UFOの着陸痕か? 宇宙人からのメッセージか? 麦畑に現れる謎の模様
ミステリー・サークル
1978年〜/イギリスを中心とした世界中
イギリスを中心とした世界各地で報告されている現象で、欧米ではクロップ・サークル(Crop Circle)と呼ばれている。
主に麦畑の麦が倒されることによって何十mもの大きさの幾何学模様が描かれるのが特長。前日まで何もなかった麦畑に、一夜のうちに模様が現れるのだという。
1990年代にピークを迎え、最近では出現数が減ってきている。
複雑な幾何学模様が多いことから、人間の手で一夜にして作ることは無理であり、UFOに乗った宇宙人が上空から作ったものではないかという説がまことしやかに語られていた。麦の穂は三つ編みのように織り込まれて倒されていたので、これも人が足で踏んで作ったのではない証拠の一つだという。
しかし1991年にダグ・バウワー(Doug Bower)とデビッド・チョーリー(Dave Chorley)という二人の芸術家の老人が、世間を驚かせるために作っていたことを告白した。
二人はソーサー・ネスト(円盤の巣)と呼ばれ、UFOの着陸痕ではないかと言われる、円形に倒れたり焼けこげたりした草の存在をヒントに、1978年からミステリー・サークルを作り始めた。
二人はブランコのように両端にひもを通した板で麦を踏んで作っていた。踏む際に板を回転させることで自然に三つ編み状の折り込みになることが、1993年に二人が出演して作られたビデオ「ミステリーサークルの黙示録」で明らかになっている。
後年、この二人以外にもサークルを作る愉快犯が増え、模様は一層複雑多様化した。彼らは事前にコンピュータを使って綿密に図形を設計し、比較的短時間で作ってしまうのだという。
1992年夏には、イギリスで「サークル偽造競技大会」が開かれ、予想よりも簡単に本物そっくりのサークルが作られてしまった。
麦畑に現れた小型UFOがサークルを作る瞬間を捉えたとされるビデオも撮影されたが、構えたカメラのフレームにちょうど収まるように作られている不自然さもあり、CGによる合成であろうと言われる。
日本では超常現象否定派で有名な早稲田大学教授の大槻教授が、自身の研究するプラズマによって説明がつくと言っていたが(ちなみにプラズマ説は教授だけの説ではない)、人工のものであることがわかるにつれ、尻すぼみになっていった。
複雑な幾何学模様が多いことから人間業ではないと言われてきたが、むしろ直線と円の組み合わせで表現できる幾何学模様だからこそ描きやすいんじゃないだろうか。最近は幾何学模様ばかりでない凝った模様も作られており、そのバイタリティと創作力には感心してしまう。
いまだ宇宙人説を唱える人々もいるが、人類にメッセージを伝えたいなら、なぜ麦畑に上空からしかわからない意味不明の幾何学模様を描かなければいけないのか説明がつかない。素直に姿を現すか、手紙でも書いた方が早いであろう。
筆者の好きな説として、UFOに乗ってやってきた宇宙人が板を踏んで作っている説がある(笑)。
いい迷惑なのが麦を倒された農家の方々だろう。犯人がわかったらきっと損害賠償ものだ。実際そうした例もあるのだろうが、多くは犯人がわからず泣き寝入りだと思われる。
中には農場の持ち主が宣伝目的でサークルの作成を依頼していた例もあるようである。農場をこんな形で宣伝してどうなるのかは謎であるが。
では元ネタのソーサー・ネストは何だったのかと言えば、これはまだわからない。ミステリー・サークルのように複雑な形をしているものはないようなので、UFOの着陸痕でないのであれば、瞬間的なつむじ風でなぎ倒されたり、それこそプラズマのようなものによる球電現象が原因である可能性もあろう(球電現象自体、まだ未解明であるが)。

図1:ソーサー・ネスト
いわゆるミステリー・サークル以前から存在し、UFOの着陸痕ではないかと言われている。

図2:オーソドックスなミステリー・サークル
近年、このように模様が複雑化した。

図3:ミステリー・サークルの生みの親、ダグ(手前)とデビッドによる実演

図4:ハローキティのミステリー・サークル
ハローキティ生誕30周年記念イベント用に作られたものだ。

図5:GoogleMap上に現れたWebブラウザFirefoxのアイコンのミステリー・サークル
GoogleMapとFirefoxの宣伝用に作られたらしい。
- 参考資料(敬称略)
- 宝島社・トンデモ超常現象99の謎(と学会・山本弘、皆神龍太郎、志水一夫)
- Wikipedia・ミステリーサークル