special 道草
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2003年 4月10日

竹炭・竹酢液を求めて

 佐賀県大和町
炭化工房・煙(えん)

私の125kmの通り道からほんの1kmほど入り込んだところに
竹炭を焼き、竹酢液を作ってらっしゃる工房があったので
仲間のEIKOさんたちと見学に行ってきました。

竹炭・竹酢液の生産現場を見たいという、かねてからの願いが
とても身近なところで実現したので、ご紹介します。



炭焼きといえば、山奥にあるものだと思い込んでいたのですが
行ってみてびっくり。

炭化工房は、ひなた村自然塾という、豊かな自然に抱かれた保育園の敷地内の一角にありました。
聞こえるのは子ども達の声と小鳥の声。
そして静かに立ち上る煙をながめて過ごすのは
おじいさんと思いきや、私と同世代の橋本さん。
まったく、おどろくことばかりでした。


まずはメインの土窯をご紹介。
広く各地の製炭窯を調査・研究し、ご自分で製作された窯です。
ドラム缶の窯とは違い、本格的な窯を作ったのは
 
・出来あがる炭の品質が良いこと
 ・安全性が高いこと
 ・窯作り、炭焼き技術の伝承のため

という理由からだそうです。

炭の品質は金と同じように炭素の純度によってランクがあるとのこと。
飲料水や炊飯、入浴など人の健康に直接かかわる使い方をする炭を作るために、900℃まで窯の温度を上げ、じっくり時間をかけて高純度の炭作りをしているそうです。

こちらは小型の窯。
縦割りにした竹や、オブジェなど
比較的小さいものを作るための窯です。

大きい方は土窯でしたが
こちらは中は耐火レンガ製で、ふたはステンレスでできています。
中に材料を入れたあとふたをして、さらに断熱材が上に乗ります。

これは店内に飾ってあったオブジェの一部。
竹に限らずマツボックリや、小さな栗のイガも壊れずに
きれいに形をとどめています。素材の性質を熟知し、高い技術を持ってなければ作り出せないものではないのでしょうか。

この他、大きさごとに選別した粒状炭や竹灰などもあります。
脱臭・除湿剤としての竹炭の吸着力は備長炭をはるかにしのぎ、しかもその効果は半永久的だそうです。
また、ガーデニングには粒状の炭を鉢土に混ぜるために買っていくラン愛好家の方もいらっしゃるとか。



4月17日

あれから約1週間。
小さい方の窯で竹炭作りが始まったことをお聞きして
もう一度見学に行ってきました。

材料となる竹を詰め込んで、窯口から燃料を入れて火をつけます。実際に竹そのものに火をつけて燃やすのではなく
以下に出てくる燃料用の炭を燃やして窯の温度を上げていくと
直接材料に火がついてなくても自然に炭化していくのだそうです。
煙が出なくなったら、そのまま窯の中の温度が下がるまで待ちます。
窯の中は密閉されているわけですが
温度が高いうちに開けてしまうと酸素が供給されて、せっかくの竹炭に火がつくこともあるそうです。


燃料には完全に炭化していないという竹炭を利用されています。
素人目には立派な竹炭に見えるのですが、プロの目は厳しい。
湿気取りくらいには使えるけど、ご飯に入れたりするには
これではまだ不充分だということです。

充分に温度を上げた窯で作っても、材料が置かれた窯内の位置などにより、良く炭化した部分と不充分な部分が必ず出てくるので、ひとつひとつの炭をしっかり選別しているそうです。

また、用途別の使い勝手と効果を考えて板状・粒状・筒状など
竹炭はさまざまに加工されています。


一部しか写っていませんが、右側のステンレス製の煙突は
7〜8mほどあります。
煙突は長ければ長いほどよく、たくさんの竹酢液を集めることができるそうです。


煙突のアップ。
出てくる竹酢液をそこでつかまえ、筒の中に逆流させるために、笹の葉が入れてありました。

風向きによっては煙がちゃんと排出されないことがあったり
雨水が筒に流れ込んでくることもあるので
筒先には透明傘をさしかけてありました。

煙突から逆流してきた竹酢液を集めているところ。
竹酢液は強い酸性(Ph3程度)なので、金属性の容器では腐食するため、専用のポリタンクを使っています。
ホースからポトリ、ポトリと出てくる美しい竹酢液の雫、
「なめてみませんか?」という橋本さんの言葉に、指にとって舌に乗せると
なんといったらいいんでしょうか。甘酸っぱいような、不思議な味でした。
後ろの土の山に見えるのが窯です。

竹酢液を採取するときは煙の温度帯に気をつけます。
温度が低すぎると水っぽいものになるし、高すぎると有害成分が多くなるそうです。
画像は採取した竹酢液をろ過しているところ。

静置法で、あくまでも自然に竹酢液本来の機能が損なわれないように配慮し、精製には蒸留法は使いません。

私がホームセンターで買った安価な製品には「蒸留竹酢液」と書いてあったのですが、製法、そして品質の違いが実物を比べて見るとよくわかりました。

こうして製品となった竹酢液です。
竹炭・竹酢液の製造だけでなく橋本さんは
竹や炭の使い方、作り方、歴史、品質など、幅広い知識をお持ちでした。

HPもありますので、ご覧になってみてください。
竹炭に限らず、竹に関することなら何でも質問に答えてくださいます。
  炭化工房・煙

※この文章、画像共にご本人の了承済みです。



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