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夜行快速列車・ムーンライト
夜行快速列車とは
JR線で夜間に運行される快速列車のこと。寝ている間に長距離を移動でき、宿代も節約できるので、青春18きっぷの利用期間には多くの旅行者で賑わう。夜行快速列車は様々な要因から近年大幅に運行本数が減少しており、現在は臨時快速「ムーンライトながら」(東京〜大垣)、臨時快速「ムーンライトえちご」(新宿〜新潟)、臨時快速「ムーンライト信州81号」(新宿〜白馬)の3種類が期間限定で運行されるのみとなっている。

ここで各地で運行されている「ムーンライト」の基本的な共通点を整理してみよう。
(1) 全ての列車が臨時列車(主に青春18きっぷの利用期間のみ運転)
(2) 全ての列車が全車指定席で運転 (普通車指定席券が必要)
(3) 座席定員制なので満席時は原則として乗車できない
(4) 青春18きっぷで乗車する旅行者が圧倒的に多い
(5) グリーン車指定席は青春18きっぷで乗車できない

夜行快速列車の乗車時における注意点
夜行快速列車は臨時列車で全車指定席。また、夜間に運転されるので、乗車前および乗車中には幾つか気を付けておきたい点がある。

(1) 全ての夜行快速列車は臨時列車である
かつてとは異なり、現在運転されている「ムーンライト○○」は運転日が限定されている季節臨時列車だ。青春18きっぷの利用期間に毎日運転されているというわけではない。乗車を計画する場合は、まず列車の運転日に気をつけよう。

(2) 全ての夜行快速列車は全車指定席である
現在、普通車自由席が連結されている「ムーンライト○○」は1本も存在しない。全ての列車が全車指定席として運転されているので、乗車の場合は事前に駅窓口などで普通車指定席券を購入しなければならない。人気の夜行列車は運転日1ヶ月前の発売開始直後に売り切れる場合が多いので、旅行の予定を決めたら、とにかく早めに指定席券を購入することが夜行列車に乗車する上で極めて重要なポイントとなる。

(3) 指定席券を確保できなかった場合は・・・
指定席券が確保できなかった場合は旅行日をずらして再チャレンジするか、キャンセル待ちで粘るか、あるいは夜行快速列車の乗車そのものを諦めるしかない。宿・ホテルを利用するのもひとつの選択肢に挙げられる。現在は宿泊予約サイトが発達しており、1泊素泊まり2000円台〜3000円台のプランを提供している宿・ホテルも多く見かけるようになった。全国をカバーする当サイトの宿泊予約ページを大いに活用するのも良いだろう。

(4) 手回り品の管理や車内でのトラブルに十分注意
世界の夜行列車を見渡してみれば、日本の夜行列車における治安は極めて安全な部類に入る。それでも運行時間帯が深夜であるということを考えると、油断は全く持って禁物である。周囲で寝ている人が多いことを考えると、手回り品や切符などは手元から離してはならないなど、常識的な注意は必要。

旅行者に紛れて指定席券を持たずに乗り込んでくる酔っ払いサラリーマンは性質(たち)が悪いので、トラブルの原因になりがち。フラフラしながらデッキに立っていたり、空いている座席に勝手に座ったりする。また、当サイト管理者は快速「ムーンライトながら」の車内で、指定席券を持たずに乗車してきた酔っ払いサラリーマンと車掌が激しく口論しているのを見たことがある。もし何か些細なことでもトラブルが発生したら、すぐ乗務員に知らせよう。

それから、せっかくの旅行だからといって、真夜中から明け方まで延々としゃべり続けるのも禁物。これは特に若者のグループに多く、延々と深夜の2時や3時、あるいは明け方までペチャクチャと話し続けていたりする。周囲で寝ようと思っている旅行客にとっては迷惑以外の何物でもない。夜行快速列車は基本的に寝て移動するための列車なのだから、常識的なマナーは守りたい。このことが原因でトラブルになってしまったら、楽しい旅行どころではなくなってしまう。夜行列車の車内では静かに過ごそう。

夜行快速列車 乗車のコツ
日付が変わる時刻(午前0時00分)より前に夜行快速列車に乗車する場合、夜行快速列車が0時00分を過ぎて最初に停車する駅までの普通乗車券を買って乗車すれば、車内検札時に普通乗車券と青春18きっぷを車掌に提示することで、青春18きっぷに翌日(使用当日)のスタンプを押印してくれる。

この方法は青春18きっぷ1回分(2,300円)を温存する場合に便利だ。ただし、前日から引き続き連続して青春18きっぷを使用する場合、この方法は不要だ。

*普通乗車券を併用した上記の具体例 (東京から臨時快速列車「ムーンライトながら」に乗車する場合)
乗車に必要なきっぷ
(1) 東京から小田原までの普通乗車券=1,450円 (駅の自動券売機で購入)
(2) 乗車当日にまだ使用していない青春18きっぷ (夜行快速列車の車内で車掌に普通乗車券と同時に提示)
(3) 「ムーンライトながら」の指定席券
青春18きっぷで乗車できる夜行快速列車
ここでは青春18きっぷと普通車指定席券で乗車できる夜行快速列車について紹介しよう。
臨時快速「ムーンライトながら」が発着する東京駅。早朝、東京に到着したら皇居外苑を散策するものよいだろう。
臨時快速「ムーンライトながら」
東海道本線の東京−大垣間を走る臨時夜行快速列車。日本で最も有名な夜行快速列車の一つで、知名度や人気は極めて高い。指定席券が非常に取りにくいので、発売開始と同時に窓口で購入するくらいの気合いが必要だ。10両編成で全車指定席。
運転区間:東京−大垣 (東海道本線経由)
運転期間:青春18きっぷ利用期間 (学校の春・夏・冬休み)
使用車両:183系・189系 10両編成 (特急型車両)
座席種別全車普通車指定席
途中停車駅
下り(大垣行き):東京、品川、横浜、小田原、沼津、静岡、浜松、名古屋、岐阜、大垣
上り(東京行き):大垣、岐阜、名古屋、豊橋、浜松、静岡、沼津、横浜、品川、東京
0時を過ぎて最初に停車する駅 (日付変更駅)
下り(大垣行き):小田原 (東京→小田原間の運賃は1,450円)
上り(東京行き):豊橋 (名古屋→豊橋間の運賃は1,280円)
大垣行きに乗車した翌朝、その日のうちに普通列車で到達できる駅
名古屋から:鳥羽、熊野市、新宮、紀伊田辺、長野、奈良など
岐阜から:高山、富山、金沢、和倉温泉など
大垣から:福井、金沢、京都、大阪、神戸、岡山、広島、下関、小倉、博多、熊本、八代、長崎、別府、大分、佐伯、鳥取、米子、高松、徳島、高知、松山、和歌山など
東京行きに乗車した翌朝、その日のうちに普通列車で到達できる駅
東京から:水戸、宇都宮、仙台、盛岡、弘前(好摩経由)、青森(好摩経由)、山形、秋田、酒田、気仙沼、宮古、高崎、新潟、長野、千葉、成田空港など


新潟駅で発車を待つ485系「快速ムーンライトえちご」(定期列車時代)。2010年春から183系に置き換えられた。

485系「快速ムーンライトえちご」の車内の様子。定期列車時代の青春18きっぷ利用期間外は空席が目立っていた。
臨時快速「ムーンライトえちご」
新宿と新潟を結ぶ臨時夜行快速列車。新潟行きは秋田・青森・北海道方面への利用者が多く、新宿行きは静岡・名古屋・大阪方面への利用者が多い。レディースカー(女性専用車)が連結されている。
運転区間:新宿−新潟 (高崎線・上越線・信越本線経由)
運転期間:青春18きっぷ利用期間など (学校の春・夏・冬休み)
使用車両:183系 6両編成 (特急型車両)
座席種別全車普通車指定席、レディースカー(女性専用車両)を連結
途中停車駅
下り(新潟行き):新宿、池袋、大宮、高崎、長岡、見附、東三条、加茂、新津、新潟
上り(新宿行き):新潟、新津、加茂、東三条、見附、長岡、高崎、大宮、池袋、新宿
0時を過ぎて最初に停車する駅 (日付変更駅)
下り(新潟行き):高崎 (新宿→高崎間の運賃は1,890円)
上り(新宿行き):新津 (名古屋→豊橋間の運賃は320円)
新潟行きに乗車した翌朝、その日のうちに普通列車で到達できる駅
新潟から:秋田、弘前、青森、三厩、木古内、大湊、八戸、米沢、山形、盛岡、深浦など
新宿行きに乗車した翌朝、その日のうちに普通列車で到達できる駅
大宮から:宇都宮、成田空港、水戸、郡山、仙台、盛岡、静岡、名古屋、京都、大阪、神戸、岡山、広島、新山口、鳥取、米子、高松、和歌山、鳥羽、新宮など
新宿から:甲府、松本、長野、糸魚川、富山、金沢など


臨時快速「ムーンライト信州81号」の車内。登山客の利用が多い。
臨時快速「ムーンライト信州81号」
新宿から白馬まで運転される臨時夜行快速列車。前身の急行「アルプス」時代から上高地や立山・黒部アルペンルート、中部山岳国立公園、白馬山麓のスキー場へのアクセス列車として運転されており、登山客に人気が高い。
臨時列車でありながら運転日は運転開始当初からそれほど減っておらず、登山ブームも相まって堅調さを維持し続けている夜行快速列車である。なお、上り列車は諏訪湖での花火大会開催時を除いて運転されていない。また、小淵沢以遠の停車駅が細かく設定されているのも大きな特徴といえよう。
運転区間:新宿−白馬 (中央本線・大糸線経由)
運転期間:青春18きっぷ利用期間など (学校の春・夏・冬休み)
使用車両:183系・189系 6両編成 (特急型車両)
座席種別全車普通車指定席
途中停車駅
下り(白馬行き):新宿、立川、八王子、大月、塩山、甲府、小淵沢、富士見、茅野、上諏訪、下諏訪、岡谷、塩尻、松本、豊科、穂高、信濃大町、神城、白馬
0時を過ぎて最初に停車する駅 (日付変更駅)
下り(白馬行き):立川 (新宿→立川間の運賃は450円)
白馬行きに乗車した翌朝、その日のうちに普通列車で到達できる駅
松本から:長野、直江津、飯山、豊橋、名古屋など
白馬から:富山、金沢、福井、和倉温泉など

夜行快速列車 今後の展望
国鉄時代には北海道から九州まで数多くの夜行普通列車が走っていたが、時代の流れとともにその数を減らしていった。それでも2000年代前半から半ばまでは札幌−函館間の快速「ミッドナイト」、東京−仙台間の臨時快速「ムーンライト仙台・東京」、京都−博多間の臨時快速「ムーンライト九州」、京都−下関間の臨時快速「ムーンライト山陽」、大阪−出雲市間の臨時快速「ムーンライト八重垣」、京都−高知・松山間の臨時快速「ムーンライト松山・高知」、天王寺−新宮間の通称「新宮夜行」など、様々な夜行列車が走っていた。

もちろん、これらの列車は青春18きっぷで乗車することができ、これらの列車を上手に乗り継いでいけば日本縦断や日本一周なども可能だった。当サイト管理者も学生時代にはこれらの夜行快速列車を活用して旅行をしたものである。まさに「夜行で一夜の夢をつなぐ」時代であった。しかし、2000年代後半から夜行快速列車は数を減らしていき、ついには定期夜行快速列車が日本から消滅してしまった。これには以下のような要因が考えられる。

(1)格安夜行バス、特にツアーバスの台頭
まず夜行快速列車が激減したのには、これによる影響が大きい。当サイト管理者の学生時代も終わりに近づいた2000年代半ば、異様に料金の安い夜行ツアーバスが出現し始めた。東京−青森間が片道で確か3,000〜4,000円台などという夜行ツアーバスがパンフレットで宣伝されていたのである。
これによって国から路線バスの免許を交付されているJRや私鉄系のバス事業者も格安の夜行高速路線バスを大増発し、格安料金での移動だけが目的の旅行者がそちらへ流れていった。また、近年はバスの車両そのものも進化を遂げており、夜行快速列車よりもはるかにゴージャスな夜行バスや、女性専用の夜行バスも出現している。こうなってしまうと、既存の夜行快速列車は太刀打ちが難しい。

(2)夜行列車の廃止による人件費とコストの削減
夜行快速列車を運行するのにはかなりのコストがかかる。列車を運行するのに必要な運転士や車掌はもちろんのことだが、列車の停車駅では改札を空けておかなければならないし、ターミナル駅であれば改札の駅員が必要だ。当然、ホームや待合室の明かりを照らす電気代もかかる。その割に利用客はそれほど多くない。世の中がコスト削減の方向に動いている時代、夜行列車を廃止すれば相当のコストダウンを図ることができる。

(3)車両の老朽化
夜行列車を運転する場合、全車指定制にする必要があることから、当然ながら使用できる車両は限られてくる。かつては機関車が客車を牽引する夜行快速列車が多かったが、これらの車両はほとんどが国鉄時代に製造されたもので、客車だけでなく、機関車も老朽化が著しく進行していた。老朽化による廃車でそのまま消えた夜行列車は少なくない。

(4)そもそも夜に移動する人が少なくなった
やはりこれが夜行快速列車衰退の最大の要因であろう。新幹線や在来線特急の利便性向上やスピードアップ、航空運賃の低価格化、昼行高速・路線バスの発達などにより、夜に急いで移動する必然性は薄れている。青春18きっぷの利用期間外における快速「ムーンライトえちご」の車内ががら空きであったことなどにも、そのあたりの様子が垣間見える。

・・・現在の状況を見ると、夜行快速列車がこれから先に数を増やすことはまず無いであろうし、むしろ運転本数が更に削減される可能性のほうが高いであろう。「青春18きっぷの利用期間は、あれほど人気があるのに・・・」といった論理は、上記の理由などから、もはや通用する時代ではなくなってきている。これから先は夜行快速列車に頼らない鉄道旅行のプランニングも考えておく必要があるだろう。
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