定型随想(01/9/3)
アカデミズムの長短「市場原理と国民の生命」に記した通り、科学は「アカデミズム科学」「産業化科学」「サービス科学」に大別される。 研究者は、アカデミズム科学においては同僚(つまり同じ専門の研究者)の評価を求め、産業化科学においてはスポンサーと消費社会の評価を求め、サービス科学においては人類一般の評価を求める(と言うよりは、人類一般に奉仕する)。 アカデミズム科学は大学で行なわれ、産業化科学は企業で行なわれ、サービス科学はどこでも余り行なわれていない。 研究成果は、アカデミズム科学においては無償公開され、産業化科学においては秘匿あるいは有償公開される。アカデミズムにおいて研究成果が無償公開されることは、科学を普及させ且つ監視するという観点から見ると長所である。 アカデミズムにおける研究者の意識は、「同僚」に評価を求めるために自ずから「新奇性の競技者」となるが、これにも科学・技術の進歩を早めるという長所がある。 しかしこれには、競技を暴走させ兼ねないという短所もある。 体操競技界で次から次へと新しい業が編み出され、それらの中には高難度だけれども美しくはないものも混じっているのに似ている。 サービス科学の奉仕精神と産業化科学の社会性を以てアカデミズムの暴走を抑える仕組を作ることが、「学術を通じて人類一般に貢献する」という大学の目的に適っている。 |