットの一部がバーグマーシュで作られ、テストされていると知りました。
ジェームズ・テンプルトン」
MIBやオーストラリアの謎の宇宙飛行士の件も巻き込んだ不気味な事件になっている。
写真を見る限り、宇宙服と言われればそんな気もするが、白いベレー帽のようなものをかぶったおじさんがむこうを向いているだけにも見える。
撮影現場の詳細な状況がわからないので(上記のGoogleMapsも原発の位置から類推した大まかな位置だ)、誤りを承知で仮説を述べさせてもらえれば、写真から推察するに、奥が高い斜面で撮影していないだろうか?
娘を撮ろうと夢中になっていたところ、背後の丘から男性が上がってきた。しかしジムは気付かない。娘の頭の陰になっていただろうし、意識がファインダーの中の娘に集中していれば、気が付かないことは十分にありえるんじゃないだろうか? 逆に男性のほうはカメラを構えたジムに気付き、写っては悪いと思って振り向いて丘を降りて行った。ジムは男性に気付かないまま娘の写真を撮影した。
写真が騒ぎになればなるほど、「絶対他の人はいなかった」という思い込みは激しくなるだろうし、「もしかしたら写すことに夢中で気付かなかっただけなのかも…」と考えても言い出しにくくなるだろう。
オーストラリアの謎の宇宙飛行士もどれだけちゃんと確認されたのか、資料がないのでわからないが、両方の事件をブルー・ストリーク・プロジェクトという共通項で単純に結んでいいかどうかは疑問が残る。
またMIBについて2002年にジムが何も語っていないことに注意しておきたい。もしかしたらMIBの話は後から話に尾ひれがついたものかもしれない。
今回は明らかなUFOというものが登場しないので、UFO/宇宙人の事件と言えるかどうかは微妙なところはある。無論、MIBという現在ではかなりお馴染みの存在が登場しているために、広い意味でのUFO事件の括りとなる。
この事件は、場所の名を取って「カンバーランド・スペースマン(Cumberland Spaceman)」と呼ばれているほか、「カンブリア・スペースマン(Cumbrian Spaceman)」「テンプルトンの宇宙人」「テンプルトン写真」「ソルウェイ・スペースマン(Solway Spaceman)」などとも呼ばれている。
内容は英語サイトを筆者が翻訳したものなので、誤訳があるかもしれないことをあらかじめ謝っておく。
UFO事件簿内検索

図1:写真を撮影したジェームズ・テンプルトン
手にしているのが謎の写真を撮影したカメラ。

図2:1994年、テレビ番組に出演時のジェームズ・テンプルトン
立っているのは撮影現場だ。



