真実か、トリックか!?

トレント写真

1950年5月11日/アメリカ/オレゴン州マクミンビル
McMinnville, Oregon, USA

1枚目の写真

 

2枚目の写真

30年以上議論を呼んだ写真

その日の夕方(5月11日の7時30分だという資料と、6月10日7時45分だという資料があった)、イブリン・トレント夫人(Evelyn Trent/図4)が農場で飼っているウサギにエサをあげているとき、上空にUFOが出現。

気付いた夫人は夫のポール(Paul Trent/図3)を呼び、夫人がほぼ同じ位置から2枚の写真を撮った。

物体はやや斜めに傾いた格好でこちらに向かって飛んできており、「ヒモがないパラシュートのようで、とても明るく銀と青銅を混ぜたような輝き」をしており、音や煙は出していたなかったという。

UFOは北東から北西の空にすべるように飛び去った。

夫妻はこの写真を重要視せず、数日後にフィルムの残りを撮り終えてから現像に出した。その後も気に留めていなかった。

偶然、地元新聞テレフォン・レジスター(Telephone-Register/図5)がこの写真の話を聞きつけ、6月9日の一面で報じられると、「LIFE」誌(1950年6月26日)の特集記事になるほどの騒ぎになった。

(LIFE誌はオリジナルのネガを紛失してしまい、ネガの確認が行われたのは17年後に再発見されてからだという)

 

空軍の懐疑的な1967年のコンドン報告書の中でも否定されなかった唯一の写真であった。

委員会の調査員ウィリアム・K・ハートマンは、「写真と現場を調べた結果のあらゆる要素が、『明らかに人工物と思われる直径数十mの銀色の金属製の円盤型以上飛行物体が二人の人間に目撃された。』という主張と符合する。」との見解であった。UFO像のくもり具合から、約1.3kmの距離にあると結論した。

コンドン委員会のあるメンバーによれば、「トリックの可能性を積極的に否定するものではないが、信憑性を十分に評価できるものであった。」という。

 

UFO研究団体GSWではこの写真をコンピュータによる画像分析にかけた。その結果、写真上からはUFOを吊っている糸や針金らしきものは検出されなかった。

GSWのひとつの結論として、UFOは直径20〜30m、おそらく磨いた金属でできたものであるという。

 

今でもマクミンビルでは、毎年「UFOフェスティバル」が開かれているという。

現場周辺地図


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詳細な場所は特定できていない。

研究家達の意見

懐疑的な分析者のロバート・シェイファーの見解

UFO像のくもりはレンズに付いたグリースかも知れず、UFOが至近距離で撮影された可能性がある。

写真のガレージのひさしの影から、撮影されたのがトレント夫妻の主張する夕方ではなく、朝である。

 

強硬な懐疑論者であるフィリップ・J・クラスの見解

夫妻が撮影時刻を偽証したのは、朝の場合、他の農夫達が外に出ているはずなのに夫妻以外にUFOが目撃されていない点を、怪しまれないようにするためだ。

2枚の写真のUFOの傾きが違っている点も、カメラの近くに吊るした模型であれば説明が付く。

トレント夫妻が嘘発見機の検査を嫌がった点も指摘。

 

UFO研究家で物理学者のブルース・マッカビーの見解

ガレージの影がおかしいのは夕陽を浴びた雲の反射光によるものだろう。

レンズにグリーズが付いていても、UFOとの距離は1km以上あるはずだ。

夫妻のインタビュー時の態度は常に実直であった。

考察

吊っている糸がコンピュータ画像分析では確認されなかったが、当時の未発達なコンピュータ画像解析技術で、どれだけ細い糸まで確認ができるのだろう?

手品用の特に細い糸などでなくても、背景の明るさにまぎれて糸が見えなくなることは考えられる。

 

資料によって日付や時間が違うのは要確認だ。撮影時刻は夕方と書かれているが、7時30分過ぎを夕方と呼べるのかどうかは調べていて疑問だった。

そうした表現上の問題もさることながら、午後7時30分過ぎに撮影された写真にしては明るすぎないだろうか?

もしかしたら緯度や時間帯によっては実質1時間分くらいの明るさの違いはあるのかもしれないが(例えば北海道で日が沈んだ頃、九州ではまだ沈みかけなどということだ)、当時の低感度なフィルムと、被写体がぶれていないから三脚を使ったスローシャッターではないであろう点を考えると、この写真はもっと明るい時間に撮られたと考えるほうが自然だと思う。やはり朝の撮影ではないか? なぜ時間を偽証したのかは疑問だ。単なる勘違いか?

 

トリック写真だとすると、電線から吊るされていることを第一に疑うわけだが、重い物がぶらさがっているようなたわみは見て取れない。(軽い模型ならまた別だが)

電線の高さはどれ位だろう。模型の糸をどうやって結びつけているんだろう。

電線でなければ、釣り竿のようなもので画面外から吊っているんだろうか。

2枚の写真で撮影している位置が若干違う。2枚目はもっと右から写している。電線から吊っているなら、UFOの位置は動いていないことも考えられる。

だが、筆者は下の方に見える電柱と木と小屋の位置関係がおかしいように思えて仕方ないのだが…?

UFO事件簿内検索

図1:1枚目の写真のUFO(レベル補正済)
UFOを横切っている薄い線はフィルムの傷だ。

 

図2:2枚目の写真のUFO(レベル補正済)
かなりゴミや指紋が多い写真だ。

 

目撃者ポール・トレント

図3:目撃者ポール・トレント
写真はかなり後日のもの。もう夫妻は他界している。

 

目撃者イブリン・トレント

図4:目撃者イブリン・トレント
写真はかなり後日のもの。

 

事件が報じられた当時の新聞

図5:事件を報じた当時の新聞

参考資料(敬称略)

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